母校だより 2024(令和6年度)
- 大学の現状と課題、そして新しい試み 北見工業大学学長 榮坂俊雄
- 3.駅前再開発の進む北見とともに 同窓会会長 有田敏彦
- 退職の記
- 退職の記思いもよらなかった北見での教員生活 前北見工業大学学長 機械電気系 鈴木聡一郎
- 北見工大での日々を振り返って 応用化学系 菅野亨
- 巉峭峙つ起伏の岨、澎湃寄する激浪の中で 社会環境系 渡邊康玄
- 定年退職雑感 応用化学系 佐藤利次
- 同窓生の活躍
- 令和7年度北見工業大学公開講座
- 学科だより
会誌発行に寄せて
北見工業大学学長 榮坂俊雄
同北見工業大学同窓生の皆さまには平素から本学に対しご厚情を賜り、深く感謝申し上げます。本年4月に学長に就任し、ご挨拶をかねてご報告とともに所信を申し上げます。
まずは2024年3月から11月1日現在までの教員の異動者についてご紹介します。次の方々が退職されました。鈴木正清教授、藤井亨教授、本間圭一教授、岡崎文保准教授、鳴島史之准教授、早川吉彦准教授、松村昌典准教授、アシャリフファラマルズ助教、あるさわふもはまどばせる助教、羽二生稔大助教、山崎智之助教。一方お迎えした教員は次の方々です。加賀谷勝史准教授、桐原崇亘准教授、高城翔平准教授、川合政人助教、平野満大助教。皆さまのこれまでのご尽力に感謝申し上げますとともに、これからのご活躍、ご健勝を心から祈念しております。
私自身も対外的な業務が増え、大学を代表する責任を感じています。この半年だけでも、学長懇談会等(国立工学系、工学部出身、道内国公私大、道内高専・工学系大学など様々な学長の集まりがあり、課題認識・意見交換の機会があります)、国立大学協会、文部科学省、地方自治体、経済団体(北海道経済連合会、中小企業家同友会、商工会議所)、ロータリークラブ、日本工学アカデミーなどの皆さまと意見交換させて頂きました。これらの新しいお付き合いや高等教育に対する各種諮問機関からの関連資料などの情報を通じて、あらためて感ずることが多々ありました。以下では社会的背景を踏まえた最近の大学事情についてご紹介するとともに、今後の本学の進むべき道について私見を述べたいと思います。
国立大学は 20年前の法人化以降、「研究に裏付けられた教育」という本来の意義に加えて、民間的発想の導入と学外者が参画した経営、イノベーションとマネタイズ、国際的研究成果と地域課題解決への直接的貢献、が求められてきました。一方で運営費交付金は20年で約13%減額され、さらに競争による選択と集中、書類作成作業等の増大、物価高騰により特にマンパワーの不十分な地方大学は疲弊しています。また、先進国に比べ博士課程への進学率が低く、大学の教員ポストも不安定(任期制雇用)であるため、後進が育たない深刻な状況です。もちろん、これらの課題は国立大学協会や文部科学省でも認識され、改善への道も探られています。しかし、少子化の影響は大きく、新しい高等教育機関の在り方を根本的に見直す必要に迫られています。
大学は孤高の存在では無く、本学も労働力不足や GDP国際順位の低下という国家の危機に対して多少なりとも貢献したいと考えます。ただし、大学を企業化するという安易な発想は効果がありません。岩井克人東大名誉教授は「イノベーションを成功させ持続させるにはどこかに必ず非営利的な要素(社会的な目的)が要る」と述べています。大学が持続的に社会に貢献するためには、非営利的な要素を忘れてはならないと思います。大学は研究課題や教育内容・方法について地域社会の要望に応えつつ、流行の後追いではない、多様な価値観の尊重が必要です。その上で大学と企業・団体・自治体は相補的な関係で共創することが重要だと考えます。
本学が2022年4月に小樽商科大学および帯広畜産大学と経営統合し、発足した北海道国立大学機構では、教育・研究・社会貢献のための基盤的組織体制が構築されました。すなわち、教育イノベーションセンター(ICE)、オープンイノベーションセンター(ACE)、そして産学官金連携統合情報センター(IIC)です。今後、コンテンツを充実させ、3大学教職員やステークホルダーの理解、協力を得て、異分野三大学のシナジー効果を発揮していきたいと考えます。そのために、同窓生をはじめとする地域の企業・団体・自治体の方々には特に以下についてご理解とご支援を賜りたいと考えています。一つは本学の教育研究活動に積極的に参画いただきたいということです。学生もメンバーとなる共同研究テーマへの取り組みに参加いただければ、JOB型採用にも繋がります。もう一つは令和8年度開始予定の本機構の新しいリカレント教育「単位累積型学位取得プログラム」にご関心をいただき、ご自身や周りの方々に参加いただきたいということです。「単位累積型学位取得プログラム」について詳しくご説明するスペースがありませんが、農商工をミックスした学び、居住地や学修期間に柔軟性がある学びができ、人材の高度化、定着など、送り出す企業・団体・自治体にも大きなメリットがある学位プログラムです。またデジタル教育に関する大学院プログラムも同じく令和8年度から開始予定です。こちらにも参加を歓迎します。これらの新しい試みについては改めて広報させていただきます。
人生を振り返ったときに「大学時代は間違いなく幸せだった」と言える場であることが究極の大学の意義と考えます。そしてそのような場を提供することが私の使命と考えています。同窓会は時代や立場を超え、幸せな思いを共有する仲間の集まりです。引き続き見守りくださいますよう、お願い申し上げます。
3大学統合、元年に際して
同窓会会長(昭和53年機械工学科卒業) 有田敏彦
同窓会の皆様、今年度も同窓会長をお引き受けすることになりました。よろしくお願いいたします。なかなか事務局問題を解決できず大変申し訳なく思っておりますが、現職の先生方も学長交替や改組関係でお忙しいようで打ち合わせ会も出来ておりません。また、現職教職員の卒業生割合が低くなってきているのも実態であり、事務局運営も厳しくなってきています。この様なこともあり事務局のOB支援体制の確立と考えていますが、OBといえど運営に際しては前に進みづらい課題もあり厳しい状況もあります。事務局問題解決に向けて努力をしてまいりますが、状況等ご理解いただければ幸いです。
さて、標題にありますように今回は大学の話から離れ、変わりゆく北見市の駅前に着目してみたいと思います。北見駅の周りは昭和50年代、駅に向かって右側に国鉄の管理局とパーラー等のお店があり、左側は駅前交番と日通さんが目立っていたかと思います。その後、右側には東急百貨店が建ちパラボへと移り変わり、国鉄管理局の後にはアサヒビール園ができ、2018年12月15日からは北見バスターミナルになっています。また、左側は駅裏とつながるプロムナードができており、駅裏には市立図書館、芸術文化-ホール、オホーツク木のプラザと、当時国鉄の官舎や関連施設があったところはイベント広場になっています。
一方駅を背中に向けると、当時は右に丸井伊藤、左に金市館があり金市館の裏には映画館みゆき座とその上にロッテリアができたのを覚えてられる方も多いかと思います。現在、丸井伊藤は東急系列HOWを経て北見信用金庫本店になっています。また、金市館はルートイングランドとなっており、駅前に関しては、若い世代には「なつかしい」でしょうが、我々世代の昔の景色はほぼありません。
これからさらに変わるのは経済センターが現在の位置から道路向かいに移設されます。また、2条通りにある元拓銀現北洋銀行の駅側は大槻ビルが1回ローソンでカンテックビルとなっており、なつかしさは薄れ、せいぜい中央通り向かいの元富士銀、現道銀が建物だけがなつかしく残っている現状です。
そんな中今年も北見支部では、経済センターにおける最後の開催になるビールパーティー(夏を楽しむ集い)を7月26日に開催し、今年も留学生の紹介や抽選会等がなされOB、市民等に楽しんでいただきました。
最後になりますが、このように変わりゆく北見市とともに同窓会を盛り立てられるよう連携活動、事務局体制の見直しについて検討していきます。また、同窓生はもとより、現役学生へ同窓会のアピールを含めた支援活動を大学やKIT元気会等との連携の中で進めてまいりますので、これからも同窓生各位のご支援、ご協力をよろしくお願いたします。
思いもよらなかった北見での教員生活
前北見工業大学学長 機械電気系 鈴木聡一郎
私の社会人生活は、関西でスタートしました。バブル景気を目前に控え、企業も世界市場を睨んだ事業拡大を積極的に展開している時代でした。「企業戦士」「24時間戦えますか?」などという言葉が、日常の中で違和感なく飛び交っていました。私はスポーツ用品メーカーの研究所に入社し、新たな材料・設計による「世界一飛ぶゴルフクラブ」の研究開発を命ぜられました。3年の歳月をかけ、高反発性能を持つゴルフクラブヘッドの設計を明らかにしました。時を同じくして、大手金属メーカーとの共同研究が実を結び、比重が小さく靭性が高いチタンの鋳造法が確立でき、チタンの特性を生かした「世界一飛ぶゴルフクラブ」を世に送り出すことができました。35年前に1本25万円もするゴルフクラブでしたが、スポーツ新聞や専門誌でも高評価を得て、会社を代表するヒット商品となりました。大きな達成感を感じたのも束の間、金属業界でチタン鋳造技術が注目されることとなり、自動車会社や半導体関連企業などからヘッドハンティングを受ける結果となりました。スポーツ用具の研究開発に大きな魅力を感じていた一方で、あまりの好条件に心が揺らぎました。一度は会社に退職願を提出したのですが、直属の上司から強く引き止めていただき、結果的には母校の北海道大学で数年間、博士号取得も視野に入れて次の開発に必要な研究を進める計画となりました。北大では連続体の振動解析について学び、公私にわたり非常に充実した経験ができました。ところが、研究成果も出始め博士号取得のための主査の先生も決まり、次の目標に向かって全力で・・・というタイミングでバブルが崩壊。急遽、研究生を辞めざるを得ない状況となりました。あと1週間ほどで神戸に帰るという年末近くのある日、雲一つない真っ青な空と真っ白な雪が降り積もった美しい札幌の景色に、「こんな景色を再び見ることは叶わないだろう」と札幌駅で地下鉄を降り、その景色を.み締めながら工学部まで歩くことにしました。北口を出てすぐハローワークがあることに気付き、新しい住所を登録することにしました。住所変更の用紙に記入していると、「数日前に珍しい求人が来てましたよ」と差し出されたのが「北見工業大学機械システム工学科助手」の求人票でした。正に「青天の霹靂」とも言える転職でした。あの日、天気が悪かったら?と今でも度々思います。
着任後は、企業での経験を生かした教育・研究を目指しました。学内外の様々な状況で、北見工大生の素直さに感心させられることが多く、研究室での教育・研究を通じて学生たちを磨き上げ、社会に送り出すことに情熱を注ぐモチベーションになりました。助教授になってからは、必然的に学生たちと過ごす時間が増え、キャンプや宴会、ママチャリレースやマラソン大会、スキー旅行など研究以外での付き合いも増えていきました。これらのイベントは、ただ楽しむことを目的としたものではなく、「社会で活躍できる人材育成」を意識した企画でした。そんな研究室に、毎年のように卒業生が突然遊びに来てくれたこと、学長就任時も退任時も、多くの卒業生が「鈴木聡会」を企画し集まってくれたことは教員冥利に尽きますし、一生忘れることはないでしょう。
さて、大学での研究を振り返ると、一貫して「ヒトの身体制御系の優秀さ」を模したシステム制御を対象としてきました。「固視微動に着目したDLT法による両眼立体視」では、当時のパソコンの性能でリアルタイムロボットビジョンの実現を目指し、非駆動関節マニピュレータの研究では、多様体理論を基に可制御性の証明に腐心しました。さらに二足受動歩行ロボットの安定化制御では、神経振動子を物理振り子に置換した制御で、環境適応性の高い歩容の安定化に成功しました。スキーのブーツ設計やターン技術についても工学的観点から研究を進め、冬季スポーツ科学研究推進センターの設立に至りました。研究成果で作られたブーツで、上村愛子選手が2度のオリンピックで4位となり、世界選手権では見事金メダルを獲得しました。その後開発したブーツ用パーツは、今でも大手スポーツ用品店をはじめ、全国の専門店やインターネットで販売され、その利益は全額、日本代表選手の活動サポートに使われています。さらに、技術分析の研究成果をまとめた「スキー技術の真実」を出版し、全日本スキー連盟の専門委員として指導員育成やスキー検定の教科書となる日本スキー教程の制作にも関わり、異分野の多くの方々とつながることができました。
思いがけず学長に就任してからは、教育・研究の現場から完全に離れ、公約として表明した事項のほとんどを初めの1~2年で実行しました。2年目以降は経営統合に向けた取り組みを進めながら、学内の組織改革と国際化をさらに強化しようとした矢先、新型コロナウイルスのパンデミックが起こりました。学長の業務も3年以上にわたり大きく制限されましたが、学長という立場になって多くの出会いがあり、多くの情報に触れ、多くの気付きがあったことは人生の宝となりました。
学長の任期満了が近づき、4年ぶりに保護者も同席できる学位記授与式の開催を心から楽しみにしていました。そのリハーサルに向かう準備をしている最中、自宅で突然倒れました。これまでに経験のない、何か大きなものが胸から背中に貫通したような衝撃と痛みを感じました。救急搬送後の検査で急性大動脈解離スタンフォードA型という診断を受け、緊急手術となりました。出血も多く、生存率は10%程度だったとのことでしたが、医療スタッフによる8時間にも及んだ懸命な救命手術により、一命を取り留めることができました。7月に二度目の手術を終え、体調は順調に回復しています。予定通り、スキー研究で開発した映像分析技術を基に姿勢推定AIを開発し、北見工業大学発スタートアップとして起業を準備しています。将来的には、その利益を原資に学内ファンドを設立し、多くのスタートアップを成功に導くことで本学発展の一助になればと思い、その制度設計を進めているところです。今後益々、北見工業大学の輝きが一段と増していくことを期待しております。教職員の皆様、在職中は大変お世話になりました。
北見工大での日々を振り返って
応用化学系 菅野亨
ついにこの時期を迎えてしまったというのが実感です。
高校時代のクラスメートと一緒に札幌から列車に乗り5時間半後、肌寒い3月の北見駅に降り立った時の不安な気持ちは、今でもはっきりと記憶しています。入学することになる工業化学科は、明確な希望を持ち選択したわけではなく、今から思えば、何も考えていない学生でした。卒業後は東京で就職するのかなと何の根拠もなく漠然と考えていた私が、母校の北見工大で“化学”を生業とした教育研究生活を送り、こうして定年退職を迎えることになるのは、我が事ながら驚くばかりです。
振り返ると、私には3つの転機があったと考えています。
