母校だより 2022(令和4年度)


北海道国立大学機構の発足に寄せて

国立大学法人北海道国立大学機構 理事長  長谷山彰

 北見工業大学の卒業生の皆様はじめまして。日頃の母校へのご支援に感謝申し上げます。

 2022年4月1日に発足した国立大学法人北海道国立大学機構の理事長に就任しました。同機構は北海道で特色ある教育研究を展開してきた小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学が経営統合して設立されたものです。

 小樽商科大学は小樽高商以来、創立111年の伝統をもち、北海道経済を支え、国内外で活躍する経営人材を輩出してきました。帯広畜産大学は農業・酪農家、獣医を目指す若者が全国から集まり、女子学生が六割近くを占める活気に溢れた大学です。機構も本部を置く約 60万坪のキャンパスにはエゾリスやキツネの姿が見られます。近年、産学連携の一環として上川大雪酒造がキャンパス内に「碧雲蔵」を創設し、同社の杜氏と学生がともに醸造と研究に取り組んでいます。今年の北海道産日本酒のアワードでは碧雲蔵の「純米吟醸 十勝」がグランプリを獲得しました。興味のある方はぜひ召し上がってみてください。

 そして北見工業大学は「自然と調和するテクノロジーの発展を目指して」をスローガンに、環境・エネルギー、冬季スポーツ科学、オホーツク農林水産工学連携、地域と歩む防災などの研究推進センターで、オホーツク海でのメタンハイドレート(燃える氷)研究や、寒冷地の防災工学、カーリングやスキーの動作解析、戦略分析など特色ある研究に力を入れています。北京の冬季五輪で活躍したカーリングチーム・ロコソラーレのメンバーの一人も北見工大の卒業生でした。

 三大学を統括する機構本部の使命は経営の効率化と財政基盤の強化によって、三大学の教育研究の発展を支援することです。三つの国立大学法人の経営統合ははじめての試みであり、理事長と学長を分かち経営と教学が分離したことも特筆すべき点です。大学は経営と教学が車の両輪となって協力することで、はじめて前進しますが、このことは国立大学では必ずしも明確ではありませんでした。1919(大正8)年に大学令が施行されてから、国立大学では国家が設置者であり、いわば経営者でした。北海道国立大学機構の設立は大学令施行から約100年を経て、国立大学における経営と教学の分離が名実ともに実現したことを意味しています。

 国立大学法人の財政の柱である運営費交付金は平成17年度の約1兆2400億円から10年間で約2400億円減少し、否応なしに自主自律的な経営努力が必要になっています。私は自由でおおらかな民間の気風あふれる慶應義塾で学生、教員として過ごし、学生部長、学部長、常任理事、塾長(理事長兼学長)と、教学と経営両部門の役職を務めてきました。また私立大学連盟会長として私立大学の抱える課題の解決にも取り組みました。その経験を活かして、国立大学法人の改革に貢献したいと願っています。

 小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学は広域連携を実現するために、教育イノベーションセンター(ICE)を設立し、高度なオンライン授業・会議システムの開発、数理データサイエンス科目、ベンチャーマインド醸成科目など科目の相互提供、あるいはアントレプレナーシッププログラム、スマート農畜産業プログラム、スポーツ・健康プログラムなど文理融合の副専攻型プログラムの開発を進めています。またオープンイノベーションセンター(ACE)では、AI/IoTスマート農畜産プロジェクト、行政、企業、地域コミュニティが協力する総合防災プロジェクト、道内空港を活用した観光プロジェクトなど地域課題の解決やグリーン社会の実現を目指す産学官連携研究プロジェクトがはじまっています。

 北海道は、人口減少や産業構造の転換など課題を抱えつつも、食料自給率日本一、 新エネルギー導入ポテンシャル日本一、都道府県魅力度ランキング一位と評価される豊かな北の大地であり、学生や研究者が世界から集まる「知の拠点」となりうる潜在力を秘めています。

 桜の開花の遅い帯広では、五月の連休のころ、機構本部の理事長室の窓から白樺や緑の灌木、林の中に、色の濃いエゾヤマザクラが点在する風景が見え、7月半ばには郊外の見渡す限りの小麦畑が黄金色に染まりました。この秋には帯広と北見を往復する車の中から十勝の大平原とは違い、なだらかな丘陵が幾重にも入り組む北見オホーツク地域の美しい景観を眺めました。北見市街のピアソン記念館では明治期の北見野付牛におけるピアソン夫妻の足跡や内村鑑三との交流を知りました。地ビールやホタテなど海鮮たっぷりの塩焼きそばも忘れられない味です。

 「北の大地から世界へ ~この道を拓き、挑む」、北海道国立大学機構はこのスローガン通りに躍進をめざします。同窓会の皆様におかれては、機構のもとで発展する北見工業大学、そして小樽商科大学、帯広畜産大学が連携する新しい挑戦を応援してくださるようお願い申し上げます。

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会誌発行に寄せて

北見工業大学学長 鈴木聡一郎

 ポストコロナの世界がおぼろげながら見えつつある昨今ですが、同窓会の皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。感染症が世界中に拡大し始めて、早くも3年が経とうとしていますが、幸いなことに学内での感染拡大やクラスター等は発生していません。引き続き、教職員と学生の安全・安心に取り組みながらも、講義や会議など、少しずつ平常の状態に戻していこうと思います。同窓会支部で開催いただいている総会についても、対面で皆様にお会いできることを願っております。

 入学式や学位記授与式につきましては、入学生、ならびに卒業・修了生だけを対象に、対面で実施いたしました。学位記授与式は、3年ぶりに市民会館で執り行うことができました。また、6月には大学構内のエリアを限定したうえで、大学祭も開催できました。受け継がれてきた先輩のノウハウが途切れてしまったため、飲食の出店はずいぶん苦労していた様子でしたが、生き生きとした学生諸君の姿が印象的でした。

 少しずつではありますが、来訪者やイベント開催なども本来の姿を取り戻しつつあります。6月7日には、室伏スポーツ庁長官が北見工業大学を訪れ、冬季スポーツ科学の取組みを視察されました。これは北見市が、スポーツ庁の「スポまち!長官表彰」を受賞したことにより実現したものです。実際に対面した室伏長官は、「さすがオリンピック金メダリスト」と思わせる、素晴らしい体格の持ち主でした。冬季スポーツ科学研究推進センターの研究紹介では、有意義なディスカッションもでき、センターに所属する教員や総合型選抜で入学している競技選手の学生にとって、大変励みになる視察となりました。最先端の分析装置を有するカーリングホールや、市民スキー場を研究設備として使用する本学の研究成果に触れ、「産学官連携がすばらしい。全国にモデルケースとして広がってほしい」と述べられたことが報道されました。また、北京オリンッピクでロコ・ソラーレが見事銀メダルを獲得したことは、皆さん記憶に新しいかと思います。前回の銅メダル獲得時には、北見市がパレードや記念講演会などを大々的に行いましたが、今回はコロナ禍の影響を受け、市長とメンバーの動画配信に止まりました。本学では、ロコ・ソラーレのオリンピックでの大活躍が、冬季スポーツ研究の推進に、とても大きなメリットをもたらしてくれていますので、9月12日にロコ・ソラーレのメンバー全員に来学いただき、講堂で北京オリンピック銀メダル獲得祝賀会・記念講演会を開き、大盛況のうちに終えることができました。

 本年の教職員異動につきましては、令和4年3月に理事副学長を務められた社会環境系の川村彰先生と機械電気系の田村淳二先生、同系の仲村宏一先生、そして技術部の山根美佐雄さん、堂田誠治さんが退職されました。また、機械電気系の橋本泰成先生と社会環境系の川尻峻三先生が他大学に転出されました。皆様の長年に亘る本学へのご貢献に感謝申し上げます。

 さて、本学は本年4月に帯広畜産大学、ならびに小樽商科大学と経営統合、「国立大学法人 北海道国立大学機構」の一員としてスタートしました。三大学の連携教育、連携研究に対しては、自治体や企業の非常に大きな期待を感じております。そのような中で、本学がプレゼンスを発揮できるよう、尽力していきます。皆様も、有力なステークホルダーとして応援いただければと思います。

 大学周辺の雰囲気も、色々と変化があります。本学が管理者となっている「アルゴグラフィックスカーリングホール」の隣に、桑原電工株式会社が先進的なスタイルの新社屋を建設し、本学との研究コラボレーションを進めていただいています。1階の一部にはなんと、スターバックスがテナントとしてオープンし、連日来店者で賑わっている状況です。「KIT Front(工大前)」と名付けられたこのスペースによって、大学前がとても華やかな雰囲気になってきました。機会がございましたら、是非足をお運びください。

 結びとなりますが、同窓会会員の皆様におかれましては、引き続きご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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3大学統合、元年に際して

同窓会会長(昭和53年機械工学科卒業) 有田敏彦

 同窓会の皆様も既にご存じとは思いますが、本年4月に3大学統合による国立大学法人北海道国立大学機構が動き出しています。この統合は文科省の実験プラントのような位置づけかと思っているのは私だけではないと思いますが、そうであれば当然のことながらいろいろな面で成功することが要求されます。その中には機構の仕事と言うわけではありませんが、重要な関係機関である同窓会もまた含まれるかと思います。すでに道内支部の中には3大学同窓会支部の総会を睨んだ連携を進めている地域もあり、今後は増えていくことになるでしょうし、どういう形が望ましい進め方なのかの検討をしていくことになるかと思います。同窓会それぞれに各大学への思いもあると思いますので、名を残す等を含めて大いに議論すべきかと思っています。

 さて、今年も新型コロナウィルスの話題を出すのも困った物ではありますが、今もなお猛威を振るっております。講義等は徐々にリアル講義に戻ってきているようですが、学生にとっては生活の面で苦しいのも実情のようです。また、最近はWITHコロナの風潮もあり、学生アルバイト先も回復傾向となってきており、街の動きはこれまでよりは活発になってきています。それでもまだまだのようです。学生ばかりでなく、同窓生の皆様におかれましても、公私ともに苦慮されていることと推察いたしますが、いましばらくの我慢が必要になっているかと思いますので、近くにいられる同窓生との連携、協調を図りつつ乗り切っていただきたいと思います。

 このような中、本学の周辺にも大きな変化がありました。カーリング場が出来たことは周知の通りですが、そこでは地域大会はもとより日本レベルの大会も実施されロコソラーレの活躍と共に北見工業大学チームやKITカーリングクラブの活躍がスポーツコーナーや地方版コーナーに数多く掲載され、オホーツク地域に明るい話題を提供しています。身近にオリンピアがいて、練習を含め高い競技レベルを見ることはあらゆるスポーツにおいても「ここまでやらなければ」と言うよい体験にもなると思っています。その意味では現代スポーツは科学ともに発展もしているので、大学の果たす役割は大きく、本学がスポーツに関わる意義は深いことを感じられる施設となっているかと思います。同窓生の皆さんも是非お立ち寄りください。

 もう1つ大きな変化がありました。大学の目の前にスターバックスコーヒーKITFront店がオープンしました。学生はもとより大学に訪れる同窓生、リクルートで来学の企業の方々には作戦会議の場として、待ち時間の調整、憩いの一時等大学生協では「ちょっと」という方にはうってつけの場所が出来たと思います。北見市内の企業の研究所との併設、連携で設置され、北見市も条例緩和等の柔軟な配慮があって実現しました。こういったことでこれからも官学民一体となって地域活性化を推進するきっかけになるではないかと思います。もちろん学生にとっても同様な要素とアルバイト先が身近なところに増えたと言う面でもありがたいのかと思います。

 さて同窓会本部についてですが、今年も総会はリモートで行うこととさせていただきました。各支部においても書面総会等を余儀なくされているのかと思いますが、年に数回しかお会いできない同窓生との貴重な集まりですので総会を中止するのも残念ですし、我々退職をしたものにとっては、益々機会が減り残念を通り越した心境ですので、リモートでも開催できればとの思いでした。大変残念でしたが、ご理解いただきたいと思います。

 この中で、前年度から懸念事項とされています事務局体制の見直しについては個人情報保護と向き合いつつ持続可能な事務局体制確立に向けて、ワーキンググループの答申を踏まえ進めていくことになっています。また、現役学生への同窓会活動のアピールを含めた支援活動についても大学やKIT元気会、地元の有志を巻き込んだ形で実施する「フードバンクin北見工業大学」に参画することになっています。趣旨は「コロナ禍によるバイト減などで収入が減った工大生を対象にフードバンクin北見工大を開催する。」と言うものです。現在、学生支援課が中心となって企画を練っています。同窓会、KIT元気会ではイベント費として金銭的支援や企画によっては出店を含めて考えたいと思っています。

 こういったことを含め同窓会を大いに利用してもらい現役学生にも同窓会の大事さを伝えられればと思っています。北見工業大学を永遠の学び舎とする意味でも、同窓会活動はぜひ同窓生によるワンチームで運営できればと思っています。皆さん是非ご協力をお願いします。

 最後になりますが、3大学の同窓会の在り方や将来的な連携活動のためにも、まずは、皆様コロナに負けず健康に留意され、ポストコロナにおいては、さらに盛り上がる同窓会になるよう期待しています。62周年、これからも同窓生各位のご支援、ご協力をよろしくお願いたします。

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私は忘れない♪

機械電気系 柴野純一

 私は、平成16年3月1日、国立大学が法人化する1カ月前に北見工業大学工学部機械システム工学科材料力学研究室へ助教授として着任しました。大学の修士課程を修了後、民間企業に 5年ほど勤務したのち、母校で助手・助教授として 16年ほど勤めていましたので、北見工大赴任時は既に 40代半ばでした。当時の材料力学研究室は小林道明教授(本学名誉教授)、三浦節男助手、大森誠一技術員で構成されていました。小林道明先生はたいへん難解な非線型波動伝搬特性を利用した材料損傷評価の第一人者でした。超音波顕微鏡を用いた材料の力学特性評価手法も開発されており、金属材料のみならず骨などの生体材料に適用した研究も展開していました。私もそれらの研究に参加させて頂くとともに、前任大学から取り組んでいた「白色X線を用いたひずみ・応力測定」と「生体力学・バイオミメティクス(生体模倣)」を中心に研究を推進しました。

 白色X線を用いた研究は専用の装置を必要としますが、前任大学の装置が保守契約期間を過ぎ廃棄となった頃に、幸運にも兵庫県にある大型放射光施設(SPring-8)のビームラインを利用できることになり、世界最高性能の放射光白色X線を用いた研究を開始しました。SPring-8では、平成17年から平成26年までの10年間で計19回の申請研究が採択され実験することができました。私たちの実験は主に9シフト(1シフト8時間)で行いましたが、シフト課金制のため夜間のシフトも無駄にできず徹夜の実験です。通常の X線であれば鉄鋼材料に対して10数μm程度の透過能に対して10数mmも透過するような高エネルギーの放射光白色X線を扱いますので、安全のため必ず二人以上で実験しなければなりません。利用初期の頃は、私と学生1、2名でしたので、少し長めの測定の時に仮眠をとりながらの実験は体力的に厳しく、帰りのバス・列車では皆熟睡でした。それでも実験成果が論文として国内外で認められ、科研費獲得も続き、それを励みに頑張ることができました。多くの学生の皆さんとSPring-8に行きましたが、最先端の研究施設での緊張感ある実験は貴重な経験になったと思います。帰路に立ち寄った神戸や姫路でのひと時もいい思い出です。

