母校だより 2020(令和2年度)


会誌発行に寄せて

北見工業大学学長(同窓会名誉会長) 鈴木聡一郎

 同窓会の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。全国的に新型コロナウィルスによる感染症拡大が収まらない中、本学学生の修学支援にご理解とご支援を賜りましたこと、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。

 本年の教職員異動につきましては、令和2年3月に機械電気系の羽二生博之先生、社会環境系の三上修一先生、ならびに基礎教育系の三波篤郎先生と木村章男先生、そして技術部の大森誠一さんが退職されました。皆様の長年に亘る本学へのご貢献に感謝申し上げます。また、本年1月には旧機械システム工学科にいらした北川武揚先生と長島弘先生、7月には二俣正美先生が相次いでご逝去されました。私事ではございますが、三人の先生方には同じ学科の教員として着任時からご指導いただくとともに、大変お世話になりました。長年に亘り本学の発展にご尽力いただきましたことに深謝申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 皆様ご存知のように、本年2月に入り国内でも新型コロナウィルスによる感染症が急速に拡大し、北見でもクラスターが発生しました。幸いなことに北見ではその後、比較的落ち着きを取り戻していますが、3月の学位記授与式、4月の入学式は中止となり、前期の授業は全てオンラインで実施せざるを得ない状況となりました。さらに9月に予定していた開学60周年記念事業の多くを中止といたしました。その中で、懸案事項でもあった五島慶太氏の胸像につきましては、無事、現在の学生駐車場から講堂に向かって右側角に移設され、左側には電波アナログ時計とデジタル温度計が新設されました。今後、後期の授業開始に向けて感染症の拡大状況を注視しながら、1年生から順次学部生を北見に呼び、実習や実験などの対面授業を開講していく予定です。感染症対策を十分にとりながら、一刻も早く学内を平常な状態に戻せることを願っています。

 さて、これまでにもご報告いたしました通り、本学は令和4年4月に帯広畜産大学、ならびに小樽商科大学との経営統合を目指し、経営改革促進事業として「経営体制」、「教育プログラム」、「オープンイノベーション」、ならびに「遠隔教育システム」に関する4つの取組毎にワーキンググループを立ち上げ、三大学で協議を進めながら具体的な事業を展開し始めている状況です。2月にはこの事業の実施状況として「中間まとめ」を作成し、文部科学省に提出いたしました。すべての取組が計画を上回る結果を出し、順調に準備が進んでおります。地域の環境も、発展の歴史も全く異なる三つの単科大学が連携することで、新たな異分野融合教育プログラムの実践や、オープンイノベーションの実現が期待されているところです。

 また、新聞報道等でご存知の方もいらっしゃると思いますが、上川大雪酒造株式会社が北見市内にも酒蔵を建設する予定です。代表の塚原氏は小樽商科大学の出身で、帯広に続き北見にも酒蔵を建設するのは、三大学連携の象徴でもあるとのことです。上川大雪の酒造りは、「地方創生」と「産学連携」を基本コンセプトとしており、本学教員による酒造りに関する共同研究や、教育活動でのコラボレーションが実現する見通しです。是非、今後の展開にご期待いただきたいと思います。

 国立大学も特色ある取組の成果を、積極的にアピールすることが求められる時代となりました。本学は、地域活性化の中核的拠点として特色や強みを磨き、さらに発展する道を歩み続けています。同窓会会員の皆様におかれましては、引き続きご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 コロナ禍は未だ終息の兆しが見えない状況ではございますが、皆様の益々のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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会誌発行に寄せて

同窓会会長(昭和53年開発工学科卒業) 富田剛夫

 同窓会会員の皆様におかれましては、益々ご活躍、ご健勝の事と存じますと共に心よりお慶び申し上げる次第でございます。

 北見工業大学同窓会におきましては、令和2年度に予定していた様々なイベントが新型コロナウイルス感染予防の観点から中止としました。この予測不能の事態により、北見工業大学同窓会総会につきましても会則第16条に基づき「総会は会長の判断により役員会で代行できる」規定を適用し、役員会にて総会を行ったことを、この場を借りてご報告をさせて頂きます。尚、議事につきましては、Eメールにより行い、議案決議は滞りなく成立した運びとなっております。宜しくお願い申し上げます。

 本年度は、開学60周年を迎え、様々な記念事業を執り行う予定でありましたが、令和2年2月に入りまして、北見市では新型コロナウイルスのクラスター感染が発生し、全国区で有名になりました。その後間もなく、北海道独自の緊急事態宣言が発せられ、全道における社会行動の制限、行動・移動の自粛、学校の臨時休校など、新型コロナウイルス感染予防を優先した行動制限によって、世間の様々なイベントが中止になり、本学の60周年記念事業(講演会,記念式典 ,祝賀会)も中止と相成りました。しかし、その中でも記念事業の一環として予定していました修学支援基金、屋外時計の設置、五島慶太翁胸像移設工事、60周年記念誌発刊事業につきましては滞りなく実行しております。

 新型コロナウイルス感染予防対策は学生諸君の大学生活に大きな影響を与えております。卒業式、入学式、大学祭の学内重要イベントの中止は元より、授業(講義、実習、実験)の対面をとりやめ、オンライン授業へ移行する等、登校の制限が敷かれ、本来の大学生活から大きく外れた状況が続いたわけであります。この状況は大学のみならず、一般社会においても「三密の回避」「ソーシャルディスタンスの確保」等、生活方法の変化を生み、学生の学外生活も一変しました。特に新入生は後期(10月)からの対面授業の始まりとなり、入学から6ヶ月経って北見での生活が始まる事となり、戸惑うことと思いますが頑張って頂きたいと思います。学生が置かれている様々な困難に対し、大学では修学支援基金を活用した学生支援が学生課を通じて行われている事には、僅かではありますが希望を見出されるものであります。これについては、同窓会と致しまして、就学支援基金に寄付させて頂き在学生に役立ったことは幸いです。また、本年の入学式が中止になったことから、恒例となっておりました「歓迎餅つき」の行事の変わりに、入学を祝う看板を製作し、学内のアトリウムに設置致しました。この看板は卒業式にも対応できるようになっております。今後も大学では新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を行っていく旨、イベントの自粛等の措置は引き続き行われていくことと思います。これらの施設を有効に活用して頂ければと思います。

 平成29年度に、今後の同窓会の在り方の検討を行うべく設置致しましたW・G(ワーキング・グループ)から、本年6月に検討報告書を頂いております。三上座長をはじめ、委員の皆様におかれましては、平成29年から令和2年6月に至る間、多忙の中で20回の御審議を頂き大変感謝しております。報告書の内容について順次対応することを決定し、実行に移して参りたいと思っております。実行に当たりまして、会員の皆様方の御協力も必要になると思いますが、同窓会のより良き将来に向かった行動であることを理解して頂ければと思っております。宜しくお願い致します。

 昨年5月に「小樽商大・帯広畜大・北見工大」の3大学経営改革の推進に関する合意書が締結され、2022年からは連携運営がスタートする運びとなっております。3大学は、それぞれ違った分野で、それぞれの知の融合を図ることでの高付加値の醸成を目指すものと思っております。「ポスト・コロナ」後の世界が活力を持った世界となり、様々なイノベーションが巻き起こることが期待されています。今、新型コロナウイルス感染により、あらゆる点で負のレベルからのスタートを強いられている状況である事は、全世界の共通の問題であります。正に、人間の英知から産めるイノベーション力が必要です。更に今後、少子化の問題を起因とした先進国が乗り越えなければならない課題には、政治、経済、文化、医療、科学に向けられています。人々の個々の力を連結力に置換えて力を発揮していくことを目指し、微力な存在ではありますが、同窓会としての役割を果たしていく事を願っております。

 最後になりますが、本学の同窓会は卒業生、在学生、教職員の皆様に支えられて運営されております。同窓会と致しまして、本学に対して何かお手伝いできる事を今まで以上に発信して行きたいと願っております。先ずは、同窓会誌発行に当たっての皆様方の御協力、御指導をお願い致します。また、本紙の発行に際して、広告でご協力頂きました各企業の皆様には、厚く御礼申し上げます。今後共に広告協賛にご尽力頂ければ幸いでございます。更なる広告のご紹介を各支部へもお願い致します。

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退職にあたり

応用化学系 地域未来デザイン工学科/バイオ食品工学コース 星雅之

 昭和53年3月に本学工業化学科を卒業し、同年4月より同学科教務職員として勤務してから43年の歳月が過ぎ去ろうとしています。卒業して仲間がいなくなった研究室で、ただ一人黙々と実験をしていたことを覚えています。今も同じ研究室で学生たちと過ごしていると、時間の経過に鈍感になっているのに驚きます。この長い研究生活の間には多くの方々のご尽力を賜りました。荒瀬 晃先生(本学名誉教授)には研究の厳しさと面白さの両面を教えて頂き、公私共にお世話になりました。また、増田 弦先生(本学名誉教授)には実験や学会準備に際し叱咤激励して頂きました。お二人の先生がいらっしゃらなければ、現在の自分が存在しないことは明白です。

 これまでの研究室の学生数は270名に上り、そのすべてが後輩です。教員として先輩として教育や研究を通して学生とのコミュニケーションがしっかりとれたかは些か不安です。それでも頻繁に行っていたコンパや50歳頃まで学生といっしょにやっていたソフトボールが学生との距離を大いに縮めてくれたと思います。毎年恒例の一泊二日の研修旅行には楽しい思い出がたくさんあります。40年前と最近とでは立ち寄るところが違いますが、オンネトー、摩周湖、硫黄山、砂湯、裏摩周、神の子池、美幌峠、藻琴山、原生花園、オシンコシンの滝、フレペの滝(乙女の涙)、知床五湖、カムイワッカ湯の滝、知床峠、能取岬、サンゴ草群落などを背景に写真を撮ったのを思い出します。

 教務職員と助手の15年間は3年生の有機化学実験を、助教授時代は有機化学などの講義も担当し、教授昇任後は講義のみとなりました。実験だけではなく講義においても、大学教員のイメージとは異なる大きな声で注意をしたりするので、学生たちは驚き戸惑ったのではないでしょうか。化学システム工学科になってから学生による授業評価のアンケートが実施されるようになりましが、なんと幸運にも「北見工業大学教育優秀者賞」を受賞、また「北見工業大学ベストティーチング賞」を2回も頂きました。これは講義の上手さやきめ細やかな対応等ではなく、単に声の大きさだったのではないでしょうか。

 特別講義や講演会などでお越しになった講師の先生とご一緒する機会がありますが、学外の先生のお話を伺うことは大変興味深く刺激的です。本学社会連携推進センター創立20周年記念事業記念講演会の講師として、ノーベル化学賞受賞者 鈴木 章先生(北海道大学名誉教授)が招聘され、小生が二日間ご一緒させていただくことになりました。実はその20年以上前に博士論文の主査をして頂いたのが鈴木先生であり、また研究分野が同じということで指名されたのだと思います。二人だけの時間もかなりあり、直接いろいろなお話を伺うことができ、非常に有意義な二日間として印象に残っています。

 研究に関しては有機金属化学、特に有機ホウ素化合物を利用する有機合成について研究を行ってきました。基礎的研究でしたので、企業等との共同研究や受託研究については残念ながら全く本学には貢献できませんでした。ただただ地道に学生たちといっしょに実験をしてきた日々が思い出されます。これまでにいくつかの成果を収めたと思っていますが、あくまでも自己満足でしかないと思っていたところ、昨年12月のアメリカ化学会の論文誌に私どもの研究についての詳細な速度論及び反応機構の研究結果が掲載されていました。1) 私どもが最初に報告してから25年経ってからのことですので、大変驚きました。さらに、その論文にはArase-Hoshi catalysisやArase-Hoshi hydroborationなどの表現が多用されていることにも吃驚しました。面識のない研究者から私達の名前を冠した表現を使われることは大変うれしいことと感じています。

 最後に、後半の研究活動の共同研究者であった故沖本 光宏博士2)と白川 和哉氏3)(本学技術部)、そして現在もお世話になっている霜鳥 慈岳准教授に心から御礼を申し上げます。また、研究に携わってくれました学生の皆さん、そして多くの教職員の皆様にも深く感謝を申し上げます。身体が動けるうちは北見で暮らそうと思っております。卒業生の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げますとともに、北見工業大学の益々のご発展を祈念申し上げて結びといたします。

1) Nieto-Sepulveda, E.; Bage, A. D.; Evans, L. A.; Hunt, T. A.; Leach, A. G.; Thomas, S. P.; Lloyd-Jones, G. C. J. Am. Chem. Soc. 2019, 141, 18600-18611.

2) 本学工業化学科昭和53年卒、平成27年6月逝去

3) 本学化学システム工学科平成9年卒

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退職も通過点にすぎず!

社会連携推進センター 有田敏彦

 昭和38年に当時の小泉団地に引っ越してきた2年後だったと思います。まだ5年程度しかたっていない北見工業大学だか短期大学だったかも覚えていない大学の大学祭を父と見に来た覚えがあります。今、学生を見ると子供くさいと見えますが、当時はこちらが子供でしたので、えらいおじさんくさい人が大学生なんだなあ、と見えていました。そのときの記憶にあるのが、焼き玉エンジンのユウコン飛行機(有線コントロールかな)を飛ばしていて、感動したものでした。また、室内に入り万能材料試験機で引張試験を見せてくれていて、破断するときの大きな音を今でも覚えています。それを操作していたのは後に教えていただく教員でした。きっと深い縁があったのだと入学後に思いました。

 それから暫くは大学を意識する事無く、野球小僧で勉強もろくにしない中学高校を過ごしましたが、この頃バスに乗ると工大前から乗るお客さんがこれ又やけにおじさんくさいと思いつついましたが、高校の入学式にはこのおじさんくさい工大生がヘルメットをかぶってビラを撒いていたのも印象的でした。高校生ながらに何をやっているのか?と少し上から目線でビラを受け取らなかったと記憶しています。生意気な高校1年生でした。この後大学進学など思いもせず、ひたすら野球で甲子園を目指していましたが、なぜか当時の野球部の同期はもちろんの事、先輩も後輩も優秀で家の事情が許せばいける能力の持ち主が多く、2年の時(少し遅い)には大学へ行くのが当たり前のような雰囲気になり、慌てて勉強をはじめ、思いも寄らぬ受験生になっていました。

 結果、他大学は全部落ち、北見工大だけ3月末の発表でギリギリ滑り込みセーフの合格でこれ以上無い親孝行でした。しかも、高校の担任から教員になればとの助言を聞かず、建築士志望だったはずなのになぜか機械工学科に入学していました。本人は受かるだけでも良いと思っていたので学科は良かったのですが、それ以上に親は大喜びで電話したときには、電話が壊れるのではないかと思うくらいの雄叫びを上げていました。こんな中昭和49年4月学生として北見工大に入学し、当時の入学金と半年の授業料で3万円を握りしめて入学式へと向かいました。当時、幼稚園より安いと言われていました。

 今思えば、機械工学科に入ったのも私の人生にとっては「つぶしが利く」と言う意味で確かな選択だったように思います。卒業時には地元を離れたくないとの思いを当時の先生方に叶えていただき、福地農機で機械技術のみならずいろいろな経験をさせてもらいました。また、北見工業技術センターでは技術者としての活動だけではなく、経営者との交流から産学官連携事業の管理法人として国・道の地域振興事業を経験しました。これら経験した事を法人化が予定されている母校でも実践すべく、採用試験を受けたところ74人中2位となり、諦めかけていたましたが、1位の方が辞退されたので繰り上げ当選となりました。私の人生ツキと運だけには恵まれていたのかもしれません。

 平成15年、国立大学として最後の年でしたので、1年間だけは国家公務員として大学に採用されました。以来今年度まで主に産学連携に係る事業を中心に、これまでの人脈を活かし大学と地域の橋渡し役として活動してきましたが、大学内では不思議な活動に見えたのでしょうか、単独で提案した事業としては人材育成事業で2億円、経産省の評価モデル事業で1千万円、北見市や道から毎年100万円程度、協力事業でも億のお金を動かし、私自身はほぼ使わなかった事業でも「何してるかわからない」、「勝手にお金を使っている」などの声をよく聞きました。答えのない仕事ではあり、工業技術センター時代からそのような言葉には慣れっこですが、今でもそのように思っている方は特に学内には多いかもしれません。現代の産学官連携時代に時代遅れだとは思いますが、全国的にもこれが現実です。しかし、これでは設計・技術営業を含めたコーディネート活動を行う人材を育成できませんが、マネジメント工学コースはそのためのコースのはずです。さらなる理解お願いしたいと思っています。北見工大は全国的な評価では産学連携の上手く行っている地域、大学と言われていますが、残念ながら学内の評価とは違うと感じています。したがって、これからは外部の評価に耳を傾けてくれる地方大学として、3大学統合後も北天の光のように輝く大学でいて欲しいと思っています。私は北見の土着民なので、大学はもちろんのこと同窓会北見支部の活動等を応援していければと思っています。皆さんのご協力もよろしくお願いいたします。

 大学職員としては18年間大変お世話になりました。ありがとうございました。ただ、退職は通過点に過ぎないと言えるようにしたいですね!