第1は、恩師の小林正義先生との出会いです。劣等生であった私を熱血指導してくださり、本学の教職員(文部技官、助手、講師)まで引き上げてくれた恩人です。研究生活において、“よく学びよく遊ぶ”ことを体現された方でした。今では考えられないことかもしれませんが、夕食後の 19時から研究室ゼミが始まったり、実験終了後の 23時過ぎに仲間とお寿司を食べに行ったりもしました。理由をつけては先生を巻き込んでコンパを行い、近郊、遠方へのドライブなど、怖いもの知らずの楽しくかつ夢中で過ごした学生生活でした。また小林先生は、面識がなかったイギリス人講師のターナー先生そして後任のクレーシー先生に直接連絡をとり、研究室内で週1回、英会話ランチョンセミナーを企画してくださり、そのおかげもあり語学力を飛躍的に向上させることができました。国内外の多くの学会にも積極的に連れていってくださり、私が職員になってからのことですが、2度にわたって4つの国際会議および歴訪(アメリカ、ドイツ(当時は西ドイツ)、カナダ、メキシコ、ポルトガル、ブルガリア)にご一緒し、多くの経験を積むことができました。出張の合間に、国境をまたいでパリの街を一人で歩き回ったのも懐かしい思い出です。また、今は見ることのできない、“ベルリンの壁 ”をはさんだ東西ベルリンの街並みの色の違いに唖然としたのも印象に残っています。
第2は、所属していた化学システム工学科(旧工業化学科)から、留学生教育相談室(現国際交流センター)講師としての異動です。3年間在籍した前任の亀田先生(現社会環境系)の後を引き継ぎ、留学生への日本語教育という未経験の分野へ進むこととなりました。日本語の参考書を買い込み、にわか仕込みのいいかげんな日本語講師でしたが、留学生のための公式イベントの一泊旅行やスキー旅行、年度末に行われた“留学生交流の夕べ”など、一緒に楽しんだ良き思い出の多い7年間でした。学長先生、副学長先生にイベントでお目にかかる機会が多く、また教務課や国際交流センターの職員の方々とは、忘年会や懇親会でご一緒しお話を伺う機会が毎年何回かあったことより、大学運営の一端を垣間見るという、学科内では得られない経験もしました。
上司である山岸喬先生は、本学では異色の“薬学”の学位を持ち、誤解を恐れずに申し上げれば、それまで描いていた教授像とは異なる魅力的な方でした。異動前の2月下旬、山岸先生にご挨拶に伺ったところ挨拶もそこそこに、3週間のドイツへの教育研究機関の視察を兼ねた研修を用意していると言われ、驚きました。心の準備もないまま、4月から1か月弱、他大学の教職員3名とともに、多くのドイツ人、現地の日本人と交流を持つ貴重な機会をいただきました。今でもこの研修は、40代で経験した修学旅行のような感覚で思い出されます。
第3は、バイオ環境化学科(旧化学システム工学科、現地域未来デザイン工学科バイオ食品工学コース)への出戻りです。それまで、細々と研究活動を行い、小林先生の後任の堀内研のゼミにも出席させていただいていましたが、新たに、化学工学、無機化学、環境科学演習の講義を担当することになり、学生も正式に配属され初めて自分の研究室を持つことになりました。学科名称が示す通り、当時、バイオ・食品分野を専門とする先生が増加しておりましたので、生き残る(学生に来てもらう)ためにはどうすれば良いか自分なりに悩みました。その結果、学生時代から関わってきた触媒反応工学から研究分野を徐々にシフトすることとしました。扱う主な材料は、それまで扱ってきた金属や金属酸化物から、小林先生が研究生活の後半に研究対象とされ私も少しなじみのあった、骨や歯などの生体硬組織の無機主成分である ”ヒドロキシアパタイト”を選びました。それにともない、気体ー固体界面現象ではなく、溶液系におけるタンパク質や薬剤の吸脱着現象を調べる研究に主眼をおきました。学生のための研究室配属プレゼンで、“DDS(薬剤送達システム)”というキーワードを使用した効果かどうかわかりませんが、高校時代に薬学の分野に興味があった学生が、私の研究室を選んでくれたことが少なからずありました。さらに、いわゆる“バイオミネラル”の一つの、オホーツク地方で調達が容易な”ホタテ貝殻(主成分炭酸カルシウム)“を用いた環境浄化材開発を、もう一つの柱としました。こうして始めた研究ですが、それなりの結果は得られましたが、無機化学的アプローチだけでは手詰まり状態を感じ、臨床や実証にまで入ることができなかったのは、自分自身の力不足を感じるところです。
ストレスフルな生活ではありましたが、研究室で飲み会を開いたり、ビールパーティーにも出かけ、若い方々としばしば時間と空間を共有する経験ができたのは、振り返れば幸せなことでした。国内の学会に加え、3回ほど中国、台湾に学生と一緒に参加したのも良き思い出です。また、授業で接している2、3年生の中には、キャンパス内ですれ違ったときに笑顔を見せてくれる人もいて、大いに元気をもらいました。また、就職担当や就職支援室(現キャリアサポートセンター)教員、学生よろず相談室員として、学生の本音、悩みを知ることができ、また、多岐に渡る業界の人事の方から様々なお話を伺えたのは、貴重な経験でした。
室蘭工大での大学院生活の3か月を除き、北見に長年暮らし、“住めば都”で、今では自然豊かなオホーツク地方が大好きになりました。若い時には決して目に入ってこなかった景色を、日々楽しんでいます。
北見工大の教職員の皆様からは、学生としてまた教職員として、長年に渡り多大なご指導ならびにご支援を賜りました。同窓生の皆様からは、同窓会活動に対して深いご理解とご協力を賜りました。この場をお借りし、厚く感謝申し上げます。皆様の益々のご健勝ならびに北見工大の更なるご発展を祈念しております。
最後となりますが、私の退職の記を、志半ばでお亡くなりになった良き先輩(同窓生)かつ元本学教員である、高橋幸雄先生、中村陽一先生、沖本光宏先生に哀悼の意とともに捧げ、締めくくらせていただきます。
巉峭峙つ起伏の岨、澎湃寄する激浪の中で
社会環境系 渡邊康玄
2008年4月に着任して以来、怒涛の17年間が過ぎようとしている。前職時代も含めると41年間、母校の高校の校訓である「忠實自彊」と「質実剛健」を座右の銘として行動し、大学に着任してからは教育研究活動を行ってきたつもりである。目の前に現れる事象に対し、避けたり飛び越えたり、ある時はぶつかってしばらく動けなかったりと、その時々には結構踏ん張ったりして馬車馬のように突っ走ってきた感が否めない。しかしながら現在の心境はというと、「無」に近いものがある。やり遂げた感によって「無」の境地にたどり着いたのであれば、それはそれでいいとは思うのだが、そのような「無」ではなく、やり残したこと、やりきれなかったことがありすぎて虚無感からくる「無」である。なんとも情けない。周りの人の迷惑も顧みず自由奔放にさせていただいたにもかかわらず、このような心境になり、ご迷惑をおかけした方々には非常に申し訳なく思っている。
高校時代に所属していた部活動の部訓が「守破離」というものであり、研究に関してもその精神にのっとってきたつもりである。退職までには「離」の境地まで踏み込むことができるのではないか、いや既にその領域まで到達しているのではないかと着任以来慢心していた。しかしながら、先日大学院時代の恩師の研究足跡を踏まえて若い研究者に何か話してほしいとの要請があり、恩師の研究足跡を振り返りつつ私が行ってきた研究成果を整理し始めたところ、恩師の研究成果の範疇を一歩も踏み出していないことに気が付いた。恩師の偉大さを改めて実感した次第である。
さて、そのような心境に至っているのであるが、自身のこれまでの人生としては、非常に満足もしている。私の専門分野は土木工学の河川工学であり、前職の北海道開発局やその研究組織である寒地土木研究所時代を通して、北海道内の河川を中心にそれぞれの河川の課題解決に尽力してきたつもりである。世界的にも先進的な取り組みである標津川の蛇行復元や札内川のダム放流による礫河原再生、さらには知床自然遺産内の河川構造物の撤去・改良にかかわることができたことは、現地の河川を試験領域として未知の世界に踏み込むという経験を得ることができ、研究者としては非常に幸運でもあった。
また、研究以外にも組織の改編を含む組織運営の一端を経験する機会を与えていただき、大学を取り巻くより広い世界を知るとともに、様々な分野の方々と交流することができ、大学での生活をより豊かにしていただいた。組織の改編に関しては、1984年に社会人となって以来、激動の中を歩んできた感がある。現寒地土木研究所時代には、2001年1月の省庁再編で北海道開発庁が建設省等とともに国土交通省へ統合されるとともに、同年4月に国の研究機関の多くが独立行政法人へ移行することになり、北海道開発庁の研究機関としての開発土木研究所から特定独立行政法人北海道開発土木研究所へ移行することとなった。これは、それまで身内であった組織から受委託関係が発生することに伴う予算の立案から執行まで大きな変更を伴うものとなった。さらに2006年4月には旧建設省の研究機関であった独立行政法人土木研究所と統合し、独立行政法人土木研究所寒地土木研究所となった。同様の土木の研究機関の統合ということで、研究内容の仕分けや分担等莫大な調整が必要となった。これらの組織の改編時に研究室長であったことから、組織の経営や運営から研究遂行方針に至るまでの広範囲の調整に奔走することになった。北見工大では、みなさんご存じのとおり2022年4月の北海道国立大学機構の創設に伴う小樽商科大学と帯広畜産大学との経営統合に関して、研究・国際交流・地域連携担当副学長として携わり、工学の分野を超えた様々な分野の方々の物事の見方や考え方にも触れる機会を得た。このような経験は、ヘタレの自分でもなんとかなるという経験でもあり、元来楽天的な私をよりポジティブ思考にしてくれたものと思っている。
学部時代の恩師に、「渡邊は、時間を与えてもいい研究をしない。忙しくさせたほうがいい研究をする。」と言われたことがあった。その時は、「時間があればもっといい研究ができたはずです。」と反論したが、今思うに、忙しい時は効率的に物事に当たらなくてはいけないため、余計なことを考えずに一心不乱に物事に当たっていたのではないかと思うようになった。再度、母校の高校を持ち出して恐縮ではあるが、母校の校歌の歌詞(伊藤九万一氏作詞)に、『海陸四方幾万里(かいりくしほういくまんり)巉峭峙つ起伏の岨(ざんしょうそばだつきふくのそ)澎湃寄(ほうはいよ)する激浪(げきろう)の其處奮鬪(そこふんとう)の活舞臺(かつぶたい)其處邁進(そこまいしん)の大天地(だいてんち)』というフレーズが存在する。退職後も、楽天的にこのフレーズを口ずさみながら歩んでいきたいと考えている。
最後になってしまいましたが、これまでひたすらわがままに過ごすことを許していただいた教職員の方々、自由奔放な研究室運営に耐えて巣立っていった卒業生・修了生の皆様に、感謝申し上げ、退職の辞とさせていただきます。ありがとうございました。また、優柔不断の私に翻弄されご迷惑をおかけした方々に対し、この場をお借りして謝罪いたします。本当にごめんなさい。
定年退職雑感
応用化学系 佐藤利次
気がつくとあと半年で定年退職の時期となっていました。北見には2008年の3月31日に、バイオ環境化学科・食品関連教員の最終選考のために初めて訪れました。31日は路上に雪は残っておらず寒いところだなと思った程度で、意外に大きな街であることに安心しました。ところが、翌朝、20cm近くの積雪にびっくりし、とんでもないところに来てしまったと感じたものです。2008年10月1日に北見工業大学に赴任し、食品科学研究室を立ち上げました。2009年の4月までは、10号館の改修のため、9号館1Fの大学院ゼミ室で、講義の準備や論文執筆を行っていましたが、シイタケ栽培廃液による環境浄化に関する研究が、JSTの「つなぐしくみ新技術説明会」に採択されたことから、10月に開催された説明会に早速出張しました。また、この研究に興味を持ってくれた企業もあり、北見まで話を聞きに来てくれるなど、意外に忙しい日々でした。2009年の4月1日から4名の配属学生とともに食品科学研究室が本格的に始動しました。北見に赴任する前の職場では、シイタケの分子育種と醸造微生物の分子育種研究を行ってきましたが、北見工大では、シイタケの研究に絞って研究を進めました。
ここで、北見以前のことを振り返ってみます。1985年の3月に農学部の修士課程を修了して、水産会社の研究所で5年ほど働いた後、母校に博士課程が新設されたのを機に大学に戻りました。博士課程では、これまでとは異分野のウイルス感染メカニズムの解明の研究で、遺伝子工学の基礎を身につけ、なんとか3年で学位を取得しました。博士課程在学時は休職していましたが、3年目の夏に岩手県が翌年の4月に新たに立ち上げるという研究機関に応募して内定をもらい、会社は退職しました。1993年の4月から、岩手県北上市の新しい研究センターに奉職しました。この研究センターでは、「1.地域に密着した課題で、世界に通じる競争力のある技術開発をめざす。2.有用遺伝子の探索と、遺伝子やタンパク質を使った新しい農業技術の開発」というミッションで、微生物利用研究部所属だったことから、キノコと醸造微生物の分子育種研究を始めることになりました。
岩手の研究センターでは15年半在籍し、シイタケの分子育種として、保存性の高いシイタケの育種、シイタケ栽培廃液による環境浄化の研究、フェリクリシン非生産性醸造用麹菌の分子育種研究などを行いました。当時、シイタケの遺伝子工学的な研究は非常に遅れており、遺伝子を導入する方法も、遺伝子を発現させるための道具であるベクターもほとんどなく、ほぼゼロからの出発でした。なかなか成果が出せず、シイタケの形質転換方法の確立には5年の歳月を要しましたが、特許や論文を執筆できたときは、非常に嬉しかったことを思い出します。なお、この職場は契約制で、5年ごとの審査で更新が可能でしたが、15年目の3代目の所長の時に、更新しない旨を告げられ、半年の猶予をもらい、新しい職場を探しました。いろんな大学に応募しましたが、最終的に前述の通り北見工業大学の食品関連の教員に採用されました。
話を北見工大の戻しますと、JSTの「つなぐしくみ新技術説明会」で採用されたシイタケ栽培廃液の環境浄化技術の確立に関しては基礎的な研究を続け、ラッカーゼに注目して遺伝子解析研究などを行いました。それとは別に分子育種研究として、シイタケひだの褐変と抗がん性多糖レンチナン分解に関与する遺伝子解析も行い、それらの遺伝子発現を抑制することで、優良品種母本を作出すべく研究を進めました。学生たちが頑張ってくれたおかげで、新しい独自のベクターを構築したり、シイタケの分子育種ではより突っ込んだ別の遺伝子に注目して、解析を進めることができました。この間、2020年の1年だけ科研費の補助がありませんでしたが、それ以外は切れ目なく科研費に採択され、なんとかシイタケの分子育種研究が続けられたと思います。また、10年くらい前に、山岸先生と新井先生の協力を得ながら、キノコ発酵農産物の解析研究を新たに立ち上げました。最終的に北海道産のキノコと大豆にこだわり、ノーステック財団のファンドの応募を続けていましたが、最終年の今年度にようやく採択されました。また、この研究では、当研究室で初めて澤田君が博士の学位を取得し、この5月からオホーツク財団の食品加工技術センターに奉職し、これまでの研究を続けることになったことは嬉しい出来事でした。
卒業生に関して振り返ってみますと、みんなそれなりに個性的な学生が多く、それぞれ印象に残っていますが、中でも2013年度卒業の鈴木夕湖さんは特に印象深い学生でした。彼女が研究室に配属になって面談した時に「カーリング命なので」と開口一番に言われ、多少戸惑ったのを思い出します。海外遠征も多く研究室にいる時間は他の学生に比べると短かったのですが、持ち前の集中力で論文の元になるデータを出してくれました。その後、平昌オリンピックで銅メダル、北京オリンピックで銀メダルとオリンピックのメダリストになったことも非常に嬉しい出来事でした。2018年に銅メダルのお祝いを兼ねた同窓会を開催できて、楽しかったことが昨日のことのように思い出されます。また、この同窓会で澤田君が大学に戻るきっかけになったことも印象深いことでした。16年間で、学部生79名、修士学生21名、博士学生2名が、研究室に配属となり、中には卒業あるいは修了できなかった学生もいますが、みんなそれぞれ頑張ってくれました。この場を借りて感謝したいと思います。また、事務の皆様、技術部の皆様、そして同僚の先生方にはいろんな場面で助けられました。深く感謝申し上げます。ありがとうございました。退職後に関しては、まだ白紙の状態ですが、皆様のご健勝と北見工業大学の今後ますますのご発展を祈念しております。