 バイオミメティクス的研究では、帆立の貝殻の構造・力学特性や貝柱の接合メカニズム、魚の鱗、蟹の爪、ウニの刺などの生体硬組織・軟組織の構造・力学特性評価を行いました。生体は最適な構造と優れた機能を有しており、極端なことを言うと、工学は生体の構造・機能を模倣・再現しているようなものです。まだまだ未解明な研究対象がありますので、今後の展開が期待されます。

 教育では、引継いだ科目や分担も含め、材料力学、弾塑性力学、有限要素法、バイオメカニクス(大学院)、生体工学概論(後にバイオエンジニアリング)、創造基礎、創成工学I、CAE、安全工学概論などの講義を担当しました。力学系の科目を苦手とする学生も少なからずいて、特に材力では再試験を一度ならず二度、三度と受験する学生もいました。ただ、小林教授時代から一貫して、材料力学の式そのものよりも解を導くまであれこれ考える過程が大事であると伝えてきました。学生の皆さんが社会に出てから目の前に現れた困難に立ち向かう時に、きっと役に立っていると信じています。

 本学山岳部顧問の原田康浩先生に雌阿寒岳登山に誘われて以来、北大雪、東大雪、知床、道東の山々に毎年行くようになりました。研究室の皆さんとは緑岳、摩周岳や仁頃山などにハイキングに行きましたが、それも楽しい思い出です。

 北見工大での後半は、学長補佐も含めると10年ほど大学運営も担当させて頂き、執行部の一員として大学、学生、教職員のためを第一に対応してきました。ちょうど、学士課程、大学院博士前期・後期課程の改組が連続したため、毎年のように学内会議や文部科学省との打合せ、書類作成をやっていました。ただ、学部改組後の教務関係では、皆様に過渡期の混乱やご負担をおかけしたことを申し訳なく思っています。理事職に就く際に、大学運営のエフォートを最大限にするため、研究室運営を免除されました。三大学の経営統合のタイミングで退職まで残り1年で理事職を離れましたので、現在も指導する学生はいません。毎年、学部・大学院と10数名の学生の指導をしながら研究や教育を続けていた時代を想い起こすと、そのような環境が、いかにやり甲斐があり教育・研究者としての成長に欠かせないものであったのか、今更ながら実感しています。その意味で、材料力学研究室の卒業生の皆様や講義を受けてくれた学生の皆様に感謝しております。

 題目には、私も好きな昭和歌謡の「私は忘れない」(岡崎友紀)を使わせて頂きました。19年間単身赴任だった私も、退職後はいよいよ北見を離れます。歌の歌詞になぞらえて、今は「北見工大の発展を私は祈る。すべてをつくした感謝をこめて。北見の青空を私は忘れない.」思いで一杯です。これまでお世話になった同窓会の益々のご発展と卒業生の皆様の一層のご活躍を祈念して、退職のご挨拶とさせて頂きます。

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工大入学から46年間を振り返って

社会環境系 地域未来デザイン工学科/社会インフラ工学コース 早川博

 今から46年前の昭和52年(1977年)4月、私は本学土木工学科に入学した。当時の大学正門は東6号と夕陽丘通りの交差点に面しており、そこから斜めに学舎に向かう坂を登っていくと正面玄関が見え、右手の現在の講堂付近は平坦な芝生が広がり、その奥に図書館と入学式会場の現在の第1体育館にたどり着きます。講堂付近の芝生は昼休みにソフトボールを楽しむ場所であり、春のプレ大学祭の会場となったのも懐かしく思いだされます。入学式では、2代学長の松本秋男先生の前で慣れない挨拶して席に戻ると、ドンブリで日本酒を飲まされた寮生が顔を真っ赤にしていたのを覚えています。今と違って当時の大学生は飲酒に関しては寛大な時代で、新入生歓迎コンパ(通称、シンカン)では安価な北見の地酒を一升瓶ごと温燗して飲まされ、これがトラウマで就職後も日本酒が飲めない時期がありました。このシンカンも学科体制が改組されたころから自然消滅し、入学式が学外の市民会館で開催するようになってからは、道外勢の入学生が増えた影響もあって、父母だけでなく兄弟、祖父母の家族一同の姿も見られるようになりました。ここ数年はコロナ禍の影響で本人だけ参加の入学式となっていますが、早く、家族総出で参加する風景が戻って来ることを願っています。

 私の学生時代は道内出身者が大半を占め、道外勢のほとんどが東北勢だったと記憶しています。逆に、地元のオホーツク地域出身者も多く、同期40名中、私も含めて8名もいましたが、就職で地元に残ったのは私だけで、他学科も含めても数人という状況は現在と同じです。また、卒業式の夜の部である謝恩会は私たちの時代は各学科で開催されていましたが、一時期、卒業式が3月25日前後に移動した頃から、勤務地の関係で卒業式への出席者も減少して謝恩会も開催されなくなり、いまは社会環境系だけが残っているだけでした。それもコロナ禍の影響で開催できず、また、再開できることを願っております。

 さて、昭和56年(1981年)4月から本学に助手として勤務することになったきっかけは、その当時、助手をされていた土木6期生の三宅和子先輩の寿退職でした。私は公務員希望で、国・道・市町村試験を受けながら、2月に採用試験がある北見市役所を目指して、卒研と公務員試験対策に励んでいた 11月頃に、突然助手の話が飛び込んできました。当時は現在と違って大学教員の公募は少なく協議採用が大半で、既に土木工学科助手にも1期生の山田洋右氏と5期生の鰀目淑範氏がおり、他の学科でも教務職員も含めると十数名の OB・OGが在職していました。もし、先輩の退職がなければ、今とは違った人生を歩んでいたことでしょう。当時、本学は大学院が設置される前でしたので、先に在職された先輩方も大半が学部卒で、このまま研究者の道を進むことができるのか不安の中のスタートでした。私は卒研が菅原登先生の橋梁工学研究室でしたが、配属先が内島邦秀先生(現職の内島典子教授の御父上)の河川工学研究室になり、最初は学生実験・測量実習の指導の他、連日、卒研学生と一緒に河川の水理模型実験に取り組んでいました。内島先生が昭和 57年(1982年)に東京工業大学・福岡捷二先生のもとへ国内留学され、私も何度か内島先生のいる東工大を訪ねた縁で、福岡先生だけでなく日野幹雄先生他、著名な先生方との交流が始まり、さらに、内島先生の後輩であった山田正先生が北海道大学の藤田睦博先生の講座に異動されたのを契機として、私も平成元年(1989年)に藤田研究室へ国内留学することができ、その後に水文学分野で平成9年(1997年)に論文博士(工学)の学位を取得することができました。本学に残った当時の不安の中で模索していた頃から、実に 16年後のことでした。現在、本学にも博士後期課程が設置され、社会人入学すると3年間で課程博士を取得することができます。卒業生の皆様も、キャリアアップを目指して博士課程に社会人入学してみませんか?授業料免除や履修期間延長・猶予等の制度もありますので、是非、ご検討ください。

 また、私は在職42年間で、内島研究室助手時代の平成13年(2001年)3月までに110名の卒研生と、また平成13年4月に助教授に昇任してからは今年までに79名の学部生と 15名の院生を送り出しました。助手時代は学生部屋が水理実験室の中2階の6畳間で、そこに学生5名と同居して、実験水路の砂の動きを撮影したビデオから砂の移動個数をひたすら数えていたり、実験水路の給砂装置を学生と一緒に手作りし、夕方からはコンパで疲れを癒し、ときには繁華街に繰り出したことが懐かしく思い出されます。また、博士論文に取り組んできた時期は、論文作成や国内外の学会発表などで最も多忙な時期で、学生達には何かとお手伝いをしてもらうなど、この場を借りて感謝いたします。

 最後に、この春に卒業する皆様へのお願いがあります。近頃の卒業生は同窓会に関心が薄いようで、同窓会各支部にお話を伺うと、どこも若手の人材確保に苦戦しています。就職して直ぐに参加するのは難しいことですが、道外各地にも同窓会支部があることを覚えておいてください。私は今後も同窓会活動に携わっておりますので、皆様とどこかで再会できることを楽しみにしております。

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これまでの教育研究生活を振り返って

応用化学系 地球環境工学科/先端材料物質工学コース 阿部良夫

「定年退職」という言葉には、なかなか実感がわかったのですが、いつの間にか数ヶ月先に迫ってしまいました。私は、1994年4月に機能材料工学科(現在の先端材料物質工学コースの前身)に助教授として採用されました。北見工大に機能材料工学科が設置された2年目で、現在の 15号館は、まだ建設の途中でした。

 教員に採用された後は、当然、講義をするのですが、私はあまり得意でなかったので、学生の皆さんには迷惑をかけてしまったように思います。特に、最初の頃は、授業が終わると、すぐ次の授業の準備にとりかかるという自転車操業の状態が続きました。また、講義の方法についても、教員から学生への一方通行にならないようにしたかったのですが、なかなか実現できないままとなってしまいました。それでも、少し工夫したのは、統計力学の説明で、サイコロを使った簡単な机上実験をしたことです。100回くらいサイコロを振ると、それらしい分布関数が得られます。パソコンを使えば、すぐにきれいな結果が得られますが、自分の手を動かす実験の方が、理解が深まるのではないかという思いでした。また、学生実験でも、注射器を使って真空ポンプを作製する実験テーマを作りました。これも、ブラックボックスはできるだけ避けて、自分が何をしているのか見えることで、真空についての理解を深めてもらえればという意図でした。

 一方、研究の方は、学部の卒業研究から数えると44年になります。博士後期課程までの6年間は、ポリフッ化ビニリデンという高分子材料の分子運動を調べるため、弾性率や誘電率の測定をしていました。実用的な応用は考えず、全く基礎的な研究でしたが、学会発表や論文執筆などの経験をとおして、自分も研究者になれるという自信を得ることができたのは、大きな収穫です。その後、日立製作所の研究所で 9年間、フラットパネルディスプレイや半導体メモリの研究に携わりました。大学とは全く違う薄膜技術や真空プロセス、光学測定などの実験を先輩に一から教えてもらいました。その経験は、北見工大で研究を進める上での大きな財産になりました。ただ、企業の研究は、製品として世に出れば成功ですが、実用化の目途が立たないと研究テーマが無くなり、研究グループも解散という世界です。私の場合、なかなか良い成果が出ず、1990年代のバブル崩壊などもあり、研究の厳しさを経験しました。

 そんな時に北見工大に採用されたのは、本当にラッキーだったと思います。北見工大では、教授の佐々木克孝先生、助手の川村みどり先生、技官の山根美佐雄さんと私のスタッフ4名で、電子材料研究室の研究がスタートしました。研究テーマは、スパッタリング法や真空蒸着法などの真空技術を使って金属、酸化物、窒化物などの薄膜材料を作製し、その構造や物性を評価しました。大学は、研究予算の制約がありますが、研究テーマは教員の選択にまかされているので、会社に比べると自由度の大きな環境です。このため、すぐに成果が出なくても、5年、10年と継続できることは、大きな特徴です。事前に教員が予想した通りの実験結果が出るのはもちろん良いのですが、学生さんから予想外の結果が報告され、その解決を考える中から、新しい研究の突破口が見つかったことが、何度もありました。ここ 20年くらいは、学生さんの協力を得てエレクトロクロミックという電気化学的に色変化する材料の研究を軌道に乗せることができました。また、実験装置も少しずつ改良して低温水蒸気スパッタ装置という武器を手に入れることができて、自分なりに満足できる研究を進められたように思います。

 北見工大で29年間の教員生活を送ってきましたが、ようやく区切りをつける時が来ました。最後の3年間は、新型コロナウイルスの感染拡大という緊急事態が発生して、教育・研究ともに大きな変化を経験しました。オンライン講義やハイブリッドの学会も普通になりましたが、今後は、対面の良さとオンラインの便利さを生かしたさらに良い方法が確立されればと期待しています。最後に、北見工大の教員、事務職員、技術職員の皆様には、大変にお世話になりましたこと、深く感謝申し上げます。また、学生の皆さんには、今後のご健康とご活躍をお祈りいたします。

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同窓生の活躍

〇今年も卒業生の協力で技術セミナーを開催

 本学では平成19(2007)年から社会貢献の一環として、本学出身の技術士にご協力いただき、技術士の資格取得希望者を対象とした講義や添削指導等による、資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年実施しており、今年で16年連続の開催となります。

 民間会議室を会場として、林克恭氏(昭和59年土木工学科卒 (株)豊水設計)、坂口彰則氏(昭和61年旭川工業高等専門学校卒 (株)ドボク管理)、小杉勝則氏(平成2年土木工学科卒 (株)北未来技研)、佐藤之信氏(平成2年開発工学科卒 (株)豊水設計)、天内和幸氏(平成8年開発工学科卒 (株) FAプロダクツ)、岩渕直氏(平成17年土木開発工学専攻修了 (株)構研エンジニアリング)、中本篤嗣氏(平成14年土木開発工学専攻修了 (株)福田水文センター)の7人の講師陣で実施しました。

 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響から回数を減らして全2回の開催としましたが、今年については例年どおり全4回の講座を開講することができました。

 本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、毎年、募集と同時に定員に達するほど大変好評を博している講座です。

 当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。

 筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も引き続き受講生から多くの合格者が出ることが期待されます。

(研究協力課)

講義を行う岩渕講師

中本講師(写真中央)の指導を受ける受講生

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母校だより

〇令和4年度北見工業大学公開講座

 北見工業大学では、本学の専門的・総合的な教育・研究を社会に広く開放し、工学・科学技術を理解していただくとともに、生活との関連性等について学習する機会を地域の皆様にご提供するべく、公開講座を開催しております。

 詳細は本学ホームページ等で御案内しておりますので、ご興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

(研究協力課)

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母校だより

〇フードバンクへの協賛、支援事業のご報告

 2022年10月21日、22日、北見工業大学生協食堂においてフードバンクが開催されました。

 以下に、同窓会会長のあいさつ文を掲載します。なお後日、鈴木学長より、礼状を頂いたことを合わせてご報告します。

  会長あいさつ

 ただいまご紹介いただきました、北見工業大学同窓会の会長を拝命しています、昭和53年(1978年)機械工学科9期卒業の有田です。また、2020年、昨年3月で2回目の卒業、いわゆる定年退職を迎えました。現在の3年生で地域マネジメント工学コースの学生含め1回ぐらいは講義を受けてもらっているかと思います。北見在住ですのでよろしくお願いします。

 さて、これまで同窓会は大学の秘密の財布的な活動ととらえられる傾向にありましたが、それだけではないところを示したいと、かねてより同窓会内で検討されてきました。ここ数年、サークルへの支援を進めており、まだまだ始めたばかりですので5サークル程度かと思いますが金銭的な支援を行ってきています。