 最後に北見工業大学は永遠に不滅です!

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あっという間の十数年間

機械電気系 地域未来デザイン工学科/機械知能・生体工学コース 渡辺美知子

 私は、2008年4月に北見工業大学機械工学科の女性教員として初めて採用されました。その1年半後に外国人教員としてウラ シャリフ先生が採用され、文部科学省が推進していた女性教員と外国人教員を積極的に採用していた学科だと思っています。

 採用されて初めて知的システム工学研究室(Laboratory of smart system engineering)を立ち上げました。研究は、最適化に基づく学習を実現する「進化計算と機械学習」、大規模な最適化問題を取り扱う「ハイパフォーマンスコンピューティング」、物理エンジンによる生物のモデル化を行いその自律行動獲得を行う「アニメーティドロボットと人工生命、 anibot」の3本柱でスタートしました。研究室の一期生は学部4年生の3人で、私を含めて全てゼロからの研究生活が始まりました。しかし、研究を始めるにしても研究室には、灰色のスティール机と椅子があるのみで、研究道具のパーソナルコンピュータ(PC)やプリンタなど何もない状態でした。研究室では、研究に必要な最低限の道具であるPCとプリンタを揃えることから始まり、北海道で開催される学会で学生が研究成果を発表することを目標にしていました。

 研究室の学生は、大学院を希望する学生や学部4年生が徐々に増え始め、研究室を立ち上げてから6〜7年間は教育研究費がマイナスの状態が続きました。その後、企業数社からの奨学寄付金や科学研究費の外部資金を得ながら研究に必要な道具を揃え、学部学生には北海道で開催される学会に年1回以上の研究の成果発表、大学院生にはこれに加えて全国で開催される学会に複数回の研究の成果発表を目標として与えて研究室全員がチームとなって頑張ってきました。その結果、一番多くて3年間で9回の研究成果を発表した学生もいて、研究費の殆どは学生旅費に費やしました。また、研究室の学生では、3名が返済義務のない奨学金として(財)山口正栄記念奨学財団から60万円(月額25,000×24ヶ月)を給付されました。更に、学生の研究発表では、情報処理学会北海道支部や精密工学会北海道支部から優秀ポスター賞1名、研究奨励賞1名、学生奨励賞7名を輩出する事が出来ました。昨年度は、研究室チームが、旭川ICT協議会主催の第3回ドローン選手権大会での優勝トロフィを受賞しました。

 このように研究に関連する成果も多くありますが、研究室ではコミュニケーションを大事にしていました。お昼休みには、研究室内で焼きそば、カレーライス、餃子、鍋料理などを全員で楽しく調理・食事を行い、季節毎のバーベキューパーティーなどの研究室コンパ、他大学や他研究室との夏旅行、スキー、スケートなど様々な交流の場を持ちました。

 私は、北見工業大学に採用されて初めて教員になり、新しい環境や教員としての体験など全てがゼロからのスタートでした。まず。最初の教員としての作業は研究室の立ち上げと学生の研究指導、そして、大学院博士前期課程の授業の準備と講義から始まりました。この頃は、時間に羽が生えたようにあっと言う間に1日が終わり、無我夢中の日々が続きました。ある日、急いでトイレへ行ったのですが、入った瞬間にいつもの景色と違うことに気つき、慌てて男子トイレから走り出たのを今でも思い出します。その数年後は、学部学生の授業、工学実験、大学院博士前期過程副コースの授業などが加わり、益々1日が短く感じたことを思い出します。大学の授業では、教員側からの一方向からの授業ではなく、教員側と学生側との双方向で活発に楽しく行う授業を心掛けていましたが、学部学生の人数が多くて思ったように進めることができませんでした。しかし、人数の少ない大学院博士前期課程では、講義内容やその他の問題に対しても活発なディスカッションが行なわれ、有意義な時を過ごしたことも多々ありました。今まで対面で行われていた授業や実験と卒業研究などが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で5月からオンライン対応となり、学生は勿論のこと私も困惑しているような状況です。今まで当たり前として行われていた行動が当たり前でなくなった現在、当たり前がどんなに大切な事かを痛感させられます。

 大学は、学生、事務職員、技術職員、教員などから構成されています。私が常に教員と事務・技術職員は大学の車の両輪だと思いながら働いてきました。私は、学生を含めて周りの方々にとてもお世話になりながら少しずつ成長してきました。このような私を暖かく支援していただいた教職員の方々に改めて謝意を表したいと思います。また、大学構内・構外を問わず綺麗に清掃していただき、気持ち良く働く環境を整えてくれた職員の方々にも感謝しております。

 今思えば、教育、研究、学生指導など十数年間を無我夢中で前に進んできたような気がします。このような北見工業大学での貴重な経験は、私にとって一生の宝物です。

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工大での37年間を振り返って

機械電気系 地球環境工学科/エネルギー総合工学コース 山田貴延

 1984年4月、私はそれまでの9年間を学生として過ごした札幌から、期待に胸膨らませてこの北見にやってきました。元々、大学時代は学部で伝熱工学の研究室に所属しましたが、大学院からは自らの専門を内燃機関へと大きく変更してその後修了してから、就職先として北見工大の熱機関研究室の教員として社会人のスタートを切ったわけです。当時、工大赴任のお声がけをいただいた本学元学長の常本先生には深く感謝申し上げます。しかし、赴任してみると気負いすぎてやることなすこと空回り。折角迎えていただいた先生の期待にはお応えできない場面が多く、かえってご迷惑をおかけしたなぁと、振り返って反省することばかりです。

 そうした戸惑いの中で、1つ目の転機がやってきました。1987年、当時、文部科学省が奨励していた在外研究員制度に応募した申請が認められ、アメリカに渡航する機会を得ることができました。大学時代の指導教授の知り合いを伝に許可をいただいた、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン自動車研究所、一方で学生時代、所属研究室でたまたま顔見知りになった教授が主管するカリフォルニア大学バークレー校の燃焼工学研究室でした。これらの研究施設では、これまで自分の経験の中にない全く異質の環境に身を置くことになりました。そこで得たものは、予算的にも時間的にも厳しい制約の中での研究者の厳しさと逞しさに触れたことです。大学教員としてのこれからを改めて見直す良い機会となりました。

 2つ目の転機は、初めに所属した熱機関研究室を離れさせていただき、新しく熱応用システム研究室を立ち上げ、学生指導をスタートさせたときです。以来、エンジン以外の研究に初めて手を染める大きな節目となりました。ただ、自分の興味を持てる研究分野を片端からトライしていきましたが、なかなかこれだ!と自信を持って成果を出せる研究にはつながっていきませんでした。しかし、大事なことが1つわかりました。基礎燃焼の研究でイオン電流や定容容器内での火炎伝播に関する実験、さらには密閉容器内での特異な3次元熱流動(熱振動)など、自分(とテーマ着手の学生)にしか見ることのできない現象を観察・計測できたことです。どれも基礎的な分野ながら、学生と一緒になって実験って面白いなぁと心の底から思えるよい経験を積めたことがその後の大学教員としての仕事に対する大きなモティべーションにつながりました。その際、学生諸君の生き生きした目を見ることができたのは、私の記憶の中では大切な宝です。卒業生の皆様へ感謝です。そしてそのことが、自分が学部4年生のときに志した伝熱工学に再度取組み直すきっかけを与えてくれることにもなりました。

 平成12、13年頃、世の中で自然エネルギーの開発・利用に基づく省エネ対策の必要性が叫ばれ始めた時期に、それまで日本にはほとんど実用化されていなかった下水処理で発生するバイオガスを燃料源とするマイクロガスタービン(MGT)の実証試験を手がける機会を得ました。北見のような寒冷環境下でMGTの実物を使って実証する研究はどこにもなく、実験すればそれが即、誰も知らない初めてのデータとなることとなり、テーマに付いた学生達と一緒になって夢中になったコジェネレーションの研究です。ドクターの学位を取得する学生達も輩出でき思い出深いテーマとなりました。退職前最後となる今年度をもって、これまで手がけてきた私の研究テーマはすべて引き上げ、後続の森田先生に伝熱システム研究室をバトンタッチしました。ただ、これでこの研究の終わりとは思っておらず、最後の10数年ため込んだ浄化センターの実測データをもとに、様々なコジェネレーションのシミュレーションを改めて一人でチャレンジしようかな、と密かな楽しみにしています。

 平成30年、縁あって現在の執行部の一員となり、これまでの教育・研究の仕事とは違った大学運営の現状や方向性をじっくり考える機会をいただきました。ただ、私のいくつかの事情で、任期2年でその任を後続の先生にバトンタッチしていただくわがままをご了承いただき、定年前最後の1年間を一教員として系に戻らせていただきました。来春以降、大学を離れても教職員OBの一人として、かつ、北見市民の一人として陰ながら応援させていただきます。

 最後に、これまで鈴木学長が危惧されていたように、今後18歳人口が益々減少する中での大学の存立は、本学に限らず他大学においても何らかの方策をとるべき最重要課題です。大学連携のみならず、地域に根ざした研究対象の多角化、思い切った入試方法の実現等を含め、さらになすべき課題が多いと思います。本学教員の皆様におかれましては、ご自身の研究以外の仕事が増えることに異を唱える方もおられるかもしれませんが、新しい時代の大学像を形作るチャンスととらえ、日々ご邁進いただければと切に願うばかりです。また、事務職員の皆様には、さまざまな活動の場面で陰日向ご助力をいただきましたことに心より感謝申し上げます。

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退職にあたり

応用化学系 地域未来デザイン工学科/バイオ食品工学コース 吉田孝

 元学長の常本先生が退職されるとき「多くの先生方の退職を見送って来たが、自分はまだまだと思っていたけれどもついに順番が来た」とおっしゃっていたことが強く印象に残っています。今の私もまったく同じ気持ちでいます。北見工業大学には2001年に教授として赴任して以来、約20年間お世話になりました。北見工業大学は大学院修了後4校目の赴任先で、学生の皆様、先生方に助けて頂き時にはぶつかり合ったこともありましたが一番長く在籍しました。多くの学生の皆さんと一緒に教育研究を進められたことは私に取って幸運としか言いようがありません。また外国人留学生には下に述べる理由から積極的に来て貰ったので3校目の大学で5名、北見工業大学で19名の博士課程の学生が修了し、国に戻って活躍を聞くたびに私の教育研究の原動力になりました。私の自慢は流動性です。昇任する都度必ず転勤していました。身を持って人事の流動性を実践出来た、と自負しているところですが家族には大きな迷惑を掛けてしまったかも知れません。その証拠に北見工業大学には単身赴任しました。助手のとき、助教授(准教授)のとき、教授のときとその時々で多くの学生の皆さんや先生方に助けられながら過ごし、大学という非常に狭い世界の中にいてもいろいろな思い出があります。

 学会等で何度か北海道には出張していましたが、今から約30年前の11月に東京から札幌に転勤し初めて北海道の大地に足を下ろしました。赴任のとき千歳空港(新千歳という名称ではなかった)に降り立って夕方の快速エアポートで札幌に向かいました。みぞれ交じりの雨が降り外は寒くてすでに暗くまだ7時頃でしたが札幌駅は人も少なく店も閉まっていて「何て寂しいところに来てしまったのだろう」と思いながら赴任先の大学まで歩いたことを思い出します。その頃の千歳空港は昔の飛行場の雰囲気で今の南千歳駅まで長い連絡通路を歩いた記憶があります。札幌駅も古い駅舎でした。今とは隔世の感があります。北見工業大学に赴任するとき札幌から車で北見まで来ました。旭川北(その頃は旭川北までしか高速道路は開通していなかった)で高速を降りて国道39号線で石北峠を超えて来ました。夏でしたが、途中、凍結注意の看板がやたらに多くて「どういう意味だろう」と思いつつ、よく考えると冬に備えて看板はそのままになっているのか、とくだらないことを考えながら運転していたことを思い出します。

 私の座右の銘は、学生のとき指導教授の先生からよく言われていた言葉です。指導教授の先生は戦時下に大学を卒業しましたが、旧制第一高等学校、東大卒業という絵にかいたような先生で、よく昔の写真に写っている三つ揃いのスーツを着て蝶ネクタイをしているような、本当の教授という雰囲気の先生でした。ドイツ語が堪能で大学で教鞭を取る前は日本帝国陸軍の研究所にいらっしゃったという話を聞きました。専門は工業化学でしたのでドイツ語で書かれた論文も多く、「どうせドイツ語は分からないだろうから」とおっしゃっていつも翻訳して貰っていました。ある時に「吉田君、Etwas Neuesという言葉を知っていますか」と聞かれたので、もちろん、「ちょっと分からないのですが」と答えたところ、「全く新しいことを研究することは難しいから、文献をよく調べほんの少しでもいいから、何か少しでもいいから新しいことを研究しなさい、そうすると何か大きなことに結び付くことがある、それが研究です」とおっしゃいました。大学4年生から6年間お世話になった指導教授の恩師との出会いが私にこの道に進もうと決意させました。今まで指導教授の先生の言葉を心に刻んで仕事をして来ました。カナダに留学中に同じ研究室に所属していたポーランド人にこの話をしたところ、「英語ではSomething Newと言う」と教えて貰いました。ヨーロッパではよく使う言葉で君の先生はすごいねと言われ、それ以来、研究の計画を立てるときや論文を書くときには何が新たらしいのかを考え強調するように心掛けました。また、指導教授の先生からはもう一つよく言われていたことがあります。「私は帝国陸軍の研究所で風船爆弾の研究をしていました。その当時はくだらないなどとは一切言えず、ただひたすらアメリカに勝つと思って研究していた。でもね、吉田君、アメリカは原子爆弾ですよ、そんな国に勝てると思いますか。なんてバカなことをやっていたんだろうといつも思っています。軍事研究はダメです。」と言われました。私はこの2つの言葉を胸に大学院を修了しました。高橋学長のとき理事・副学長を仰せ使かり、くしくも軍事研究応募の事態が本学でも発生しました。学術会議での反対声明もあり、本学の関係する何人かの先生との面談で「ぜひ平和利用できるように科研費などに応募先を変えて欲しい」と私の考えを押し付けることになってしまったことには、学問の自由との関係で今でも申し訳なく思っています。

 大学院修了直後の1校目の赴任は新潟でした。上越新幹線がまだ大宮発着だったので大宮で乗り換えて新潟に向かいました。大宮駅の新幹線ホームから富士山がきれいに見えていたことが印象に残っています。まだ博士取得の目途が立っていないときに公募に応募し4月までに学位を取得することを条件になぜか助手に採用になりました。3月には予定通り取得できて赴任できたので事なきを得た訳です。

 こんな幸運から私のキャリアはスタートしたのですが、1校目は2年弱で辞職することになり2校目の東京の大学に移りました。ここで私の生涯における二人目の恩師と出会い今の専門である生体高分子化学を教育研究することになりました。この大学の本部は別にありますが、私は東京のど真中にあるキャンパスに赴任しました。防衛省関連の戦前からの建物をそのまま再利用しており2.26事件を始め昭和初期の日本の歴史舞台の1つでもあり重厚な雰囲気がある歴史的なキャンパスでした。銃弾の後が今でも残っているとまことしやかに囁かれるようなどっしりとした建物です。現在は取り壊され国立新美術館として近代的な建物になっていますが、歴史的建造物だけに一部はそのまま保存されています。二人目の恩師は高分子材料化学の世界的権威であまたの弟子がいるにもかかわらず、私のような実績もない人間をよく採用して頂いたと今でも不思議に思っています。私の実家から大学まで距離的にはそれほど遠くなかったのですが、ラッシュアワーの電車を数分ずつ3本乗り継いで出勤するので夏は大学に到着する頃には汗だくになりました。そのころは寝食を忘れて実験に没頭していましたので帰りは終電か徹夜という生活でした。ある時、朝起きられずに10時半頃に大学に行くとさすがに恩師から「もっと早く来い」と言われ、「何て理不尽な」と思ったこともありました。私の先生は学会賞をいくつも受賞し主要学会から高く評価され学術会議を始め政府系の要職にいくつもついていました。一方で「生涯一研究者」の姿勢を貫かれ感銘を受けました。雑用もたくさん押し付けられましたが、今考えるとすべて血となり肉となっているのではと思うことがたくさんあり、私はこの先生に出会い育てて頂いたことに感謝してもしきれない気持ちです。私の専門にもなった無水糖モノマーの開環重合法による立体規則性糖鎖の合成研究も恩師が日本で初めて始めた研究で、細かなガラス細工をする必要もあり、ガラス細工は学生実験でしか経験が無かったので、「オレのやり方を見て覚えろ」と言われました。ガラス細工が私の特技になりました。アジアを中心に多くの留学生が研究室にいて、私は留学生の面倒を見ながらいつもいっしょに実験をしていました。この時の留学生が博士を取得しそれぞれの国に戻って活躍し、3番目の大学や北見工業大学に移動してからも自分の学生を留学生として送り出して貰うことになり、研究室には駆け出しの頃から大勢の留学生が在籍し、多様性の中で教育研究することが出来ました。

