母校だより 2017(平成29年度)


会誌発行に寄せて

北見工業大学学長(同窓会名誉会長) 高橋信夫

 同窓会会員の皆様におかれましては、益々御清栄のこととお慶び申し上げます。

 北見は、10月に入り急に気温が下がり寒くなりました。街も、広葉樹がきれいに色づき、オホーツクブルーの青空の下、美しい景色が広がっています。大学構内も桜や桂などの樹木がきれいに色づいています。大雪山をはじめ道内の山々には雪が降り、この北見も短い秋が直に終わり、冬の到来がすぐそこまできている感じです。今年も同窓会誌の発行にあたっての挨拶文を書かせていただく時期となりました。この一年を振り返りながら、北見工業大学の近況について報告させていただきたいと思います。

 この3月には、5人の先生方が御定年を迎えられました。機械工学科の佐々木正史先生、大橋鉄也先生そして菅原幸夫先生、情報システム工学科の菊田章先生、そして共通講座の齋藤正美先生です。先生方には、教育研究面はもとより様々な場面において、北見工業大学のために多大な御貢献をいただきました。ここに深く感謝申し上げます。先生方の、これからの益々の御健勝を心から願っております。また、これまでと同様、本学への御支援をよろしくお願い申し上げます。

 この紙面をお借りして、既にお伝えしていますが、平成25年11月に発出された「国立大学改革プラン」に沿って、本学にも「目に見える改革」を実施することが求められました。昨年のこの紙面で報告させていただいたように、本学では、今後の18歳人口の減少、社会構造の変革等を見据え、変化に柔軟に対応できる組織の構築を目指し、平成29年4月に現在の「6学科(+共通講座)」から「2学科」への大きな改革を実施しました。一つ目の学科の名称は「地球環境工学科」、二つ目は「地域未来デザイン工学科」です。今回の学士課程改組は、文科省が、国会議員への説明や各種説明会で使用する資料に、「注目される取組」の一つとして紹介されました。また、日本経済新聞に寄稿させていただいた記事が7月31日に掲載され、日本全国に「北見工業大学」の名を発信できました。この改革は、教職員の皆様、そして同窓生の皆様の御協力・御支援をいただいたことにより実現したものです。この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。

 大学の施設関係では、長年の懸案であった総合研究棟(機械系(旧応用機械工学科棟))の改修が実現しました。文科省に対して、平成22年度から施設整備概算要求事項として要求を始め、平成25年度からは、文科省から財務省への要求項目になりました。しかし、平成25年度、26年度、27年度については、残念ながら不採用でした。そして今回、平成28年度における「平成29年度施設整備概算要求」申請が、平成28年度補正予算事業として採用され、実現したものです。9月末に工事が完了し、工事中転居していた先生方が、引っ越し作業を開始した状況にあります。私としましても、長年の懸案事項の一つが片付いて、ほっとしている状況です。

 昨年の紙面で、カーリングに関して、学生の頑張りを報告させていただきました。男子カーリング部が、ユニバーシアード出場チームを決める予選会で優勝し、カザフスタンで行われた第28回ユニバーシアード冬季競技大会に代表として出場し、世界の舞台でプレーしてきました。結果は、3勝6敗で参加10チーム中9位でしたが、強豪チームの一つであるノルウェーから勝利をあげるなど活躍し、北見工業大学の名を世界に発信してくれました。カーリングに関して、もう一つ大きな嬉しいニュースがあります。2018年に平昌で開催される冬季オリンピックに、北見工大出身の2名が出場候補者になりました。お一人は、女子カーリングチームのLS北見に所属する鈴木夕湖選手(平成26年3月バイオ環境化学科卒)です。もうお一方は、男子カーリングチームのSC軽井沢クラブの一員になった平田洸介選手(平成29年3月情報システム工学専攻修了)です。大学をあげて、お二人の平昌での御活躍を心から願っております。同窓生の皆様も、是非一緒に応援していただければと思います。

 本学を取り巻く環境は、18歳人口の減少、厳しい大学運営予算等、これからも益々厳しくなることが予想されます。同窓生の皆様からのこれまで以上の御支援は、北見工業大学にとって大変重要となります。何卒、力強い御支援をお願い申し上げます。

 最後になりますが、同窓生の皆様の益々の御健勝と本学同窓会の益々の御発展をお祈り申し上げ、会誌発行にあたっての挨拶とさせていただきます。

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北見工業大学卒業生の皆様へ

同窓会会長(昭和56年開発工学科卒業) 鳥越 廣美

 平素より、同窓会会員の皆様方には、様々な面で、ご協力いただきありがとうございます。さらに、益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。

 今年は、地球温暖化を感じさせるような異常気象に日本列島が襲われております。梅雨時期、7月に発生した台風並びに日本特有の気象現象の線上降水帯による豪雨災害、九州北部・東北・北海道など数々の地域で災害が発生しております。

 また視線を変えてみると、隣国の北朝鮮では、核実験に始まり現在では大陸間弾道ミサイル実験にまで至り、今後の国際情勢に緊迫感が増してきています。米国トランプ大統領、北朝鮮金総書記の動向に世界が注目し、今後注視していく状況であります。これらは、ある意味では、日本にとって国難とも言える事態でもあります。