 このことに加え、コロナ禍における支援もぜひ行おうと遠くの先輩方の意見が多くあり、昨年は市民レベルでのフードバンクあり大学主催のフードバンクありと同窓会としては後れを取りましたが、今年は何としても支援したいと同窓会の総意で参加させてもらいました。同窓会はこれからも、現役学生はもとより先輩方会員の皆様に就職や、再就職、Uターンの相談に、また、同期会の開催等への協力と、約2万人の先輩たちの人脈、絆を活用できる皆さんのための同窓会として活動し「夢と思い出の支援」を届けられるよう検討していきます。

 現役学生も卒業とともに同窓生ですので、同窓会活動を理解してもらい、ぜひ同窓会に参加してください。3大学統合で本学の存在感を出すためにも同窓会活動は今までより大切になってくると思っています。会費は生涯1度だけです。ぜひ入会してください。また、何かあればご相談ください。

 最後になりますが、フードバンク開催を企画いただいた、大学関係者の皆様、また、多大なご協力をいただきました北見管内漁業協同組合様、KIT元気会様に感謝を申し上げ、わたくしのあいさつとさせていただきます。

 この度は誠にありがとうございました。

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=学科だより=

地球環境工学科 エネルギー総合工学コース

 同窓生の皆様、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度も昨年度と同様にコロナ禍の影響もあり、就職状況については危惧していましたが、幸いな事に今年度も順調に内定を獲得できており、同窓生の皆様が各会社において「北見工業大学の学生であれば大丈夫だ」という社会的評価を得ている事が要因だと、大変感謝しております。今年度も引き続きリクルーターとして本学に訪れる事は難しいかと思いますが、このコロナ禍が収束し会社でリクルーターを依頼された際、是非母校を訪問してください。

 エネルギー総合工学コースでは、昨年度で田村淳二先生と仲村宏一先生がご退職されましたが、今年度より先端材料物質工学コースから私大野と平井慈人先生が異動してきており、新たに蓄電デバイスに関する研究室が増える事となり、これまで以上に機械・電気・化学エネルギーに関する研究グループが充実する事になりました。また今年度より新たに稲葉一輝助教が本学に着任したことで、新しい力も増えています。同窓生の皆様の方からエネルギーに関する相談などがありましたら、是非ご相談ください。

 またコロナ禍の中ではありますが、エネルギー総合工学コース所属の各教員はそれぞれ、研究活動に熱心に従事しており、今年度も高いアクティビティーを発揮しています。今年度より帯広畜産大学及び小樽商科大学との三大学連携の動きが一気に加速し、今後北見工業大学全体が大きく変わってくるとは思いますが、引き続き大学全体の活性化に大きく寄与していく事になると感じています。

 最後になりますが、同窓生の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念するのと同時に、北見工業大学が母校であることを誇りにご活躍ください。

(コース長:大野智也 記)

○無機材料研究室

 修了生・卒業生の皆さん、いかがお過ごしですか。本年度の無機材料研究室は、大学院生4名、学部生2名の計6名で活動していますが、技術補佐員を引き続き2名雇用、インドからの博士研究員を1名雇用、さらにスロバキアから博士研究員が1名短期滞在しており、計10名と例年とあまり変わらない人数になっています。また昨年度同様に国内・海外企業との共同研究は変わらず、さらに全固体型リチウムイオン二次電池関連で NEDOでの研究活動も継続と、大野も学生と共に忙しい日々を送っています。また昨年この場でお知らせしたように、地元企業との共同研究及び工場の立ち上げは一段落したものの、この件に関連して本州の企業から新たな問い合わせが来ており、おそらく来年度より新しい仕事が始まる事になります。そのため引き続き、オホーツク圏内の発展に関わる仕事を続けて行く事になりそうです。研究室の詳細は研究室のホームページをご覧ください。

 研究室 web site

 http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/catalyst/

 学生の近況ですが、今年度の学部生も全員大学院に進学する事となっており、卒業研究テーマについて日々勤しんでおります。また修士課程の学生もオンライン及び現地開催の学会での発表を着々とこなしており、研究活動を活発に行っています。

 卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。

(大野智也 記)

○伝熱システム研究室

 令和3(2021)年度は、博士前期課程修了生3人と学部生6人の内大学院進学の一人を除き、8人が民間企業に就職しました。研究室学生の学会発表は、伝熱シンポジウム(5月オンライン開催、加藤大介君)、国際ワークショップIWMST 2021(9月オンライン開催、オーラル発表:Daisuke KATO、Shinya YAMADA、ポスター発表:Yuya SHIKAMI、Ryoya TAMADA)、日本機械学会年次大会(9月オンライン開催、爾見悠哉君)、熱物性シンポジウム(10月オンライン開催、山田慎也君)がありました。学業面では、爾見悠哉君(博士前期課程)が 2021年度日本機械学会三浦賞、玉田凌也君(学部生)が 2021年度SICE優秀学生賞を授与されました。

 令和4(2022)年度の研究室スタッフは、教員2人(森田慎一、羽二生稔大)、学生5人(博士前期過程1人、学部4人)の体制です。今年度の研究テーマは、カーボンナノチューブを用いる蓄熱高速化、スターリング冷凍機の性能評価、多相流体による熱輸送と伝熱促進、スパイラルマグナス風車翼周りの流動シミュレーション、DSCによるカーボンナノチューブ可溶化分散水の凍結融解観察などです。シミュレーション、実験・分析機器の見学が可能です。近くまでお越しの際は、研究室へ連絡下さい。

(森田慎一 記)

○エンジンシステム研究室

 コロナ禍に加え、ロシアがウクライナに軍事侵攻するなど、先行き不透明な情勢が続いていますが、卒業生の皆さんは変わりなくご自身のなすべきことを全うされていることと思います。今年は8名の学部生が配属され、2名のM2と4名のM1で研究に励んでいます。研究の方では、今年は新たにハイスピードカメラを導入することができました。ディーゼル噴霧および噴霧燃焼の研究ではかねてから熱望していた機器ですが、最新のハイスピードカメラの性能には目を見張るものがあり、噴霧関連の研究を大きく進展させることができそうです。

 昨年から今年にかけて、研究室スタッフに異動がありました。まず、2017年に当研究室に加わっていただいた胡先生が昨年12月にご退職されました。胡先生のこれまでのご功労に感謝するとともに、新天地でのご活躍をお祈り申し上げます。そして、今年4月より稲葉先生が新たに助教として着任されました。稲葉先生は自動車会社にお勤めの経験がおありなので、その経験を教育研究に活かしご活躍されることを期待しています。卒業生の皆さん、コロナによる行動制限もだいぶ緩和されましたので、ぜひ機会を見つけて研究室に遊びに来てください。

(林田和宏 記)

○応用流体工学研究室

 こんなに長引くとは思っていなかったコロナ禍ですが、卒業生の皆様の状況はいかがでしょうか。当研究室は、これまで濃厚接触者になりかけた人はいますが、幸いなことに感染した人はいません。研究室全体でのコンパ等の行事はまだできていませんが、有志による大学祭参加(テイクアウトのみの焼き鳥販売)やもんじゃパーティー、おもしろ科学実験(紙飛行機)も参加者数を少なくして実施しました。11 月には熊本で久しぶりに学会が対面で行われるので、2名の院生が講演発表の予定です。少しずつですが、従来の研究室活動が復活してきました。現時点では、3月の卒業旅行ができるかが心配事項です。皆様におかれましても早く日常が取り戻せることを願っております。

(松村昌典 記)

○流体工学研究室

 卒業生の皆様方におかれましては元気に活躍のことと存じます。本年3月を持ちまして小畑技術員が再雇用期間を終えられました。長年にわたり研究室をご支援いただき本当にありがとうございました。今後益々のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。4月からは佐藤敏則技術員が応用流体研と掛け持ちで当研究室を支援していただいています。今年度の研究室は、M2が4名、M1が1名、学部生が8名で全員希望の進路に進む予定です。8月より12号館(旧機械2号棟)改修工事が始まりました。実験室は次年度2期工事の予定で、2階研究室がなくなり、4階教員室は8号館に仮住まいとなっています。実験室は学内から出入りすることができないため雪の季節が心配です。そして来年予定の実験室引っ越しは今から気が重いですが、きっと何かいいこともあることでしょう。卒業生の皆様の近況を知ることはたいへん大きな励みとなります。ぜひお知らせください。皆様の益々のご活躍を祈念しています。

(高井和紀 記)

○計算流体力学研究室

 皆様お元気ですか?令和4年度は、学部4年生3名と私(三戸)の計4名で元気にやっています。12号館(旧機械工学科2号棟)の改修工事が秋に始まり、3名の学生は来春まで学務課の前にある倉庫みたいな暗い部屋に閉じ込められます。来年度以降、少しばかり見栄えのよくなった建物内のこれまでとほぼ同じ位置に研究室がある見込みです。8月末から1週間ほど、トゥールーズ流体力学大学において開催された国際理論応用力学連合の混相流関連の会議出席のためにフランスへ行ってきました。ロシア上空を避けるためにこれまで体験したことのない遠回り航路で地球を一周し、フランスではマスクなし、最終的に現地のPCR検査をパスして、無事日本に帰ることができました。このマスクのない生活が良かったのか、トゥールーズの気候が自分に合っていたのか、旅行中は終始絶好調でした。卒業生の皆様におかれましてもおからだにお気をつけください。

(三戸陽一 記)

○電力・熱エネルギー研究室

 本年度は、博士後期課程1名、博士前期課程8名、学部7名の全16名の学生と、小原の合計17名で活動しています。昨年度に続きコロナウィルスの対策に苦心していますが、ようやく研究活動は活発になりつつあります。一方で学生のメンタルのほうが大変心配で、他人との接触がないために、様々な社会経験の機会を持たずに過ごしています。それでも大学院生は環境工学シンポジウム(高松市)で講演を行い、これから電気情報系関係学会道支部講演会、IEEE International Conference on Power and Energy(マレーシア)、5th International Conference on Smart Grid and Green Energy(ハノイ)などでの講演を目指して努力しています。

 これまでのことから先輩からの助言とか、本年度も非常事態宣言とまん延防止等重点措置の波に翻弄されました。研究室ゼミは会議システムを導入して行っていますが、研究室にいる学生はいつも数人という状況です。研究室の研究活動は、これまでに比べると危機的状況で、リモートによる学会発表や国際会議発表でさえ研究が進まず参加できない状況です。

 研究室の詳細はホームページをご覧ください。また、学生向けではありますが、研究室のFacebookも公開しております。是非ご覧ください。

研究室の詳細:http://www.kit-power-engineering-lab.jp/index.html

研究室の日々の活動:https://www.facebook.com/KITPOWERANDHEAT

(小原伸哉 記)

○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理研究室)

 皆さま、まだまだコロナが終息しない状況で、いろいろと不自由な生活をされているのではないかと思います。早く普通の生活に戻れるようになるといいですね。

 さて、今年度の研究室体制は、私と佐藤先生でスタッフは変わらず、M2が4名、M1が5名、学部生が18名と大所帯になっております。今年もやる気のある学生さんたちが揃っていまして、既に電気学会3件、国際会議 (ISCSI,IVC, ADMETA)に4件の発表があります。特に、電気学会は広島、ISCSIは名古屋で対面での開催となり、学生さんたちは初めての対面での学会となりました。また、昨年度に電気学会学生奨励賞を村上君が受賞し、卒業した梅村君が電子情報通信学会北海道支部奨励賞を受賞するなど、皆の頑張りが学会でも認められています。一方、4年生も10月の電子情報通信学会電子部品・材料研究会や11月に行われる電気関係学会北海道支部大会にも発表予定です。研究熱心な学生さんたちのおかげで、私も佐藤先生も暇なしです。研究は、抵抗変化メモリや配向コントロールなどの半導体関係の仕事、特に学外の大きなプロジェクトもいくつか進行していますし、ワインに関する共同研究が始まり、これまでの熟成肉や日本酒の研究もさらに加速しそうです。

 コロナが終息したら、是非元気な顔を見せに来てくださいね。きっとその頃には熟成肉とおいしいワインの研究が進んでいると思います。最後になりましたが、くれぐれもお体大切に、元気でお過ごしください。

(武山眞弓 記)

○電気機械研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の電気機械研究室は、修士課程8名(M1が1名、M2が7名)、学部生17名の学生と高橋准教授、梅村准教授、アシャリフ助教の総勢28名です。昨年度末に田村教授が御退官されて以降、初めての年度を迎えました。

 学部生では3名が大学院進学を決めており、大学院生では研究に関する議論はもちろんのこと、この研究室に受け継がれている技術や知識をいかに後輩へと引き継ぐのかなど、日々議論しながら研究生活を送っています。田村教授が長年に渡り先導してくださった研究室の伝統を、良き形でこれからの研究室メンバーに繋いでいくことができれば、と考えています。

 ここ2年程、オンラインでの学会発表がほとんどでしたが8月 24日(水)~25日(金)の期間において開催された電気学会・電力技術/電力系統技術合同研究会では研究室としてコロナ禍以降、初の対面発表でした。対面でしか得られない直感的な思考や感覚によって、自身の研究に対して新たな知見を得ることができました。

 また、私事ではありますが、就職活動中、面接時に「君の先輩に当たる方が、弊社の部署で活躍しているよ」と、電気機械研究室を卒業された先輩のお名前を耳にする機会があり、とても勇気づけられました。私も卒業後は母校に良い影響を与えられるような存在になれれば、と考えています。

 卒業生の皆様、ご多忙ではあるかと思いますが、北見にお越しの際は是非研究室にお立ち寄りください。皆様の益々のご健闘とご活躍を祈念しております。研究室活動はホームページに記載されておりますので是非ご覧ください。(http://hunting.elec.kitami-it.ac.jp/

(M2山本健太郎 記)

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地球環境工学科 環境防災工学コース

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。コロナの感染拡大が現在(8月末時点)も継続していますが、大学の授業に関しては対面の授業が多くなり、学内にも活気が見られるようになりました。後期からは原則全科目が対面授業となる予定です。

 昨年、コロナで1年延期となっていた日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定継続審査を社会インフラ工学コースとともに受審いたしました。オンラインでの審査でしたが、基準に対する審査員との解釈の相違や、7年ぶりの審査で基準への対応がやや疎かになっていたこともあり、基準適合に対する不備を多く指摘されました。そのため、認定は継続しましたが、来年度中間審査を受審することになりました。

 教員の異動に関して、環境防災工学コース主担当教員では、川尻先生が九州工業大学に転出され、川口先生が副学長になられました。社会インフラ工学コース主担当教員の異動については、社会インフラの母校だよりをご覧ください。

(コース長:山下聡 記)