 3校目の札幌には助教授として赴任しました。国立大学が法人化する少し前でいろいろなうわさが出ていました。教室会議などでも法人化反対という声が多かったような気がしましたが結局法人化になりました。札幌に移った当初はラッシュアワーからも解放され宿舎から車で通勤していましたが、そのうちに地下鉄での通勤に変えました。その理由は次の通りです。1990年代でバブル崩壊直後の赴任でしたが、まだ講座制が残っており、わざわざ石狩まで行って魚を仕入れコンパで教授を中心に皆で頻繁にお酒を飲んでいた記憶があります。御用納めは朝から宴会で、逆に何だか新鮮に感じていました。今では信じられない思い出になっています。私の専門は生体高分子化学および環境科学で、研究内容は無水糖モノマーの開環重合による立体規則性糖鎖の合成、硫酸化糖鎖の抗ウイルス性、硫酸化糖鎖とタンパク質などとの相互作用メカニズムの解明、バイオエタノールなどですが、東京にいたときに研究していたことです。「札幌でも今の研究を続けろ。井の中の蛙にはなるな、学会では必ず発表し東京にも出て来い」が二人目の恩師からの鼻向けの言葉でした。札幌への転勤が契機となりさらに教育研究に打ち込み論文数も一気に増えた気がします。

 そして4番目の赴任先が北見工業大学です。ちょうど国立大学法人化前後の頃で、2000年頃に北京で恩師と出張が重なり、北京ダックを食べながら北見工業大学への転勤について相談していたのですが、「法人化されると大学の環境はどうなるか分からないから早く教授になれ」と恩師から言われ北見工業大学に赴任する決意をしました。赴任した時は化学システム工学科でしたが、その時の学科長の先生の知り合いの洋食店で歓迎会を開いて頂き、学科の先生方皆様にも来て頂きたいへん恐縮した思い出があります。ちょうどNEDOや科研費にも採択になっていたので研究室立ち上げから恵まれた環境で教育研究することができ、私の全研究論文のうち半数以上が北見工業大学に赴任してから書くことが出来ました。これには私の力ではなく多くの学生の皆さんの努力の結果です。北見工業大学でも「Etwas Neues」と「井の中の蛙になるな」という二人の恩師からの言葉を守り教育研究を続けました。そのため研究中心に多く出張していたので時には「うとましい」と思った方もいらっしゃるのではと思いますが、自分で決めたことを実行していただけなので他意はまったくありませんでした。学生の皆さんから教わることの方が多く、いっしょに教育研究を続けることが出来たことをたいへん誇りに思っています。学内の仕事も増え鮎田学長先生には副学長にして頂き、高橋学長先生には理事にして頂きたいへんありがたい6年間を過ごさせて頂きました。しかし、北見工業大学のような小さな大学でもいろいろな問題が起き、この6年間は辛い日々が多かった気がします。何度も辞めたいと思いながら務めていました。今後については、今年、科研費や競争的資金にも採択になってしまい、あと2年くらいは残りの研究を続けたいと考えているところです。

 私の大学での思い出をつらつらと書きましたが2020年はコロナ禍でたいへんな年になりました。最後に北見工業大学の同窓生の皆様には多くのご支援を頂いたことに感謝申し上げますとともに、今後のご活躍、ご健勝を祈念して退職のご挨拶とさせて頂きます。本当にありがとうございました。

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創立60周年

北見工業大学は、今年(令和2年)創立60周年を迎えました。

 北見工業大学は、昭和35年4月に北見工業短期大学として開学し、本年(令和2年)度、創立60周年を迎えました。

 本学では、令和元年度に創立60周年記念事業委員会を立ち上げ、事業委員会の下部組織として5つの作業部会(財務計画作業部会、記念誌編纂作業部会、国際ワークショップ作業部会、キャンパス美化作業部会、記念式典作業部会)を設け、記念事業の計画を行ってまいりました。

 令和2年9月に記念行事(国際ワークショップ、記念講演会、胸像移設お披露目式、記念式典、記念祝賀会)の開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の日本国内における感染拡大を防止するため「3つの密(密接・密集・密閉)」を避けるとともに、本学行事に伴うクラスターの発生を防ぐため、前述の記念行事の開催を見送ることといたしました。

 本来であれば、本学同窓生の皆様方とも交流を深める機会ではございましたが、このような事情のもと開催を見送りといたしましたこと、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、以下の3事業については、当初の計画どおり実施しておりますことを、同窓生の皆様方へご報告させていただきます。

(1)キャンパス整備事業

①五島慶太翁胸像の移設

 本胸像は、本学の開学に向け当時の北見市長であられました伊谷半次郎氏が、東急電鉄(株)(現在の東急(株))創始者で当時会長の五島慶太氏に大学設置費用のご寄附をお願いし、資金提供いただいたことへの感謝の意を込めて昭和35年10月に伊谷氏により建立されました。

 正門の移設やキャンパスの樹木も大きく成長し、胸像が木陰に隠れておりましたので、創立60周年を記念し、1号館正面玄関対面の緑地へ令和2年9月に移設いたしました。

移設前胸像

移設後の胸像

新設された「メモリアルスタンド」

②屋外時計(温度計付)の設置

 創立60周年を記念して、正門から入構した講堂の横に、屋外時計(温度計付)を令和2年9月に新設いたしました。正門側及び3号館側に面した時計の文字盤には本学創立50周年記念で制定したロゴマークをあしらっております。講堂横という場所柄、3号館出入口からも見渡せる位置となっており、学生・教職員をはじめ来学される皆様にも時刻や気温が確認いただけるようになりました。

設置写真1

設置写真2

(2)創立60周年記念誌の刊行

 平成22年に本学創立50周年記念誌を刊行しております。今回は、前回の記念誌刊行から10年間の大学の経過について、刊行する予定です。この10年間には、学部の改組や教員組織の改編等、本学も様変わりしております。創立50周年記念誌を補完できる資料となるよう、進めております。

(3)創立60周年記念募金

 平成28年に、経済的理由により修学が困難な学生に対し支援を行うため、「北見工業大学修学支援基金」を創設しております。この度、創立60周年の節目にあたり、本基金をさらに充実させ、本学学生が安心して学業に専念できるようサポートの強化・促進を図ることを目的として実施しております。

 募集期間は、令和2年2月から令和4年3月までとなっております。

 なお、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、保護者等の家計急変や学生本人のアルバイト等収入の減少など経済的に困窮している学生を支援するため、本基金より「学生生活支援金」の給付を実施いたしました。申請学生267名のうち審査により対象学生248名に総額14、020千円の給付を令和2年8月までに行いましたことを、この場をお借りしてご報告させていただきます。

 また、本基金へは同窓会よりご寄附を賜りましたことを合わせてご報告させていただきます。贈呈式につきましては、令和2年10月6日(火)に本学学長室で執り行われました。同窓会 富田剛夫 会長より 本学 鈴木聡一郎 学長へ目録が贈呈され、鈴木学長より富田会長へ感謝状を授与いたしました。

(総務課)

目録の贈呈

感謝状授与

感謝状

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同窓生の活躍

〇今年も卒業生の協力で技術セミナーを開催

 本学では平成19(2007)年から社会貢献の一環として、本学出身の技術士にご協力いただき、技術士の資格取得希望者を対象とした講義や添削指導等による、資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年実施しており、今年で14年連続の開催となりました。

 今年は新型コロナ感染症の影響もあり、開催について慎重に検討いたしましたが、講師及び15人の受講生には徹底した自己管理をお願いすることで、なんとか要望通り開催することができました。

 北海道教育大駅前サテライト及び民間会議室を会場として、林 克恭氏(昭和59年土木工学科卒(株)豊水設計)、岩倉 敦雄氏(昭和59年土木工学科卒(株)構研エンジニアリング)、小杉 勝則氏(平成2年土木工学科卒(株)北未来技研)、佐藤 之信氏(平成2年開発工学科卒(株)豊水設計)、天内 和幸氏(平成8年開発工学科卒(株)FAプロダクツ)、岩渕 直氏(平成17年土木開発工学専攻修了(株)構研エンジニアリング)、中本 篤嗣氏(平成14年土木開発工学専攻修了(株)福田水文センター)の7人の講師陣で実施され全4回の講義を開講しました。

 本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、募集と同時に定員に達するほど大変好評を博している講座です。

 当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。

 筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も引き続き受講生から多くの合格者が出ることが期待されます。

(研究協力課)

開講式で講師の話を聞く受講生も全員マスク着用です

新型コロナ感染症対策を万全に実施しました

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=学科だより=

地球環境工学科 エネルギー総合工学コース

 卒業生の皆さまにおかれましては、お変わりなくお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます。今年は、コロナ禍ということもあり、新しい生活様式が始まり、私たちの授業もオンラインやオンデマンドと慣れない授業体制でがんばっているところです。皆さんも、いろいろとご苦労されていることと思います。

 本年度から同窓会も新しく改組した形でお届けすることになりました。本学は2学科となり、我々は地球環境工学科というところの中にあるエネルギー総合工学コースというところにおります。エネルギー総合工学コースは、主に、機械工学科、電気電子工学科、マテリアル工学科などの先生で機械エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギーを総合的に学ぶコースとして新たに誕生し、今年は初めての卒業生を送り出すことになりました。教員メンバーは、山田貴延、林田和宏、松村昌典、三戸陽一、高井和紀、胡杰(フー ジェ)、羽二生稔大先生は機械系から、田村淳二、小原伸哉、武山真弓、高橋理音、梅村敦史、佐藤勝、アシャリフ ファラマルズ先生は電気系から、そして坂上寛敏先生はマテリアル系からいらして、エンジンや流体、再生可能エネルギーや省エネルギー、ハイドレートなどエネルギーに関係する様々な研究や教育を積極的に行っております。今年度は、4月に新しく森田慎一教授をお迎えしました。ホームページも開設されているので、見ていただけると幸いです。

 https://me-and-eee.er.kitami-it.ac.jp/energy-course/

 4年生は、地球環境工学科の中から2年生の前期までの成績で希望のコースへの配属が決まることから、皆一生懸命勉強し、やる気もある優秀な学生さんたちが来てくれています。エネルギー総合工学コースは4つのコースがある中で、人気の高いコースとなっております。また、コロナ禍で大学に自由に通学することができなかったためか、大学に行きたいとか研究室に行きたいという学生さんが多く見られました。就職先に関しても、自動車系、電力系、半導体系、通信系など多岐に渡る分野での数多くの求人があり、その一方で大学院進学率も向上し、今年は52名中21名が大学院進学となっています。自由に往来できるようになりましたら、是非研究室にも遊びにいらしてください。最後になりましたが、同窓生の皆様の益々のご活躍をお祈りいたします。

(コース長:武山真弓 記)

○伝熱システム研究室紹介(新体制になりました)

 令和2(2020)年4月、米子工業高等専門学校(鳥取県)から新任教授 森田慎一が赴任し、伝熱システム研究室が新体制になりました。研究室スタッフは、教職員4人(山田、森田、羽二生、中西)、博士前期学生3人、学部生3人です。(山田貴延先生は、令和3(2021)年3月にご定年を迎えられます。)

 現在の研究テーマは、カーボンナノチューブを用いる蓄熱高速化、スターリング冷凍機の冷凍能力向上(企業共同研究)、多相流体による熱輸送と伝熱促進、災害復旧時に必要とされる熱物性、スパイラル風車翼などです。図は、蓄熱研究の一例として、(上)段に右垂直加熱面側から融解する潜熱蓄熱材の実験観察写真、(下)段に蓄熱槽内の伝熱シミュレーション結果を示したものです。CFD(Computational Fluid Dynamic:数値流体力学)シミュレーションや各種熱分析機器などを導入し、多様な技術相談に対応できますので、気軽にお申し出下さい。

(森田慎一 記)

図 右垂直加熱面とする融解過程の実験可視化画像(上)液体槽内温度・自然対流速度分布シミュレーション結果(下)

○エンジンシステム研究室

 卒業生の皆様、相変わらずお元気に過ごしていますか?今年、新型コロナウィルスにより世界的には深刻な影響を受けておりますが、日常生活で卒業生の皆様方に不便なところございませんでしょうか?外気温に関わらず誰でもマスク着用をして歩いている姿が現れます。人々の顔が見えず、どんな表情をしているのか想像しながら話していますが、稍々寂しさを感じています。一方、オンラインサービスやテレワークなどネット科学技術が情報基盤の下で目まぐるしく変化する中、遠隔治療やオンライン授業など新たな挑戦や体感できることが沢山あるので、これからIT革命がもたらすものは社会が大きな躍進を遂げることができるではないかと思います。

 研究の方は、今年度は7名の卒研生が配属され、3名のM1、4名のM2と協力して研究に励んでいます。コロナの感染拡大を防止するために、研究室の学生さんがグループごとに時間帯を指定することで研究を取り組んでいます。特に、低温室のディーゼル噴霧特性や定容容器のディーゼル噴霧燃焼の実験は順調に進んでいますので、新たな研究成果を期待しています。スタッフは変わらず林田先生と胡2人です。最近、常本先生が研究室にお越しいただき、「エンジン工学-内燃機関の基礎と応用」という本の御出版が完成しましたという朗報がありました。元気にご活躍のことと存じます。また、今年の9月に、自動車技術会北海道支部が若手エンジニアとの交流会を開催しましたので、エンジン研の皆さんが今年度初めての学生活動を参加しました。卒業生の皆様におかれましては、ご求人活動も兼ねて何か理由を見つけてお気軽にお訪ねください。最後に皆様の今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

(胡杰 記)

○流体工学研究室

 卒業生の皆様方におかれましては、元気にご活躍のことと存じます。これまで研究室を主宰されてきました羽二生博之先生が本年3月に定年退官されました。皆様が現在の状況にあるのは羽二生先生のおかげである方々は多数のことと存じます。改めて永年のご功労に衷心より感謝の意を表します。今後はこれまで以上にご健康に留意されまして、これからの人生を謳歌していただきたくご祈念申し上げます。

 4月からの研究室スタッフは髙井と小畑技術員の2名です。学生はM2が3名、学部生が6名とほぼ半減のため、実験室の密状態は自然と避けられています。学生進路は全員決まり、学部生3名が当研究室に進学します。今年度は研究室メンバーが一堂に会する機会をつくれず、いろいろと残念です。昨年再開した研究室フットサル部も活動休止で残念です。

 本学へのご来訪は慎重にご検討いただかなければなりませんが、近況のご連絡には便利なツールがたくさんございます。研究室OBからリクルーターとしての連絡もありました。卒業生の皆様からのご連絡は大歓迎です。近況報告でもリクルート情報でもご連絡ください。

(高井和紀 記)

○応用流体工学研究室

 卒業生の皆様も、コロナ禍で未経験な厳しい状況にあると推察いたします。どこの研究室も同様だと思いますが、当研究室も、このコロナ禍で、研究室らしい活動は、3月からほとんどできていません。卒業スキー旅行、温泉コテージでの新歓宿泊研修打ち上げ、大学祭での焼き肉レイノルズ、小中学生対象のおもしろ科学実験での紙飛行機指導、夏のキャンプ、機械学会主催の流れの夢コンテストへの参加、秋の牡蠣バーベキューなど、恒例行事はことごとく中止です。そもそも学生全員が一カ所に集まることさえできない状況です。辛うじて、院生3名がオンラインで学会に参加するのが精一杯です。しかも今年はM1がいないので、M2が卒業すると、これまで代々引き継がれてきた伝統行事を知る学生がいなくなります。来年度以降の行事の存続が心配です。研究活動ももちろん停滞しており、感染に気を付けながらの実験は、非常に効率が悪いです。早くコロナが終息することを願うばかりです。

(松村昌典 記)

○計算流体力学研究室

 令和2年度は、学部4年生3名と博士前期課程1年1名と担当教員(三戸)の計5名で、直接数値シミュレーションと3次元可視化を用いて、流体乱流の生成〜維持〜消滅のメカニズムと、これにマイクロスケールの粒子を混入した場合にそのメカニズムに生じる変化の解明に、日々取り組んでいます。とは言っても、前期中は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、研究の打ち合わせも研究会も全てオンラインで行ったため、研究室のメンバー全員が顔を合わせる機会は一度もなし、後期も不自由な状況が続くことが予想されます。今年度に限っては、研究室のメンバー全員が、無事に、年度末を迎え、それぞれの次のステップへ進むことが、何より重要な目標です。卒業生の皆様におかれましても、くれぐれも、おからだにお気をつけください。

(三戸陽一 記)