同窓生の活躍
〇今年も卒業生の協力で技術セミナーを開催
本学では平成19(2007)年から社会貢献の一環として、本学出身の技術士にご協力いただき、技術士の資格取得希望者を対象とした講義や添削指導等による、資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年実施しており、今年で18年連続の開催となります。
今年の講座は札幌に会場を設置して、本学出身の林克恭氏(昭和59年土木工学科卒(株)構研エンジニアリング)、小杉勝則氏(平成2年土木工学科卒(株)北未来技研)、佐藤之信氏(平成2年開発工学科卒(株)豊水設計)、天内和幸氏(平成8年開発工学科卒(株) FAプロダクツ)、岩渕直氏(平成17年土木開発工学専攻修了(株)構研エンジニアリング)、中本篤嗣氏(平成14年土木開発工学専攻修了(株)福田水文センター)の6人に、坂口彰則氏((株)ドボク管理)、田宮敏氏((株)エコテック)の2人を加えた計8人の講師陣で実施しました。
本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、毎年、募集と同時に定員に達するほど大変好評を博している講座です。
当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。
筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も引き続き受講生から多くの合格者が出ることが期待されます。
(研究協力課)
開講式の様子
講師による指導の様子
母校だより
〇令和6年度北見工業大学公開講座
本学出身の技術士を主な講師として、令和7年度技術セミナー(技術士養成支援講座)を開催いたします。受講をご希望される方は、下記の申込・問合せ先までお知らせください。なお、申込受付は先着順となりますのでご了承ください。
=学科だより=
地球環境工学科 エネルギー総合工学コース
卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが5類に移行してから約1年半が経過しましたが、行動制限がなくなり、大学はコロナ前と変りない活気を取り戻しています。学生は就職活動やインターンシップも活発に行っていますが、就活時期の早期化と早期内々定、およびインターンシップを通じた学生の囲い込みが年々進んでおり、ともすれば学生の本分である勉学や研究活動がおざなりになっているように感じます。企業側も基礎学力の身に付いた学生を採用したいはずですので、今後は学生・企業の双方に利益のある方向に収束することを願っています。
卒業生の皆様のご活躍もあり、今年度も多くの企業から求人をいただいており学生の就職活動は好調です。リクルーターとして大学を訪問してくれる卒業生も多くありますが、会社で活躍している様子を聞き嬉しく思っています。引き続きのご活躍を祈念するとともに、後輩へのご支援をよろしくお願いいたします。
コース教員の変化についてお知らせしますと、長きにわたり本学で勤務されました松村昌典先生と岡﨑文保先生がご定年を迎えられ、また、羽二生稔大先生とアシャリフ・ファラマルズ先生がご退職されました。松村先生と岡崎先生は特任教員として、引き続き本学で研究活動に取り組んでおられます。一方、今年度より川合政人先生が伝熱システム研究室に助教として着任しました。前職は函館高専にお勤めでしたので、即戦力として期待しているところです。また、川合先生は博士号を本学で取得されていますので、同窓会活動に於いてもご貢献いただけることを期待しています。
昨年秋に着工した12号館1階の平屋建て区域の改修工事が今年春に竣工し、これで12号館がすべて真新しくなりました。平屋建て区域にはものづくりセンターと流体工学研究室(髙井先生)が入っていましたが、この改修工事を機に、流体工学研究室は応用流体工学研究室(松村先生)の跡地に引越しをしています。続いて、現在は7号館の改修工事が行われており、7号館に入っている電気機械研究室(髙橋先生&梅村先生)と電力・熱エネルギー研究室(小原先生)は現在、仮移転先で活動されています。来年春にはリニューアルした7号館をご覧いただける予定ですので、卒業生の皆様、機会を見つけて大学に足をお運びいただけますと幸いです。
(コース長:林田和宏 記)
○電力・熱エネルギー研究室
本年度は、博士後期課程2名、博士前期課程8名、学部7名の全16名の学生と、小原の合計17名で活動しています。今年度から来年度にかけて、研究室でこれまで進めてきた、①Ni-CNO触媒電極を用いた水電解用セルの開発、②寒締野菜工場の研究、③CO2ハイドレートによる小温度差発電が、各分野の企業様と共同研究ないしは共同開発につながっており大変忙しい毎日です。また、この数年で、空気調和・衛生工学会北海道支部長、冷凍空調学会北海道地区事業推進委員長を拝命し、来年度本学で開催のIWEE2025(International Workshop on Environmental Engineering2025)」、及び「2025SEE(2025 Symposium onEnvironmental Engineering)」の開催地責任者も務めています。
研究の進んだ院生たちは、2023 International Conference on Power and Renewable Energy Engineering(東京)、2023 6th International Conference on New Energy and Applications (ICNEA 2023、札幌)、International Conference on Renewable Energy Sources and Sustainability(ウエリントン)などの国際会議に参加させていただいています。これらの研究活動は科学研究費補助金基盤研究(B)のほか、一般社団法人カーボンリサイクルファンド、公益財団法人鉄鋼環境基金、公益財団法人天野工業技術研究所、公益財団法人岩谷財団、公益財団法人八洲環境技術振興財団、一般財団法人北海道開発協会、公益財団法人矢崎科学技術振興記念財団のご支援で賄われています。
現在改修工事のため、7号館(旧電気棟)には立ち入りできませんが、近くまでお越しの際はお声がけください。研究室の詳細はホームページをご覧ください。また、研究室のFacebookも公開しております。是非ご覧ください。
研究室のホームページ:http://www.kit-power-engineering-lab.jp/index.html
研究室の日々の活動: https://www.facebook.com/KITPOWERANDHEAT
(小原伸哉 記)
○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理研究室)
卒業生の皆さん、元気にお過ごしでしょうか。今年度の研究室体制は、スタッフが私と武山先生と変わらず、M2が6名、M1が3名、学部生が8名となっております。研究活動は、研究会 3件、国際会議 (SSDM、ADMETA)2件の発表がありました。特に、研究会は網走の開催となりましたので、私たちの研究室のメンバーで戸惑いながらも現地にて実施担当を行いました。現地開催となった網走での研究会にて舘君の発表が行われ、その研究成果として電子情報通信学会電子部品材料研究会講演奨励賞を受賞しました。
今年は、7号館(旧電気棟)の改修工事があり、8号館(旧電子棟)は出入り口が1箇所しかなく、陸の孤島状態となっておりますが、卒業生の皆さんが研究室を訪ねてくれることを楽しみにしております。卒業生の皆さん、最後になりましたが、くれぐれもお体大切に、元気でお過ごしください。
(佐藤 記)
○電気機械研究室
卒業生の皆様におかれましては、益々、ご盛栄のことと存じます。北見では、猛暑日は数日くらいで、9月になり涼しくなってまいりました。
本年度、電気機械研究室では、大学院生は、共同に研究を進めている、社会人ドクターを目指されている方と、修士課程5名の計6名、学部学生14名が在籍しており、教員はアシャリフ先生が退任されて、高橋先生と当職の二人で運営しております。
9月に電力技術/電力系統技術合同研究会にて修士学生が1件の発表をしました。11月には、大学院生一同、令和6年度電気・情報関係学会北海道支部連合大会にて発表の予定で、鋭意、研究を進めているところです。
今年度は、本学7号棟(旧電気電子棟)の改修工事があり、2024年8月~2025年3月まで大学院生の研究室は学生会館へ仮住まいになっています。
来年度には、新しくなった電気機械研究室をご覧いただけると存じます。お近くにお越しの際にはおいで頂ければ幸甚に存じます。
(梅村敦史 記)
○エンジンシステム研究室
今年は全国的に昨年を超える猛暑となり北見も暑い日が続きましたが、卒業生の皆さんは夏バテなどせずにお元気にされていますでしょうか?最近はここ数年続いたEV車一辺倒の雰囲気が変わり、内燃機関の必要性が再認識されつつあることは皆さんも感じているのではないかと思います。1972年創設の当研究室は一昨年創設50周年を迎えましたが、昨年11月に研究室創設50周年記念パーティーを開催し、60人を超える多くのOBにご参加いただきました。当研究室では今後も内燃機関の性能向上に関する研究に軸足を置き、研究活動を続けていきますので、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
今年度は7名の学部生が研究室に配属され、5名のM2と4名のM1で研究に取り組んでいます。スタッフは林田・稲葉の2名体制です。研究に関しては、当研究室でも水素エンジンの研究を始めることになりました。現在、コジェネ向けの発電用ガスエンジンをベースとした実験装置の構築を行っているところです。また、共同研究企業から貸与いただいた研究用単気筒エンジンのセットアップも進めており、合わせて2基のエンジンが増設予定です。このように、研究室は年々変化を遂げていますので、卒業生の皆さん、ぜひ機会を見つけて研究室に遊びに来てください。
(林田 記)
○伝熱システム研究室
令和5(2023)年度は、大学院生1名が就職、学部生1名が大学院へ進学、4名が就職しました。研究室学生の学会発表は、伝熱シンポジウム(5月福岡市開催、玉田凌也君、齊藤智也君、今井祐君)、熱物性シンポジウム(11月習志野市、大川騰偉君)がありました。学業面では、玉田凌也君(大学院生)が2023年度SICE優秀学生賞を受賞しました。
令和6(2024)年度の研究室スタッフは、新たに川合政人助教を迎え教員2名(森田慎一、川合政人)、学生12名(博士前期過程5名、学部7名)となりました。2024年3月には、北見工大と連携協定を締結している美幌町に実証実験住宅が完成し、当研究室でも同住宅で研究を開始することになりました。大学を飛び出しての実証研究は、知見を広げてくれるきっかけになりそうです。
(森田慎一 記)
○資源循環システム研究室
今年度、初めて寄稿します准教授の植西と申します。昨年度よりエネルギー総合工学コースに赴任いたしました。今年は7名の学部生が配属され、修士、博士からの新加入者を含めて1名のM1と1名のD1と植西で研究に取り組んでいます。地球温暖化やカーボンニュートラルが注目される中、その中心となる研究の二酸化炭素の回収や資源化を生業として、学生と元気に研究に取り組んでいます。これからの日本の産業を支える研究成果を出せるように努力して参りますので、卒業生の皆様におかれましては、ぜひ𠮟 咤激励に研究室へと足を運んで頂けると幸いです。また、昨年度、竣工しました美幌実験実証住宅では地域共生カーボンリサイクルをテーマに地域の発展とカーボンニュートラルの達成を目指して、リーダの小生を支えて頂く優秀な研究者が切磋琢磨しながら、研究に励んでいます。今年度もシンポジウム開催など開催しますので、ぜひ、ご参加頂ければ幸いです。
(植西徹 記)
○流体工学研究室
卒業生の皆様方におかれましては元気にご活躍のことと存じます。今年度の流体工学研究室は、高井と佐藤技術員のスタッフ2名、M2が5名、M1が4名、学部生が7名です。ここで流体系としてご報告です。松村昌典先生が本年3月に定年を迎えられました。当研究室学生を含め永年に渡りご指導いただき心より感謝申し上げます。なお、4月からは特任教員として本学で研究活動を続けられています。昨年度から始めていた共同の課題では引き続きご指導とご助言をいただいています。
流体研の実験室は建物改修工事と松村先生のご退職により現11号館(旧機械1号棟、もっと昔は応用機械工学科棟)の1階となりました。移設した装置や応用流体研の装 置を使っての研究となり、実験室の設備と環境は再構築中です。研究室はこの数年でいろいろと変わりました。北見・道東方面にお越しの際にはぜひ研究室にお立ち寄りいただ き、その変化を見に来てください。皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
(高井和紀 記)
○計算流体力学研究室
皆様お元気ですか?生活だけでなく研究においても長らく不自由が続きましたが、コロナの時期(令和2年)に始めた研究の第2弾が、研究室に在籍した学生たちのがんばりにより、ようやく来年(令和7年)5月にフランスのトゥールーズにて開催される国際混相流会議にて発表できるところまでたどり着くことができました。トゥールーズには令和4年のコロナ収束前にも第1弾の研究発表で行きましたが(本誌にて報告済)、最近は旅費がすごいことになっていて、その点で、行こうかどうしようか考え中です。今年も、卒研生、大学院生と、粒子分散乱流と乱流構造に関する研究に奮闘しています。機会がありましたら、是非、研究室へお立ち寄りください。なお、令和7年の3月くらいまで工事により1号館と研究室をつなぐ通路が遮断されているため、研究室へお越しの際は、部屋がある12号館の玄関まで外経由で来ていただく必要がありますのでご注意ください。
(三戸 記)
○反応化学エネルギー研究室 (旧無機物理化学 研究室)
卒業生・修了生の皆さんお元気でご活躍のことと思います。さて、時の流れは早いもので、長年、本学の研究・教育にご尽力いただいた岡﨑先生が、令和6年3月に二回目の卒業を迎えました。お疲れ様でした。研究室は坂上が引 継ぎ、新たに『反応化学エネルギー研究室』として活動を開始しました。また、岡﨑先生には特任准教授として研 究室に残っていただき、引き続き研究や教育にご活躍中です。
本年度の研究室メンバーは、スタッフ2名、大学院生7名(博士前期2年4名、1年3名)と学部4年生7名の計16名です。研究室の学生机が足らず2台追加。ただでさえ狭い研究室がますます狭くなりましたが、その分皆の距離は縮んで、大人数でワイワイやっております。今年もリアル麻雀が人気のようです。就職希望者は全員内定済。
今年も大学祭は研究室公開で参加し、新エネルギーについて説明。人が入れるシャボン玉、瞬間アイスは子供に大人気。さらに、「わくわく科学実験 in紋別」や北見市内の小中校向けの科学実験教室に参加し理科離れを食い止めるように活動。