○地盤工学研究室

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。研究室は感染対策を施したうえで、いつもと変わらず研究活動を行っています。今年の研究室のメンバーは、社会人Drが1名、M2が1名、4年生が6名の8名です。4年生の大学院進学予定者は1名ですが、さらに増える可能性もあります。コロナで学会発表がオンラインばかりになっていましたが、今年は新潟での地盤工学会、京都での土木学会に学生とともに参加できるようになりました。研究面は、相変わらず液状化関連とメタンハイドレートです。海洋調査については、コロナや国際情勢の変化のため、11月に行う日高沖でのおしょろ丸調査のみとなっています。おしょろ丸調査では、一昨年の十勝沖に続いて、昨年は日高沖で初めてメタンハイドレートの採取に成功しました。また、2月に昨年コロナで延期となったメタンハイドレートを模擬した大型氷での掘削実験を旧北見競馬場で大々的に行う予定です。成功すると全国ニュースになるかもしれません。

(山下聡 記)

○地盤補強・ジオシンセティックス研究室(旧:凍土・土質研究室)

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか?私個人としては大学の仕事が多くなり、学生と一緒に居れる時間が少なくなったことが残念ですが、研究室の学生はいつもと変わらず楽しそうに過ごしてくれております。また、本年の3月で川尻先生が九州工業大学に転出された関係で、4年生は例年の約2倍の学生を引き受けておりますが、補佐員の須田さんが居てくれたり、大学院生が多く在籍してくれることもあり、今のところ順調に進めることができております。コロナ禍での研究室運営には、まだまだ迷うこともありますが、少しずつ通常運営に近づけていければと考えております。研究成果の一部が社会実装され始めていることもあり、様々な制約の下での活動ではありますが、精力的に研究も進めていければと考えております。研究室の学生にとっても良い刺激となりますので、卒業生の皆様におかれましては、お近くに来た際には、ぜひ研究室にお立ち寄り頂ければ幸いです。

(川口貴之 記)

○地盤凍結・緑化工学研究室(旧:寒地岩盤工学研究室)

 卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年の研究室のメンバーは、教員が中村、渡邊、4年生が中井、又平、渡部、寺島、益子、ゾリ、修士が五郎部、三浦、引地、南、森山、宇高、鍜冶元、岡村、工藤、林崎、ハンバヤルの合計19名です。今年は九州工業大学に転出された川尻先生の研究室(地盤防災技術研究室)のメンバーが合流し、大所帯となっております。昨年はジャガー、本田(ともに修了生)、五郎部(現M2)がそれぞれ各種の学会で賞をいただきました。今年も三浦(現M2)、林崎(現M1)が賞をいただき、受賞ラッシュが続いております。中村は昨年からNEDOの受託研究でソーラーパネルの凍上被害について研究しています。今年8月からはJICAの事業がスタートし、ウィズコロナとなってから初めてモンゴルに渡航いたします。まだまだ不安な状況ですが、久しぶりの海外を楽しんできたいと思います。最後になりますが、中村は本年4月、准教授から教授に昇任となりました。川尻先生の転出もあり、地盤系の研究体制は大きく変わりますが、これまで同様、卒業生の皆様からご支援いただけたら幸いです。

(中村大 記)

○雪氷科学研究室

 今年の雪氷科学研究室の学生はD3(大鐘卓哉)、D2(秋季入学)武知洋太、M2(斉藤茉由美)、4年生(牛塚貴博)です。研究テーマは、湖や沼にできる氷紋の形成過程の研究(大鐘)、冬期道路の吹雪障害予測に向けた吹雪推定に関する研究(武知)、カーリングにおけるスウィーピングの効果の解明(斉藤)、春採湖の結氷条件の解明および将来予測(牛塚)です。今年度は研究室に余裕があるので、雪氷分野の研究に関心がある2年生3人が研究室に来ています。亀田は2020年度卒業の仁平慎吾くんが実施した卒業研究の一部を発展させ、「摩周湖の全面結氷条件の解明およびそれに基づく2021年2月の全面結氷日の予測」として学会誌『雪氷』で2022 年1月に出版しました。プレスリリースも行いました。

 また、コロナウイルス問題が起こるまでは研究室では仁頃山への登山、研究室での餃子パーティや鍋などを行っていました。今年度は久しぶりに2年生2人と仁頃山へ行きました。例年白川先生の雪氷防災研究室と合同で実施している夏季の一泊研修はコロナ禍のため、学内・対面で実施しました。9月下旬には大雪山系の雪壁雪渓の撮影調査に行く予定です。この調査は1964年に北大低温研の関係者が開始しましたが、途中で欠測年があるため今年で観測開始50年目になりました。10月上旬の札幌での雪氷研究大会は久しぶりの対面開催で、亀田、武知、斉藤、牛塚が発表予定です。今年の話題としてはNHK旭川から依頼で研究室活動を牛塚くんが撮影し、NHKが編集した番組「ようこそ!私の研究室」がNHK総合の「ほっとニュース道北・オホーツク」で放映されました。ここでは雪氷科学研究室の活動(低温室での氷薄片の製作や氷結晶の紹介、カーリングホールでの計測実験)が紹介されました。

 上記の番組も視聴できますので、卒業生の皆さんは北見来ることがあれば研究室に顔を出して下さい。

(亀田貴雄 記)

仁頃山頂上(2021年5月21日)

○雪氷防災研究室

 同窓生の皆様お久しぶりです。私(白川)は今年、就職担当教員でした。卒業生の皆様からは多くの求人情報を頂戴し、ありがとうございました。引き続き母校の後輩のこと、よろしくお願いします。

 研究室の近況ですが、今年は社会人ドクターコースの高橋さん、大学院生3名、学部生6名の計10名で、大所帯となっています。学生と協力し、社会に有益な成果を発信できるよう頑張ります。研究室広報は、4月より従来のFacebookからTwitterへ移行しました。積雪観測情報は引き続きTwitterで発信していきますのでご覧下さい。

 私は本学に転職してから丸20年が過ぎました。元々の専門である鉄道工学の教育研究は長い間凍結してきましたが、近年多発する災害や社会情勢の変化に伴い、数年前から活動再開しています。来年度からは「鉄道とメンテナンス」という科目(日本で唯一の科目!)を新設し授業で教えます。北見工大としては28年ぶりに鉄道科目復活です。ご期待下さい。

(白川龍生 記)

○氷海環境研究室

 卒業生の皆様におかれましてはますますご清栄のことと存じます。今年度の研究室は、教員は舘山一孝先生、佐藤和敏先生、非常勤技術員の丸山朋美さん、学生はM2川村康輔さん、M1 大内優希、今泉賢斗君、吉田悠嗣君、B4秋生康祐君、有福一海君、伊藤虎太郎君、小濱悠介君、末谷尚君、本田啓力君で日々の研究活動に勤しんでおります。

 就職先は、M2の川村さんが鉄建建設にB4は鹿島建設、豊橋市役所、山形県庁、北海道庁からそれぞれ内定を頂いております。また、小濱君は大学院に進学をします。

 今年度の主な調査として、7月には舘山先生がグリーンランドカナック、10月には舘山先生、川村さんが北極海航路観測、11月から3月末まで第64次南極地域観測隊(JARE64)に舘山先生、和敏先生、同行者として吉田君が南極観測に参加しています。北見工大から3名が南極観測に参加しています。特に舘山先生は一年で北極と南極の両方に調査に行き多忙な日々でした。

 卒業生の皆様、お近くにお越しの際はお気軽に研究室へ足をお運びください。皆様の一層のご活躍を祈念いたしております。

 P.S. 氷海研Twitterで研究室の日常や活動をつぶやいていますのでお気軽にフォローよろしくお願いいたします!

(M1 大内優希 記)

○氷物性研究室

 研究室名を寒冷地環境工学研究室から氷物性研究室に変更して今年で3年目(スタートして17年目)を迎えました。今年度の4年生は新カリキュラムになって3回目となり、5名の卒研生が配属になりました。5名の進路は現状では、起業する人が2名、民間内定が1名、まだ決っていない人が2名(民間、教員志望)がいます。卒業研究のテーマは9月中に決まる予定です。昨年6月にグリーンランド南東ドームで深さ250mの浅層コアの密度プロファイルの測定に相当な時間をかけました。つい先日、最深部までの密度プロファイルが得られたところで、これからデータとの比較を修士1年の学生に担当してもらう予定です、みなさんも健康に気を付けてそれぞれの場所でご活躍されることを祈念しています。

(堀彰 記)

○水処理工学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度は、駒井教授の指導の下、M2が1名、M1が3名、4年生が5名の計9名の学生が在籍しており、10月には新たに留学生を3名迎え入れます。研究では野付牛公園、濤沸湖、コムケ湖、釧路川流域など道東・オホーツク沿岸域を調査フィールドとしサケ、シジミ、アマモ、昆布などの動植物を含めた物質循環や環境負荷を主たるテーマとして、現地調査や水質分析、数値解析等を行っています。北見へお越しの際は是非、研究室にお立ち寄りください。私たち一同、卒業生の皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(M1 伊草達貴 記)

○ハイドレート研究室

 卒業生の皆様、ご無沙汰しております。今年度、ハイドレート研究室には卒論生の太田・小笠原・笠松・滝澤・根津・宮里、修士学生の森谷・矢作、計8名が在籍しています。野外調査はおしょろ丸による11月の日高沖調査のみとなり、研究は必然的に人工系のガスハイドレート生成ばかりになっています。ですが、野外調査に追われていた数年前とは違って時間的余裕ができ、かえって研究に集中できるようになりました。コロナ禍もマイナス面ばかりではありません。10月には雪氷研究大会が札幌で開催されますが、ポスターセッションはオンライン、いつもの研究室がヴァーチャル学会会場となります。ニッチな研究分野には最適なスタイルだと思っています。感染の波がひいてはまた寄せてくる、という状況がつづいておりますが、皆様におかれましては健やかにお過ごしください。また、北見においでの際には実験室・研究室にお立ち寄りください。

(八久保晶弘 記)

○環境評価・計測研究室(旧:材料分析研究室II)(南尚嗣、坂上寛敏、木田真人)

 「地球環境工学科」の学生が研究室配属になった一昨年から、研究室は「マテリアル・先端材料」から「社会環境」に所属変更しました。坂上さんと木田さんと南は、専門分野が少しずつ異なる利点を活かし、学生とともに力を合わせて「ハイドレート、環境評価・計測」の研究を進めています。

 坂上さんと学生は8月に摩周湖調査、9月に陸域ガス調査、11月に北海道沖で海洋調査の予定です。新型コロナ感染拡大と政情不安のためバイカル湖調査は3年連続中止になりました。2023年の実施を期待しています。

 M2の加藤君、千葉君、藤原君、M1の荒井君、B4の片岡君、辻君は、社会で活躍する将来像と研究・プロジェクトの進捗を見据えて努力を続けています。国際・国内学会発表にも挑んでいます。学外機関との共同研究は、波岡さんと進めています。

 顔を出してくださった方々、差し入れを送ってくださった方々、ありがとうございます。皆さまの益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

(南尚嗣 記)

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地球環境工学科 先端材料物質工学コース

 同窓生の皆様お元気でしょうか。

 昨年度は、材料系の大学院博士前期課程「マテリアル工学専攻」の最後の学年が修了してマテリアル工学科、マテリアル工学専攻の学生はほとんど居なくなりました。カタカナだけの「マテリアル」から漢字だけの「先端材料物質工学」になって、なんか難しそうなイメージがありますが、中身は柔軟に環境の変化に上手に対応したコースにしていきたいと思います。

 今年度から、斎藤先生と陽川先生はバイオ環境工学コースに、大野先生と平井先生はエネルギー総合工学コースに異動されました。研究・教育に大きく貢献された4人の先生が一度に異動されていろいろと大変ですが、4月から新しい助教としてシェン・ペン先生が応用電気工学研究室の助教として赴任されました。若い先生が新たに加わることで研究室もコースとしても教育・研究がさらに活性化されると期待しています。

 コロナ禍は相変わらず収まりませんが、「共存する」と言うことで後期から講義が全面的に対面になり、ようやく大学らしさが戻りつつあります。

 最近は本学に限らず化学系のコース・学科が不人気なようで2年次のコース配属時になかなか学生が集まらずどうしたら材料のおもしろさが伝わるか思案しています。卒業生の皆さんが、元気に仕事で活躍されていることを知れば、私どもはとても嬉しいですし、コースの人気にもつながるかと思います。コロナによる行動制限は解消されつつあるので、お近くにお越しの際は、是非お寄り下さい。また、お越しになることはできなくても近況などをお知らせいただければとても嬉しいです。

 皆さんがお元気で活躍されることを祈念しております。

(コース長:渡邉眞次 記)

○電子材料研究室I

 卒業生の皆様、お元気にしておられますか?新型コロナウイルスの影響が卒業生の皆様にも及んでいないかと心配をしております。今年度の電子材料研究室I のメンバーは、阿部先生と金のスタッフと学部4年生6名、大学院薄士前期課程1名(M1・1名)です。主な研究テーマは、水酸化物薄膜を用いたエレクトロクロミック素子の開発及びナノ構造体を用いたエネルギーストレージデバイスの性能向上に関する研究に取り組んでおります。

 今年の研究室の大きなニュースは、阿部先生が指導されてきた韓国人留学生のJeong Chanyang(チョン チャンヤン)さんが「機能性薄膜と電気化学デバイスの作製と評価及び機械学習の応用」のテーマで3月に博士後期課程を無事卒業した事です。

 卒業生の皆様、勤務条件や職場環境、ライフスタイルの多様化が進んでいる中ではありますが、これからもどうぞお身体にお気をつけてお過ごしください。引き続き皆様の益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。機会がありましたら是非研究室にお立ち寄り下さい。

 今後のご支援・ご指導を宜しくお願い申し上げます。

(金敬鎬 記)

○電子材料研究室(2研)

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度の電子研(2研)は、4年生6名が新たに配属、また修士課程も8名(M2・4名、M1・4名)、博士課程1名(社会人)と、引き続き大所帯となっており、実験装置もフル稼働に近い状態が続いています。配属された4年生も大学院に進学の予定で、にぎやかな日々は続きそうです。スタッフは川村先生と木場の2名です。コロナ禍の中での研究室活動も大部分が対面に戻りましたが、研究室のイベント事がなかなか行えないのは相変わらずです…。

 本年も修士学生は、国内・国際会議へ積極的に参加しており、9月に札幌で行われた国際真空会議(IVC22,写真)や、仙台での応用物理学会など対面での会議が戻りつつあり、学生たちのモチベーションにつながっています。また、チェコを始めとした東欧4カ国との川村先生の国際共同研究プロジェクトも本格的に始まり、共同研究先チェコからの博士課程の学生2名が来訪し討論・交流するなど、例年に増して活気があります。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら、気軽に研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(木場隆之 記)

○高分子材料研究室

 皆さん御元気でしょうか。本年度の高分子材料研究室は4年生が3名、M1が1名で活動しております。4年生の2名は就職先が決まり、残りの1名は大学院への進学が決まりました。

 相変わらずのコロナ禍で研究室の行事は何もしておりませんが、3年ぶりに高分子学会の討論会が札幌で開催されて、M1の山口君がポスター発表しました。私にとっても本当に久々の対面での学会でした。やはり直に話しが聞けるのは良いなと改めて実感しました。研究テーマは、ポリイミドと高分子微粒子なのは今年度も変わっていません。