○電気機械研究室

 一時的な引っ越し作業でドタバタした旧応用機械棟(機械1号棟)の大規模改修が終わって2年過ぎました。きれいになった研究室・実験室での生活にも慣れ、ようやく落ち着いて実験・研究できる環境となりました。でも時々「あの部材・装置はどこいった?」と、皆で段ボール箱を開けて捜索することもまだある状況です。サホロでの卒業スキー旅行、温泉コテージでの新歓宿泊研修打ち上げ、大学祭での焼き肉レイノルズ、小中学生対象のおもしろ科学実験での紙飛行機指導、夏のキャンプ、機械学会主催の流れの夢コンテストへの参加、秋の牡蠣バーベキューなど、恒例の行事は順調にこなしています。今年のキャンプは、摩周・知床・霧多布方面への観光ドライブとなり、尾岱沼に宿泊しました。昨年は惜しくも優秀賞(第3位相当)だった流れの夢コンテストは、今年は豊橋で開催されます。現在、4年生が今年こその優勝を目指して日夜(?)頑張っています。

(松村昌典 記)

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。2017年に行われた学科改組に伴って「電気電子工学科」から名前を変え、今年度より「地球環境工学科」となりました。2020年4月より梅村先生が准教授に昇任され、電気機械研究室は博士課程1名、修士課程6名、学部生12名の学生と田村教授、高橋准教授、梅村准教授、アシャリフ助教、マルワン非常勤講師の総勢24名の大所帯となり大変賑わっております。研究内容としては、ファジィPID制御を基礎とする新しい仮想同期発電機制御に基づいた、再生可能電源が大規模に導入されている系統の安定度改善に寄与する研究を進めております。

 コロナ禍のさなかで卒業式や入学式は軒並み中止となり、新年度になって一時期は研究室への登校規制のため研究活動も制限され、講義や研究室ゼミも全てオンラインで行うなど例年通りにはいかず戸惑うことも少なくありませんでした。しかし、このような状況下においても研究室メンバー一同の協力により時間帯別に分散して研究室に登校するなど感染症防止対策を徹底した上で風力発電や系統安定度に関する研究に注力し、日々の研究活動に勤しんでおります。その研究成果を電気学会電力・エネルギー部門大会、SPIES2020などの学会で発表したほか、電気・情報関係学会北海道支部連合大会、PECon2020、RPG2020に参加予定です。これらの学会はオンラインでの開催予定となっており、このような状況はまだしばらく続くものと思われますが、早くコロナが終息し学会や国際会議の現地開催による対面での発表が可能になることを願うばかりです。

 その他の研究室活動はホームページに記載されておりますので是非ご覧ください。(http://pullout.elec.kitami-it.ac.jp/

 卒業生の皆様、ご多忙ではあるかと思いますが、北見にお越しの際は是非研究室にお立ち寄りください。皆様の益々のご健闘とご活躍を祈念しております。

(M2 中村綾花 記)

○電力・熱エネルギー研究室

 学部改組後の4年生が配属されるため、研究室の名称を実態に近いものに変更しました。本年度は、博士後期課程3名、博士前期課程4名、学部6名、研究生1名の全14名の学生と、小原、仲村の合計16名で活動しています。3月から研究室の学生たちと直接会うことはほとんどなくなり、学生の研究活動は大幅に制限されています。研究室の詳細はホームページで、日々の活動などはFacebookで公開しておりますので是非ご覧ください。

研究室の詳細:http://www.kit-power-engineering-lab.jp/index.html

研究室の日々の活動:https://www.facebook.com/KITAMIINST

(小原伸哉 記)

○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理研究室)

 皆さん、お元気でお過ごしでしょうか?

 集積エレクトロニクス研究室は、相変わらず武山と佐藤先生の2人でやっています。新しいエネルギー総合工学コースになってからは、私たちの研究室はとても人気が高く、4年生は15名、修士学生が3名、博士学生が1名の計19名もいて、机が足りないような状態です。来年度も既に大学院に進む学生が5名おり、にぎやかに研究しています。

 従来からのSi集積回路に関する研究では、世界で初めてというデータを東レリサーチセンターと共同で発表し、ADMETAという国際会議で賞を受賞しました。発表当時、世界に5台しかない装置を使った分析で、とてもインパクトがあったようです。メロンの育成や植物工場の自動化に挑戦している大学院生の天野君も4年生の時に2回学会発表したことが認められ、電子情報通信学会北海道支部から学生奨励賞をいただきました。鹿肉や牛肉の熟成も続けていて、そちらも電子情報通信学会に招待論文を頼まれるなど、大学内外のいろいろな先生たちのご協力を得て。招待論文は無料でダウンロードできますので、皆さんもよければ見てみてください。

電子情報通信学会論文誌C:9月号「エゾシカ肉のおいしさのリアルタイム計測」

 さらに、念願だったお酒の研究もついに始まることになり、4年生の学生がすぐに卒論テーマを日本酒に変えて、一生懸命研究しています。

 佐藤先生も准教授に昇任されて、授業や会議なども増え、さらに忙しくしています。

 今年はコロナ禍で、私たちも慣れないオンラインやオンデマンド講義になり、実際の講義がなくなって暇かなと思いきや、準備がやたらと大変で、GWも休みなしの状態でした。また、学会もすべてオンラインになってしまい、学会出張に行けなくなり、学生さんは悲しそうですが、私は出張がなくなり、学生との時間がたくさんとれるようになって、それはそれで楽しんでいます。

 卒業生の皆さんが研究室を訪ねてくれるのを楽しみにしていたのですが、今年はコロナ禍ということで直接お会いすることができませんが、皆さんも十分に体調には気をつけてお過ごしください。また往来ができるようになりましたら、是非研究室にも遊びに来てください。おいしい鹿肉、牛肉とそれに合う日本酒などを用意して待っています。持ち込みも歓迎します。

(武山真弓 記)

学会賞

○機能材料分析研究室II

 (当研究室は環境防災工学コースと共同です。当研究室の研究室だよりは環境防災工学コース「機能材料分析研究室II」をご覧ください)。

(坂上寛敏 記)

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地球環境工学科 環境防災工学コース

 土木科、土木工学科、開発工学科、土木開発工学科、社会環境工学科の卒業生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。2017年の改組により、地球環境工学科環境防災工学コース(定員65名)と地域未来デザイン工学科社会インフラ工学コース(定員45名)の二つの土木系のコースが生まれ、合計でコース定員は110名となり、土木系の学生は30名増えました。今年度、改組後のコースとして初めての卒業生を輩出します。また、教育組織と教員組織の分離により、コースの教育は、旧社会環境工学科の教員が主体の教員組織である社会環境系が行っています。したがって、環境防災工学コースの研究室には、自コース以外の学生も所属しています。

 旧社会環境工学科では、日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を受けていましたが、改組後は、環境防災工学コースと社会インフラ工学コースが、一つの教育プログラムとして認定継続審査を今年度受審予定でした。しかし、新型コロナ感染症のため、実地審査が次年度となりました。そのため、認定継続期間が1年延長され、今年度の卒業生もJABEE認定となりました。

 コロナのため、大学の授業はほとんどオンライン授業となっています。4年生や大学院生は、三密を避けながら研究活動を行っていますが、学内の学生はまばらで、過去に例を見ない大学の風景でさみしい限りです。来年の母校だよりでは、元気な大学をお知らせできることを願っています。

(コース長:山下聡 記)

○地盤工学研究室

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。今年の研究室のメンバーは、社会人Drが1名、M2が2名、M1が1名、4年生が6名の10名です。今年から、環境防災工学コースの学生が4年生となり、初めて研究室に配属されました。社会インフラ工学コースの学生と併せて、土木系の学生が110名となったため、研究室配属の4年生も多くなっています。4年生では2名が大学院進学予定です。研究面は、相変わらず液状化関連とメタンハイドレートです。液状化に関しては、札幌市里塚の液状化被害の研究を継続するとともに、火山灰質土を対象とした研究が復活しています。海洋調査については、コロナのためバイカル湖調査は中止となり、北海道周辺で調査を行なっています。また、メタンハイドレートの回収技術開発に関わる共同研究を企業とも行っています。

(山下聡 記)

○凍土・土質研究室

 卒業生の皆様、今年はコロナウィルスの影響で、これまでとは違う一年となっておりますが、いかがお過ごしでしょうか?本学も9月までは対面式の講義が一切行われていないため、とても静かな構内になっています。とはいうものの、大変ありがたいことに4年生や大学院生は感染対策を実施した上で最低限の研究活動は許されているため、屋外での計測や、いまや恒例となってしまった実物大実験についても細々と!?続けており、それなりに研究室の雰囲気は維持できているように思います。また、現在の学部4年や博士前期課程2年の就職担当についても、大半がコロナウィルスの影響を受ける前に就職活動を終えたため、全体としては大きな影響を受けずに済んだと思っております。これも社会で活躍されている卒業生の皆様のサポートあってのことと思いますので、この場をお借りして御礼を申し上げるとともに、一刻も早く直接お会いして御礼を申し上げる日が来ることを楽しみにしております。

(川口貴之 記)

○寒地岩盤工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年の研究室のメンバーは、教員が中村、渡邊、平松、4年生が生駒、乾、五郎部、佐橋、三浦、サナ、修士が本田、中陳、博士がジャガーの合計12名です。研究室には2名、モンゴルからの留学生が在籍しています。来春就職する4年生(生駒、乾)、修士2年生(中陳)は、道内企業(渡辺組、アサヒ建設コンサルタント、イーエス総合研究所)への就職が決まりました。コロナ過で学会参加も、コンパもできませんが、例年通り、研究で忙しい日々を過ごしております。今年の研究テーマは岩盤の凍上、植生工、モンゴルの道路、ソーラーパネルの凍上被害です。本来であれば、去年に引き続き、モンゴルに行く予定でしたが、残念ながら渡航は断念しました。来年は少しでも状況が改善して、海外にも行けるようになると良いのですが…。卒業生の皆様、来北の際には是非、研究室へ顔を出してください。

(中村大 記)

○地盤防災技術研究室

 地盤防災技術研究室は2年を迎えました。担当教員である川尻は、今年度も地域と歩む防災研究センターのセンター長を兼務しております。今年度のメンバーは、博士後期課程2年が1名、社会人博士後期課程1年が1名、博士前期課程2年が1名、博士前期課程1年が2名、学部4年が6名の合計11名です。今年度は、屋外大規模水路による橋脚基礎地盤の不安定化実験、実大試験堤防の越水実験、北見市および札幌市の大規模造成盛土での原位置試験、釧路川の堤防強化のための地盤調査などを行っております。地盤災害への対策工や地盤構造物の維持管理などでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

(川尻峻三 記)

○雪氷科学研究室

 今年の雪氷科学研究室の学生はD3が1名(大鐘卓哉)、D1(秋季入学)武知洋太、M2が1名(石山実和)、M1が2名(桑迫拓哉、田中慎之介)、4年生が6名(茨木克公、宮舘優希、斉藤茉由美、仁平慎吾、堀田けんと、山浦高伸)です。研究テーマは、湖や沼にできる氷紋の形成過程の研究(大鐘)、冬期道路の吹雪障害予測に向けた吹雪推定に関する研究(武知)、雪結晶の生成実験(石山)、北海道の気温と積雪深の長期変化(桑迫)、南極ドームふじでの降雪イベント時の気象解析(田中)、カーリングのストーンの表面粗さの研究(茨木)、北海道内の日最低気温の研究(宮舘)、カーリングにおけるブラシの効果の解明(斉藤)、摩周湖と屈斜路の全面結氷に与える気温の影響の解明(仁平)、カーリングのストーンの軌跡の研究(山浦)、南極ドームふじで測定した無人気象観測データの補正方法の確立(堀田)です。

 例年白川先生の雪氷防災研究室と合同で実施している夏季の一泊研修はコロナ禍のため、オンラインで実施しました。9月下旬に実施している大雪山系雪壁雪渓の測量調査は、今年も高原温泉の式部沼まで行き、そこから望遠レンズで雪渓を撮影し、その画像から雪渓の水平投影面積を推定する「楽々コース」を白川先生と実施しました。調査日は天候に恵まれ、紅葉もきれいでした。

 例年9月に開催される雪氷研究大会は11月中旬にオンラインで開催されます。亀田、石山、桑迫、田中が発表予定です。卒業生の皆さんは北見来ることがあれば研究室に顔を出して下さい。

(亀田貴雄 記)

雪壁雪渓調査のための大雪高原温泉沼巡りでの白川先生と亀田(2020年9月29日)

○雪氷防災研究室

 卒業生の皆さま、お変わりないでしょうか? 新型コロナ禍で取り巻く環境が一変した方も多いと聞きます。お互い健康には十分留意し、この難局を乗り越えて参りましょう。 研究室の近況ですが、10月に高橋浩司さんが社会人ドクターコースに入学、これから学位取得を目指し研究を進めることになりました。今年の4年生は6名で、全員が早々に就職内定しています。私(白川)は本年9月に著書を出版予定でしたが、都合により1年ほど遅れます。来年の今頃はご案内できるよう、執筆活動を続けていきます。最後に、FBページ「北見の積雪観測情報」の配信は続けておりますので、母校が懐かしくなりましたらご覧下さい。

(白川龍生 記)

○氷海環境研究室

 卒業生の皆様におかれましてはますますのご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度当研究室は舘山先生、助教の佐藤先生、非常勤技術員の丸山さん、 M1の佐藤功坪と渡辺由梨加、B4の上野皓平、大平紗瑛、川村康輔、島田萌々香、道木泰成、村田悠介の計11名で日々、研究に励んでおります。

 川村君は大学院進学、上野君は北海道開発局、大平さんは東亜建設工業、島田さんは西日本高速道路、道木君は和光技研、村田君は網走市役所に就職が決定しております。

 今年度は、昨年に続き舘山先生と佐藤がカナダの砕氷船ルイSサンローラン、渡辺さんが韓国のアラオンに乗船し北極海観測に参加する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で参加が見送られました。その代わりに佐藤は極地海氷観測用ドローンの製作、渡辺さんは新たな海氷厚推定アルゴリズムの開発など研究に勤しんでおります。また、今年度からArCS IIと科研等のプロジェクトが始まり、冬季のサロマ湖、知床での大規模な観測を予定しております。

 卒業生の皆様、お近くにお越しの際はお気軽にお立ち寄りください。皆様の益々のご健康とご活躍を祈念しております。

(M1 佐藤功坪 記)

○寒冷地環境工学研究室

 寒冷地環境工学研究室も今年で15年目を迎えました。今年度は新カリキュラムとなり、6名の卒研生が配属になりました。6名の進路は2名が旭川市役所、3名が民間企業、1名が地元で起業の予定です。卒業研究のテーマは10月初めに決まる予定です。今年は、6月にグリーンランド南東ドームで深さ300mの浅層コアが掘削される予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で、来年に延期になりました。昨年の卒業生のうち1名が大学院に進学したので、彼の研究テーマとして考えていましたので、来年は非常に忙しくなりそうです。

 みなさんも健康に気を付けてそれぞれの場所でご活躍されることを祈念しています。

(堀彰 記)

○水処理工学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度は、駒井先生の指導の下、D3が1名、M2が2名、M1が1名、4年生が7名の計10名の学生が在籍しています。研究では知床、シブノツナイ湖、野付牛公園、コムケ湖、釧路川流域など道東・オホーツク沿岸域を調査フィールドとしサケ、シジミ、カモ、アマモ、昆布などの動植物を含めた物質循環や環境負荷を主たるテーマとして、現地調査や水質分析、計算解析等を行っています。北見へお越しの際は是非、研究室にお立ち寄りください。私たち一同、卒業生の皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(M1 内田悠介 記)

○ハイドレート研究室

 卒業生の皆様、この大変な状況下でいかがお過ごしでしょうか?