秋の石油学会は広島で開催。発表の後はいつものように食い道楽を満喫予定。
メタン直接改質を中心に炭素循環社会実現に向けた要素技術を研究。さらに、オホーツク地域、北海道内の未活用資源に関する研究にも取り組んでいます。また、オホーツクエネルギー環境教育研究会副委員長として、オホーツク管内の小中高先生と連携を模索中。
卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄り下さい。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたらメールだけでも良いので、ご連絡いただけると幸いです。
(坂上寛敏 記)
○無機材料工学研究室
修了生・卒業生の皆さん、いかがお過ごしですか。本年度の無機材料研究室は、留学生も含めて大学院生8名、学部生7名の計15名で活動しています。また技術補佐員を引き続き2名雇用、秘書を1名雇用しており、計18名と昨年度とあまり変わらない規模です。
研究活動については、昨年度同様に国内企業との共同研究は変わらず、さらに全固体電池開発に関するNEDO委託事業、中小企業庁のGo-tech事業、JSTのA-STEP事業、経済産業省の委託事業に採択されるなど、昨年度以上に外での活動が増えてきました。そのため大野も、大学に居ない時間が増えてきており、助教のジーワン先生が研究室の学生の面倒を見ることが増えてきました。研究室の詳細は研究室のホームページをご覧ください。また今年度よりXでの近況発信も行っています。
研究室 web site http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/catalyst/
X: @016Kit55801
学生の近況ですが、今年度は学部生7名のうち5名が大学院に進学する事となっており、昨年度とあまり変わらない状況になっています。また修士課程の学生も学会での発表を着々とこなしており、研究活動を活発に行っています。
卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。
(大野 記)
○無機物質工学第2研究室
本年度の無機物質工学研究室は、松田教授、平井准教授のスタッフ2名、大学院生3名、学部生1名の計6名で頑張っています。スタッフの近況ですが、松田教授は現在も、精力的に研究活動を続けておられます。私平井も、液中プラズマ合成(写真参照)を開始し、日本材料科学会で電池・レーザー材料研究会を立ち上げました。また、現地委員として運営に参加したセラミックス協会(9月、オンライン開催)も無事開催できました。さらに、大学院生3名はオンライン開催された日本材料科学会(7月・口頭)と触媒討論会(9月・ポスター)で発表を行い、12月に開催される電池・レーザー材料研究会においても発表予定です。本年度の学部生はすでに大学院への進学が決まっており、日々の研究に手ごたえを感じているようです。
卒業生の皆様もお忙しいとは存じますが、是非研究室にお立ち寄りください。また、ご住所や勤務地に変更がございましたら、メールで御連絡下さい。
(平井 記)
地球環境工学科 環境防災工学コース
卒業生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。今春、環境防災工学コースとしては、4回目の卒業生53名を送り出しました。その内訳は、就職25名(民間14名、公務員11名)、進学27名、帰国1名です。例年と比較して卒業生が少なくなっています。以前よりも環境防災工学コースへの移行学生が減少していることと、留年生がやや増加していることが要因です。一方で、大学院進学率が5割を超え、大学全体でも45%となっています。
今年度は、日本技術者教育認定機構(JABEE)の中間審査を社会インフラ工学コースとともに受審いたしました。前回の認定継続審査で弱点と判定された項目に関して、3年間の教職員の取り組みが評価され、最終結果ではありませんが、すべての項目で基準を満たしていると実地審査では判定されました。コロナで審査が1年遅れになっていたものが、次年度より元に戻ることから、次回の認定継続審査は2年後になります。休む暇がない状態です。
教員の異動に関しては、環境防災工学コース主担当教員には異動はありませんでした。社会インフラ工学コース教員の異動については、社会インフラの母校だよりをご覧ください。
(コース長:山下聡 記)
○水環境工学研究室
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度は、駒井教授の指導の下、M2が1名、M1が2名、4年生が6名、留学生が5名の計14名の学生が在籍しております。研究では北見市内の常呂川流域や野付牛公園をはじめ、濤沸湖、コムケ湖、釧路湿原など道東・オホーツク沿岸域を調査フィールドとしシジミ、マリモ、昆布、シャケなどの動植物を含めた物質循環や環境負荷、カーボンニュートラルを主たるテーマとして、現地調査や水質・土壌分析、数値解析等を行っています。コロナ禍が収束し、制限も緩和されたため、今年度からはさらに積極的に焼肉をはじめとする研究室内でのイベントを開催しています。北見へお越しの機会がありましたら、ぜひ研究室にお立ち寄りください。学生一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
(M1伊東勘多・藤原早芙 記)
○地盤工学研究室
研究室卒業生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。今年の研究室のメンバーは、M1が3名、4年生が6名の9名です。4年生の大学院進学予定者は1名で、来年は院生は増えますが、3年生の卒論着手者数が少なくなりそうで、今年より研究室の人数は少なくなりそうです。コロナが5類となり研究室前での焼肉も復活しました。最初は厳寒の2月でした。研究面は、相変わらず液状化とMH関連です。MHに関しては掘削技術開発のための基礎実験やメタン直接改質から得られるカーボンナノチューブの地盤材料として適用性に関する研究なども行っています。海洋調査については、11月に行う恵山沖でのおしょろ丸実習のみとなっています。おしょろ丸では、乗船4回連続でMHの採取に成功しており、今年も期待されます。山下はここ10年程入試関係の業務を行っていますが、今年は60校以上の高校訪問を行っています。本学志願者が最近減少傾向です。卒業生の皆様も本学の宣伝をよろしくお願いいたします。
(山下聡 記)
○地盤補強・ジオシンセティックス研究室(旧:凍土・土質研究室)
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか?私個人としては、昨年度と比べても大学運営の仕事割合が多くなり、学生との時間が年々少なくなってきているのが残念でなりませんが、研究室にはある程度の博士前期課程の学生と、その中には博士後期課程に進学することを決めてくれている学生もいてくれるおかげで何とか研究室の運営もできている状況です。また、後期からはモンゴルツイニングプログラムの一期生が博士後期課程で戻ってきてくれることもあり、事務補佐員の須田さんや学生さん達の力を借りながら、なんとか研究も前に進めることができるかなぁと淡い期待を描いている状況です。卒業の皆様におかれましては、研究室の学生にとっても良い刺激となりますので、お近くに来た際には、ぜひ研究室にお立ち寄り頂き、近況を聞かせて頂くとともに、学生達に叱咤激励頂ければ幸いです。
(川口貴之 記)
○地盤凍結・緑化工学研究室(旧:寒地岩盤工学研究室)
卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年の研究室のメンバーは、教員が中村、4年生が長田、館山、堤、波多野、横井、舘山、修士が中井、藤田、村上、矢尾板、由本、博士がウランバヤルの合計13名です。このメンバーで、研究やコンパなど、充実した日々を過ごしております。研究では、今年も多くの大学院生が緑化工学会や地盤工学会、雪氷学会に参加して研究発表を行いました。中村はNEDOの受託研究や、JICAの事業で忙しい日々を送っております。最後になりますが、地盤系の研究体制は大きく変わりつつありますが、これまで同様、卒業生の皆様からご支援いた だけたら幸いです。
(中村大 記)
○地圏環境防災研究室
昨年度10月に新規に地盤系研究室を立ち上げました。研究室名は伊藤陽司先生が使用されていた名称を踏襲し、約7年ぶりに地圏環境防災研究室が復活しました。今年度は研究室第1期生となる学部4年生が6名配属され、意欲的に研究活動を始めています。研究室スペースは地盤防災技術研究室の修士2年生3名とシェアしており、経験豊富な先輩たちのサポートを受けながら、研究環境の整備を進めています。現在はグリーンランド、モンゴル、知床連山、大雪山、能登半島等々、国内外各地で研究を展開し、寒冷地の地形変化や地すべりについて調査を進めています。また、衛星画像解析や深層学習も取り入れて、多角的な視点から研究を進めています。4年生は6名中5名が大学院進学を予定しており、学生と日々切磋琢磨しながら、新・地圏環境防災研究室を活性化させていきたい所存です。
(渡邊達也 記)
○環境評価・計測研究室(旧:材料分析研究室II)(南尚嗣、坂上寛敏、木田真人)
「地球環境工学科」の学生が研究室配属になった年から、研究室は「社会環境」に所属変更しました。坂上さんと木田さんと南は、専門分野が少しずつ異なる利点を活かし、学生とともに力を合わせて「ハイドレート、環境評価・計測」などの研究を進めています。
今年も坂上さんを中心に摩周湖(8月)、陸域ガス(9月)、北海道沖(11月)調査を実施しています。
M2辻君、中本君、M1大山君、笹部君、許君、B4小野原君、鈴木君、高橋君、難波君、牧野君、山本君、Afif君は、 みな将来をしっかりと見据えて日々努力を重ねています。 研究活動の中では、積極的に学び行動する学生が増えてき て、成長していこうという意気込みを感じます。
学外機関との共同研究は、波岡さんと3名の技術補佐員の方々を中心に進めています。
多忙な中に顔を出してくださった方々、後輩への差し入れを送ってくださった方々、ありがとうございます。皆さまの益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
(南尚嗣 記)
○ハイドレート研究室
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか?今年度のハイドレート研究室は、卒論生の大浦・徳本・外舘・日影、修士学生の水谷・小笠原・笠松・滝澤、計7名が在籍しています。8月には日本エネルギー学会大会(東京)、9月には雪氷研究大会(長岡)の両学会で大学院生が発表しました。昨年の日エネ学会では小笠原と滝澤がポスター発表でプレゼン賞を受賞しましたが、今年はどうなるでしょうか。11月に予定されているおしょろ丸調査では、このところ日高沖がメインでしたが、今度は念願の恵山沖ガスプルーム地点に挑戦します。北見においでの際には実験室・研究室にお立ち寄りください。
(八久保晶弘 記)
○雪氷科学研究室
今年の雪氷科学研究室の学生はD4(秋季入学)武知洋太、M2牛塚貴博、4年佐藤夏巳、矢野裕知です。研究テーマは、(武知)冬期道路の吹雪障害予測に向けた吹雪推定に関する研究、(牛塚)春採湖の結氷条件の解明および将来予測、(佐 藤)百畳敷洞窟で生成する氷筍の成長過程、(矢野)カーリングでのスウィーピングの効果の解明です。2022年度から開始した摩周湖結氷プロジェクトでは、摩周湖の全面結氷日の予測結果を地域観光に結びつけるため、亀田は摩周湖観光協会、弟子屈町振興公社の方々と活動しています。2024年9月1日時点での2025年冬期の摩周湖の結氷予測は大学HPで公開しました(https://www.kitami-it.ac.jp/ topics/83307/)。
9月中旬に新潟県長岡市で開催された雪氷研究大会には亀田、武知、牛塚が参加しました。亀田は「2023年雪壁雪渓の初の完全消失および1964年からの51年間の質量収支の変動」、「湖氷クラック音-結氷した湖氷上で生ずる奇妙な音の正体-」、武知は「吹雪時における道路上の視程に沿道環境が及ぼす影響-一般国道275号当別町・江別市での2023年度冬期の観測事例より-」、牛塚は「北海道釧路市の春採湖の氷厚の変化と将来予測-雪ごおりの形成を含む鉛直1次元湖氷モデルを用いた数値計算-」、「2024年4月16日に近畿地方から中国地方にかけて発生した降雹-SNSにより収集した降雹情報と気象データの関係-」を発表しました。これらの要旨はJ-Stageからダウンロードできますので、ご覧ください。
コロナによる規制がなくなったので、研究室では2023年5月から餃子コンパを再開しています。卒業生の皆さんが来るときには餃子コンパを設定しますので、一週間くらい前までにお知らせください。その際のビール券のご持参、大歓迎です
(亀田貴雄 記)
雪氷合同ゼミでの発表後の餃子コンパ(2024年8月31日)
○雪氷防災研究室
社会人のD3高橋浩司さんは博士論文を無事提出し、9月に大学院修了、博士号が授与されました。研究室として初めてのことで、後に続く学生にも大きな刺激となりました。高橋さん、おめでとうございます。10月からは新たに社会人ドクターコース学生として和田直人さんが入学、 新たな博士研究が始まります。
さて、卒業生の皆さんに報告があります。昨今の研究内 容に合わせて、研究室名を来年の 4 月から変更し、「雪氷・ 気象防災研究室」として新たな活動を始めます。
さて、卒業生の皆さんに報告があります。昨今の研究内容に合わせて、研究室名を来年の4月から変更し、「雪氷・ 気象防災研究室」として新たな活動を始めます。
(白川龍生 記)
○氷物性研究室
研究室名を寒冷地環境工学研究室から氷物性研究室に変 更して今年で5年目(スタートして19年目)を迎えました。 今年度の4年生は新カリキュラムになって5回目となり、2名の卒研生が配属になりました。2名は公務員志望で内定しました。その他、昨年度4年生で卒業できなかった学生が1名です。なお、卒業研究は追えたが単位不足だった学生は今年の9月に卒業しました。卒業研究のテーマは9月中に決める予定です。今年度は修士課程の学生としてM1が1名在籍しており、南極H15サイトの浅層コアの解析と して高分解能密度プロファイル測定を低温科学研究所の昨年度新たに製作された測定装置で行いました。みなさんも健康に気を付けてそれぞれの場所でご活躍されることを祈念しています。
(堀彰 記)
地球環境工学科 先端材料物質工学コース
同窓生の皆様お元気でしょうか。
まずは教員の異動ですが、今年度の3月で松田先生が退職されます。先生は機能材料工学科設立当時から本学の研究教育に携わって下さいました。全体を俯瞰して困っている人や制度の問題点があるときは指摘して、正して下さいました。
長年お疲れ様でした。退官後も、お元気に過ごされることを祈念しております。
4月から新しい助教として金属材料が専門の平野先生が加わりました。平野先生は本学の出身(大津研)で博士後期課程を修了した後、他の機関で数年間研究、教育に携わった後、助教として戻って来られました。教員として、同窓生として学生を導いて行きたいと考えているようです。これからの活躍を期待しております。