 皆さんが元気に活躍できるよう祈念しております。

(渡邉眞次 記)

○高分子化学研究室

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。

 高分子化学研究室(浪越研)は D1(秋季)・1人、M2・2人、M1・2人、B4・3人で、全員も無事に進路が決定しました。今年は久々に学会が対面で実施され非常に嬉しく思います。実験は制御カチオン重合、ポリフェニルアセチレンの合成、高分子を使った農業支援に関する研究を頑張って行っています。特に予算の関係で農業支援に関する研究をほとんどの学生にアルバイトで協力してもらっています。

 卒業生の皆様の益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 HP:http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/namikoshi/

(浪越毅 記)

○分子変換化学研究室I

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 研究室のメンバーは院生3名(M1・3名)、学部生3名の計4名となっており、学部生は3名が進学予定となっています。

 村田先生、小針先生の指導の下、実験や講義と忙しくも充実した毎日を過ごしております。研究室は前年度にも増して活気のあるものになっています。

 実験のテーマは、遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発、地域に密接なハッカや甘草の成分抽出・分析を行なっています。また、植物実験棟でのハッカの水耕栽培実験や、オホーツク地域創生研究パーク(旧北見競馬場)の実験圃場での栽培実験を行っています。またオンラインでの学会への参加や論文の投稿などによる研究発表も積極的に行なっています。

 行事につきましては、昨年と同様に新歓や学会の打ち上げなどを行うこができていませんが、講演会などはオンラインで実施されるようになり、様々な分野の講演を聞く機会に恵まれ、地域に対する知識も深めることができました。例年通り、twitterやfacebookなどのSNSにて研究室内の日々の出来事を更新していきたいと思いますので、ぜひご覧になってください。

 研究室のホームページにて論文投稿、学会発表など研究の情報を随時更新しております。下記のURLからアクセスできますので、ぜひご覧ください。

 最後に、卒業生の皆様もお忙しいとは思いますが、近くにお越しの際は是非とも研究室にお立ち寄りいただけると嬉しく思います。益々のご健康と御活躍を心よりお祈り申し上げます。

URL

 HP →http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html

 Twitter →@muratalab

 Facebook →@muratalaboratory

(村田美樹 記)

○応用電気工学研究室

 コロナも3年目ですが、卒業生の皆様におかれましては、お元気にご活躍のことと存します。本年度の応用電気工学研究室は、M2学生が3名、M1が3名、B4が3名の計9名で学生室は満室状態です。学部生は2名が当研究室に進学予定で、就職も大体決まりました。スタッフは柴田とシェン助教の2名です。シェン先生は日本国内で学位取得後、国内外のポスドク研究員を経て4月に着任しました。

 研究は従来通り超伝導、主にSSPD、SNSPD、nTronなど電気電子デバイス開発、およびノンドープ系等の物質開発を進めています。また、新たに超伝導と磁性の複合デバイスやスピントロニクスデバイスの開発を始めました。主力の3He冷凍機が故障中でデバイス評価が遅れていますが、作製の方は何とか順調に進んでいます。

 最後になりましたが、北見近辺にお越しの際は是非とも研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。

(柴田浩行 記)

○レーザー材料研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

 本研究室では引き続き、レーザー材料を始めとする様々な無機光学材料の開発を進めています。今年度は、いくつかの研究プロジェクトが継続しており、学生と忙しくも充実した日々を過ごしております。詳しくは、研究室のホームページをご覧いただければ幸いです。

 今年の研究室のメンバーは、私に加えて、技術補佐員2名、院生4名、学部生1名、国費留学生1名の計9名です。修士学生は全員9月の国内学会全国大会で発表を予定しており、データ収集と資料作成に勤しんでおります。学部生と国費留学生は進学となっており、春の学会発表を目指して頑張っています。

 また、北見に立ち寄られることがありましたら、ぜひ研究室にもお立ち寄りください。お待ちしています。

(古瀬裕章 記)

○生体分子化学研究室

 お元気ですか。マスクの取れない生活が続いていますが、幸い身内も含めて研究室内に感染者は1人も出ていません。今年になって授業はほとんど対面形式に戻り、われわれは少しホッとしているのですが、低学年の学生さんは今までオンライン講義の経験しかなく、毎日朝から登校するのに苦労しているようです。これが普研究室は感染に気をつけながら、通常通りの活動をしています。今年は4年生3名と院生2名でスタートしましたが、いろいろ波乱ありです。有機合成・高分子合成と分子の構造解析のテーマを半分ずつ取り組んでいます。ただ、オープンキャンパスや学内講演、委員会など以前と比べて学内用事が増え、自ら実験することはあまりできなくなりました。NMRだけは自分で測っていますが。

 ここ数年、進学相談会で各地の高校を訪れる機会が増えています。今年も道内2校へ行きました。皆さんの卒業校も訪問の機会があるかも知れません。少子化で受験生は年々減っており、多くの人に北見工大を受験してもらえるようお伝えしています。

(服部和幸 記)

○機能材料分析研究室

 今年3月学部を卒業した樋口君はホクサン(株)に就職し、新しい生活をスタートさせました。

 令和4年度は学部4年の千葉君、福壽君、保木君と大学院に進学した八幡君の4人が圃場の肥料分析と大腸の研究に取り組んでいます。コロナの影響も少しずつ解消されつつありますが、アルコールの助けを借りた意見交換会は依然としてできていません。ただ、研究に関する行動は特に制限されることなく継続できているのは幸いです。無加川での魚類採捕や圃場での土試料採取など屋外での活動や測定装置を使った屋内の実験にみんなで取り組んでいます。毎朝のミーティングと週一の報告会は欠かしていません。

 福壽君、保木君は本学大学院への進学を決めています。千葉君は公務員を目指して鋭意奮闘中です。

 卒業生の皆さんも様々な難しい場面に直面されていることと思いますが、どうぞ健康に気を付けて頑張ってください。卒業した先輩たちの様子は後輩たちにも大きな励みになります。近況報告をお待ちしています。

(宇都正幸 記)

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地域未来デザイン工学科 機械知能・生体工学コース

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。なかなかコロナ禍の終息が見えない状況が続いていますが、大学での授業は次第に対面授業へと変わってきている状況です。今年の3月には改組後、コースから2回目の卒業生を社会へと見送ったところです。教員の移動等では、本コース特に生体分野で尽力された橋本泰成先生が退職されました。現在は、公立小松大学にて活躍されています。また、楊亮亮先生が准教授に、吉田裕先生と私佐藤が教授に昇任しております。そして、新たに杉野義郎先生が材料力学研究室の助教として、また、ゴーシュ アンクシュ クマール先生が生産加工システム研究室の助教として採用されました。若いお二人の活躍によるコースの大きな発展に期待がもたれます。さて、数年前に11号館(機械工学科1号棟、旧応用機械工学科棟)が改修されましたが、現在12号館(機械工学科2号棟、旧機械工学科棟)の改修工事が始まったところです。令和5年4月に竣工予定となっています。明るくモダンな研究室、実験室へと変わることと思います。最近では徐々にOB、OGによる大学訪問や会社説明会の開催も増えてきています。是非とも新しくなった研究棟で社会で活躍されている皆様から在学生へ仕事のやりがいや社会人となるアドバイス等のお話しをして頂ければ幸いです。お気軽にご連絡ください。最後に、同窓生の皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

(コース長:佐藤満弘 記)

○材料力学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。令和4年4月からは新たに助教として杉野義都先生が北海道科学大学から移られてきました。先生は耐熱合金がご専門でSEM を用いた結晶変形のメカニズム解明の知識が豊富ですのでX線解析の研究テーマとともに本研究室がより発展していくことを期待しています。最近はカニやウニなど生体硬組織の研究に加えてヒドロゲルの力学特性評価のテーマにも力を入れています。学生はD1:1名、M2;2名、M1:2名、B4:9名です。4年生とM2の就職は全員決まりました。研究室のイベントも再開し、7月にソフトテニス、9月に仁頃山登山を行いました。最後に、卒業生の皆様の今後のご活躍・ご健勝をお祈り申し上げます。

(吉田裕 記)

○計算力学研究室

 今年度の研究室のメンバは、佐藤先生、長谷川技術員、河野のスタッフ3名と、博士前期課程5名、学部16名の学生21名です。計算力学研究室の大きなニュースとしては、佐藤先生が昇任して教授になられ、コース長として活躍されております。佐藤先生は、冬季スポーツの研究にも力を入れており、今後益々ご活躍されることと存じます。河野は、これまで通り、様々なモノの力学特性等を数値解析する研究を実施しております。スタッフ一同、計算力学研究室の発展に、益々貢献していく所存です。

 さて、コロナ禍は完全には収まってはいませんが、少しずつ行動制限が緩和されています。まだまだ不透明な状況ではありますが、これを書いている時点では、後期の講義は全て対面で実施される予定です。また、行動制限が緩和されたお陰でしょうか、北見工大OB がリクルーターとして計算力学研究室を訪ねてくれました。昔話に花が咲き、すっかり学生時代に戻ったような気分で、あっという間に時間が過ぎていきました。コロナ禍でWebでの打合せにすっかりと慣れてしまいましたが、今回の経験で対面の良さを再認識致しました。

 末筆になりましたが、コロナ禍が落ち着きましたら、気軽に研究室へお立ち寄り下さい。皆様の近況をお聞かせ頂くと共に、昔話に花を咲かせましょう。

(河野義樹 記)

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度の当研究室は、教員が3名(ウラ・久保・ゴッシュ)、技術職員が1名(杉野)、D3が1名、D1が1名、M2が4名、M1が3名、学部4年生が9名、研究生が1名の計23 名のメンバーで構成されております。当研究室では、主にスマートマニュファクチャリング及びIndustry4.0を規範とするものづくり工学について研究を行っています。最近の主な研究テーマは「次世代製造システムに関する知的システム」「精密加工面のモデリングとシミュレーションシステム」「3Dプリンターを用いた複雑な形状の実現」「持続可能性を規範とする製品開発」です。こういうテーマに必要な方法論の開発及びシステムの構築も行っています。CAD/CAM、AI、機械学習、幾何学的モデリング、生産加工、付加製造、プログラミング技術等を学習したい学生を歓迎しています。国内外から当研究室は高評価を受けて続けておりますので卒業生の皆様の見学をお楽しみにお待ちしております。

(裡しゃりふ 記)

○生体メカトロニクス研究室

 卒業生の皆様、コロナ禍に負けず元気でご活躍のことと思います。今年は楊先生が准教授に昇任され、研究室は星野教授、楊准教授の2名の体制となりました。これまで以上に活発に活動していきたいと考えています。学生の構成としてはM2が6名、M1が3名、B4が8名の17名体制となり、農業機械の高性能化、アルペンスキーの研究に精力的に取り組んでいます。特に農業工学関係では、昨年度に引き続き複数の大型プロジェクトや共同研究にメンバーが一丸となって取り組んでいます。また、スキー関連研究でもスキーヤーの体の使い方と動力学とをつなぐ新たな知見や、AIによる動作解析手法についての成果が得られつつあります。コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、研究室行事の縮小が続いておりますが、徐々に従来通りの活動を再開し始めております。いつも温かいご支援を頂いております卒業生の皆様には心から感謝申し上げます。

(星野洋平 記)

○ロボティクス・AI研究室

 皆さんは、コロナ禍に負けず元気でご活躍のことと思います。今年の研究室は、M2が2名、M1が1名、B4が8名の体制となり、人工知能、コンピュータビジョン、ロボティクスの研究に精力的に取り込んでいます。教員と学生が一丸となって様々なプロジェクトに一生懸命に取り込んでいます。また、学生全員は、令和4年度情報処理シンポジウムへ論文を投稿しており、10 月中旬に開催地の札幌へ行って発表をする予定です。昨年と同様に今年もオープンキャンパスで「ゼロからはじめるプログラミング体験およびゲーム作成」というテーマで参加し、イベントは満席で大成功しました。末筆になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

(ラワンカル・アビジート 記)

○医療情報・医用画像工学研究室

 22022年3月卒の卒研生は、コース2期生10名でした。かつてない人数。まず、オンライン・おもしろ科学実験で動画「LEGOでカーレース」を製作。そして、物体検出によるタブレット操作やドローン自動追尾(藤原、武知)、CO2濃度測定システム(上野、川原)、VR酔い検出と対策(杉山、藤根)、ロボットハンドの感圧センサ(泉谷)、ゲームのIF(野寄)、ドローンの可視・赤外スペクトル画像でビート植生分析(豊田)、機械学習で歯科X線画像分類(花田)に取り組みました。全国各地出身の学生が10名、個性もいろいろ出せた卒研でした。豊田君は生体メカトロ研の院生に。院生のパティッターさんは、犬の避妊手術データセット作成の改良に取り組み、材料力学研の後期・院生に。

 2022年1月、田所利康氏(テクノ・シナジー社代表)が、集中・特別講義「光の行動心理を探る」を実施。美しい講義でした。2019年度から実習「メカトロニクス」を(今は楊先生と)担当。加えて2022年度は橋本泰成先生に代わり講義「医療工学」を担当。医療と名乗る講義は初で、獣医を目指す帯広の学生の視点も、小樽の文科系学生の関心もともに鋭く、新鮮な刺激です。

 2022年度の卒研生は8名。6月、高校出張講義に初めて学生を同行。CARS国際会議の組織委員は継続していますが、6月東京・虎ノ門ヒルズで開催できました。JAきたみらい相内工場「玉ねぎの集出荷・貯蔵工場」見学はこの秋3回目を実施予定。札幌の介護事業の会社と小樽商科大学との共同研究も始めていまして、いい成果を期待してください。

(早川吉彦 記)

○複雑系情報学研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。2012年にこの研究室での活動を始めて10年間、57名の卒業生(現在籍の学生を除く)が巣立っていきました。現在は、M2:4名、M1:5名、4年生:8名が在籍しております。情報工学科から地域未来デザイン工学科機械知能・生体工学コースと組織も変わりましたが、情報を社会に役立てるという目的に向かって日々研究活動を行っています。今年度は、(1).音声情報処理へのAI 応用、(2).UAV(無人航空機)による自律配送システムの研究、(3). 群れ行動の創発・行動最適化に関する研究などの各研究テーマに後輩たちが取り組んでいます。研究の進捗もコロナ前までに回復し、学会での成果報告を積極的に行えるようになりました。

 北見においでの際は、是非研究室にお立ち寄りください。最後に、卒業生の皆様の益々のご活躍を期待しております。

(鈴木育男 記)

○環境有機化学研究室

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。

 当研究室では以前より、様々な化学物質に応答して色調や形状が変化する薄膜・ゲルの研究を行ってきました。最近、感染症対策用の消毒剤として、エタノールや次亜塩素酸が広く使用されていますが、成分濃度の不明な製品が出回っていることが問題となっています。そこで、当研究室で開発した薄膜やゲルを応用して、エタノールや次亜塩素酸の濃度を簡単に測定できるセンサーを開発しようと、研究を行っています。また、人々がスポーツを行う際、運動強度が適切であるか簡単に判断できるように、疲労度の指標となる汗中の乳酸を検知して模様が変化する衣類を開発しようと、検討を進めています。