 ハイドレート研究室では、卒論生の駒形・内藤・中川・萩原・森谷・矢作、修士学生の鎌田・木村・池浦・長谷、博士学生の伏屋、計11名が在籍しています。フィールドワークはコロナ禍の影響を受け、バイカル湖調査がなくなりましたが、それでも網走沖と日高沖での調査(9月)を実施し、11月には十勝沖での調査を控えています。例年の学会もほとんどがオンラインとなり、学生にとってはちょっと味気ない1年となりそうです。現在、日高沖でこの原稿を書いています。学生ともども、海底堆積物まみれでクタクタになった一日でした。皆様におかれましては、北見においでの際には、ぜひとも実験室・研究室にお立ち寄りください。

(八久保晶弘 記)

○材料分析研究室(南、坂上、木田)

 最初にご報告です。改組後の学生が研究室配属になった今年度から、当研究室は「マテリアル・先端材料」から「社会環境」に所属変更し、「ガスハイドレートと環境の化学」に関する研究を進めています。

 今年も北海道周辺海域・陸域での調査、摩周湖調査に坂上さんと学生が参加しました。M2平川君、安川君とM1アンさん、大西君、合田君、戸邉君は一段と成長し、研究・調査を積極的に進めています。B4加藤君、千葉君、藤原君は大学院試験、箕浦君は就職試験に合格して卒論研究開始です。バイカル湖調査と北極海調査は、海外渡航ができずキャンセルになりました。

 学外機関との共同研究は波岡さんとともに皆で進めています。坂上先生と木田先生と南は、専門分野が少しずつ異なる利点を活かして一緒に研究を進めています。

 今年も何名もの方から連絡と差し入れをいただきました。ありがとうございました。皆さまの益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

(今年は“集合”写真を撮れず文章のみで。南尚嗣 記)

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地球環境工学科 先端材料物質工学コース

 同窓生の皆様、お元気でご活躍のことと存じます。

 既に皆様もご存知のように、旧マテリアル工学科の最後の学生が昨年度卒業し、現在改組後の先端材料物質工学コースの学部四年生が、各研究室に在籍しています。今回の改組に伴い様々な変化がありましたが、旧マテリアル工学科教員の多くが在籍している先端材料物質工学コースは、これまでと同様に各教員が協力して、あまり大きなトラブルもなく運営しています。今年度はコロナ禍の影響もあり、就職状況については危惧していましたが、幸いな事に順調に内定を獲得できています。このような大変な状況の中で、本コースの学生達が順調に内定を獲得できているのは、同窓生の皆様が各会社において「北見工業大学の学生であれば大丈夫だ」という社会的評価を得ている事が要因だと、大変感謝しております。今年度はリクルーターとして本学に訪れる事は難しいかと思いますが、このコロナ禍が収束し会社でリクルーターを依頼された際、是非母校を訪問してください。

 本コースは、旧マテリアル工学科の教員が主体となっていますが、新たに旧電気電子工学科より柴田先生が、旧バイオ環境化学科より齋藤先生、岡崎先生、服部先生が移ってまいりました。また南先生、木田先生が環境防災工学コースに、坂上先生がエネルギー総合工学コースに移動しています。このように教員の担当の移動はありましたが、各研究室の所在位置は昔と変わりませんので、母校を訪れた際は是非、各研究室にも顔を出してもらえると嬉しく思います。

 また現在、大学内の工事も盛んに行われており、旧マテリアル工学棟から学生寮に向かう道も完全に舗装され、移動などが非常に楽になりました。そして北見市の町並みも、同窓生の皆様が在籍していた頃から大きく変化しました。道外で活躍されている多くの同窓生の皆様が、北見市を訪れる事は非常に難しいかもしれませんが、機会がありましたら是非北見を再訪してください。

 最後になりますが、同窓生の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念するのと同時に、北見工業大学が母校であることを誇りにご活躍ください。

(コース長:大野智也 記)

○電子材料研究室I

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか?新型コロナウイルスの影響が卒業生の皆様にも及んでいないかと心配をしております。本年度の電子材料研究室Iのメンバーは、阿部先生と金のスタッフと学部4年生4名、大学院薄士前期課程7名(M2・1名、M1・2名)と薄士後期課程1名です。主な研究テーマは、水酸化薄膜を用いたエレクトロクロミック素子の研究とナノ構造体を用いたエネルギーストレージデバイスの性能向上に関する研究に取り組んでおります。

 今年は、授業のオンライン化が急遽スタートしました。また、応用物理学会を含めて多数の学会もオンラインでの開催となりました。このような状況の中ではありますが、皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。今後とも変わらぬご支援・ご指導を宜しくお願い申し上げます。

(金敬鎬 記)

○電子材料研究室 (2研)

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度の電子研(2研)は、新コース制初の4年生5名が新たに配属、また修士課程も8名(M2・4名、M1・4名)と、引き続き賑やかな学生居室…となる予定でしたが、このコロナ禍の中にあり、ゼミもオンラインで開催、実験も3密を避け交代制で行うなど、例年とは大きく異なる1年を迎えています。配属された4年生のうち4名が大学院に進学の予定です。スタッフは川村先生と木場の2名ですが、10月に木場が准教授に昇任いたしました。

 本年も修士学生は、ハンガリーでの薄膜・真空に関する国際会議(ICTF-JVC2020)を始め、国内・国際会議に出席予定でしたが、軒並みオンライン開催に切り替わってしまい残念なところはありますが、変わらず研究・指導を進めています。なかなか研究室のイベント事の開催が難しいのもあり、事態の早期収束を願っています。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非お気軽に研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(木場隆之 記)

○高分子材料研究室・高分子化学研究室

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。

 高分子材料研究室(渡邉研)はM1・1人、B4・3人で、学生の進路は決定しています。研究は、修士論文と卒業論文に向けて水野さんを中心に芳香族ポリイミド微粒子やスチレンの異形粒子を作成する研究を行っており、オンラインでの学会発表にも参加しました。

 高分子化学研究室(浪越研)はM2・3人、M1・4人(秋季1人)、B4・3人で、学部生は全員本学での進学が決まっており、M2の学生も無事に就職先が決定しました。学会がキャンセルやオンライン実施になってしまい非常に残念でしたが、実験は制御カチオン重合、ポリフェニルアセチレンの合成、高分子を使った農業支援に関する研究を頑張って行っています。特に予算の関係で農業支援に関する研究をほとんどの学生にアルバイトで協力してもらっています。

 卒業生の皆様の益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 HP:http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/watanabe/

(浪越毅 記)

○分子変換化学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 本年度、研究室のメンバーは院生6名(D3:1名、M2:3名、M1:2名)と学部生2名の計8名となっており、今後は院生3名、学部生2名が就職予定、1名が進路未定となっています。今年一年はコロナウイルスにより、以前のように研究室内や友人との交流の機会が大幅に減りました。卒業生の皆様も、日々の生活に大変ご苦労されていることと存じ上げます。

 主な研究テーマは、遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発、地域に密着した植物の成分抽出・分析となっています。本年度の学会発表はオンライン形式に移行し、なかなか新しい生活様式に慣れない日々ですが、そんな中でもそれぞれが、村田教授・小針助教・陽川助教・蔭西特任研究員のご指導の下、卒・修論、学会などへ向けて日々熱心に研究に取り組んでおります。

 本年度は開催できておりませんが、例年ですと、研究以外にも定期的にBBQや食事会などを通じて、楽しく充実した毎日を過ごしております。今後、感染予防に留意しながら徐々に交流の機会を増やしていきたいと考えています。

 Twitterとfacebookの方でも、行事や日々の研究室の様子などを随時更新しておりますので是非ご覧になってください。また、お忙しいこととは思いますが、近くにお越しの機会がありましたら気軽に研究室にお立ち寄りください。

 卒業生の皆様のご健康と益々のご活躍をお祈りしています。

URL

 HP →http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html

 Twitter →@muratalab

 facebook →@muratalaboratory

(M2 金田乃英瑠 記)

○環境分析化学研究室

 卒業生・修了生の皆様。こんにちは。昨年度の卒業生も全員希望の企業に就職しました。お元気でご活躍のことと拝察いたします。新型ウィルスの感染拡大に伴い、私たちの社会や生活も大きく変わりました。しかし、当研究室で磨いた変化への対応力を発揮すれば、問題をチャンスに変えていることでしょう。北海道で緊急事態宣言が発令され、学生の入構が厳しく制限された今年の3月、後期課程の学生は昨年度から開始した分子動力学シミュレーション研究を大いに進展させました。後期課程に進学予定の学生は、1分で抗マラリア薬を精製する研究を創案しました。皆様も同様のDNAをお持ちのことと思います。

 持続可能な社会の構築が叫ばれるなか、企業活動や社会活動においても、問題の解決に留まらず、未来(Vision)の創造が求められるようになりました。研究を通じて主体的に考え行動した経験が今まで以上に役に立ちます。皆様の取り組みが未来を創ることになります。健康に留意され、明るい未来を築いてください。

(齋藤徹 記)

○応用電気工学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。北見市では夏も終わり、朝夕はめっきり涼しくなりました。

 本年度はB4が3名配属され、M2が2名、M1が2名の計7名の学生が在籍しております。例年は旧電気電子工学科からの配属でしたが、本年度からは先端材料物質工学コースからとなりました。多少の変化はありましたが、概ねいつも通りで、皆で仲良く過ごしております。 研究に関しては、新型コロナウイルスの影響で制限され、5月頃までは何もできない状況が続きました。現在は徐々に活動を再開し、学会発表に向けて皆で励んでおります。また、新たな装置が導入されたことで、当研究室内でリソグラフィーができるようになりました。今後はデバイス開発の範囲が広がっていくことが期待されます。

 最後となりますが、卒業生の皆様、ご多忙とは思いますが北見にお越しの際は是非お気軽にお立ち寄りください。教員・学生共々、皆様との歓談の機会を楽しみにしております。

(M2 小野亨太朗 記)

○無機物質工学研究室

 本年度の無機物質工学研究室は、松田教授、平井准教授のスタッフ2名、大学院生3名、学部生1名の計6名で頑張っています。スタッフの近況ですが、松田教授は現在も、精力的に研究活動を続けておられます。私平井も、液中プラズマ合成(写真参照)を開始し、日本材料科学会で電池・レーザー材料研究会を立ち上げました。また、現地委員として運営に参加したセラミックス協会(9月, オンライン開催)も無事開催できました。さらに、大学院生3名はオンライン開催された日本材料科学会(7月・口頭)と触媒討論会(9月・ポスター)で発表を行い、12月に開催される電池・レーザー材料研究会においても発表予定です。本年度の学部生はすでに大学院への進学が決まっており、日々の研究に手ごたえを感じているようです。

 卒業生の皆様もお忙しいとは存じますが、是非研究室にお立ち寄りください。また、ご住所や勤務地に変更がございましたら、メールで御連絡下さい。

 E-mail: hirai@mail.kitami-it.ac.jp

(平井滋人 記)

○無機材料研究室

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしですか。本年度の無機材料研究室は、大学院生5名、学部生1名の計6名で活動していますが、10月よりバングラディシュからの国費留学生を迎えること、また技術補佐員を2名雇用しており、計9名と例年とあまり変わらない人数になっています。今年度も複数の国内企業と共同研究を継続、また新規に海外企業との共同研究を始めており、大野も学生と共に忙しい日々を送っています。また地元企業と実施したホタテ貝殻粉末を利用した事業化案件も、無事に工場建設が終了し試験操業も始まったため、少しホッとしています。今年はコロナ禍により、研究活動・学会活動共に未消化の状態が続いていますが、今の所大きなトラブルもなく無事にやっています。

 学生の近況ですが、今年度の学部生は全員大学院に進学する予定となっており、卒業研究テーマについて日々勤しんでおります。修士課程の学生もオンラインではありますが、学会での発表を着々とこなしており、研究活動を活発に行っています。

 卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。

 E-mail: ohno@mail.kitami-it.ac.jp

(大野智也 記)

○レーザー材料研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。 本研究室では2016年に導入した真空焼結装置を用いた研究が佳境を迎えており、高出力レーザー材料にとって重要な異種透明材料の接合技術や、新しい異方性レーザーセラミックスの実証に成功してきました。その成果が認められ、今年の5月にはレーザー学会の奨励賞が授与されました。卒業生の皆さんが在学中に頑張って進められた研究は、着実に後輩に引き継がれており、今後も良い材料開発を目指していきたいと思っています。

 今年の研究室のメンバーは院生2名(M2:2名)と学部生5名の計7名です。M2はそれぞれ希望企業の内定を得ました。学部生は、3名が進学、2名が就職となっており、学会発表や卒業研究を目指して頑張っています。

 また、北見に立ち寄られることがありましたら、ぜひ研究室にもお立ち寄りください。お待ちしています。

(古瀬裕章 記)

○医療材料研究室

 卒業生の皆さん、コロナ禍であれこれ大変かと思いますが元気に頑張っていますか?医療材料研究室(旧機器分析センター)は、元気で活発な4年生が5名仲間入りしてくれて、博士課程2名、修士課程5名を合わせて本年度は12名で、色々と制限がある中ですが積極的に活動をおこなっています。指導教員の大津は50歳が間近に迫り、あれこれ体の不調を抱えるようになりましたが、学生たちの元気に支えられながらなんとかやっています。本年度の研究室の様子を一言で表すならば「独裁体制」。とってもしっかりした修士2年のYさんという女子学生が研究室の全てを取り仕切っており、指導教員のスケジュールすらその管理下に入っています(笑)。でも彼女のお陰で研究室は円滑にまわっており、非常に助かっています。きっと社会活躍してくれるものとおおきく期待しているところです。さて、早いもので研究室も12期目になります。先日、突然に1期生から近況報告の手紙が突然に来ました。どうしているのかな・・と時々思っていたのとっても嬉しかったです。卒業生のみんなのことを気にしています。コロナ禍がおさまり、また自由に移動できるようになったら、また皆さんとお会いできれば嬉しいです。

(大津直史 記)

○無機物理化学研究室

 ▼スタッフ:岡﨑准教授。▼学生:博士前期2年2名、学部4年4名の総勢6名。就職は全員内定済。大学院進学は1名。▼コロナウィルスの為、今年のイベント関係はすべて中止。残念です。研究も前期はほとんど休業状態。講義はwebで行うので、学生の反応を感じることがなく、ただカメラに向かってしゃべりまくる。ちょっとむなしい感じです。▼秋の触媒討論会は静岡大学でしたが、web開催に。ウナギは食べれませんでしたが、web学会も新鮮でした。▼ホームページ公開中。リニューアルは思うように進まない。(http://www.chem.kitami-it.ac.jp/ipc/index.html)。▼岡﨑:De-NOx反応、メタン直接分解、廃プラスチック接触分解に研究を展開中。相変わらず会議で飛び回っています。また、オホーツクエネルギー環境教育研究会委員長として、網走管内小中高の先生と連携を模索中。▼今年も多数のビール券ありがとうございました。卒業生のなんでも相談をいつでも受け付けます。0157-26-9420(岡﨑)、FAX 0157-24-7719。zaki@catal.chem.kitami-it.ac.jpまでメールを。

(岡﨑文保 記)

○生体分子化学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか。どなたも書かれていることと思いますが、今年の話題はやはり新型コロナにつきます。大学は大変なことになっています。前期は全ての授業がオンラインになりましたが、教員も経験がないので急には無理なのです。慌ててスライドを数十枚つくって、学内のサーバに上げました。とても静かな建物内で、毎日スライドの作成と送られて来るレポートの採点に明け暮れました。学会やイベントは全て中止。12月には、ハワイで5年に一度の化学会に参加予定でしたが、オリンピックも延期されるくらいですから勿論なくなりました。マスクがとれる日は来年には来るでしょうか。今は夏休みですが、後期は担当授業が多く、実験の一部で対面授業が再開されそうです。どうなることやら。皆さんの職場もいろいろと大変だと思います。在宅勤務を経験された方、いらっしゃいますか。

 コロナ問題が起こる前ですが、めずらしく卒業生が二人も訪ねて来てくれました。別々の機会にです。卒業してまだあまり経っていない方々でしたので、それほど変わっていませんでしたが、やはり社会に出ると皆さん立派になり、お話するのは楽しいですね。他の方も、是非是非お待ちしています。

(服部和幸 記)

○機能材料分析研究室I

 今年3月大学院修了の齋藤君は(株)アドヴィックス、谷さんは(株)明電舎、学部終了の山口君が全国農業協同組合連合会へ、田部井さんは(株)蓬莱、行平君は(株)工藤設計、佐藤君は千葉県警に就職し、それぞれの地で新しい生活をスタートさせました。

 令和元年度はM2の飯村君、納所君、林君、学部4年の佐々木君の4人が大腸菌と人工細胞膜、圃場の肥料分析に取り組んでいます。

 今年度はやはりコロナの話題抜きでは語れませんね。就職活動はもろに影響を受け、内心ヒヤヒヤしましたが、全員無事に進路を決めることができました。特に非常事態宣言が出ている期間は北海道にも戻れない状態が続き、オンラインでの状況報告会や文献講読など新しい経験の積み重ねでした。面接もオンラインでの実施になり、カメラ映りや目線の置き方など、苦労したと思います。そんな困難を乗り越えて、飯村君は野村マイクロ・サイエンス(株)、納所君がクアーズテック(株)、林君はホクレン農業協同組合連合会、佐々木君は岩手県への就職が決まりました。私自身も慣れないオンラインライブ配信の授業15回を何とかこなすことができました。

 卒業生の皆さんも様々な難しい場面に直面されていることと思いますが、どうぞご自愛ください。卒業した先輩たちの様子は後輩たちにも大きな励みになります。近況報告をお待ちしています。

(宇都正幸 記)