昨年度はほとんどの講義が対面になり、研究やサークル、学会活動も自由に行えるようになりました。学部と大学院の卒業、修了者を対象に卒業祝賀会も開催することができました。先端材料になってからは初めてです。オンラインで講義や会議をやるのに慣れてしまって、これでも良いかなと思っていましたが、多くの人が揃い、直接話しができるのはやはり良いなと改めて感じることができました。
昨年度から、在校生が本コースの魅力を実感できるように、卒業生に仕事の内容や大学で学んだことがどう活かさ れているかを説明していただく講演会を開催しています。 在校生に会社の事業や技術を紹介してみたいと言う方がい たら是非御連絡下さい。
皆さんがお元気で活躍されることを祈念しております。
(コース長:渡邉眞次 記)
○電子材料研究室
卒業生の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。本年度の 電子研では、新たに4年生6名が配属され、修士課程もM2が 8名、M1が6名、計20名と引き続き学生居室がぎゅうぎゅうな状態が続いています。今年もSICORPの共同研究の一環で、チェコから博士課程学生のJanが来日、4月から3か月間滞在しました。スタッフは川村先生と木場の2名ですが、今年度より川村先生が副学長に就任され、本学の将来に関わる大事な業務にご尽力されています。
本年も修士学生たちは、国内外の学会に積極的に参加しています。7月には京都で開催されたISSP2024(チェコのグループと再会!)、スペイン・サンセバスティアンでのOMN2024、8月には韓国・釜山で開催されたKJF-ICOMEP2024に学生ともども参加しました。また、9月には北見工大で表面技術協会の講演大会が開催され、実行委 員長の川村先生のもと、学生たちの支えもあり、成功裏に終えることができました。
卒業生の皆さまもご多忙とは存じますが、お近くにお越しの際には、どうぞお気軽に研究室にお立ち寄りください。皆さまのご健康とご活躍を心よりお祈りしております。
(木場隆之 記)
○ナノ材料機能研究室
卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年度のナノ材料機能研究室のメンバーは、金と学部4年生2名、大学院薄士前期課程2名です。主な研究テーマとして、水酸化物・酸化物複合ナノ構造体を用いたエネルギーストレーデバイスやエレクトロクロミックデバイスの性能向上を目指し、学生とともに日々熱心に研究に取り組んでおります。
今年も大学院生の国内・国際学会での参加を積極的に指導しています。沼田晃大君が3月の第91回電気化学会で 優秀学生講演賞を受賞しました。また、10月には韓国の協定大学で開催されるISATMP-24という国際学会で沼田晃大君と和所慶将君が発表する予定です。達成感を経験させて自信を高める共に社会へと旅立つための良い経験になるように指導していきたいと心がけています。
卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。
(金敬鎬 記)
○医療材料研究室
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
医療材料研究室は令和6年4月から、本学の卒業生ならびに当研究室のOBでもある平野が助教として加わり、教員2名、大学院博士課程(社会人)1名、修士課程7名(M2:2名、M1:5名)、さらに4年生も3名配属され、大所帯で 毎日にぎやかに過ごしております。11月現在でM2と4年生1名は民間企業から内定を頂き、4年生2名は大学院 進学予定です。
また、今年度から大津班と平野班の2班体制で研究を進めております。「金属の表面処理に関わる研究」という根っこは変わっておりませんが、大気中でのレーザー照射で金属表面を固くしたり、プラズマを活用した微細加工により抗菌性を付与したりと、研究範囲を広げております。
当研究室も昔と比べて様変わりしておりますので、北見にお越しの際にはお気軽にお立ち寄りください。最後になりましたが、皆様のご健勝と益々のご活躍を心よりお祈り致します。
(大津直史・平野満大 記)
○応用電気工学研究室
卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本年度の応用電気工学研究室は、M2学生が2名、M1が1名、 B4が3名、柴田とシェン助教の合計8名です。学部生は1名が当研究室に進学予定で、就職も決まりました。現在、7号館(電気棟)は改修工事中のため、教員室、学生室共に2025年3月まで1号館に仮移転しています。
研究は従来通りSSPD、SNSPD、nTron、JJなどのデバイス開発および高温超伝導セラミックスのSPS合成を進めています。SPS合成はようやく論文になりました。例年1月初旬に開催されていた応用物理学会北海道支部大会が11月に前倒しされたため、発表予定の学生は暑い中で実験しています。支部大会後は、国際会議(ISS2024)や応用物理学会学術講演会などが続きます。
2025年4月には7号館改修工事が完成し、教員室、学生室、第2実験室は7号館2階に集約されます。北見近郊にお越しの際は新しい研究室に是非お立ち寄り下さい。
(柴田浩行 記)
○分子変換化学研究室I
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
研究室のメンバーは院生5名(D1・1名、M2・4名、M1・1名)、学部生2名の計8名となっており、学部生は1名が進学予定となっています。
村田先生、小針先生の指導の下、実験や講義と忙しくも充実した毎日を過ごしております。研究室は前年度にも増して活気のあるものになっています。
実験のテーマは、遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発、地域の特色ある植物資源のハッカや甘草の成分抽出・分析を行なっています。また、植物実験棟でのハッカの水耕栽培実験や、オホーツク地域創生研究パーク(旧北見競馬場)の実験圃場での栽培実験を行っています。今年は、日本化学会夏季研究発表会が本学で開催され、多くの研究者や学生が集まり、活発な議論が繰り広げられ大変有意義な機会となりました。さらに、他の学会への参加や論文の投稿を通じ研究発表も積極的に行なっています。様々な分野の講演を聞く機会に恵まれ、地域に対する知識も深めることができました。
例年通り、twitterやfacebookなどのSNSにて研究室内の日々の出来事を更新していきたいと思いますので、ぜひご覧になってください。
研究室のホームページにて論文投稿、学会発表など研究の情報を随時更新しております。下記のURLからアクセスできますので、ぜひご覧ください。
最後に、卒業生の皆様もお忙しいとは思いますが、近くにお越しの際は是非とも研究室にお立ち寄りいただけると嬉しく思います。益々のご健康と御活躍を心よりお祈り申し上げます。
URL
HP →http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html
Twitter →@muratalab
Facebook →@muratalaboratory
(村田美樹 記)
○高分子材料研究室
皆さんお元気でしょうか。本年度の高分子材料研究室は4年生が3名で活動しております。
久々に大学院生がいないうえ、4年生の配属も少なく、今までで最低人数かと思います。大学院生がいないので、4年生の指導は、溶媒の蒸留からNMRの測定まで私が教えることになり、これはこれで結構楽しいです。でも私とマンツーマンなので、学生はストレスが溜まっているかもしれないです。
学生の進路は全員大学院進学(他大学1名、本学2名)です。
そろそろ引退が近づいてきて、不要な試薬の処分を少しずつ行ってます。中でもチオールは強烈な臭いなので処理が大変ですが、その臭いを感じながら皆さんがやってくれた研究を懐かしく思い出しています。
皆さんが元気に活躍できるよう祈念しております。
(渡邉 記)
○機能材料分析研究室
今年3月大学院を修了した八幡君は(株)日本原燃に、学部を卒業した近藤君はトランス・コスモス(株)に、山田君は不二化成品(株)に就職し、新しい生活をスタートさせました。
令和6年度は学部4年の加藤健臣君、齊藤隼大君、西田晴夏君と大学院M2の福壽洋人君、保木良介君の5人が圃場の肥料分析と大腸菌の研究に取り組んでいます。のびのびとした空気で無加川での魚類採捕や圃場での土試料採取など屋外での活動や測定装置を使った屋内の実験にみんなで取り組んでいます。今年の魚類採捕はハンターさんに同行してもらい、安心して調査ができました。日本原燃分析に就職した千葉君は有休を使って参加してくれました。
毎朝のミーティングと週一の報告会は欠かしていません。
加藤君、福壽君、保木君は早々に就職内定を決めています。齊藤君は北海道大学の大学院に進学が決まっています。西田君も12月の大学院入試に向けて奮闘中です。
9月に名古屋で開催された日本分析化学会第73年会には保木君がポスター発表してきました。
卒業生の皆さんも日々新しい場面に向き合っていることと思いますが、どうぞ健康に気を付けて頑張ってください。卒業した先輩たちの様子は後輩たちにも大きな励みになります。近況報告をお待ちしています。
(宇都 記)
○高分子化学研究室
卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。
高分子化学研究室(浪越研)は、M2・1人、M1・3人、B4・3人で頑張っております。4年生は全員進学でM2もあっという間に進路が決定しています。今年は各自の卒業研究 以外にも北大や岩手大学との共同研究なども手伝いながら 様々な実験に励んでもらっています。研究室のオートメーション化をより一層進めながら、制御カチオン重合、ポリフェニルアセチレンの合成、高分子を使った農業支援に関する研究を頑張っています。特に予算の関係で農業支援に 関する研究をほとんどの学生にアルバイトで協力してもらっいます。
卒業生の皆様の益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
HP:http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/namikoshi/
(浪越毅 記)
○生体分子化学研究室
卒業生の皆さま、お変わりありませんか。
毎年この時期になると卒業生を思い出し、ご出身や就職された地などを思い返して、どうしているか想像しています。
北見工業大学は、この1年は大きな変化はありませんでした。ただ、人と同じように毎年少しずつながら変わっていってますので、以前と比べると大きく変わったと感じると思います。新しく入ってくれば、ご退職される先生もあり、教員や組織も変わりました。大学全体では、時代に合わせてITや半導体分野に力を入れつつあります。たまには様子を見に来ませんか。
研究室では、今年は幸い研究費が例年より多く、装置を購入しました。今まで手作業で頑張ってすり潰していた試料が、機械で目的の大きさに粉砕できるようになりました。一昨年から他大学と共同で行なっている天然物の構造解析は、まだ完全ではありませんが部分的にずいぶん分かってきました。部分構造を組み立てて全体を構築するのはパズルのようで、分子構造解析の醍醐味でもあります。合成研究は、学生さんの手腕によるところが大きく、残念ながらあまり進んでいません。継続は力なり言いますが、何事も一発逆転で急には成らず、コツコツとした積み重ねが必要です。
(服部和幸 記)
地球環境工学科・地域未来デザイン工学科 地域マネジメント工学コース
旧マネジメント工学コース、地域マネジメント工学コース卒業の皆さん、元気にご活躍のことと思います。今年度、 卒業研究となる地域マネジメント工学プロジェクトに取り組む学生は18人です。18人のうち、4人が工学の専門コー ス(基盤コース)の研究室で研究に取り組んでいます。大学院工学研究科の博士前期課程「マネジメント工学プログラム」には2人が進学し、さらに社会人1人、留学生1人が入学しました。2年次を含めて総勢7人の大学院生が活動しています。地域マネジメント工学コースを運営する先生方にも動きがありました。藤井先生、本間先生が他大学に転籍されました。地域マネジメント工学コースを担当する先生は6人と少なくなりました。しかし、6人という少数であるからこその団結力でこれまで以上にアグレッシブに大学運営の活動とともに教育・研究活動を推進しています。今後も地域マネジメント工学コースの発展をどうぞご期待ください。
(コース長:内島典子 記)
○産学官連携価値創造研究室
産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがお過ごしですか。今年のCVR研は、学部・大学院生総勢9人で活動しています。今年は、総合型選抜の第1次産業振興枠で入学した学生2人がCVR研に配属となりました。それぞれ「農水産品の物流問題」、「農業や工業などの専門高校における産学官連携による人材育成」という第1次産業に関連する内容をテーマに地域マネジメント工学プロジェクトに取り組んでいます。その他、今年は「若者の地域定着」、「地方創生に向けた自治体が取り組む施策の特徴解析」、「地域が求める大学の役割」など、地域課題解決に臨む研究に取り組んでいます。今年は、CVR研全体での取組として、10月には北見芸文ホールで開かれた「第9期北海道総合開発計画キックオフシンポジウム」 に、内島とCVR研メンバーがパネルディスカッションに登壇しました。研究活動の合間の時間を使って、発表の準備を進めるなど、CVR研の一大イベントとなりました。今年は1人の学生が大学院へと進学します。11月には新4年生も研究室の1次配属として研究室での活動を開始しています。
今年はCVR研1期生が遊びにも来てくれました。また近況を連絡してきてくれた卒業生もいます。CVR研が皆さんのふとした時のリフレッシュや少しでも心の支えとなっているのであれば、うれしい限りです。CVR研はいつでも皆さんを大歓迎でお待ちしています。いつでもご連絡ください。
(内島典子 記)
○知的財産研究室
卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。今年度は学部学生5名が在籍しており、うち2名は基盤コースからの希望者ということで、基盤コースから本研究室を希望する学生が年々増えていることは喜ばしく思います。また指導教員の退職に伴い、大学院2年生の学生1名が配属され、研究だけではなく、研究室運営にも積極的に参画い ただいております。
今年の研究テーマは知的財産に関するテーマの他に、地域とのつながりの深い研究として林業分野と資源リサイクルに関するテーマにもチャレンジしております。さらに昨年同様、学外研修として北海道経済産業局様にご協力いただくことになっております。研究室の学生には、知的財産からのアプローチとして北海道を見つめなおし、出向く学びから自身の研究を深堀できれば良いなと考えております。
最後になりますが、卒業生皆様のご健康と、益々の御活躍、御発展を心よりお祈り申し上げます。
(三枝昌弘 記)
○経営工学研究室
卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。2023年度から経営工学研究室をスタートしまして、今現在が2期生としてB4は5名、M1は留学生1名、社会人1名、日本人が1名で合計8名がいます。B4の2名が民間企業への就職が決まり、3名が博士前期課程への進学を決まりました。また、11月に私と研究室6名の学生さんが中国の大学、 専門学校と研究・文化交流を行ってきました。