 今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(兼清泰正 記)

○応用計算機科学研究室

 応用計算機科学研究室は、保健医療分野における情報技術の基礎研究、応用研究、政策研究を幅広く 展開している研究室です。昨年度からは修士学生の受け入れが始まり、今年度は大学院生4名が在籍しています。それぞれ、「大学キャンパス内における感染動態の把握に向けた行動センシング」、「頭頸部の粘膜を経由した接触感染経路の定量化」、「鼻咽頭検体の効率的な採取デバイスの検討」、「感覚マッピング技術のリハビリ応用」と、各学生の持ち味を生かして取り組んで頂いています。保健医療系の研究では患者や医療従事者を対象としたデータ取得が欠かせません。しかし、この2年は現在世界中を席巻しているコロナウイルスによるパンデミックの影響が大きく、研究活動が大きく制約されてきました。そうした情勢を逆手に取ったコロナ対策研究を通じて、今後も、学生諸君らと保健医療分野へと貢献していくことができればと願っています。

(奥村貴史 記)

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地域未来デザイン工学科 情報デザイン・コミュニケーション工学コース

 2017 年4月に発足した本コースも早6年目を迎え、大学院博士前期課程に進学した一期生が「工学専攻情報通信工学プログラム」の一期生として来春(2023年3月)には修了を迎えます。時が経つのは早いことを実感する今日この頃ですが、卒業生の皆様、お変わりなくお元気にご活躍のことと思います。

 教員の動向では、2022年8月末にショウ シュン先生が豊橋技術科学大学准教授として転出されました。ショウ先生はコースとなる前の2018年1月に情報システム工学科に着任され、学生実験や研究室での学生指導、研究会の企画運営などで貢献いただきました。新天地のますますのご活躍をお祈り致します。

 コースは現在、教員数24名(2022年9月現在)、20研究室から構成されるという他には無い豊富で多彩な教員・研究体制であることに加え、AIなどデータサイエンスが社会的に注目されている昨今の状況も相まって、本コースは学生の移行希望の多い人気コースとして定着してきました。その状況を受けて本コースの定員は2022年度入学生から60名から70名を拡大されました。これも卒業生の皆さんが在学中に取り組んで残してくれた学習や研究の成果であると感謝する次第です。

 情報工学・通信工学系の学問、技術に対する社会的要請は今後もますます高くなっていくところです。今後も教職員はもちろん在学生ともども力を合わせて教育・研究に取り組んでいく所存です。卒業生の皆様もより一層のご研鑽・ご活躍を祈念致します。

(コース長:原田康浩 記)

波動情報通信分野

○信号処理研究室

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。2022年度の信号処理研究室のメンバは、教員1名、技術職員1名、大学院博士前期課程1年生1名、卒業研究の4年生3名です。就職希望の学生は、順調に就職先が決まりました。研究室の学生は、それぞれ次の研究テーマに専念しています。「観測ベクトルにおける重畳信号個数を検出するための少数観測データに対応可能なニューラルネットワークに関する研究」、「オホーツク圏の小中学校における利用を想定した蔵書管理システムの設計制作」、「ゲームプレイがプレイヤーにもたらす利益に関する考察」、「音楽の採譜支援のための機能に関する考察」。

 卒業生の皆様、くれぐれもコロナ感染に気を付けて、健やかにお過ごしください。近くにお越しの際には是非ともお立ち寄りください。

(鈴木正清 記)

○波動エレクトロニクス研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の波動エレクトロニクス研究室(平山研究室)は、大学院生1人、卒研生3人です。新型コロナ感染拡大防止のため、卒業研究や修士研究はいわゆる3密を避け、検温し、手指の消毒をした上で、二酸化炭素濃度を常時測定しながら実施しております。

 平山は光・マイクロ波デバイスの最適設計やマイクロ波・ミリ波帯での材料定数測定法の研究に取り組んでおります。5G/6Gや自動運転で利用されることから、ミリ波分野の研究に力を入れております。企業との共同研究も行っていて、高い周波数での測定データの取得等をお願いする一方で、理論あるいは電磁界シミュレーションの結果等を情報提供しております。今年度後期からは授業は原則対面となり、平時の状態に戻りつつあります。また、今年度も副学長(学務、労務、評価担当)を務めさせていただいております。

 北見にお越しの際には研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍を祈念しております。

(平山浩一 記)

○波動エレクトロニクス研究室(安井研究室)

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。さて、2、3年ほど前からアストロフォトニクスと呼ばれる観測天文学の分野で使用される光集積回路の設計に関する基本的な研究を始め、これまでの卒業研究や大学院の学生さんにお手伝いをしてもらいながら研究を進めてきました。お陰様で、それらの研究結果も最近少しずつですが論文として掲載されるようになってきました。今後も学生さんたちの力を借りながら研究を進めていきたいと思います。今年度の波動エレクトロニクス研究室で安井が指導を担当している学生は、大学院生1名、卒研生3名です。研究の実施環境もまだ何かと制約がある中ではありますが、皆さんなりに色々と考えながら卒業論文や修士論文に向けて研究を進めているようです。卒業生の皆様も、世の中の状況が落ち着いた際には、研究室にもお立ち寄りください。皆様のご活躍を祈念しております。

(安井崇 記)

○知的情報通信分野 通信システム研究室

 通信システム研究室の柏です。本研究室では次世代高度通信システムに関する教育及び研究を行っています。最近は5G或いはbeyond 5G通信システムに関する研究を行っていますが、その中でも、システムの高速化に大きく寄与する無線系の研究を行っております。具体的にはミリ波或いはテラヘルツ波素子の最適設計に関する開発を行っております。

 卒業年次学生の就職も全員決まり、皆さん元気でやっております。コロナ禍にあり、宴会等は出来ないので、何事も例年のように密にはできませんが、出来る範囲で各自頑張っております。早くコロナが収束して、通常の状態に戻れるようになることを願っております。

(柏達也 記)

○CEM(Computational Electro Magnetics)研究室

 卒業生の皆様におかれましては、本学で培ったICT能力をフルに活用してハイブリッドテレワーク時代でもご活躍の事と思います。本学の今年度講義については、対面講義が増えておりますがローカルであるオホーツクエリアでも感染が広がり、まだまだ予断を許さない状況です。本研究では、例年通りIOT時代のための電磁波シミュレーション技術とその応用に関する研究を行っております。現在、メンバーは教員1名、学部生3名で昨年に引き続き主に準ミリ波・ミリ波帯の電磁波が人体に与える影響に関する研究テーマについて科学研究費1件を継続し精力的に取り組んでおります。学会活動は対面とオンラインハイブリッド実施がメインな状態が続いておりますが、学生・教員とも社会に研究成果を発信すべく日々頑張っております。先が見えない社会情勢ですが、コロナの影響が落ち着きましたら研究室に遊びにいらして下さい。お待ちしております。

(田口健治 記)

○集積システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。令和4年度は吉澤准教授、大学院生2名、学部生4名の計7名の体制で日々励んでおります。今年度も水中音響通信や測位に関する研究テーマに取り組んでいまして、8月に紋別市のオホーツクタワー周辺、9月に栃木県那須塩原市の五洋建設技術研究所で水中音響試験を実施しました。最近は共同研究先の企業で働く大学院生OB・OGが増えまして、卒業後も共に仕事をする機会がありました。昨年は少人数ながら谷本先生や研究室OBの高橋さんと忘年会を実施しました。ようやくコロナ禍が消息する気配を見せて、皆さんとお会いする機会が増えていくものと思います。北見にお越しの際には是非ご連絡下さい。

(吉澤真吾 記)

○数理波動システム研究室

 各地でお過ごしの卒業生の皆様、お久しぶりです。北見で過ごした日々、まだ思い出の片隅に残っていますでしょうか。今年度は大学院生1名と学部4年生3名で活動しています。今年は久しぶりに対面形式の研究会が開催され、大学院生が発表を行いました。考えてみれば、これが研究室発足後はじめての対面発表なんですね。卒業生の皆さんが行った研究も着々と進展しており、いくつかは論文掲載に至りました。それから、卒業生の皆さんも使っていたプログラミング言語「Aqualis」ですが、4年生に開発の最後の一押しを行ってもらい、version 180.0.0.0にて公開の目途が立ちました(開発期間11年、長かった…)。授業は対面形式に戻りつつありますが、動画などのオンライン授業の教材は副教材として残していく予定です。マスコットキャラクターたち、まだまだ頑張ってもらいましょう。卒業生の皆様も、健康に気を付けてご活躍ください。またどこかでお会いしましょう。

(杉坂純一郎 記)

データサイエンス分野

○システム制御研究室

 卒業生の皆さまお元気でお過ごしのことと思います。

 今年度の研究室メンバーは、学生が、4年生3人、M1が1人、D3が2人です。4年生の2人以外は留学生(マレーシア1人、中国3人)で、ダイバーシティな構成です。スタッフは技術専門職員の宿院さんと榮坂で変わりません。D3学生は学位取得に向けて学術論文の投稿や学位論文の準備に忙しくしています。4年生とM1は、前期にゼミなどでしっかり(ゆっくり?)準備し、これからはじまる後期で本格的にテーマに取り組む予定です。

 大学は自由と平等を尊び、多様な価値観を持つ仲間とともに知性を育む場です。コロナ、紛争、気候変動など、明るい未来が見通せない時代ですが、大学は、1人1人のwell-being達成のために、仲間である同窓生の皆さまとともに力を合わせ、一歩一歩、社会の期待に応えたいと思います。

 今後とも末永いお付き合いを宜しくお願いいたします。皆さまのご繁栄、ご健勝を心から祈念しております。

(榮坂俊雄 記)

○テキスト情報処理とインタラクション研究室(桝井・プタシンスキ研究室)

 Tipラボは博士後期6名、博士前期9名、卒研8名と今年も大所帯で研究推進中です。

 近況としては、10月にユーソ君が無事学位論文審査をパスして博士号を取得したほか、D1にタンジム君、M1にサイフル君が、B4には大谷、高野、田邊、団、森、吉田の6名が新たに加わりました。

 桝井は冬季スポーツ科学研究推進センター長に加えて博士後期課程専攻主任の仕事も増えてますますバタバタしています。ミハウさんも学年担任と留学生の指導で以前より忙しくしています。こんな研究室ですが、これからも引き続き、カーリング情報学、観光情報学、自然言語処理の研究ペースを緩めることなく、北の大地より世界をリードしていきます。

 「北見のっけ」で研究室同窓会を再開できる日が来るのを心待ちにしています。

(桝井文人 記)

○核科学情報工学研究室

 核科学情報工学研究室の升井です。この研究室を起ち上げて18年が過ぎました。メンバーは馬場先生、竹腰先生、私の3人です。近年は研究テーマを「数理データサイエンス」、「データ駆動型観光情報学」、「データ工学による地域貢献」の三本柱とし、数理的手法を用いて、サイエンスにおけるICT活用と、地方のくらし・観光にICTを活用する取り組みを行っています。また、原子核反応データベース研究開発センターや北海道北見バス、網走バスとの連携も継続して進めており、現在、北海道北見バスでの実証実験を経て、実運用およびデータ解析手法の研究を進めています。

(升井洋志 記)

○知識情報処理研究室

 令和4年度の前田研は、M2佐藤君、B4川瀬さん、後藤君、辺田君の学生4名と技術員の奥山様と前田というメンバーです。今年度もコロナの影響(及び前田が闘病中のため)で、オンラインが主の研究室活動です。

 院生、学部生の皆さんはマルコフ決定過程の各方面(ロールプレイングゲーム、株式投資、推薦システム)への応用に関する研究などを行っています。

 例年だと「プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。」と締めくくるところですが、昨年に引き続き今年もコロナ環境下で皆さんも負けずに頑張ってください。

(前田康成 記)

○ロボット制御・ITS研究室

 卒業生の皆様、如何お過ごしですか?今年の夏も暑かったですが、北見は今、夜になると1桁台にまで気温が落ちて涼しさ/寒さを感じるようになりました。 さて研究室の近況ですが、コロナ禍で来日が遅れていた国費留学生がようやく4月に北見に着き、大学院で学んでいます。日本語や習慣が判らず苦労しているようですが、他の学生と日々実験に勤しんでいます。学生は大学院修士1年生が3人、学部4年生は3人います。4年生は3人とも就職希望でこれまでに無事内定を頂きました。現在、4年生も卒業研究に取り組んでおります。スタッフは去年と同様に川村一人です。今年も旧競馬場で走行実験をしています。ほかにもタイプの違う実験があるのでアバターか何か身代わりが欲しいときもあります。また去年と同様、今年も宴会自粛で研究室での楽しみが今一つ足りない感じがあります。こんな状況ですが、皆様、近くにおいでになった際には是非、研究室にお寄りください。

(川村武 記)

○情報通信システム工学研究室

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術員の宇野さん、卒研配属の4年生2名、博士前期2年生1名が日々研究に励んでいます。年度当初は研究室と在宅での活動がほぼ半々でしたが、現在は帰省中の学生のオンラインゼミを除いてほぼ研究室での活動に戻りました。学生3名はいずれも就職希望ですが、1名は確定、2名は就職先を確保しつつ就職活動を継続中です。研究は、これまでどおり音声分析や雑音抑圧、発話区間検出など音声信号処理の研究をすすめています。今年度からコースのプログラミング教育のメイン言語がJavaからPythonになりました。また、来年度からC言語の授業も復活するので、その準備がなかなか大変です。そろそろ研究室での飲み会も解禁されるかなと期待しています(早くぱあっとやりたいです)。当研究室出身のOB・OGの皆様、事態が収束しましたら、お気軽にお立ち寄り近況などをお聞かせ下さい。

(中垣淳 記)

情報光学分野

○情報光学分野

 卒業生の皆さんお元気ですか?「情報光学分野」は、光学、光通信、光情報工学、画像処理に関連した研究を行っています。所属メンバーは、三浦則明教授、黒河賢二教授、原田建治教授、原田康浩准教授、曽根宏靖准教授、酒井大輔准教授、桑村進助教、澁谷隆俊助の合計8名です。

 三浦研究室では、馬屋原がD2 となり、伊藤と西田の2名が博士前期課程に進学しました。新たに、朝井、菅尾、松田が4年生として配属され、総勢6名が三浦教授、桑村助教、澁谷助教の指導のもと、補償光学、天体画像回復、AIによる銀河画像解析などのテーマで観測、実験、ゼミに励んでいます。

 黒河研究室では、M2の小熊、M1の古賀、4年の大野、岡本、竹村、照井の総勢6名が相変わらずファイバヒューズの実験研究に励んでいます。最近では、ファイバヒューズの発生伝搬抑圧法を応用してファイバヒューズを抑圧した状態での光パワー伝送の研究にも取り組み始めています。