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地域未来デザイン工学科 機械知能・生体工学コース

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。機械知能・生体工学コースは、「ロボット技術を活用した福祉機器」、「一次産業の機械化」、「ICTを用いた生産技術」、「高齢化社会を支える医療工学技術」、「地域医療に貢献する医用工学技術」等を対象とし、機械系・情報系・生体系に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、機械工学の基盤を形成する材料や運動の力学、熱力学や流体力学等の基礎科目に加え、制御工学、医療工学、ロボット工学、製造工学、設計工学、プログラミングやメカトロニクスなどの応用科目や実験を配置し、様々な視点から学習が可能である構成としている。これにより、基礎学力の基盤の上に広い専門的視野と応用力を持った技術者として、地域や社会が抱える課題を発見し解決できる能力を養成する。卒業生の皆さんは学士(工学)という学位が取得するとともに高等学校教諭一種免許状(工業)や学技術者資格を取得することができる。本コースに所属する学生は主に「材料力学」「計算力学」 「環境有機化学」「生産加工システム」 「生体メカトロニクス」「知的システム工学」 「医療情報・医用画像工学」 「複雑情報学」「応用電気」という研究室に配属され、該当する分野について最先端の研究を行うことができる。現在、17名の教職員が(教授4名、准教授7名、助教5名)が本コースを主担当している。教員の皆さんは、国内外から研究・教育への貢献について高い評価を得ています。履修できる科目、研究テーマ、教員、キャリアや進学についての詳細な情報は機械電気系のHPに記載されているので是非ご参考にしてください。

(コース長:ウラシャリフ 記)

○知的システム工学研究室

 研究室の名前の由来は、遺伝的アルゴリズム(GA)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、機械学習(ML)、人工生命(AL)、エージェント等の技術がスマートエンジニアリング(知的工学)と呼ばれ、これらの新技術を用いて工学的に色々な実問題へ取り組みたいとの思いから付けました。主な研究内容は、進化計算と機械学習による自律的な行動獲得、大規模問題によるハイパフォーマンスコンピューティング、物理法則に基づくアニメーティッドロボットの三本柱に加えて画像処理の研究も行なっています。 

 本年度は、新型コロナウィルスの影響で5月からオンラインゼミでお行い、基本的なC言語の勉強から遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm、GA)への応用、Pythonを用いた画像処理などを主に勉強してきました。10月からの研究室は、人数と時間帯を工夫しながら研究を進めていこうと思っています。

 卒業生の皆様、北見にお越しの際には是非知的システム工学研究室にお立ち寄り下さい。

(渡辺美知子 記)

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度の当研究室は、教員が2名(ウラ・久保)、技術職員が1名(杉野)、D3が1名、D2が1名、D1が1名、M2が1名、M1が4名、研究生が1名、学部4年生が9名の計21名のメンバーで構成されております。そのうち4名が留学生で、2名は今年から当研究室に所属いたしました。来年3月には、D3のタシさんならびにM2の齊賀さんが修了予定です。学部の小林さんは今年の9月に卒業しました。3名の学部生が本学の博士前期課程に進学し、残りの6名は無事就職が決まりました。当研究室では、「3Dプリンティングを用いた製品開発」「3Dプリンティングを用いた多孔質構造の実現」「CAD/CAM」「インターネットを用いた次世代生産システム(Industry 4.0)」「超精密表面トポグラフィー」について研究が続けられております。今年、研究室のメンバーは国際会議「28th CIRP LCA」「LEMP 2020」 「70th CIRP General Assembly」に参加及び参加予定です。当研究室は最後に、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

(木村友哉 記)

○生体メカトロニクス研究室

 卒業生の皆様、コロナ禍に負けず元気でご活躍のことと思います。今年は、研究室で大きな出来事がありました。星野教授が令和元年度北海道科学技術奨励賞を受賞しました。また、こちらは大変残念な出来事となりますが、研究室の運営、研究・教育にご活躍いただいてきましたゾイ助教が関東で研究職として企業にご転職されました。ゾイ先生の今後のますますのご活躍を祈念し、また遠く北の大地から応援しております。今年の研究室は、星野 教授、楊 助教の2名の教員と、M2が9名、M1が6名、B4が9名の体制となり、農業機械の高性能化、および、スキー関連の研究に精力的に取り組んでいます。今年はコロナウイルスの感染拡大防止の観点から、行事の中止や、参加見送りなど、例年とは異なる難しい研究室運営となっており、健康と平和の大事さが身に染みています。いつも温かいご支援頂いております卒業生の皆様には心から感謝申し上げます。

(星野洋平 記)

○計算力学研究室

 今年度の研究室のメンバは、佐藤准教授、長谷川技術員、河野のスタッフ3名と、博士前期課程4名、学部9名の学生13名です。従来通り様々なモノの力学特性等を数値解析する研究に加えて、スキー滑走時等のデータ取得環境の構築を行っています。大橋先生は、今年度より北見工大の居室を引き払われましたが、研究会で招待講演をされる等、まだまだご活躍です。

 さて、当研究室もコロナ禍で様々な活動が制限されております。毎週のゼミはオンラインで実施しており、対面での議論の重要性を再認識します。一方で、帰省先からゼミに参加できる等、テレワークの効率の良さも感じます。どの様なものにも一長一短があり、学生にとって、コロナ禍は、自由時間の増加と思い出作りに寄与する面もあるかもしれません。コンパができないのは残念ですが、学生たちは今年も研究室恒例のサケ釣りに出かけている様です。末筆になりましたが、北見近郊にお越しの際は研究室にお立ち寄り頂き、皆様の近況をお聞かせ下さい。

(河野義樹 記)

オンラインゼミの様子(2020年9月24日)

○材料力学研究室

 卒業生の皆様、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。さて、本年3月をもちまして、大森誠一技術員がご退職されました。これまで研究室の発展に大きく貢献されましたこと、研究室を代表して心より感謝を申し上げるとともに今後益々のご健勝を祈念いたします。また、4月からは、本学卒業生の藤澤一人技術員に業務の一部をお手伝い頂けることになりました。本研究室出身であるため、今後の研究室の発展に大きな期待が寄せられているところです。構成員は柴野教授、藤澤技術員、吉田と大学院生5名、学部9名の学生17名です。X線回折を利用した材料の延性損傷評価のため、装置やプログラム開発にも力を入れています。9月には、学生1人、大学院生2人が日本金属学会でオンラインによる発表を行いました。また、進学希望者、就職希望者ともに全員の進路が無事決まりました。卒業生の皆様からも近況報告をお願い致します。末筆ながら皆様のご健康をお祈り申し上げます。

(吉田裕 記)

○複雑系情報学研究室(鈴木育男・岩館健司)

 卒業生の皆様、新型コロナ渦の状況の中、いかがお過ごしでしょうか。本研究室では、対面形式でのゼミは実施できておりませんが、web会議システムを使ったオンライン形式でのゼミや研究活動に学生ともども日々励んでおります。今年度は、M2:2名、M1:1名、4年生:9名が在籍しております。

 2017年の改組から4年目となり機械知能・生体工学コースからの学部4生が研究室に配属されました。これにより、(1).自動運転技術へのAI応用、(2).UAV(無人航空機)による自律配送システムの研究というような機械・ロボットの知能化に関するテーマが追加されました。もちろん、これまでに培ってきた研究テーマである、(3).運動解析に関する研究、(4).群れ行動の創発・行動最適化に関する研究というようなテーマについても、引き続き後輩たちが取り組んでいます。

 新型コロナ渦において大変ご苦労されていると思いますが、卒業生の皆様の益々のご活躍を期待しております。

(鈴木育男 記)

○医療情報・医用画像工学(早川吉彦)研究室

 2020年3月卒の卒研生6名は情報システム工学科の最終学年。犬の避妊手術シミュレーション・データセット作成(久冨木、イン)、リアルタイムVR空間生成(笠原)、キーボード・スキルチェック(高田)、Rustでメモリ脆弱性解決(山崎)、疾患類似度マトリクス生成(平林)に取り組んだ。院生の水上の研究は、深層学習による画像内のオブジェクトや文字列の一致度判定。毎年のことだが「最後の1か月に急に成果が出る」のがもったいない。このまま大学院生になっていたら手術ロボットを作っていたことでしょう。2月、帯広畜産大学で手術見学をさせていただいたが、その後は感染予防のための新生活スタイル。3月からは、体表面温度監視システム開発に取り組み、道新、NHK、伝書鳩で報道され、大学webにも掲載。

 5月、1年生を含めて私が個別担任であるすべての学生と最近卒業したOBOGに「WebExオンライン卒研ゼミ」への参加を呼びかけた。同月下旬の金曜の夜、IBMソリューションサービス(アイソル)、ジモティー、アマゾン・ウエブサービス・ジャパン、マイナビ、北大院で活躍中の皆さんが在宅勤務中にアクセスしてくれた。楽しかったのでまた企画したい。

(早川吉彦 記)

○応用電気工学研究室

 卒業生の皆様、こんにちは。応用電気工学研究室の橋本泰成です。如何お過ごしでしょうか。応用電気工学研究室はこれまで、電気電子工学科の1研究室として、柴田教授、酒井准教授、橋本の3教員と所属学生で運営してきましたが、教員は改組後の別々のコース所属となり、形式的には、それぞれのコースで学生の教育・研究に励むことになりました。ただ実際にはゆるく運営の面などで協力する形をとっており、その点については変化ありません。橋本が担当する研究室学生としては、修士2年生3名、学部4年生8名がおり、私の専門である脳波などを使った医療機器の開発に関連する研究をおこなっています。上記学生は進路も無事全員決まり、あとは研究の集大成に励むのみとなっています。最後になりますが、北見近郊にお越しの際はぜひ大学や研究室に足を運んでいただけると幸いです。今後とも応援よろしくお願いします。

(橋本泰成 記)

○環境有機化学研究室

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度の環境有機化学研究室は、兼清准教授と学生5名から構成されています。当研究室では以前より、次亜塩素酸に応答して色調変化を示す薄膜や、形状が変化するゲルの研究を行ってきました。最近、新型コロナウイルスの消毒剤として次亜塩素酸が世間的に注目を浴びていますが、次亜塩素酸は化学的に不安定であり、保存中に容易に分解して消毒能力が低下していきます。そこで、当研究室で開発した薄膜やゲルを、色や形の変化により次亜塩素酸の濃度を簡単に測定できるセンサーとして応用できれば、新型コロナウイルス対策の一助になるのではないかと考え、研究を進めています。

 今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(兼清泰正 記)

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地域未来デザイン工学科 情報デザイン・コミュニケーション工学コース

 同窓生の皆様、大学第3期改組で旧情報システム工学科と電気電子工学科の一部を併せて、新編された情報デザイン・コミュニケーションコースは、令和2年4月に学年進行で初めて4年生を研究室に迎えました。

 この研究室配属は指導教員=研究室の形で昨年12月に1次配属、今年4月に2次配属の2段階配属を行いました。現在、本コースには20名の指導教員がいます。ベテランの教員から、昨年、昇任して初めて研究室を構える酒井大輔准教授、杉坂純一郎准教授まで学生の教育指導に当たっております。今般のコロナ肺炎禍のため、前期の授業等はオンラインで行われ、学生、教員とも慣れない環境で奮闘しております。現在、大学院は情報システム工学専攻と電気電子工学専攻に分かれていますが、来年度から大学院改組で1専攻の中に情報通信工学プログラムとして、学部と接続する形となります。所属教員の居室、研究室は昨年までとほぼ変わらないです。

(コース長:川村武 記)

○テキスト情報処理研究室

 こんにちは、桝井・プタシンスキ研究室です。今年度はコロナ対策のため、いつも賑やかだった研究室もシーンとしています。それでも、研究室の活動は衰えていません。桝井は新しくオープンする北見カーリングホールの仕事と講演活動でフル回転、ミハウさんもアイヌ語研究が注目されて大回転しています。8月にはカロル君がめでたく博士号を取得し、今後はスタッフとして研究室を支えてくれます。アレックスとチア君も修士課程を修了して博士後期課程に進学しています。

 今年度の新メンバとして、相田、今関、池田、及川(4年)が加わり、さらに、劉ちゃんが博士後期課程学生として研究室に復帰しました。

 授業もミーティングもオンライン主体のため、何かと不自由を感じながらの研究室生活ですが、メンバ全員意欲を失わずに頑張っています。

 卒業生の皆さん、まだまだ大変な状況ですが、お気軽にメッセージを送って下さい。そして、状況が変われば是非遊びに来てください。

(桝井文人 記)

桝井が参画して完成間近のアルゴグラフィックス北見カーリングホール

○知識情報処理研究室(前田康成研究室)

 令和2年度の前田研は、M2曹君、B4泉山君、佐々木君、佐藤君の学生4名と助教の山内先生、技術員の奥山様と前田というメンバーです。残念ながらコロナの影響で、9月時点でまだ研究室メンバー全員で集合できていません。

 院生、学部生の皆さんはマルコフ決定過程の各方面への応用、株式投資/株価予測に関する研究などを行っています。

 例年だと「プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。」と締めくくるところですが、今年はコロナ環境下で皆さんも負けずに頑張ってください。

(前田康成 記)

○核科学情報工学研究室

 核科学情報工学研究室の升井です。この研究室を起ち上げて16年が過ぎました。メンバーはShao先生、馬場先生、私の三人です。近年は研究テーマを「学術情報データベースのオープンサイエンス化」と「数理的手法を用いた観光支援」という二本立ての方向性を明確に打ち出しており、原子核反応データベース研究開発センターや網走バスといった他機関との連携も進めています。サイエンスにおけるICT活用と、地方のくらし・観光にICTを活用する取り組みを行っています。今年度は北海道北見バス・北見市とともに市内バスにバスロケーションシステムを搭載する実証実験を行う予定です。

(升井洋志 記)

○光情報工学分野

 卒業生の皆さんお元気ですか?「光情報工学分野」は光学、光情報工学および画像処理に関連した研究を行ってきたメンバーが集まってできました。所属メンバーは、三浦則明教授、原田建治教授、原田康浩准教授、曽根宏靖准教授、酒井大輔准教授、桑村進助教、澁谷隆俊助教の合計7名です。

 まず、残念なお知らせからお伝えしなければいけません。亀丸俊一教授は病気療養中のところ、2019 (令和元) 年11月21日に御逝去されました。亀丸俊一教授は、1996 (平成8) 年より本学の教授に着任しました。その後23年の長きに亘り、本学の発展にご尽力いただきました。生前の数々の功績が認められ、叙位(従四位)・叙勲(瑞宝中綬章)が授与されました。亀丸俊一教授のご冥福をお祈りいたします。

 三浦研究室では、M2の菊池、馬屋原、鹿田、末武、M1の蘆田、4年の檜田、福田、村田、の総勢8名が三浦教授、桑村助教、澁谷助教の指導のもと、補償光学、天体画像処理、道路画像処理などの観測、実験、ゼミに励んでいます。

 原田建治研究室では、M2の森、4年の大城、大竹、小沼、小長谷の総勢5名が空中像表示、偏光色、光学教材開発などの卒業研究に励んでいます。今年はコロナ禍で、例年通りのスケジュールで研究することが難しい状況ですが、みなさん試行錯誤しながら卒業研究を進めています。

 原田康浩研究室は、M2の城、富永、学部4年の舟橋の合計3名の学生が「斑点ぬれ雪」の生成消滅過程の解析、空港滑走路の積雪光モニターシステムの開発、玉ねぎ選果機の自動化・AI化などのテーマで、ゼミ、実験、データ解析、ソフトウェアの開発など、研究に励んでいます。

 曽根研究室では、M2の高田、M1の古屋、4年の高橋、滝本、安藤、近藤、田辺の総勢7名で構成されました。研究テーマは、特殊ファイバを用いた広帯域光発生の数値解析、LCDパネルやLED照明を用いた可視光通信、空間光変調器を用いた光情報処理、太陽光採光システムを用いた太陽光励起レーザ等の開発、光ファイバデバイスの作製などで、皆それぞれの研究に取り組んでいます。

 酒井研究室は、今年度新しい研究室としてスタートしました。1期生として、学部4年の厚地、川部、福井の3人で、研究室作りをしながらホログラムに関する実験を進めています。前期はほぼ実験が行えませんでしたが、その分後期はやる気に満ちています。最後に、旧電気電子の応電研卒業生の皆さん、研究室名は変わりましたが、酒井は変わらず北見工大に居ますので、コロナ禍が落ち着いた後、お立ち寄りの際はお気軽にお顔出しください。

 毎年の決まり文句である、『OB、OGの皆さん、北見へお越しの際には、研究室へぜひお立ち寄りください』とは、コロナ禍で言えない状況です。新型コロナが終息しましたら、焼肉の街北見の夜の繁華街で、お互いの近況報告で盛り上がりましょう!