経営工学研究室では、人の労働力に頼る割合の大きい労働集約型作業における生産効率向上および人材確保をするため、作業現場における生産効率化に向けた人材力向上に対する対処方法に関する研究を取り組んでいます。同窓生の皆様、経営工学研究室に興味がありましたら、いつでもお気軽にご連絡いただければと思います。
(ウ アテイ 記)
地域未来デザイン工学科 機械知能・生体工学コース
卒業生の皆様におかれましては、お元気でお過ごしのことと思います。機械知能・生体工学コースの 2024年度の人事異動についてお知らせいたします。昨年3月に医療工学分野で尽力された早川吉彦先生が定年のためご退職されました。現在は非常勤講師として引き続き医療工学の科目を担当いただいています。また、11月末に杉野義都先生が北海道電力(株)総合研究所に転出されました。杉野先生には、学生実験、メカニカルデザインII及び研究室での学生指導など、多岐にわたり貢献頂きました。新天地でのますますのご活躍をお祈りいたします。そして、新たに4月より加賀谷勝史先生が准教授として赴任されました。ご専門が動物生理学で研究室名は極限環境サイバネティクスとなります。先生の活躍により本コースの生体分野がさらに発展していくことを期待しています。
就職事情については大変良好です。これもOB、OGの皆様のご活躍のおかげであると考えております。この場を借りて感謝申し上げます。北見ご訪問際には、お知らせください。今年の北見は、夏の暑さが例年より少し長く続いたと感じましたが、気持ちの良い暑さだったと思います。日ごと寒さが増してきておりますが体調に気をつけてお過ごしください。最後に、皆様のご活躍をお祈り申し上げます。
(コース長:吉田裕 記)
○生産加工システム研究室
卒業生の皆様におかれましては、ご健勝にてご活躍のことと存じます。今年度の当研究室は、教員2名(裡・ゴーシュ)、技術職員1名(杉野)、博士後期課程D3が1名、D2が3名(うち秋入学2名)、D1が1名、修士課程M2が6名(うち秋入学1名)、M1が4名、学部4年生が6名、計24名のメンバーで構成されています。このうち、7名が留学生です。来年3月には、M2の5名が就職し、残る1名は進学予定です。また、D3の1名は来年度3月に博士後期課程を修了予定です。また、学部生全員の就職も無事に決定しました。当研究室では、日頃よりものづくりのDXおよびスマートマニュファクチャリングに関する研究に取り組んでおります。特に、CAD/CAM、3Dプリンティング、生産加工データのオープン化、リバースエンジニアリング、幾何学モデリング、多孔質構造、表面粗さ、再製造、製品開発、持続可能な生産、生成AI、サイバーフィジカルシステム、デジタルツイン、Industry 4.0などの分野に注力し、数多くの研究成果を挙げています。また、地方のものづくりにおける課題解決にも積極的に取り組んでいます。皆様のご健康と今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
(佐々木遥、裡しゃりふ 記)
○生体メカトロニクス研究室
卒業生の皆様、ご元気でご活躍のことと思います。研究室は星野教授、楊准教授の2名の体制となりました。星野教授は副学長となりました。研究室現在学生の構成としてはD1が2名、M2が7名、M1が8名、B4が13名、研究生2名の31名です。加えて、共同研究先の企業から研究員がいます。就職する学生は順調に全員決まりました。他に5名が本大学博士前期課程に進学します。農業機械の高性能化、アルペンスキーの研究に精力的に取り組んでいます。特に農業工学関係では、農水省複数の大型プロジェクトや共同研究にメンバーが一丸となって取り組んでいます。また、スキー関連研究でもスキーヤーの体の使い方と動力学とをつなぐ新たな知見や、AIによる動作解析手法についての成果が得られつつあります。研究室で開発したカボチャ皮むきロボット、収穫ロボットや自動操舵トラクターなどの研究成果がメディアに多数報道されました。研究室の行事は徐々に従来通りの活動を再開し始めております。新歓に学内でバーベキューパーティーを開催しました。いつも温かいご支援を頂いております卒業生の皆様には心から感謝申し上げます。
(星野洋平、楊亮亮 記)
○計算力学研究室
今年度の研究室のメンバは、佐藤教授、長谷川技術員、河野のスタッフ3名と、博士前期課程7名、学部17名の学生 24名です。今年度より佐藤教授は機械電気系長の責務を担われ、冬期スポーツの研究に加え、大学の運営にも尽力されております。河野は、これまで通り計算力学を駆使した研究を行っております。スタッフ一同、計算力学研究室の発展に益々貢献していく所存です。
さて、コロナ禍という言葉が過去のものになり、研究室の行事が復活しました(写真参照)。学生が北海道の大自然を思い出にして旅立っていけるようになったことは、教員として喜ばしい限りです。将来、これらの経験は同窓生同士の昔話に花を咲かせるものと思います。
最後にご報告があります。次年度(2025年度)で佐藤教授が定年となります。佐藤教授のご退職に合わせて計算力学研究室のOB会を開催することを計画中です。現在、2025年9月の週末の実施を計画しておりますので、ご参加いただける方は河野まで気軽にご連絡下さい。
(河野義樹 記)
2024年7月4日硫黄山
2024年8月1日雌阿寒岳登山
○複雑系情報学研究室
卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。研究室に在籍している学生は、D2:1名、M2:4名、M1:7名、4年生:7名となります。これだけの人数となると学生部屋として使用していた実験室1も手狭となり、隣の実験室2にも机を揃えて日々研究に励んでおります。(おかげで、実験する際はゼミ室3や廊下を使用しています)研究内容としては、(1).音声情報処理へのAI応用、(2).脳波解析と制御への応用、(3).群れ行動の創発・行動最適化に関する研究などのメインに、UAV(無人航空機)による自律配送や交通シミュレーションなど多様な研究テーマに後輩たちが取り組んでいます。研究室イベントも復活してきており、先輩後輩関係なく話し合えるような活気あふれる雰囲気となっています。
北見においでの際は、是非研究室にお立ち寄りください。最後に、卒業生の皆様の益々のご活躍を期待しております。
(鈴木育男 記)
○極限環境サイバネティクス研究室
2024年4月に新任准教授加賀谷勝史が赴任した際、機械知能・生体工学コースに所属する運びとなった。学部講義は生体計測工学を主に担当することになった。研究では、生物のしなやかさや自発性を生み出す原理の解明とそれを規範として、あるいは触発されてのヒトのための技術へと転化することを展望している。これまではとくにザリガニやシャコといった甲殻類を対象とした神経生理学、バイオメカニクスを研究分野としていたが、さらに地域固有の生物を新たに模索している。最近は、ソフトロボティクスやモデル化された神経回路網を使った機械学習分野で、機械工学分野の研究者と研究に取り組んでいる。
(加賀谷勝史 記)
○材料力学研究室
今年度の研究室メンバーは、吉田、杉野先生のスタッフ2名と博士後期課程1名、博士前期課程4名及び学部6名の計12名です。ただ、杉野先生は11月末で転出されました。吉田は4月より共用設備センター長と機械知能・生体工学 コース長として大学運営にも関わるようになりました。
今年度は研究助成2件と共同研究1件が追加されました。また5年以上続けてきたマグネシウムの研究論文2編が学術論文として公開されました。さらに日本設計工学会にて優秀発表賞を受賞するなど、良い研究成果が皆さんにご報告できました。これまでマグネシウムの研究に協力して頂いた皆さんに、この場を借りて感謝致します。
学生の進学・就職は全て決まりました。7月のソフトテニスも継続しています。研究室一同、皆様の訪問を楽しみにしておりますので、近くにお越しの際には、是非研究室にお立ち寄りください。最後に皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
(吉田裕 記)
地域未来デザイン工学科 情報デザイン・コミュニケーション工学コース
卒業生の皆様におかれましては、お変わりなくお元気にご活躍のこととお慶び申し上げます。情報デザイン・コミュ ニケーション工学コースの近況をお知らせします。
まずは教職員の動向です。4月に桐原崇亘先生が准教授として着任されました。桐原先生は計算数理科学研究室で銀河の形成や進化に関する研究や銀河、ブラックホールなどを対象としたシミュレーションやデータ解析に取り組んでいます。今後のご活躍と貢献をおおいに期待しております。7月に学科事務情報担当として清水歩美さんが着任されまして、お二方の歓迎会を9月に開催しました。なお、今年度から黒河賢二先生が情報通信系長、吉澤が情報デザイン・コミュニケーション工学コース長を担当しています。
今年も当コースに多数の求人があり、学生の就職活動は順調な様子です。一方、本学大学院進学予定者はコース4年次学生数に対して3割程度を見込んでいます。本学大学 院ではデータサイエンスプログラムが新設することが予定されており、大学院に進学する学生をさらに増やすことが期待されております。卒業生の皆様におかれましても、後輩達への激励と大学院進学の奨励のために母校をお訪ねいだければ幸いです。皆様の一層のご研鑽とご活躍を祈念致 します。
(コース長:吉澤真吾 記)
波動情報通信分野
○波動エレクトロニクス研究室(平山研)
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の波動エレクトロニクス研究室(平山研究室)は卒研生3人で、COMSOL(電磁界シミュレータ)とMATLABを使って、卒業研究を進めております。平山は光・マイクロ波デバイスの最適設計やマイクロ波・ミリ波帯での材料定数測定法の研究に取り組んでおります。5G/6Gや自動運転自動車レーダ等で利用されることから、ミリ波分野の研究に力を入れております。企業との共同研究も行っていて、高い周波数での測定データの取得等をお願いする一方で、理論あるいは電磁界シミュレーションの結果等を情報提供しております。また、今年度も副学長(総務、組織運営、情報戦略担当)を務めさせていただいており、今年度からは図書館長も兼任しております。
北見にお越しの際には研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍を祈念しております。
(平山 記)
○波動エレクトロニクス研究室(安井研)
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年は4人の学生が卒研生として配属されました。皆さん元気に卒業研究に取り組んでいるようです。さて、数年前からアストロフォトニクスと呼ばれる観測天文学の分野で使用される光集積回路の設計に関する基本的な研究を始め、学生さんにお手伝いをしてもらいながら研究を進めてきました。お陰様で、それらの研究結果も最近少しずつですが論文として掲載されるようになってきました。今後も学生さんたちの力を借りながら研究を進めていきたいと思います。卒業生の皆様も北見にお越しの際には研究室にもお立ち寄りください。皆様のご活躍を祈念しております。
(安井崇 記)
○通信システム研究室
通信システム研究室の柏です。本研究室では次世代高度通信システムに関する教育及び研究を行っています。最近は5G或いはbeyond 5G通信システムに関する研究を科学研究費の助成のもとに行っていますが、その中でも、システムの高速化に大きく寄与する無線系の研究を行っております。具体的にはミリ波或いはテラヘルツ波素子のトポロジー最適設計に関する研究及び開発を行っております。また、今年から本学に有る天体望遠鏡の遠隔制御に関する研究も行っております。IOTやセンサー技術が必要で結構苦労しております。
卒業年次学生の就職も全員決まり、皆さん元気でやっております。
(柏 記)
○CEM(Computational Electro Magnetics)研究室
卒業生の皆様におかれましては、本学で培った能力を存分に活かしてご活躍のことと思います。本研究室では、IOT時代のための電磁波シミュレーション技術とその応用に関する研究を行っております。メンバーは現在、教員1名、学部生2名、大学院生1名で昨年に引き続き主に準ミリ波・ミリ波帯の電磁波が人体に与える影響に関する研究テーマについて、新規に科学研究費が代表1件及び分担1件が採択され精力的に取り組んでおります。本テーマの他には、マルチコアCPU・GPUを用いた大規模解析技術、スムージングボクセルモデリング技術、3次元可視化に関するソフトウェアなどのインハウス開発も継続的に取り組んでおります。研究開発において電磁波問題にお困りの場合はお気軽にご相談下さい。
学生・教員とも社会に研究成果を発信すべく日々頑張っております。北見に立ち寄る機会がございましたら研究室に遊びにいらして下さい。お待ちしております。
(田口 記)
○集積システム研究室
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。令和6年度は吉澤教授、大学院生3、学部生4名の計8名の体制で日々励んでおります。今年度も水中音響通信や測位に関する研究テーマに取り組んでいまして、6月に沖縄県石垣市、10月に京都府舞鶴市の周辺海域で水中音響通信試験を実施しました。石垣市の海域試験では学部4年生が4名参加しましたが、学生は石垣島ライフを満喫しておりました。また、吉澤は4月にシンガポールでの国際会議に出席し、9年ぶりにシンガポールを訪れましたが、地下鉄やビルなど都市が益々発展していたのが印象的でした。北見にお越しの際には是非ご連絡下さい。
(吉澤 記)
○数理波動システム研究室
卒業生の皆様、各方面でご活躍のことと存じます。今年卒業された方は、4月からいろいろなことがあったと思います。そろそろ落ち着いてこられた頃でしょうか?今年度の数理波動システム研究室は、学部生、大学院生合わせて7名です。研究内容は昨年度に引き続き、光コンピューティング、飛沫散乱計測、プログラミング言語開発を行っています。卒業生の皆様が作り上げてこられたプログラム、ライブラリを引き継いで、プログラム開発を中心に研究に励んでおります。大学院生は研究会で講演も行いました。実験の方も着々と進んでいます。先日も新たな実験機材を購入し、試行錯誤しているところです。授業の動画と研究室のホワイトボードに度々登場したマスコットキャラクターたちは覚えていますか?彼らにまたに会いたければ、おもしろ科学実験のオンデマンド動画をどうぞ。
(杉坂 記)
数理波動システム研究室のマスコットキャラクターたち
データサイエンス分野
○テキスト情報処理とインタラクション研究室(桝井・プタシンスキ研究室)
卒業生のみなさん、お元気でしょうか。Tipラボの近況をお知らせします。今年度は、8月にミハウ先生がポーランドで短期研究滞在し、パワーを充填して帰国されました。ポスドクとして研究室で研究に取り組んでいたSILAAさんは4月より釧路高専に赴任して新天地で活躍しています。同じくポスドクの劉さんは9月一杯で中国に帰国し、母国での研究活動を目指しています。