 原田建治研究室では、M2の大竹、M1の新田見、4年生の青木、新岡、鈴木の総勢5名が空中像表示、偏光色、光学教材開発などの卒業研究に励んでいます。今年度もコロナ禍が継続しておりますが、3年ぶりに大学祭での研究室公開を、曽根研究室、酒井研究室と合同で実施し、大盛況でした。また、今年もコロナ禍企画として、雌阿寒岳山頂ゼミを実施しました。あいにく山頂は激寒、暴風で大変でした。

 原田康浩研究室は、M1の大村、学部4年の桂川、棚橋、細川の合計4名の学生が、カーリング場の氷表面を測定するアイスシートスキャナーの開発、積雪における光多重散乱のシミュレーション、玉ねぎ内部腐敗および積雪物理パラメータの近赤外分光非破壊計測などをテーマに、ゼミ、実験、データ解析、ソフトウェアの開発など、研究に励んでいます。

 曽根研究室は、M2の安藤、高橋、滝本、M1の久保田、諸井、吉田、4年の木戸、清田橋爪の総勢9名で構成されました。また、客員研究員としてアビリシャーミアンさんが参加しております。研究テーマは、深紫外光通信に関する研究(安藤)、空間光変調器を用いた光情報処理(高橋、諸井)、太陽光励起レーザや新材料を用いたレーザ開発(滝本、清田)、光ファイバデバイスの作製(久保田、木戸)、特殊ファイバを用いた広帯域光発生の数値解析(吉田)、LCDパネルを用いた可視光通信(橋爪)、FBGの数値解析(アビリシャーミアン)など、コロナ禍ですが工夫しながら皆それぞれの研究に取り組んでいます。

 酒井研究室は、M2の福井、M1の上見、4年の石田、角谷、平塚、川島(電気電子)の6名がホログラムに関する研究や、空中像に脳波でインタラクションする研究、VRやMRに関する研究など、様々なテーマの研究に励んでいます。1月には福井が学会で受賞するという嬉しい出来事もありました。今年はコロナ収束が見えてきて、おもしろ科学実験や大学祭など多数の教育イベントにも参加しています。

 新型コロナウイルス感染問題はまだ沈静化していませんが、感染防止を前提としたウィズコロナの生活が浸透し、人の流れも戻りつつあります。大学でも対面式の講義・会議や各種イベントが復活しており、OB、OGの皆さんの来訪を歓迎する準備はできております。北見へお越しの際はぜひ研究室へお立ち寄りいただき、近況をお知らせください。

(原田康浩 記)

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地域未来デザイン工学科 社会インフラ工学コース

 2022年度の社会インフラ工学コース教員の人事異動についてお知らせいたします。2022年8月に水工学分野の新メンバーとして、アルサワフ助教が着任されました。久しぶりの新任教員として、コースに新風を吹き込んで頂きたく、大いに期待しております。また、9月末を持ち宮森教授が本学を去り、北海道大学教授となられます。これまで永きにわたり、構造系研究室を主宰されるとともに、今回の新型コロナ感染拡大に伴うオンライン講義実施支援において、多大な貢献を頂きましたこと、コースのみならず全教員を代表して御礼申し上げます。

 講義や実習は年度開始時より基本対面実施となりましたが、感染の拡大や学生から不安の声もあり、一部の講義や総合工学IIの発表会等はオンラインにて実施されました。講義のハイブリット化が大学のニューノーマルと言えるかどうかは評価を待つところですが、教員としては講義の質や学生の学力を下げることなく、社会インフラ工学コース教職員一同、今後とも改善に努めていく所存です。

(コース長:高橋清 記)

○河川防災システム研究室

 河川防災システム研究室の渡邊康玄です。現在、修士2年生2名、修士1年2名、学部4年生6名、社会人博士2名の構成で、久しぶりに大所帯となっています。恒例の月一回のミーティングは実施できていませんが、札内川のフラッシュ放流調査をはじめ、現地調査を精力的に実施しています。昨年11月に実施した知床のイワウベツ川の調査では、調査用の杭を打っている最中に、20mという至近距離でヒグマと遭遇しましたが、熊のほうで我々に恐れをなしたのか、何事もなく通過していきました。講義の方は、前期から基本的に対面授業が始まり、徐々に通常に戻ってきている状況です。卒業論文では、UAVによる河川堤防調査の可能性についての検討も新たに取り組み始めました。引き続き、先が見通せない状況が続いていますが、健康で活躍されることを祈念しております。また、機会があればぜひ研究室に顔を出していただければと思っております。

(渡邊康玄 記)

○河川・水文学研究室

 同窓会誌の冒頭でも触れましたが、早川教員は今年度で定年退職を迎えます。当研究室を振り返ると1973年に(故)内島邦秀先生が河川研究室を立ち上げ、1981年に早川教員が助手として加わり、早川教員が助教授となった2002年からは水文学研究室を立ち上げ、その後内島先生が退職した2008年からは河川・水文学研究室となっています。

 最後の卒研生は環境防災5名と社会インフラ1名の6名で、院生はM2の1名の計7名です。今年の就職は公務員希望が多く、国家公務員2名、山形・山梨県庁各1名、地元の市役所(姫路と釧路)に2名決まり、民間は札幌のコンサルに1名だけですが、順調に決まりました。卒研はこの10年ほど継続的に取り組んできた釧路川流域を対象とした①釧路湿原旧川復元河川の流路変動、②特異な春先の融雪流出解析の他、北見市内の小町川河川改修や藻琴川河道改修他に取り組んでいます。

 最近、求人で訪れる旧土木工学科OBの方は、その当時の教員が私と山崎智之先生しか残っていないため、研究室とは関係なく懐かしい顔を出してくれます。研究室OBの皆様も来年からは研究室はなくなりますが、当時習った先生を是非、お尋ねください。

 最後に、早川教員は退職後も生まれ故郷である北見に在住していますので、機会があればお声がけください。

(早川博 記)

○水工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、今年で5年目となりました。 M1の奥山ほのか、岸本真志、4年生の秋田智広、角嶋未来、中西郁弥、湊谷貴基、室井悠希、渡辺健斗の計8名の学生と共に研究活動を行っています。研究は、アイスジャムの水理実験・数値計算、ジュエリーアイスの現象解明、サロマ湖での漁船損傷を防ぐための消波対策工の実験的検討、解氷時期の推定手法に関する研究に取り組んでいます。今年度のゼミは、対面で行うことが増えてきています。アイスジャムの水理実験は、氷の空隙率に着目した実験や実氷を用いた実験を実施し、ジュエリーアイスの研究では「ジュエリーアイスプロジェクト」というホームページを立ち上げました。

 卒業生の皆様のますますのご活躍を期待しております。北見にお寄りの際は、ぜひお立ち寄り頂き、お話が出来ればと思っています。また、近況などお変わりがありましたら、ご連絡頂ければと思います。

(吉川泰弘 記)

○沿岸域工学研究室

 今年度は環境防災工学コース4名と社会インフラ工学コース2名の計6名の4年生が研究室に配属されました。水理学の復習や数値流体解析の基礎的なことを学びながら、各自の研究テーマに取り組んでいます。研究テーマは、ブシネスクモデルを適用した転波列の数値解析、サロマ湖の波浪・流れの数値解析モデルの構築など、基礎研究から応用研究まで様々ですが、実際の観測データを調べてみたり、数値解析モデルのプログラミングに触れてみたりすることで、流れや波の現象についての理解を深めてもらっています。慣れないながらですが、一つ一つの課題をクリアしていくことで達成感を得ながら、楽しんで研究を進めてくれているようです。良い成果が出ることを期待しながら指導しております。

(白井秀和 記)

図 サロマ湖周辺の流れの数値流体解析モデルによる出水時の流速ベクトル(左)、表層塩分の分布(右)

○構造・材料系研究室(橋梁工学研究室・地震工学研究室・コンクリート工学研究室・インフラマテリアル研究室)

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。今年度から宮森先生が教授に昇任され、卒業生の門田峰典先生が助教として赴任されました。また、橋梁工学研究室の岩渕さんの学位論文公開発表会が行われ、博士学位を取得されました。

 今年度も昨年度に引き続き感染防止対策を取り入れながらゼミやG-meetingを実施しております。大学全体で見ますと対面で実施する授業が多くなり、サークル活動の再開などコロナ禍前の学校生活に戻りつつあります。井上教授、宮森教授、崔准教授、齊藤准教授、山崎助教、門田助教、坪田技術職員、研究補助員の苅谷さんにご助力いただき、日々研究活動や、講義に励んでおります。また、名誉教授の三上先生と元技術職員の岡田さんには、週に数回大学に来ていただき、教育・研究に引き続きご支援いただいています。

 橋梁工学研究室はM2が1名、M1が2名、B4が6名の計9名で活動しております。高精度SfMとFEMモデルによる損傷同定、橋梁の24時間計測による動的性能の実態調査、橋梁点検データベース高度化、橋梁の桁遊間の変動メカニズム解明、歩道橋デッキプレート床版の損傷が振動特性に及ぼす影響、家庭用カメラを用いた防災に活用する方法と、MEMS+LPWAによる橋梁モニタリングの通信の安定性の検討などの研究を行っています。

 地震工学研究室はM1が2名、B4が2名の計4名で活動しております。主な研究内容としましては、むかわ町の津波避難に関する検討、橋梁のハイブリッド地震応答解析、北見市の洪水想定箇所におけるカメラ設置に関する検討などの研究を行っています。

 コンクリート工学研究室では、M1が2名、B4が6名の計8名で活動しております。耐寒性や防錆機能を指向した亜硝酸塩系グラウト材に関する研究、Al-Mg溶射技術を用いた防錆鉄筋の開発、高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの施工性と初期強度発現性、セメント系材料を用いたカーリングストーンの製作などに取り組んでいます。

 インフラマテリアル研究室ではM1が2名、B4が5名の計7名で活動しております。主な研究内容といたしましては、耐寒促進剤を添加した高炉スラグ微粉末含有モルタルの強度や収縮特性に関する研究、耐寒促進剤を添加したセメント系補修材の変形挙動やカルシウムと強度の関係に関する研究、耐寒促進剤を添加したセメント系複合材のC-S-Hの組成に関する考察などを行っています。

 最後になりますが、研究室一同、健康第一で研究活動に励んでいきたいと思っております。また、卒業生の皆さんのご健勝と益々のご活躍を心よりお祈りいたします。

(M1 大川慶起 記)

岩渕直氏博士論文公聴会の様子(オンライン併用)

○都市・交通計画研究室

 2021年度は修士1名、学部卒業生5名を研究室より送り出すことができました。新型コロナ感染拡大から2年が経過し、講義や打ち合わせにオンラインが当たり前となっている中ですが、以前のようなフィールドワークや対面での学会発表が激減し、貴重な経験を積むことができなかった学生には申し訳ない気持ちです。研究室での懇親会(いわゆる 飲み会)も、ここ2年間の実施されていなく、研究室メンバー間の関係性をどのように保つかは、未だに暗中模索の状況です。とはいえ、研究に関しては学部、修士学生とも、これまで以上に協力して実施している様子で感謝しています。昨年度の研究テーマは、継続的な自転車関連(今年度からも科研)や公共交通計画(ディマンドバスの評価、待合施設のサードプレイス性)、また、新規として地域物流などを取り上げました。モンゴルからの女子留学生にはモンゴルでの「道の駅」の可能性を検討してもらいました。将来、モンゴルに「MICHINOEKI」が実現することを夢見ています。

(高橋清 記)

○交通工学研究室

 現在、研究室には、筆者(富山)、博士後期課程学生1名(エチオピアからの留学生)、博士前期課程学生6名(内1名はインドネシアからの留学生)、学部生6名が在籍しており、人・乗り物・道路に関する基礎研究や産官学連携の共同研究を活発に行っております。特に今年度は、JICAの長期研修生として留学生2名が加わり、一層活気付いております。また、博士前期課程1年生の稲木万玲さんが、土木学会第27回舗装工学講演会で東日本高速道路株式会社との共同研究成果を発表し、優秀発表者賞を受賞しました。研究室の近況については、研究室ウェブサイト(https://sites.google.com/site/kittomiyama/)でも紹介しておりますので、ご覧いただけますと幸甚です。

(富山和也 記)

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地域未来デザイン工学科 バイオ食品工学コース

 コロナ禍も3年目を迎え、第7波の現在も収束の目処が立っておりませんが、本学ではこの4月から一部を除きほぼ対面講義を行っております。感染者は散発的に確認されているものの、幸いなことにこれまでにクラスターは発生しておりません。そのため、このまま後期も対面で行うことができそうです。少しずつですが、本来の大学環境に正常化しつつあるのを感じております。

 そんな中、今年の3月に大谷助教が当コースに赴任されました。また、先端材料物質工学コースから、齋藤教授と陽川准教授が移ってこられ、7名まで減少していた准教授以上の教員数が9名まで回復しました。しかし、食品衛生管理者養成施設における認定科目の一部は、未だに外部講師に依頼せざるを得ない状況が続いております。バイオ食品工学コース内で完結できる体制の早期構築が望まれます。

 なお、本年2月に開催された北京冬季オリンピックの女子カーリング種目において、バイオ環境化学科を2014年に卒業した鈴木夕湖さんが、平昌オリンピックに続き、2大会連続でメダルを獲得しました。コロナ禍のために前回のようなパレードができなかったことは大変残念でしたが、7月には本学に報告に来られ、2度目の本学栄誉賞を授与されました。コロナ禍の中、ささやかではありましたがお祝いができ、明るいニュースとなりました。

 同窓生の皆様におかれましては、コロナ禍の中、大変な状況でお過ごしの方も多いのではないかと拝察致します。いっときも早いコロナ禍の収束と、皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後とも変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

(コース長:佐藤利次 記)

○食品科学研究室

 同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に学部生4名が卒業し、修士学生3名が修了しました。学部生2名は本学大学院に進学し、1名は民間企業、1名は地方公務員に採用されました。現在、博士後期課程2年2名、修士2年1名、修士1年2名、4年生6名(うち、2名が過年度生)の11名の学生が在籍しています。22年8月下旬時点で、学部生2名が民間企業に内定しており、2名が進学予定です。現在、当研究室では、シイタケの分子育種研究と、きのこ発酵農産物に関する研究に取組んでいます。皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

 なお、本年は、当研究室を平成26年3月に卒業した鈴木夕湖さんが、2月の北京オリンピックのカーリング女子で、平昌オリンピックの銅メダルに引き続き銀メダルを獲得し、7月には、本学2度目の栄誉賞が授与されました。今後ますますの活躍が期待されます。皆様にもぜひ応援していただきたく、今後ともよろしくお願い申し上げます。

(佐藤利次 記)