(原田建治 記)

2019年の亀丸研究室メンバー

○知的システム設計分野 システム制御研究室

 卒業生の皆様お久しぶりです。新型コロナウェルスの蔓延により自粛を余儀なくされ、日常生活や仕事、趣味の活動など、いろいろと変化している事かと思います。

 大学も感染防止からオンライン授業などを行っており、学生が居ない大学の風景に慣れ始めている自分が居ます。

 ただ、個人で用意するのが難しい機材などを使う実験・実習などはオンラインに向いておらず、せっかく大学に来て・触れる機会を得たはずの学生の皆さんには申し訳ない感じです。

 研究室も前期の間は学生が居ない状態が続いておりましたが、後期に向けて色々な対応をしつつ研究室内で活動していけのではと期待しています。

 最後に、今のような状況では大学に採用活動などで来る機会は少ないと思いますが、これまでの就活対策が通じず戸惑っている学生も多いとおもいますので、そのような学生と出会った際には、温かい言葉をかけて頂ければ幸いです。

(宿院信博 記)

○信号処理研究室

 皆様、いかがお過ごしでしょうか?信号処理研究室を運営する教員、鈴木正清は、食道がんの治療に専念するために2017年から2018年にかけて勤務を離れ、研究室の運営を一時的に停止しました。2018年に復職し、研究室運営も再開しました。治療後の経過はとても良好で、通常通りに活動しています。2020年度の研究室は、教員1名、技術職員1名、大学院1年生1名、卒業研究の4年生1名で構成されています。コロナ渦の中でも、4年生の就職は順調に決まりました。今年度は、「センサアレイ信号処理」、「ディープラーニングを利用した信号処理」の研究開発を行っています。

 卒業生の皆様、くれぐれも健康に気を付けて、健やかにお過ごしください。近くにお越しの際には是非ともお立ち寄りください。

(鈴木正清 記)

○情報通信システム工学研究室(中垣研究室)

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術員の宇野さん、卒業研究で配属された4年生3名が日々研究に励んでいます。学生は在宅での卒業研究を余儀なくされていますが、当研究室の研究は音声・騒音データとPC(とやる気)があれば何とかなるのが幸いです。4年生のうち就職希望組はインターンシップに参加した企業や大学推薦で早々と内定をもらえ、ほっとしています。研究では、音声分析、騒音抑圧法の開発、マイクロフォンアレイを用いた音声信号処理の研究をすすめています。3月に卒業した浅井君は、電子情報通信学会北海道支部学生会主催のインターネットシンポジウムで優秀発表賞を受賞しました。今年度はまだ一度もメンバー全員が揃ったことがないので、早く一同に集まって、ぱあっとやりたいです。当研究室出身のOB・OGの皆様、事態が収束しましたら、近くにお越しの際に是非お気軽にお立ち寄り下さい。

(中垣淳 記)

○知的情報通信分野 通信システム研究室

 本年はコロナの影響で学生の学内への入構も制限され、授業も研究打合せも基本的にオンラインとなり、お互い労力が掛かる割には成果を出すことが難しい年でありました。戦後75年、日本国内において色々な問題が有りましたが、今回は世界的なパンデミックで、多くの人には初めての経験で大変な年でした。

 そんな中において、本研究室では第5世代通信の核となるミリ波回路素子の研究を始め、少しずつ成果が出始めています。学会発表も全てオンラインとなり出張は全くなくなりましたが、それ以上にコロナ対策とオンライン授業に多大な時間が取られ、あっという間の一年でした。

 更に来年度入学生から新カリキュラムに代わるのでその対応にも時間をとられました。

 卒業年次の学生も全員就職が決まり、その事は大変良い事でした。

 早く、このパンデミックが終わり健全な日常を遅れる事を願っております。

昔のような社会が戻っってくるのか、新しい時代が始まるのかは分かりませんが、デジタル技術の発展がその事に大きな影響を与える事は間違いないでしょう。

(柏達也 記)

○光ファイバ伝送研究室

 卒業生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。2020年度の光ファイバ伝送研究室(旧電気電子工学科・電気基礎研究室の光班)は、4年生5名、大学院生2名の合計7名が所属しております。今年は新型コロナウィルスの影響で研究室での研究活動も3蜜を避ける形で感染に十分気をつけながらの実施となっております。修士2年の院生ならびに学部4年生の就職希望者は、新型コロナウィルスの影響で例年とは異なる就職活動となり大変でしたが、全員めでたく内定が決まっておりまう。そして、4年生の進学希望者も無事北見工大大学院への進学が決まりました。黒河も学生達と一緒に楽しくファイバヒューズの実験研究に取り組んでいます。 卒業生の皆様の益々のご活躍を期待しております。お近くにいらっしゃる機会がありましたら、是非お立ち寄りください。皆様にお会いできるのをとても楽しみにしています。

(黒河賢二 記)

○波動エレクトロニクス研究室(平山研究室)

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の波動エレクトロニクス研究室(平山研究室)は、大学院生2人、卒研生3人です。学部改組が4年目となり、卒研生は教員ごとへの配属となりました。また、学部4年生1人の大学院進学が決定しております。新型コロナ感染拡大防止のため、卒業研究や修士研究はいわゆる3密を避け、検温し、手指の消毒をした上で時間を限って実施しております。

 平山は光・マイクロ波のデバイスの最適設計やマイクロ波・ミリ波帯での材料定数測定法の研究に取り組んでおります。座学はオンライン授業のため、今まで板書に使っていた講義ノートを基にしてパワーポイントスライドにまとめておりますが、少々手間取っております。今年度4月からは副学長(教育、学生支援、評価担当)も務めさせていただいており、研究室だけでなく大学としての新型コロナ感染防止にも関わっております。

 北見にお越しの際には研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍を祈念しております。

(平山浩一 記)

○波動エレクトロニクス研究室(安井研究室)

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の波動エレクトロニクス研究室で安井が指導を担当している学生は、大学院生1名、卒研生4名です。また、卒研生のうち1名が大学院に進学をします。月日がたつのは早いもので、新しいカリキュラムとなってから4年目となり、新カリキュラム下で初めての卒業研究となりました。とはいうものの、現在はまだ新旧カリキュラムでの学生が入れ替わる過渡期であり、今年度指導を担当している卒研生4名のうち3名が地域未来デザイン工学科、1名が電気電子工学科の所属となっております。本原稿を執筆している時点ではまだ新型コロナウイルスの感染が終息しない状況の下にあり、卒業研究の実施環境にも何かと制約がある中ではありますが、皆さん仲良く元気に卒業研究を進めているようです。卒業生の皆様も、世の中の状況が落ち着いた際には、研究室にもお立ち寄りください。皆様のご活躍を祈念しております。

(安井崇 記)

○ロボット制御・ITS研究室

 同窓生の皆様、コロナ肺炎禍の最中、皆様がご健勝であられることを願っております。

 本研究室の前身は、旧電気電子工学科電気システムコース電気基礎研究室制御グループです。スタッフは、川村准教授、岸本助教の2名、学生はM2が2名、M1年が1名、4年生が4名の計7名です。M2、4年生の進路は、8月の時点でほぼ決まっています。

 前期は3密回避のため、4年生は在宅にして、屋外走行実験は修士学生とスタッフで行いました。この実験は、大学の舗装路整備工事のため、工事の合間を縫って行っています。今秋から走行実験路を旧競馬場(オホーツク地域創生研究パーク)に移します。大学より片道20分強かかり、少々不便ですが、致し方ありません。岸本先生は学生実験などに追われる日々のようです。川村の前期はオンライン講義で消耗しました。後期もオンライン講義なので消耗しそうです。卒業生の皆様、機会があれば、是非研究室にお越しください。

(川村武 記)

○集積システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。令和2年度は吉澤准教授、大学院生6名、学部生7名の計13名の体制で日々励んでおります。今年はコロナ禍の影響で研究室のイベントが実施できず、ゼミも少人数単位か個別での打ち合わせのみで対応しています。研究室メンバー全員が顔を合わす機会がほとんど無いのが寂しいかぎりです。今年度も水中音響通信や測位に関する研究テーマに取り組んでいまして、9月に紋別市オホーツクタワー周辺でフィールド試験を行いました。試験初日に試験装置の配線を間違えて装置が故障するトラブルに見舞われましたが、なんとか試験を終わらせました。北見にお越しの際には是非ご連絡下さい。

(吉澤真吾 記)

○CEM研究室

 卒業生の皆様におかれましては、本学で培ったICT能力をフルに活用してコロナ禍テレワーク時代でもご活躍の事と思います。大学におきましても例外なく影響を受けており、本年度は講義・学会活動のほぼ全てがオンラインで実施され、教育研究活動のあり方も変わりつつあります。昨年度、新カリキュラムの進捗伴いスタートした田口研究室(仮)ですが、本年度新たにCEM(Computational ElectroMagnetics)研究室に改名し、IOT時代のための電磁波シミュレーション技術とその応用に関する研究を行っております。現在、メンバーは教員1名、大学院生3名、学部生5名で主に中間周波・準ミリ波・ミリ波帯の電磁波が人体に与える影響に関する研究テーマについて科学研究費1件、総務省委託研究費1件に精力的に取り組んでおります。コロナの影響が落ち着きましたら、研究室に遊びにいらして下さい。お待ちしております。

(田口健治 記)

○数理波動システム研究室

 卒業生の皆様、ご無沙汰しております。各方面でご活躍のことと存じますが、いかがお過ごしでしょうか?数理波動システム研究室は、波動エレクトロニクス研究室から新たに発足した研究室です。マイクロ波の実験をしていた方は覚えているでしょうか、4階の実験室を模様替えし、現在は学生居室となっています。学生数はまだ少ないですが、バランスボールをいす代わりに使ったり、カレーを作ったりと、マイペースに過ごしています(ちょっとペースアップしないとまずいんですが)。研究はホログラム、物理現象を利用した人工知能、逆問題に関するテーマで進めております。今年は学会発表を3件、論文発表を2編行っており、特許の出願も検討中です。引き続き、面白いアイディアを生かした研究を続けていきます。今年はとにかく予定外のことばかりで、大変な思いをされているかと思います。いつもの日常に戻り、皆様にどこかでお会いできる日を願っております。

(杉坂純一郎 記)

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地域未来デザイン工学科 社会インフラ工学コース

 社会インフラ工学コースは設置から4年が経過し、今年度初めての卒業生を社会に送り出すことになります。設置当初の目標である「社会インフラ工学の基礎学力と問題解決能力」を身につけさせるため、コース教員一丸となって努力致しました。しかし、その評価については卒業生の活躍にかかっておりますので、卒業生に大いに期待するところです。

 さて、卒業生の最終年度である2020年は、どのような年と記録されるのでしょうか。オンライン講義、ステイホーム等、学生生活のみならず社会が様々な意味で大きな転換を迫られています。一方、しっかりした運輸システムに支えられた流通体系が整備されていなければ、ステイホームも不可能であったはずですし、上下水道も同様、社会インフラの恩恵は大きく、その使命は今後とも変わらないでしょう。社会インフラ工学コースとしても、コロナ禍によりインフラのあり方を反省的に振り返る機会を得たことを糧とし、今後の研究・教育を発展させていく所存です。

(コース長:高橋清 記)

○河川防災システム研究室

 河川防災システム研究室の渡邊康玄です。2月には、当研究室の卒業生ならびに研究室によく出入りしていた多くの人たちに、会うことができ、楽しいひと時を過ごすことができました。ありがとうございました。現在、修士2年生3名、4年生7名、社会人博士1名の構成です。慣例の月一回の行事は、3月以降できていませんが、札内川のフラッシュ放流調査をはじめ、知床や北見周辺の調査など、現地調査は元気に実施しています。卒論や修論のテーマは、橋脚の洗掘や堤防・天然ダムの越流・浸透破壊、河岸浸食などの現象解明と、流木の挙動や砂防ダムのスリット化、河道攪乱のための置き土の効果などの河川環境に結び付くものまで、幅広く実施しています。研究活動は、行えていますが、講義の方は、不慣れな遠隔授業ということもあり、試行錯誤で進めています。厄介な状況が続いていますが、健康で活躍されることを祈念しております。

(渡邊康玄 記)

2月に集まっていただいた卒業生の方々

○河川・水文学研究室(早川博教授)

 今年の研究室メンバーは、学科改組後の1期生として環境防災工学コース2名、社会インフラ工学コース3名、マネジメント工学コース1名の計6名です。なお、病気休学中だったM2角田陸君は、日常生活ができるまで回復しましたが、復学せずに9月末で退学・就職しました。

 今年の就職活動、卒業研究は新型コロナウィルスの影響で例年とは異なり、オンライン授業、オンライン面接、研究室ゼミもオンラインや週1回の短時間ミーティングと、充分な研究指導ができない状態です。その中でも就職は好調で、ゼネコンに2名、コンサルに3名が早々と内定し、1名が大学院に進みます。

 研究は、マルチスペクトルカメラ搭載UAVによる野付牛公園のアオコ調査やコムケ湖のアマモ調査、3Dレーザースキャナーによる渓流河川の地形測量などで学生とフィールド調査に出かける他、中小河川の河川改修による河床変動や釧路湿原旧川復元河川の流路変動シミュレーション、農地から土砂流出抑制の基礎実験は継続しています。また、GISによる洪水避難経路の可視化にも取り組んでいます。最後に研究室OBの皆様、機会があれば是非とも研究室にお立ち寄り下さい。

(早川博 記)

○水工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、今年度で3年目となりました。 M2の押村星河、小池太郎、M1の山田隆司、4年生の五十嵐晃之、寺崎海斗、奥野翔也、髙花清美、中村提知、村田義貴の計9名の学生と共に研究活動を行っています。研究は、深層学習、アイスジャム、合流部の河床変動、冬期の取水障害対策、アンカーアイス、ジュエリーアイス、漁船損傷を防ぐための消波ブイの効果に取り組んでいます。今年度は、月1回の懇親会と週1回の昼食会を開くことが出来ず、残念な思いをしています。

 卒業生の皆様のますますのご活躍を期待しております。北見にお寄りの際は、ぜひお立ち寄りください。

(吉川泰弘 記)

○構造・材料系研究室(コンクリート工学研究室[井上]・インフラマテリアル研究室[崔]・地震防災工学研究室[宮森])

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか?今年度はCOVID19によるパンデミックの影響により、研究活動の規制や就職活動の延期、またオンライン講義・ゼミの実施など例年と異なる環境に戸惑いを感じつつも、井上准教授、宮森准教授、崔准教授、齊藤准教授、山崎助教、坪田技術職員、研究補助員の苅谷さんにご助力いただき、総勢35名で日々研究に励んでおります。

 今年度から齊藤先生が准教授に昇進され、次年度から「地震工学研究室」が新設されます。これに伴い宮森先生の地震防災工学研究室は「橋梁工学研究室」へ名称変更されます。また、昨年度退職されました三上先生は、今年度から名誉教授として週に数回大学に来られております。

 コンクリート工学研究室では、M2が1名、M1が1名、B4が6名の計8名で活動しております。主な研究内容といたしましては、低温環境下における新しい給熱養生システムの構築、寒中施工における新しいグラウト材の開発、耐アルカリ型の防錆技術の開発、高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの初期強度発現改善に関する研究などを行っています。

 インフラマテリアル研究室はM2が1名、M1が2名、B4が5名の計8名で活動しております。主な研究内容といたしましては、亜硝酸系混和剤を添加したコンクリートの膨張収縮特性およびメカニズムの究明、炭酸ナノバブルを用いた再生粗骨材の性能向上に関する研究、CSA系膨張剤含有モルタルに亜硝酸塩系硬化促進剤を添加した水和特性に関する研究などを行っています。

 地震防災工学研究室は、M2が1名、M1が2名、B4が8名の計11名で活動しております。主な研究内容といたしましては、振動波形を用いた構造物の健全度評価「構造ヘルスモニタリング」、構造物の3次元点群モデルから耐久性能や内部の応力状態の把握、免震ゴム支承を有する橋梁のハイブリッド実験などを行っています。

 最後になりましたが、これからもCOVID19に負けず構造・材料系一丸となって研究活動に取り組みたいと思います。末筆ながら皆様のご健勝と益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

(M2 小原総基 記)

コンクリート工学・インフラマテリアル研究室

地震防災工学研究室

○都市・交通計画研究室

 昨年度は修士2名、学部卒業生3名の学生を研究室より送り出しました。中でも留学生のゾロ君には、モンゴルの交通事情も含め多くのことを学ばせてもらいました。帰国後、モンゴルでの活躍を大いに期待するところです。また、昨年度で3年間継続した自動運転プロジェクト研究が終了いたしました。プロジェクトで得た成果は研究室としての財産であり、関与した学生にとっても良い経験となったことでしょう。防災研究では、「地域と歩む防災い研究センター」が設置され、私が地域協働研究の部門長に任命されたことで、さらに幅広い研究課題に取る組むことが可能となったと考えています。さて、2020年はどのような年であったと位置づけられるのでしょうか。リモートによる講義や研究室ゼミの実施等、困難なことが続いていますが、このような状況だからこそ、都市と交通のあり方を見直し、根本的な問いを立てながら研究を継続したいと考えています。

(高橋清 記)