学生の動向としては、Chiaさんが9月に博士号を取得し、河邉さんが、本研究室としては日本人学生として初めて博士後期課程へ進学し、研究者への道を目指しています。新メンバーとしては、卒業研究生が10名、博士前期課程学生が3名、博士後期課程(社会人)が1名加わり、総勢29名(まだ少し増える予定です)という構成で世界をリードする研究に邁進中です。
お近くにお越しの際は、是非研究室にお立ち寄り下さい。
(桝井 記)
○核科学情報工学研究室
研究室は今年で20年目になります。メンバーはTang先生と私の2人体制です。いま研究室イチオシのテーマは「交通オープンデータGTFSを軸としたデータサイエンス」で、バスロケーションシステム開発・運用、データ解析による運行予測と路線最適化、多地域展開へのインフラ構築等、さまざまな角度から取り組んでいます。バスロケは全国へ展開されつつあり、7つの自治体で採用される運びとなり、さらに世界への展開も視野に入れています。Tang先生は、画像処理・解析系AIの専門家で、水中画像の解析やスマートライフヘルス、物体認識等の研究を行っています。
(升井洋志 記)
○知識情報処理研究室
令和6年度の前田研は、M2辺田君、M1千葉君、B4甲斐君、鎌田君、谷山君、寺田君の学生6名と技術員の奥山様と前田というメンバーです。前田の免疫抑制剤による治療が長期戦のため、前田研は今年度もオンラインが主の研究室活動です。
プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ大学にもお立ち寄りください。お待ちしております。(闘病の関係で前田は学内の滞在時間が短めです。せっかくお越し頂いた際に不在だった場合はご容赦ください。)
(前田 記)
○ロボット制御・ITS研究室
さて研究室の近況です。8月から研究室のある8号館(旧電気棟)の改修工事が始まりました。教員生活で2度目の改修工事、引っ越しです。教員室は未開封の段ボールの山です。学生と実験等をしていた研究室は引っ越し中には学生居室1室のみとなり、かなり手狭です。会誌が発行される頃には8号館に戻ります。改修後は教員室も研究室も皆3 階です。学生は、大学院博士1年生1名、修士1年生1名、4年生3名の計5名です。修士1年生はインターンシップに出かけています。4年生はお陰様で皆進路は決まりました。 学生は車両誘導の研究をしています。今年はヒグマが実験 場(旧ばんば場)に入り込んで6月から今も実験場が閉鎖されています。昨年から新たな取り組みをして、さらに実験を重ねる予定でしたが、ヒグマに出鼻をくじかれました。 卒業生の研究室への訪問は、令和2年度修了の細川君と今春修了の弘内君が研究室を訪ねてくれました。皆様、近くにおいでになった際には是非、研究室にお寄りください。
(川村武 記)
○情報通信システム工学研究室(中垣研究室)
卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術員の宇野さん、卒研配属の4年生4名が日々研究に励んでいます。研究は、これまでどおり音声分析や雑音抑圧、基本周波数推定、発話区間検出など音声信号処理の研究を中心にすすめています。4年生の就職組は早々に内定をもらい、進学組も希望の院に合格し、幸先の良いスタートを切りました。数学という大きな壁が立ちはだかっている学生もいますが、これは自分の努力で乗り越えてくれるでしょう。研究室の歓迎会では久しぶりに豚の角煮を作りましたが、学生に褒められたのは付け合わせの煮卵でした。今度リベンジします。今年度になって、2名のOBが研究室に顔を出してくれました(お土産、美味しくいただきました)。当研究室出身のOB・OGの皆様、近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りいただき、近況などをお聞かせ下さい。
(中垣淳 記)
○計算数理科学研究室
計算数理科学研究室は桐原の着任にともない、2024年度にたち上がった新しい研究室です。学生はまだおらず学生室の整備もこれからです。研究内容は近傍の宇宙で観測される銀河の形成や進化に関する研究や、銀河と銀河中心の超巨大ブラックホールが共に成長していく謎をターゲットにしています。スーパーコンピュータを使った並列シミュレーションや、大容量のデータ解析、データ科学の手法を用いた最新の観測とシミュレーションとの比較を通して天体現象の謎を解き明かしていきます。
(桐原崇亘 記)
○情報光学分野
○画像情報処理研究室
卒業生の皆さん、元気でご活躍のことと思います。当研究室は教員が三浦教授、桑村助教、学生はD3の馬屋原、M2の菅尾、松田、M1の黒住、照山、4年の大塚、島津、堀口、松上の9名が所属しています。相変わらず、天文補償光学、顕微鏡補償光学、天体画像回復などのテーマで観測、実験、ゼミに励んでいます。今年は○十年ぶりに学生居室の模様替えを行いました。興味のある方は是非お立ち寄りください。
(三浦則明 記)
○光ファイバ伝送研究室
卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。2024年度の光ファイバ伝送研究室には、4年生4名、大学院生1名の合計5名が所属しております。今年の4年生は2名が就職、2名が大学院進学を希望し、全員めでたく企業の内定ならびに院進学が決まっております。また、修士2年の院生も希望の企業に内定が決定しております。黒河も学生 達と一緒に楽しくファイバヒューズの実験研究に取り組んでいます。最近は、ファイバヒューズの発生伝搬抑圧技術の研究ならびにそれを用いたファイバヒューズ抑圧型光パワー伝送の研究を鋭意進めております。お近くにいらっしゃる機会がありましたら、是非お立ち寄りください。皆様にお会いできるのをとても楽しみにしています。卒業生の皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
(黒河賢二 記)
○情報フォトニクス研究室
原田建治研究室は、4年生4名、大学院生4名の計8名が所属しています。最近は、ジュエリーバブルや、幻氷・蜃気楼など、自然を対象とした研究が中心となっています。 修士1年の3名はすでに学会発表を実施済みで、着々と研究が進んでいます。また、コロナ禍にスタートした山頂ゼミは学生から好評なのかどうか分かりませんが、今でも継続しており、今年は仁頃山に登ってゼミをしました。また、OBを交えて有志で富士山登山もしました。もちろん富士山でもゼミを実施しました。現在所属している4年生のうち2名は大学院進学予定ですので、来年もにぎやかな研究室になりそうです。
(原田建治 記)
○光工学研究室
卒業生の皆さん、こんにちは。今年の光工学研究室の構成は学部4年小山くんが一人と寂しい状況ですが、自らテーマを設定して近赤外光を用いた選果場での腐敗玉ねぎの非接触検出の研究に精力的に励んでいます。原田は、2年間のコース長の任を終え、積雪と氷を対象とした近赤外分光計測およびフォトグラメトリ計測にじっくり取り組んでおります。なお、今年4月、JAXAと進めてきた共同研究、「滑走路雪氷のモニタリングシステム技術」の研究に対して日本航空宇宙学会より技術賞の表彰を受けました。これは、初期の段階から光多重散乱のシミュレーション、冬季屋外での実験、膨大なデータの解析に関わってくれた鳥羽啓太君(2015年度学卒)、酒井健瑠君(2018年度学卒)、城佑輔君(2018年度学卒、2020年度博士前期了)、二瓶啓利(2019年度学卒)をはじめ、たくさんの研究室OB/OGの皆さんの協力あっての賜物です。この場を借りて感謝申し上げます。 皆様の益々のご活躍を祈念しております。
(原田康浩 記)
○光エレクトロニクス研究室
曽根研究室は、昨年度からD2の滝本、M2の清田、M1の新田、野村、今年度からZHENG SHUYANG、4年の今村、 武田、中村、吉田の総勢9名で構成されました。研究テーマは、太陽光励起レーザや新材料を用いたレーザ開発(滝本、清田、野村、中村)、特殊ファイバを用いた広帯域光発生の数値解析(新田、ZHENG SHUYANG、武田、吉田)、光ファイバデバイスの作製(今村)などで、皆それぞれの研究に取り組んでいます。特に院生は全国大会規模の学会発表を目標に頑張っております。また、他の組織(物材研、茨城大など)や海外の研究者の方とも連携して活発に活動しております。
今年も卒業生からの訪問やmailなどの励ましの連絡を受けとても感謝しております。北見にお越しの際は、是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍をお祈りしております。
(曽根 記)
○光情報処理研究室
この一年間、酒井研はいろいろと激動の一年間でした。 何が激しく動いたかというと、まず研究室と教員室が移動しました。酒井研卒の半数くらいの方は研究室の引っ越し を経験されていると思いますが、今年は4月頃に『また』引っ 越しました(笑)。今回は教員室の移動も同時期だったので、もう、本当に大変でした。引っ越しにより研究環境は良くなったので、卒業生の方は是非遊びに来てください。現在はM2の平塚、M1の尾崎、河内、田中、中西、B4の稲井、植松、森松、山崎と大所帯になってきて、ホログラムやXR、空中ディスプレイなど様々な研究を行っています。研究の成果としては昨年後半から現M2の平塚が「新雪プログラム」に採択され、また、全国大会の学会で2度受賞するなどとてもよくがんばりしました。現B4の内3名は酒井研に進学予定となっており、より活発に成長していけたらうれしいです。
(酒井大輔 記)
○ビッグデータ分析研究室(澁谷隆俊、竹腰達哉)
2023年度に起ち上がった本研究室は、正式名称を「ビッグデータ分析研究室」として、発足2年目も引き続き観測天文学の研究を進めています。学生室として、昨年度退職された鈴木正清先生から、14号館3階の部屋を引き継ぎました。学生室の整備も済み、本研究室の第1期生である石田、長田、佐藤、瀬戸川の4人の学部4年生が研究生活を送っています。石田、瀬戸川は教員の澁谷と遠方銀河の研究に、長田、佐藤は教員の竹腰と電波天文学の研究に励んでいます。2つのチームに分かれ、日々、天文学の教科書の輪講、データ解析、観測などを行なっております。さらに、今年度、理論天文学を研究されている桐原先生が本学に着任されました (「計算数理科学研究室」の項目参照 )。天文学の新たな研究者も加わり、面白い共同研究が始められそうな予感がしています。
(澁谷 記)
地域未来デザイン工学科 社会インフラ工学コース
社会インフラ工学コース主担当教員の人事異動についてお知らせします。2023年度末で、山崎智之先生がご退職となりました。技術者教育の基本となる実験や演習を中心に、多大な貢献を頂きましたこと、心より感謝申し上げる次第です。また、2024年9月末でアルサワフ先生が金沢大学へ転出されました。着任から2年余りではありましたが、本学の研究・教育にご尽力されましたこと、心より御礼申し上げますと伴に、金沢大学でのご活躍を祈念しております。
2023年度、本コースからは28名の卒業生を送り出すことができました。進路内訳は、就職19名、進学7名、帰国等2名です。就職先としては公務員7名、建設業6名の順となっており、就職率は100%を継続しています。
2024年夏には環境防災工学コースと合同でJABEEを受審致しました。最終結果は今年度末となりますが、審査委員長より、教育の質を高めるために継続的な改善活動を実施しているとのお褒めの言葉も頂きました。これからもより良い教育・研究を実施すべく、不断の努力を惜しまない所存です。
(コース長:高橋清 記)
○河川防災システム研究室
卒業生、修了生の皆様、それぞれの場でご活躍のことと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。昨年度末には、これまで天井が低く観測作業に難のあった共用実験室にある幅広水路の環境水理実験室への移設が完了し、実験作業が飛躍的に快適なものとなっています。現在の構成は、学部生6名、大学院修士課程4名、博士課程2名であり、幅広水路を含めて4本ある実験水路を駆使するとともに、常呂川や十勝川、知床の諸河川をフィールドとして活動してきています。また、AIの発展に合わせ、ドローンによる現地観測技術の開発も昨年度から開始してきています。このように、研究室創設以来、様々な内容の研究を行ってまいりましたが、2025年3月をもって、17年間の研究室の歴史に幕を閉じることとなってしまいました。研究室を閉じることにはなりますが、北見工業大学の卒業生・修了生として、北見においでの際には大学にはぜひ顔を出して、大学との関係を継続していただければと思っております。また、同じ研究室の同窓として様々な場で交友を深めていただければと思っております。これからもお元気でご活躍ください。
(渡邊康玄 記)
2024年6月25日の札内川フラッシュ放流観測前の集合写真
○水工学研究室
卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、今年で7年目となりました。M2の秋田智広、渡辺健斗、佐藤恭輔、M1の小穴一詠、岡田陵汰、学部4年生の岩田尚也、玉鳥陵、畠山ひかり、南迅、山口翔真、山田隼輔の計11名の学生と共に研究活動を行っています。研究は、ジュエリーアイスの出現時期推定手法の開発、実河川で発生したアイスジャム現象の把握、実氷を用いたアイスジャム実験によるアイスジャム現象の解明、アイスジャムがいつ、どこで、どの程度の規模で発生するかの推定手法の開発、アンカーアイスの厚さを推定手法の検討、AIを用いて秋鮭の漁獲量を推定する手法の検討等の研究に取り組んでいます。
卒業生の皆様のますますのご活躍を期待しております。北見にお寄りの際は、ぜひお立ち寄り頂き、お話が出来ればと思っています。また、近況などお変わりがありましたら、ご連絡頂ければと思います。
(吉川泰弘 記)
○沿岸域工学研究室
昨年度は、当研究室のもとで、6名の学部学生が、卒業研究発表会においては、堂々たる発表を行い、無事、卒業されました。卒業後の進路は、建設業から警察まで多岐にわたり、1名は、研究室立ち上げ以来、初めての大学院進学者となりました。
研究室は、毎年、個性豊かな学生の宝庫ですが、今年も健在です。現在、6名の4年生と1名の大学院生が活発に研究を進めており、この一年での成長を楽しみにしているところです。今年は2名の大学院進学希望者もおり、さらなる研究の発展に向けて、研究室一同、切磋琢磨しております。研究室OBの方々におかれましては、激励も兼ねて、研究室に是非お立ち寄りください。末筆ではございますが、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
(白井秀和 記)
卒業研究発表での堂々たる姿と卒業発表を終えて清々しい顔をした学生(2024)
○都市・交通計画研究室
2023年度は修士1名、学部学生4名を研究室より送り出すことができました。研究テーマは、公共交通(交通空白地域の対応、AIディマンドバス評価)をはじめ、科研テーマである自転車振動関連です。自転車関連では、北海道のすべての自治体に対し、自転車活用推進計画に関するアンケート調査も実施し、自治体における自転車政策の方向性を探ることができました。また、今年度より新たな自転車テーマで科研が採択されました。3期連続の採択で、これまでの成果もしっかりまとめたいと思います。一方、これまで研究室として実施がなかった「クルーズ船」に関する研究をテーマとするなど、研究の領域も拡大しております。