○生物無機化学研究室

 皆様お元気でお過ごしでしょうか?当研究室のスタッフに大谷優太先生が加わりました。首都大学東京(現 東京都立大)大学院博士後期課程終了、山陽小野田市立山口東京理科大学で5年間勤務された後、2022年3月に本学に赴任されました。専門は粘土科学、光科学であり、36歳のバリバリの研究者です。早速2名の学生の卒研指導をお願いしており、研究室の活性化に寄与していただいております。今年度の配属学生は、2名のM1および5名の4年生で、コロナ禍前の2019年度以来3年ぶりに、院生が在籍する研究室となりました。 オンラインですが、院生による学会参加も行われ嬉しい限りです。

 授業の大半も対面で行われております。菅野は、今年度前期、地域未来デザイン工学科1年(220名)対象の“化学I”(第6波、7波のコロナ禍の中、受講生が多いためオンライン)を担当し、バイオ食品工学コース(旧バイオ環境化学科、旧化学システム工学科)以外の学生に化学を教えるという初めての経験をしました。オンライン教材作成等で忙しい思いをしましたが、“化学”に携わってきた者として、一から化学を見直す良い機会ともなりました。

 最後になりましたが、皆様の益々のご健勝を祈念いたします。また、菅野が定年退職する前に、研究室に足をお運びくだされば望外の喜びと存じます。

(菅野亨 記)

北見市野付公園にて(2022年4月12日)(後列右端が大谷優太先生、1名不在)

○食品栄養化学研究室

 今年度の学生の構成は、学部4年生5名(大橋香月、昆慈仁、鈴木美果、中川雄太、廣田啓介、松浦裕二)、博士前期課程1年1名(三浦典万)、博士前期課程2年2名(中村瑞稀、GANBAYAR GANBOLD)、博士後期課程2年2名(QIU SHIMAN、PERLEIDULAM BUNDDULAM)です。学部4年生は、4名が民間企業への就職が決まりました。修士2年生は1名が民間企業への就職、1名が後期課程への進学が決まりました。現在、キバナオウギ、シーベリー、アロニアなどのアレルギー抑制作用および抗炎症作用に関する研究を培養細胞を用いた実験により進めています。また、ピンクニンニクの有用成分に関する研究を始めました。引き続き同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(新井博文 記)

○バイオプロセス工学研究室(小西研)

 令和4年10月現在での所属学生は非常勤スタッフ3名、博士後期課程2名、博士前期課程3名、学部4年生3名となっております。昨年度昇任された邱先生の研究室にも学生が配属され本格始動されております。引き続き一部の研究室行事を一緒に行うなど良い関係を続けています。昨年度から所信表明会や中間報告会を菅野研、宮崎研、邱研などと合同で開催するなど活発に活動しています。昨年度から引き続きNEDOバイオものづくりプロジェクト、サポイン事業、科研費等の外部資金により資金的なサポートも継続しており、民間企業との共同研究や相談なども増加傾向です。OBの加藤勇太氏は引き続き環境大善共同研究講座にてサブリーダー的立場で研究活動に邁進しております。私自身はますます多忙になっておりますが、4月から博士後期課程の学生として大学に戻っている渡辺一樹氏のサポートもあり、良好な研究室運営ができております。渡辺自身もR5 年度の学術振興会特別研究員に採択されるなど、目に見える成果を挙げつつあります。今後、所属学生の更なる飛躍も期待しております。末筆になりましたが、卒業生のご多幸をお祈りしております。今後とも変わらぬご支援のほどお願いいたします。

(小西正朗 記)

○天然物有機化学研究室

 当研究室は今年度で早7年目となり、今年度のメンバーは筆者(霜鳥)と大学院2年生1名、学部4年生4名と昨年よりも増えました。コロナ禍も3年目となりますが、幸いにして当研究室では今のところ大きな影響を受けずに各自研究活動に勤しむことができています。現在の研究活動は、“光学活性な3-メチル-4-アルカノリドの類の合成と香気特性の評価”、“光学活性なγ-ジャスモラクトンおよび類縁体の合成と香気特性の評価”をテーマに掲げ、“化学構造”と“におい”との関係性を解明することを目的として行っています。また、北見はハッカの町として知られる場所なので、“北見産ハッカ水蒸気蒸留残滓を原料とした緑色着色料の開発”をテーマとして研究を行っており、研究活動を通して地域貢献ができればと考えております。最後になりますが、このような状況の中ではありますが、卒業生の皆様のご健康と、益々の御活躍、御発展を心よりお祈り申し上げます。

(霜鳥慈岳 記)

○植物分子工学研究室

 2021年度に陽川が准教授に昇任してから本研究室の立ち上げとなり、本年度で研究室としては2年目に突入しました。本年度から陽川の所属も地域未来工学科・バイオ食品コースへと変更になりました。

 現在は博士前期課程1名、学部4年生3名の所属と、研究補佐員と特任研究員の総計7名で日々頑張っています。昨年修士を卒業した菅原拓也君は修論発表直前にオンライン開催された国際シンポジウムにてポスター賞を受賞、本年度に入ってからは学部4年生(!)の依田明歩君が6月に国内学会において優秀発表賞を頂きました。他のメンバーも、日々植物にまつわる研究テーマに真剣に挑戦しています!

 コロナ禍で自由にお祝い(飲み会)をすることが出来ずにもどかしいのですが、頑張ったことが研究室を旅立った先のどこかで役立つととても嬉しいです。まだラボの歴史は若いですが卒業生はいつでも研究室へ遊びに来てください。

(陽川憲 記)

○環境分析化学研究室

 卒業生・修了生の皆様。お元気でご活躍のことと拝察いたします。今年度は3名の4年生を迎えました。それぞれのペースで卒業研究に励んでおり、11月と1月の学会発表に向けて準備しています。博士後期課程の学生の学会発表は昨年に続き注目研究に選出されました。学生自身が発案し、実施した研究テーマです。教員の指示に従って頑張るのではなく、何をするか?どうするか?勇気を持って物事を推進する人材としての成長を期待します。また、ベトナムから迎えた留学生は後期課程への進学が決まりました。新たな時代を開拓するグローバル人材としての成長を期待します。社会生活が正常に戻りつつも、長年に亙る日本の低成長が響き、将来への深刻な懸念材料となっています。皆が正しいと信じる前提条件を疑う勇気が必要と言われています。日本には過去に2度の躍進の時期がありました。1回目は明治維新、2回目は戦後です。いずれも人々が命懸けで守ってきた価値観が全否定された後です。若い皆様のご発展を心から祈念しております。

(齋藤徹 記)

○バイオ環境材料研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。お元気でお過ごしでしょうか。バイオ環境材料研究室は、一昨年度より本格始動した新しい研究室です。現在は、4年生4名で日々研究に勤しんでおります。また、7月には吉田先生の研究室の卒業生でモンゴルの大学で教鞭をとっていらっしゃる方々が研究員として短期ではありますがいらっしゃいました。研究内容は、「汎用プラスチックへの生分解性の付与」や「プラスチックリサイクル技術の開発」、「未利用木質バイオマスを用いた生分解性プラスチック複合材料の開発」等、行っておりますのでご興味がある方で、北見にお寄りの際はぜひ気軽にお立ち寄りください。皆様のご健康とご活躍を祈念いたします。

(宮崎健輔 記)

○食品プロセス工学研究室

 令和3年(2021)4月、食品プロセス工学研究室が立ち上がりました。本研究室の邱泰瑛准教授は、これまで本学の食品機能分子制御学研究室(佐藤之紀教授、現弘前大学所属)、環境分析化学研究室(齋藤徹教授)、バイオプロセス工学研究室(小西正朗教授)に所属する経験があり、各研究室のそれぞれの良さを参考に、本研究室の研究及び教育に活発な取り組みを行っています。今年初めて迎えた学部生5名(男子3名、女子2名)、そのうち4名(男子2名、女子2名)は本研究室で進学することを決めました。就職の1人は内定を得ています。現在本研究室は立ち上がり段階のため、在籍の先輩がいなく、かなり挑戦的な環境ですが、本学のバイオプロセス工学研究室との緊密な連携のおかげで、新規研究に向けて順調に邁進しています。研究では、現在3軸(亜臨界水、食品応用微生物、微粉砕工程)で実施しています。また、コロナ禍の収束が見えてくるので、来年から台湾との国際交流でも再開しようと計画しています。同窓生の皆様、もし上記内容に興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。これからもどうぞよろしくお願いします。

(邱泰瑛 記)

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地球環境工学科・地域未来デザイン工学科 地域マネジメント工学コース

 旧マネジメント工学コース、地域マネジメント工学コース卒業の皆さん、元気にご活躍のことと思います。今年度、卒業研究となる地域マネジメント工学プロジェクト(以下、RMEP)に取り組む学生は22人です。22人のうち、5人が工学の専門コース(基盤コース)の研究室で研究に取り組んでいます。今年度はRMEPの指導教員として三枝先生が研究室(知的財産研究室)を構えることになりました。来年からは、この母校便りで近況を報告することになります。さて、今年は地域マネジメント工学コースとして、大きな報告があります。それは、来年4月から大学院工学研究科の博士前期課程に「マネジメント工学プログラム」が開設することになったことです。これまで、旧マネジメント工学コース・地域マネジメント工学コースを巣立った皆さんから多くの声が上がっていた待望の大学院がついに設置を迎えます。大学院「マネジメント工学プログラム」では3つの大きな教育の柱を掲げます。「研究・開発システム」、「社会実装マネジメント」、「地域共生マネジメント」の3つです。工学の実用価値実現に向けた研究・開発の実践の現場で必須とされる業務プロセスの領域と工学技術の社会実装の領域における高度なマネジメント専門的知識を備えた工学人材を輩出していきます。このマネジメント工学プログラムには、9月時点で3名が進学予定です。旧マネジメント工学コースの設置から15 年の歳月を経て、大学院へとつながります。地域マネジメント工学コースのアイデンティティをさらに強化し育てていきます。どうぞご期待ください。

(コース長:内島典子 記)

○産学官連携価値創造研究室

 産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがお過ごしですか。今年のCVR研は、男子学生3人、女子学生3人の6人の学生が配属となりました。新型コロナウィルスの感染防止対策のため、研究室活動もまだまだこれまでのような活動ができず、春と秋に実施している泊まり込みでの研究合宿&交流会もお預け状態です。その一方で、研究室では、地域マネジメント工学コースの後輩への研究室紹介や学会での発表(8月、そして12月に予定)に精力的に取り組んでいます。今年の研究テーマもバラエティーに富んでいます。内島が担当する4人の学生は、大学発ベンチャーの特徴解析や産学官連携の認識の現状把握、文化芸術を通じた地域活性化の事例研究、そして、現在地球温暖化対策として二酸化炭素を吸収・貯留するとして世界的に注目されているブルーカーボンの研究領域とその特徴解析です。于先生が担当する2人の学生は、サービス業における生産性向上に向けた文献調査と介護職の定着率向上に向けた介護従事者のストレス要因に関する研究に取り組んでいます。毎年、産みの苦しみを味わう研究テーマの確定も一人一人が納得するテーマとなり、2月の卒論発表会に向けて研究活動を進めています。この同窓会誌を目にしながらCVR研の卒業生の皆さんが懐かしく学生時代を思い出してくれると嬉しいです。ぜひ北見に来る機会がありましたら一報ください。いつでも大歓迎です。懐かしい顔に会えることを楽しみにしてお待ちしています。

(内島典子 記)

○戦略的協創イノベーション研究室

 卒業生のみなさん、社会で元気にご活躍のことと思います。「戦略的協創イノベーション研究室(藤井研)」は、スタートして早くも2年目を迎えました。藤井研では、これから到来する超スマート社会(SOCIETY5.0)の実現に向けて、求められる戦略、組織と人財とは何か、地域・社会や企業における課題点は何か、このような問題意識からDX社会が齎す社会・産業・企業のパラダイム変化における戦略・組織・人財・イノベーションの普遍的なモデリングの研究を進めております。北海道のイベーションに資する研究では、北見工大が保有する工学・技術を俯瞰して地域・社会への実装化をテーマに政策的な提言も行っています。道の駅をデジタルで結ぶ「コネクテッド・コンパクティ・コミュニティ構想」では、地域のステークホルダーとの産学官金連携により、地域課題の発見からデジタル化アプリの社会実装化に向けた一連の活動も行っています。2023年4月から大学院マネジメント工学プログラムが新設となり、社会人の入学も可能となりました。またどこかで一緒に研究出来る日が来ることを楽しみにしています。

(藤井享 記)

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○基礎教育系

 卒業生の皆さまにおかれましては、お元気でご活躍されていること存じます。

 基礎教育系の科目の授業は、外国語や体育実技など対面が必要とされるものが多くあります。これまで授業は、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインで行われることも多々ありました。今年度は、感染拡大防止に留意しつつ、ほぼ通常通りに行われているという状況です。

 さて、基礎教育系の近況です。まず、英語担当のジェニファー・クラロ先生が准教授に昇任されました。また、IR業務担当特任助教であった中村幸彦先生が数学担当の准教授として着任されました。さらに、数学とIR担当の豊川永喜先生が助教として着任されました。こうして、若い先生方が入っていくことで、基礎教育系もさらに活気づいてくるのではないかと思います。そして、来年3月には、数学の山田浩嗣先生が退職となります。これまで基礎教育系の人事やカリキュラム、学内の交流などについてお知恵を借りてきました。残り短い期間ではありますが、最後までいろいろと相談に乗ってもらおうと考えています。

(系長:柳等 記)

○中村研究室

 この度、基礎教育系の数学科目担当として准教授となりました中村文彦と申します。これまでは本学の学内のデータを収集分析して大学運営に役立てるIR業務を担当する特任助教として4年ほど勤務しておりました。今後は引き続きIR業務を兼任しながら本学の数学教育にも尽力して参ります。自身の専門としては、ランダム力学系、エルゴード理論とよばれる時系列データの統計的性質を議論する理論の研究をメインテーマとし、確率統計、測度論、作用素論などをベースに研究しています。また理論研究にとどまらず、現実の様々な複雑現象に対する理論応用や解析手法の開発を目指し、計算機による数値実験も行い、理論と応用の両サイドから研究を行っています。数学がどのように異分野の研究あるいは社会に役立てるか、その答えを知ることが私の一つの目標でもあります。数学にとどまらず様々な方との交流を通じてこの答えを模索していければと思います。

(中村文彦 記)

○豊川研究室

 皆様、初めまして。今年の2月に基礎教育系助教として着任し、数学とIRを担当いたします豊川と申します。自分は2021年3月に北海道大学で数学の学位を取得し、2021年4月から2022年1月の間は九州大学マス・フォア・インダストリ研究所にて特定プロジェクト助教をしておりました。九州大学では数学をデータサイエンスに絡めた、初学者向けのオンライン教材の作成プロジェクトにも携わっておりました。

 さて、自分の研究分野は数学の中のエルゴード理論と呼ばれる分野です。この分野は熱力学や統計力学と密接に関わっており、平衡状態や非平衡状態を数学の言葉で記述しようということが一つのモチベーションになっていて、自分もそういったことに興味があります。最近では、相転移を示すよく知られた数学的なモデルに対して、量子力学的観点からも重要な非可換エントロピーといった統計量の計算を試みています。それでは皆様これからどうぞよろしくお願いいたします。

(豊川永喜 記)

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