○交通工学研究室

 現在、研究室には、筆者(富山)、学生8 名が在籍しており、人・車・道路に関する基礎研究や産学連携の共同研究を活発に行っております。特に、今年度は、研究室を立ち上げられた川村 彰理事・副学長が公益社団法人土木学会「令和元年度土木学会賞研究業績賞」を受賞されました。路面評価の第一人者として長きに亘り研究され、路面プロファイル研究の学術的価値の向上や土木工学に顕著な貢献をしたものと認められ、「路面プロファイルの多面的評価と特徴抽出」として今回受賞の運びとなりました。道路インフラの老朽化が大きな社会問題となっている今日、修了・卒業生の活躍を耳にする機会も大変多くなっております。研究室一同元気に活動しておりますので、近隣へお越しの際は是非お立ち寄り頂き歓談の機会を持てますと幸甚です。

(富山和也 記)

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地域未来デザイン工学科 バイオ食品工学コース

 昨年度末からのコロナ禍によって、3月の卒業・修了式の中止、入学式の中止、4月の学年開始の1か月延長など、旧バイオ環境化学科、バイオ食品工学コースの学生・教職員も大きな影響を受けています。そのような混乱の中でも、平成27年度の改組後の学生が研究室配属になり、卒業研究に着手しています。実験系の研究室が多い本コース教員も感染対策を行いながら、卒業研究等研究活動を苦心しながら進めているところです。宮崎教員が4月に准教授に昇任され、来年度からの研究室開設に向けて準備を進めています。教員の多くがオンライン講義の準備や対応に追われる中、研究活動は徐々に正常化に向かっている状況です。卒業生の皆様も、職場環境やライフスタイルの大きな変化に見舞われているものと想像いたします。大変な状況が続くことと想像されますが、本学への変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。末筆になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

(コース長:小西正朗 記)

○食品栄養化学研究室

 今年度の学生の構成は、学部4年生5名(坂井優起嘉、中村瑞稀、能沢未有、橋本由弥、山谷優花)、博士前期課程2年2名(山本凌太、QIU SHIMAN)、博士後期課程3年1名(ANUU ZORIG)です。修士2年1名、学部4年1名が民間企業への就職が決まり、他の学生は進学予定です。現在、チコリ、エキナセア、キバナオウギなどのアレルギー抑制作用、抗炎症作用に関する研究を培養細胞を用いた実験により進めています。引き続き同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(新井博文 記)

○食品科学研究室

 同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に学部生4名が卒業し、修士学生1名が修了しました。そのうち修士学生と4年生1名が民間企業に就職し、4年生3名は本学大学院に進学しました。今年度は、ユニバーサルコース修士2年が1名、修士1年が3名、4年生が6名(うち、1名が過年度生、1名は後期から休学)の10名の学生が在籍しております。ユニバーサルコース修士学生は、博士後期課程に進学が決まりました。学部生3名は、民間企業に内定しており、残りの学部生2名は就活中です。現在、当研究室では、シイタケの分子育種研究として、ラッカーゼ遺伝子の発現制御メカニズムの解明や、きのこ発酵農産物の抗酸化活性やポリフェノール量の変動に関する研究に取組んでいます。皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

(佐藤利次 記)

○生物化学研究室

 我々の研究室は、吉田孝教授、宮崎健輔准教授、博士1名、学部4年3名とで日々研究に勤しんでおります。博士課程のBAI MINGXUEさんは3月に博士号を無事取得致しました。現在では、本国の大学で教職についておられます。吉田教授は昨年末、体調を崩され入院なさいましたが、4月より無事復職なさっています。また、宮崎も4月より准教授に昇任いたしまして、さらなる研鑽に励む所存です。 研究内容は、機能性(生理活性)多糖類の研究、環境調和型プラスチックの開発と広いテーマを取り扱っています。同窓生の皆様で、上記の研究内容に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声をかけてください。 最後になりましたが、令和3年4月にて、学内外において研究・教育面で多大な功績を残された吉田敬教授が定年退職をお迎えになります。先生のさらなるご清祥をお祈り申し上げます。

(宮崎健輔 記)

お仕事中の吉田先生

○生物無機化学研究室

 皆様お元気でお過ごしでしょうか? 2020年度のメンバーは4年生3名のみで、幸か不幸か自然に3密を回避した研究室となっております。“無機材料の機能を活用する”という大テーマのもと、アパタイト、ホタテ貝殻(炭酸カルシウム)、無機層状化合物を用いた抗がん剤やタンパク質の吸着・徐放材料や環境浄化材料の開発に関する研究を行っています。

 菅野は、9月に2つのオンライン学会、日本セラミックス協会第33回秋季シンポジウム、第29回無機リン化学討論会に参加し、後者に関しては、オンライン学会の実質的な運営を北見で行うという貴重な経験をしました。良く言われることですが、10年後に起こることが現在起きているという状況を体感しました。学生との飲み会もできず、その代わりに日中に観光に行ってきました。(下記写真)

 最後になりましたが、皆様の益々のご健勝を祈念しております。機会がございましたら、研究室に是非足をお運びください。

(菅野亨 記)

屈斜路湖の砂湯にて(2020年7月17日)

○精密有機資源化学研究室

 卒業生の皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスが社会生活全般に甚大な影響を与え、皆さんの仕事や家庭にも急激な変化を及ぼしていると思います。本学も本年度は基本的にリモート講義で一年間通すことになっており、私のような年配者はオンデマンドの用意等で大変です。今年はコロナ禍の中で令和2年7月豪雨があり、さらに猛暑が続き非常に厳しい年になっており、11月以降の冬期間の生活が心配でなりません。

 今年度の4年生は学部改組後の一期生で、学部生2名(男女1名ずつ)のみの構成です。コロナ禍により本研究室は8月の下旬から卒業実験を始めました。それまでに2名とも就職活動をしてもらい、無事内定を決めてくれました。

 1月下旬に河村哲嗣君(平成16年修士修了)、高橋亮輔君(平成17年修士修了)、仁和麻美さん(平成15年卒)、鈴木壮一君(平成18年修士修了)、高橋晋也君(平成19年修士修了)達が遠くは韓国や東京から北見に来てくれて私を囲む会を催してくれました。大変楽しいひと時を過ごすことができました。本当にありがとうございました。私もいよいよ定年を迎えることになり、この研究室だよりが最後となります。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。また何処かでお会いすることを楽しみにしております。

 それでは、皆さん、さようなら。

(星雅之 記)

○天然物有機化学研究室

 当研究室は今年度で5年目となり、ようやく研究室としての雰囲気がつくられてきたように感じています。今年度のメンバーは筆者(霜鳥)と大学院1年生1名の合計2名と少し寂しいところですが、次年度は他学科からの進学者を予定しており、明るい研究室となることを期待しています。現在の研究活動は、“光学活性な3-メチル-4-アルカノリドの合成と香気特性の評価”、“光学活性なα,β-不飽和-γ-ラクトン類の合成と香気特性の評価”、“ハッカ蒸留残滓由来緑色素の抽出と活用”をテーマとして行っています。北見はハッカの町として知られた場所なので、当研究室の活動内容が少しでも地域に貢献できればと考えております。また、今年度は大学院生がいるので多くの学会発表ができるように日々頑張って研究を進めています。最後になりますが、このような状況の中ではありますが、卒業生の皆様のご健康と、益々の御活躍、御発展を心よりお祈り申し上げます。

(霜鳥慈岳 記)

○バイオプロセス工学研究室(小西研)

 令和2年9月現在での所属学生は博士後期課程2名、博士前期課程9名、学部4年生3名となっております。4月から邱助教が研究室に配置換えになり、研究室運営に参画していただいております。また3月から地元企業の環境大善株式会社様と共同研究講座を開設し、5ヵ年の長期かつ包括的な共同研究体制を構築しています。9月には中小企業庁のサポイン制度に採択され研究を加速するための外部資金を確保でき、順調な滑り出しができています。培地組成および機械学習の研究課題に関連してNEDOの「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」のプロジェクトに参画することになり、大阪大学・京都大学・東京大学等の共同研究グループでバイオファウンダリ(バイオ生産システム)の研究開発を進めています。政府が掲げているバイオ戦略に貢献することが求められており、スタッフ・学生ともに今まで以上に活発に研究を進めています。また、民間企業や自治体との共同研究も6団体8テーマ実施しています。10月からは社会人ドクターコースの学生が1名入学予定です。

 末筆になりましたが、卒業生のご多幸をお祈りしております。今後とも変わらぬご支援のほどお願いいたします。

(小西正朗 記)

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地球環境工学科・地域未来デザイン工学科 地域マネジメント工学コース

 学科改組による「地域マネジメント工学コース」の始動から4年が経過し、今年から卒業研究である「地域マネジメント工学プロジェクト(以下、RMEP)」がスタートしました。今年度、RMEPに取り組む学生は14人です。14人のうち、8人が工学の専門コース(基盤コース)の研究室で研究に取り組んでいます。今年、地域マネジメント工学コースの主担当として新たに二人の先生が着任されました。技術経営戦略などを専門とする藤井享先生、そして国際交流センターのセンター長として着任された本間圭一先生です。藤井先生はRMEPの指導教員として研究室を構えることになります。そして、10月には新たに地域マネジメント工学コースに20人の2年生が配属されました。旧マネジメント工学コース、地域マネジメント工学コースから巣立ったみなさんのように個性あふれるメンバーで地域マネジメント工学コースのアイデンティティを育ててくれることと期待しています。今年の母校便りでは、地域マネジメント工学コースの4年生が配属されている研究室のうち、RMEP担当教員の有田先生、伊藤先生、そして内島の各研究室の近況と旧マネジメント工学コースで卒業研究であるマネジメント工学プロジェクトを担当された山田先生、春木先生からの近況をお伝えします。他コースの研究室については、それぞれ関連学科・コースで近況をお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

(コース長:内島典子 記)

○産学官連携価値創造研究室

 産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがお過ごしですか。

 今年、CVR研には有田研1人、内島研3人の計4人が配属されました。内島研は、今年度から教員が内島と于先生の2人体制となりました。内島が担当する産学官連携に関する研究に2人の学生が、于先生が担当する経営工学の領域の研究に1人の学生が取り組んでいます。有田研には、情報デザインコミュニケーション工学コースの学生が配属されました。今年は、新型コロナウィルスの感染防止対策のため研究室での活動がほとんどできず、WEB会議システムを活用したゼミを利用しながら各自研究に取り組んでいます。10人以上が席を並べられる研究室も閑散としていて、いつもと違う研究室の風景に寂しさを感じることもあります。その一方で、平成24年に卒業したマネジメント工学コースの1期生が研究室に顔を出してくれたり、平成29年に卒業した学生が結婚・出産の報告をしてくれたりと、良いこともありました。卒業生の元気な姿を知ることはとても嬉しいものです。いまはなかなか自由に移動ができない状況ですが、ぜひ北見に来る機会がありましたら一報ください。いつでも大歓迎です。懐かしい顔に会えることを楽しみにしてお待ちしています。

(内島典子 記)

○経済経営研究室

 卒業生のみなさん、お元気でお過ごしでしょうか。経済・経営研究室では、2020年度現在、3名の4年生がそれぞれ異なるプロジェクト研究を進めています。吉田さんは、医療モールの効率的な立地戦略の解明に向けて修正ハフモデルとDEAを用いた分析に取り組んでいます。菊池さんは、道内の道の駅事業の9割が赤字状態であることを鑑みて、道の駅の活性化に寄与する広報戦略について検証を進めています。大江さんは、地域医療ネットワークの価値と持続可能性を模索するために、費用対便益分析に取り組んでいます。今年は、パンデミック対応の影響で、学内外での調査研究が大きく制限されていますが、それぞれが創意工夫しながら、エンジニアリングに資するマネジメント研究に日夜励んでいます。というわけで、只今、当研究室では、いくつかのプロジェクトを同時に走られている都合から、リサーチャーが不足しています。お手伝いできる方がおりましたら、是非ご紹介ください。

(伊藤敦 記)

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地球環境工学科・地域未来デザイン工学科 旧マネジメント工学コース

○共通講座 山田研究室

 (旧)マネジメント工学コース山田研究室の卒業生のみなさん、お元気ですか。コロナでさまざまにご苦労されているものと拝察します。お見舞い申し上げます。

 こちら北見は、早期に「クラスター発生、対策班急行」というおそろしげな報道があり、ぎょっとさせられた以降は、比較的平穏だったように思います。私が通勤や休憩でよく寄る東陵公園も、わりとすぐに平常に戻り、特に自粛期間中は行き場のない子供やお年寄りで、いつも以上に賑わっていました。

 ただ、今年は暖かくなるのがかなり遅れて繁殖期がずれたのが原因なのか、カラスが大量繁殖し、巣離れ期には東陵公園中が「カラスの大幼稚園」と化して、毎年なぜか人より多くカラスに威嚇されがちな私には、ぞっとする光景でした。(ちなみに今年はエゾリスもいつもより多かったように思います。)

 大学も後期になって、ようやく少しずつ賑わいが戻りつつあります。みなさんもどうぞお気を付けて。コロナが収束すれば、ぜひまた研究室に遊びに来てください。

(山田健二 記)

○共通講座 春木研究室

 つぶしあん−−The Third An

 「つぶしあん」というものがあることを知った。「こしあん」と「つぶあん」を二者択一のペア概念のようにとらえていたけれども、「つぶしあん」は、それらとは別の、いわば第三のあん。「つぶあん」は、小豆のつぶが残るように炊きあげたもので、「つぶしあん」は、小豆をつぶし気味に練ってこしらえる。つまり「つぶあん」と「つぶしあん」は、字面上似てはいるが、非なるものである(しばしば、「つぶしあん」を略して「つぶあん」と称するので、よけいにややこしい)。

 つぶさないとつぶはあり、つぶすとつぶはない。まるで、とんち、あるいは禅問答。しかし、逆から考えるとおそらく、そもそも「つぶ(粒)」と「つぶす(潰す)」ことは、切っても切れない(つぶしてもつぶれない)関係にある。「つぶ」をなくすことを「つぶす」と言うのは、まさにつぶす行為においてこそ、「つぶ」が意識され、志向されるからであろう。

 「つぶ」を国語辞典で引くと、第二義に「集合体を構成する個々の物や人の大きさや質」とある。ただちに、近代主義的な「個」をイメージさせる表現だ。全体が個を潰すときにこそ、まさに個は「潰されるもの」というしかたで「粒立つ」のではないだろうか。だって、つぶあんの小豆もけっきょくは、口の中でつぶされる時に、そのつぶたるゆえんを発揮するわけだから。と、ぶつぶつ言う、午後。

(春木有亮 記)

○基礎教育系

 卒業生の皆様、新型コロナに負けず、元気で御活躍のことと思います。基礎教育系の近況を御知らせ致します。

 旧共通講座と情報システム工学科情報数理講座(数学)が合体し、基礎教育系となって2年目となります。研究室の所在は昔のままで、まだまだ一体化した実感は持てないのですが、徐々に融和して行く事でしょう。

 さて、三波先生が今年の3月で定年退官されました。学長補佐等を歴任し、系にとっての頼れる念者を欠く事は大変な損失でありました。しかし、後任として岐阜大学から澤田宙広氏が教授として着任され、体格同様、重みの有る存在感を放っております。また、北海道情報大学より中里浩介氏が准教授として着任されました。中里先生はスポーツ科学の研究者で、本学に爽やかな新風を与えてくれるでしょう。さらに、喜しくも柳先生、野田先生が教授に昇進されました。日本カーリング強化委員長である柳先生は2年後に冬季オリンピックを控え、多忙ではありますが気合十分。野田先生は凛として系運営、ドイツ語教育に頑張っておられます。

 新型コロナの影響で大学の教育環境も大きく変わり、オンライン教育で多くの教員が疲弊している状況です。しかし、2年後の北海道国立大学機構(樽商、帯畜との3大学連携)発足に向け、これを糧に変えるべく教職員一同、教育・研究に頑張っている所です。同窓生の皆様におかれましても、社会の大きな変化に惑わされる事無く、一層の御活躍を願っております。

(系長:山田浩嗣 記)

○中里研究室

 卒業生の皆様初めまして、2020年4月に本学の基礎教育系に着任致しました、中里浩介と申します。基礎教育系の体育・スポーツに関する科目を担当しています。さらに、冬季スポーツ科学研究推進センターにも所属し、アルペンスキーを対象とした研究を行っていきます。私は博士課程前期・後期、そしてこれまでの職務を通じてアルペンスキーを対象とした研究をしておりました。今後も引き続きアルペンスキーを対象とした研究ができる環境に着任できたことに喜びを感じております。私の専攻はスポーツ科学、特にスポーツバイオメカニクスおよびトレーニング科学ですが、本学ではスポーツ科学的な手法に加え、工学的な手法も取り入れ、研究の幅を広げていきたいと考えております。アルペンスキーが好きな方、スポーツ科学に興味のある方は、ぜひ研究室にお立ち寄りいただければと思います。末筆ながら、同窓生の皆様のご研鑽とご発展を心より祈念申し上げます。

(中里浩介 記)

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