2024年度は6名の4年生が研究室配属され、気持ちも新たに頑張っております。現時点で6名中4名が大学院進学の予定です。進学予定の学生はアルバイト経験も豊富なようで、来年度は久しぶりに、アクティブで楽しい研究室になるかと今から期待しています。
(高橋清 記)
○構造・材料系研究室(橋梁工学研究室・地震工学研究室・コンクリート工学研究室・インフラマテリアル研究室)
卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。構造・材料系研究室では、恒例となっていますG-meetingを中心に学生間の交流や連携を図り、井上教授、崔教授、齊藤准教授、門田助教、坪田技術職員、技術補助員の苅谷さんにご指導とご助力いただきながら、日々の研究活動や講義に取り組んでいます。今年も屋外でバーベキューを囲んでの卒論生歓迎会により、メンバー全員との親睦を深めています。また、名誉教授の三上先生、非常勤講師の山崎先生、元技術職員の岡田さんには週に数回大学に来ていただき、教育・研究に引き続きご支援いただいています。
地震工学研究室はM2が3名、M1が1名、B4が6名の計10人で活動しております。主な研究内容としましては、むかわ町の津波避難に関する検討など防災に関する研究をはじめ、歩道橋デッキプレート床版の損傷が振動特性に及ぼす影響や鋼I桁橋桁端部における性能評価など鋼構造物に関する研究、定期点検結果を活用した橋梁の維持管理に関する研究を行っています。
コンクリート工学・インフラマテリアル研究室では、D1が1名、M2が2名、M1が3名、特別聴講学生が1名、 B4が11名の計18名で活動しています。主な研究内容としましては、氷点下領域で機能する耐寒無収縮モルタル(グラウト)に関する研究、各種亜硝酸塩を混合使用した場合の凝固点降下作用と強度発現性、産業副産物起源の混和材を用いたコンクリートの初期強度発現性改善に関する研究、廃ホタテ貝殻と炭酸ナノバブルを用いた新しい補修材料の開発などに取り組んでいます。
また他大学との研究交流会、土木学会や海外の学会への参加し研究に励んでいます。PRMでは、研究室の先輩方や関係者の方々から研究や進路に関するご指導ご鞭撻を賜りました。
最後になりますが、研究室一同、健康第一で研究活動に励んでいきたいと思っております。また、卒業生の皆さんのご健勝と益々のご活躍を心よりお祈りいたします。
(M1 坂松元貴 記)
地域未来デザイン工学科 バイオ食品工学コース
卒業生の皆様、以下がお過ごしでしょうか。大学では、コロナ禍も終息してきており、ようやく以前のように、落ち着いてきた様子です。しかしながら、物価高やコメ不足等、学生の生活にも大きく影響するような事態にも見舞われており、学生も奮闘しております。
コースとしては、本年度の3月を以て、菅野教授、齋藤教授、佐藤教授が御退官されます。菅野先生には非常勤講師として、今後も教鞭をお取り頂くことになっております。
卒業生の皆様も時勢柄、生活や環境の変化に見舞われるものと思われますが、本学への変わらぬご支援をお願いいたします。また、皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。
(コース長:宮﨑健輔 記)
○生物無機化学研究室
皆様お元気でお過ごしでしょうか?当研究室のメンバーは、大谷優太先生に加え、2名のM2および4名の4年生の全員が男性のにぎやかな研究室となりました。 菅野在職の最終年は、大谷先生に院生1名を含む4人の学生の指導をお願いしています。研究テーマは、菅野は、無機層状化合物を用いた薬剤徐放材料の開発、大谷先生は、同じく無機材料を用いたゲル複合化合物の環境浄化材料および色素増感型太陽電池の電解質材料の開発であり、バイオ食品工学コースでは、無機材料を扱っている異色の研究室です。大谷先生は、電気化学的手法を材料の特性評価の一つに用いており、私にとっても新鮮な気持ちで、報告会や雑誌会に出席しています。昨年度は、1月に化学工学・粉体工学研究発表会(千歳)、今年度は、7月に日本化学会北海道支部夏季研究発表会(北見)、9月に化学工学会第55回秋季大会(札幌)に、大谷先生、2名の院生とともに参加し、コロナ渦の混乱を夢のように感じる日々です。
北見工大では、2年後の改組に向け準備中です。詳細は不明ですが、入学者にとって学びの多様性につながることが期待されますが、カリキュラム等の変更等に伴う教職員の負担増が気になるところです。
最後になりましたが、皆様の益々のご活躍ならびにご健勝を祈念いたします。また、皆様には長年にわたりこれまで大変お世話になりましたことを、この場をお借りし感謝申し上げます。
(菅野亨 記)
○食品科学研究室
同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に博士後期課程と博士前期課程をそれぞれ1名が修了し、学部生3名が卒業しました。博士後期課程の学生は研究機関に、博士前期課程の学生1名と学部生2名は民間企業に就職し、1名が本学大学院に進学しました。4月現在、博士後期課程3年1名、修士2年2名、4年生4名の7名の学生が在籍しています。
現在、当研究室では、シイタケの分子育種研究と、きのこ発酵農産物に関する研究に取組んでいます。前者の研究では、本年9月に科研費A(京都大・本田教授)のゲノム編集研究に関する会議を北見工大と道総研・林産試験場で行いました。また、後者の研究では、本年7月にノーステック財団の外部資金に採用され、9月末に共同研究者と北見で会議の予定です。佐藤は来年の3月をもちまして定年退職となります。これまでの皆様のご支援・ご指導に感謝申し上げますとともに、今後とも北見工業大学へのご支援・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
(佐藤利次 記)
○食品栄養化学研究室
今年度の学生の構成は、学部4年3名(伊藤理名、坂部綾香、奈良虎太郎)、修士1年2名(西川友基、野本萌絵)、博士1年1名(Otgonbayar Jinjiibadam)、博士2年2名(Ganbayar Ganbold、Te Rigele)、博士3年1名(Perleidulam Bunddulam)です。学部4年は2名が民間企業への就職が決まりました。現在、北海道産小果実類(シーベリー、アロニア、ハスカップ)、生薬地上部(キバナオウギ、ウラジロガシ)、スパイス類(フェンネル)のアレルギー抑制作用および抗炎症作用に関する研究を培養細胞を用いた実験により進めています。また、タマネギの含硫化合物の機能性に関する研究を継続しています。引き続き同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
(新井博文 記)
○バイオプロセス工学研究室
令和6年9月現在での所属学生は助教1名、非常勤スタッフ2名、外来研究員1名、博士後期課程3名、博士前期課程5名、学部4年生1名となっております。昨年10月より植物生理学が専門の蔭西知子先生を助教として迎えております。M2の中倉氏は光学機器メーカーへの就職が内定しております。また、M2岡澤氏は博士後期課程進学に向けて準備をすすめています。昨年度よりモンゴルやバングラディシュからの留学生(大学院)も受け入れています。多様な立場で研究室に関わる方が増えて、多様性の観点からも刺激が増えていると思います。研究については、昨年度から引き続きNEDOバイオものづくりプロジェクト、中小企業庁のGoTech事業、科研費基盤研究Bなどの外部資金により研究を推進しています。さらに本年度からNEDOバイオものづくり革命推進事業にも参画することが内定しています。民間企業との共同研究や相談も活発な状況が続いております。OBの加藤勇太氏は引き続き環境大善共同研究講座にてサブリーダー的立場で研究活動に邁進しております。また、蔭西先生は植物と微生物の相互作用の解明を目標とした新しいテーマの立ち上げに奔走されております。
令成果については、3月に学位を取得された北海道糖業の小林美水氏の乳酸菌培地のアミノ酸組成最適化の研究で農芸化学会よりBBB論文賞を授与されました。また、現、東洋紡株式会社の吉田果菜子氏が学生時代に研究したAIを活用した培地最適化に関する研究で日本生物工学会より第32回論文賞を授与されております。このような成果はスタッフ・在学生や卒業生の皆様と育ててきたものが徐々に認められだしているということと認識しています。また、環境大善株式会社の加藤氏が執筆した液体肥料によるシロイヌナズナの発現応答解析に関する研究がBBB誌に掲載されました。共同研究講座を立ち上げて4年目にして初の論文成果発表になり、受理された際は感慨深いものがありました。優秀なメンバーに支えられながら、学術論文での発表を増やすことや、研究の社会実装を目標に掲げ、さらなる発展を目指し邁進しております。活発な研究活動の中で所属学生の更に成長することも期待しております。末筆になりましたが、卒業生のご多幸をお祈りしております。今後とも変わらぬご支援のほどお願いいたします。
(小西正朗 記)
○天然物有機化学研究室
当当研究室は今年度で早9年目となり、今年度のメンバーは筆者(霜鳥)と大学院2年生1名、学部4年生1名と若干さみしい感じもしますが日々研究活動に勤しんでおります。大学院2年生は内定を頂くことができたので、あとは学位の取得に向けて研究活動に専念するだけとなりました。現在は、“光学活性なγ-ジャスモラクトン類縁体の合成と香気特性の評価”をテーマとして、“化学構造”と“におい”との関係性を解明することを目的として研究を行っています。また、北見はハッカの町として知られる場所なので、“北見産ハッカ水蒸気蒸留残滓を原料とした機能性緑色着色料の開発”をテーマとして研究を行っており、研究活動を通して地域貢献ができればと考えております。さらに昨年度より、日本種のカクレミノという植物を素材とした機能性の評価も行っております。最後になりますが、卒業生の皆様のご健康と、益々の御活躍、御発展を心よりお祈り申し上げます。
(霜鳥慈岳 記)
○食品プロセス工学研究室
令和6年(2024)4月、食品プロセス工学研究室が4年目に入りました。本研究室では、小西正朗教授のバイオプロセス工学研究室との緊密な研究連携があり、共同ミーティングの開催など、日々切磋琢磨しています。今年2月から鈴木さんが研究室事務にご着任とご協力で、研究室の運営に着々と整理されています。今年度迎えた学部生4名(男子3名、女子1名)、そのうち男子1名は本研究室で進学することを予定しています。大学院生ではM2が男子2人、M1が男子1人で、食物繊維の加工技術や、特殊乳酸菌の代謝経路の解明、亜臨界水抽出技術の応用など様々な研究を活発に行われています。10月から短期留学生(台湾・女子1名)を引き受けています。国際的な雰囲気を醸しながら研究生活を送っていきたいと思います。また、今年から研究室ホームページを立ち上がりました。ブログなど随時更新しています。同窓生の皆様、もし上記内容に興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。これからもどうぞよろしくお願いします。
(邱泰瑛 記)
○バイオ環境材料研究室
卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。お元気でお過ごしでしょうか。大学ではコロナ禍も終息し、対面授業にシフトし、いつもの活気が戻ってきましたが、学生は物価高などで苦労しているようです。バイオ環境材料研究室は、大学院の濱田君と4年生の井上君、尾崎君の3名で日々研究に勤しんでおります。研究内容は、「汎用プラスチックへの生分解性の付与」や「プラスチックリサイクル技術の開発」、「未利用木質バイオマスを用いた生分解性プラスチック複合材料の開発」等、行っておりますのでご興味がある方で、北見にお寄りの際はぜひ気軽にお立ち寄りください。皆様のご健康とご活躍を祈念いたします。
(宮崎健輔 記)
○植物分子工学研究室
今年もラボメンバーが増え、ついに14人になりました! 4年生4名、修士6名、博士1名(筆者)、技術補佐員1名、さらに慶應義塾大学医学研究科麻酔学教室から派遣滞在さ れている博士1名、そして陽川先生で構成され、研究室には机がずらりと並んでいます。また、昨年まで本研究室で特任研究員として活躍された蔭西知子先生が、小西正朗教授のバイオプロセス工学研究室の助教に着任されました。おめでとうございます!
学生数が10人を超えると、常に誰かが研究室にいて、活気に満ちた環境が生まれています。毎週のミーティングではメンバーから刺激を受け、学生全体のモチベーションも高まっています。皆で車に乗り合わせ、学会発表を聴講しに行くほどの意気込みです。また、陽川先生も共同研究のために3週間チェコへ出張されました。それに加えて、 毎週のように研究者の来訪や企業との共同研究が進行しており、先生のボルテージもさらに高まっています。誰よりも活気にあふれる陽川先生に置いていかれないよう、メンバー一同、研究活動に励んでいます。
最後になりますが、研究室はこれまで以上にオープンな場となっておりますので、卒業生の皆さんもぜひ遊びに来てください。
(博士後期課程 市川晴雪 記)
○基礎教育系
卒業生の皆さまにおかれましては、お元気でご活躍されていることと存じます。
卒業生の皆様、お元気ですか。コロナ禍はようやく終息しましたが、猛暑・台風・大雨などに見舞われて苦労されているものと拝察します。被害にあわれた方には、お見舞い申し上げます。
今夏は全国的に記録的な猛暑でした。北見でも真夏日が続きました。小職が子供の頃は、半袖で出歩く日が1週間くらいしかなかったように記憶します。本校に着任して26年ぶりに北見に戻ってきたとき、教室や教員室にクーラーが設置されていて笑ってしまったのですが、その必要性を実感する夏でした。
基礎教育系の近況ですが、3月に英語の鳴島史之先生がご退職されました。そして、来年3月に英語の伊関敏之先生、法学の阿曽正浩先生、数学の鈴木範男先生がご退職となります。本校で長年教壇に立たれた先生方が去る度に寂しさを覚えます。一方、4月に英語の髙城翔平先生が着任されました。教育熱心な若手教員が増えてきましたので、基礎教育系はますます活発になるものと思います。
北見近辺にお越しの際には、研究室にぜひお立ち寄りください。
(基礎教育系長:澤田 記)
○中里研究室
卒業生の皆さまにおかれましては、お元気でご活躍されていること存じます。
卒業生の皆さまにおかれましては、お元気でご活躍されていること存じます。
早いもので本学に着任して5年が経ちました。最近は、コロナ過以前の日常を取り戻しつつありますが、コロナ過で失われた学生たちの体力の低下やスポーツ離れ、サークルや部活動の組織としての変化を実感しております。
私の近況ですが、本学の国内でも例を見ない「大学とス キー場(実験場)の近さ」という環境の良さと、「Skytech」 というスキーシミュレーターのおかげで北海道大学をはじめとする様々な大学の先生と共同研究を進めることが出来ております。昨年度の研究例の一つとして、心臓疾患の既往歴のある患者へのリハビリテーションの1つとしてスキー によるゲレンデ滑走を行わせるための運動強度の測定を行い、安全な運動強度を示す研究を心臓外科医の先生を中心として行いました。
アルペンスキーやカーリングなどの冬季スポーツが好きな方、スポーツ科学に興味のある方は、本学HPにも様々な情報を載せておりますので、ご一読ください。お近くにお越しの際は研究室にお立ち寄りいただければと思います。 末筆ながら、同窓生の皆様のご研鑽とご発展を心より祈念申し上げます。
(中里浩介 記)