 まさに日本は、大規模化する自然災害や混沌とした社会・国際情勢の最中にあります。しかし、この様な中にあるからこそ、我々に与えられたエンジニアの使命として、出来ることは多々あるものと思います。人為的な事に関しては、ミサイル等の脅威に対する事前察知と防御システム。また自然的な事に関しては、豪雨・強風に関する事前察知システム、さらには、地震を含む災害予防インフラの構築、事後の緊急復旧等、我々エンジニアが解決すべき課題は沢山あります。業界は異なっても、これらの技術に携わる同窓生も数多くおられることと思います。関係者の皆さんのご努力を応援したいと思います。

 さて、今年度より母校のシステムが、明確な目標に集約され、「地球環境工学科」「地域未来デザイン工学科」の2学科制となりました。大きく名称は変わりましたが、エンジニア育成の工業単科大学としての存在は変わりません。従来より一層に地域に貢献し、世界へも目を向けることになります。我々卒業生が自信持ってエンジニア部門で活躍し、成果を挙げることによって、後輩たちの道を開いて行く事が出来ます。その為にもまず、卒業生間のコミュニケーションを図ることで、横断的技術の様々な知見をヒントにそれらを利用して、各々の立場で新しい技術を開発していくことが出来ると考えます。

 この一手段として、同窓会があります。同窓会で、卒業生間のコミュニケーションを図り、さらには本学の先生方との絆を作りましょう。皆さん、時代の流れに乗り遅れないように、自由に語り合え、相談もできる同窓会活動に参加することによって、つながりを作り、自分の仕事の発展に利用して欲しいと思っています。

 私の所属する関西支部では、この秋に初めて学長をお迎えして総会を開くこととなりました。北見・札幌・関東支部と違い、卒業生の少ない支部では同窓生を一度に集まってもらう事が難しくなっています。しかしながら、今回、隣接する支部である中部支部・九州支部から、3名程参加していただくことになりました。この集まりは、言い方を変えれば、従来の本部—支部の縦つながりと支部—支部の横展開となり、西日本の同窓生が集まる会になりつつあります。これは、卒業生全体のネットワーク作りにつながることにもなります。

 このように、仲間に声をかけ、一つの実績を作り上げていくことが同窓会を利用して、自由にできることと思っております。

 ちなみに、現在同窓会は、毎年の卒業生からの同窓会費で成り立っております。過去には会費納入率が80%を超える年もありましたが、最近では40〜50%程度であります。現役学生と卒業生との懸け橋でもある同窓会の維持の為に、皆様方からのご支援をお願いします。

 本学卒業生が、16,000名を超える母校となりましたが、極めて小規模の大学です。しかし、卒業生が、マトリックス的にネットワークを組めば、技術力は何百倍・何千倍にも拡がって行く事が想定されます。

 開学以来、半世紀を超える北見工業大学は、青春時代を過ごした皆さんの第二の故郷であります。そして、同窓会は、「会員相互の親睦を厚くし、北見工業大学並びに会員の隆盛を図る事。」を目的とした集まりです。新しい卒業生が各支部活動にどんどん参加し、コミュニケーションを図り、支部活動を活性化されることを望みます。これが基礎となり、同窓生間で連携のとれた力強い同窓会にしたいと思います。

 今後の同窓会は、同窓生の積極的な支部活動の参加によって、本学の現状を知っていただければ、より一層、本学繁栄につながるものに間違いありません。あの懐かしい北見・学校・下宿・学寮等々、久しぶりに覗くことで、自分のルーツを明確にでき、明日への力となるものと思っています。

 是非とも、同窓生の知恵と行動力を集め、北見工業大学本学の繁栄に寄与すべく最大の応援団として、本学とともに我々同窓会も強固な集団にしていきたいと思います。

 最後に、今後とも同窓会へのご協力をお願い申し上げますと共に、同窓生皆様方のご活躍、並びにご家族様と共にご健勝をご祈念申し上げます。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉38年を振り返って

機械工学科 宮越 勝美

 平成29年9月末、半年に及んだ機械工学科1号棟(旧応用機械工学科)の改修工事が完了し、昭和56年の竣工から37年間使用されてきた教員室・研究室・実験室は新築と見間違えるほどに変身しました。私は、昭和55年4月に旭川高専より北見工業大学応用機械工学科に石谷博美教務職員(平成28年ご退職)、斉藤(旧姓 兼田)靖子事務職員に続く6人目のスタッフ(技官)として赴任し、これまでの人生の半分以上をこの建物で過ごし、平成30年3月に定年を迎えることになりました。この38年間に所属学科名は「応用機械工学科」「機械システム工学科」「機械工学科」「地球環境工学科」と変わるなかで、「技官」「助手」「助教」「准教授」として教育・研究に携わることができましたことは、ご指導・ご協力を頂いた大学、学科の皆様のお陰と大変感謝しております。

 振り返ってみますと、着任時には応用機械工学科(現機械工学科1号棟)の建物は無く、機械工学科から移られた棟徹夫教授(名誉教授)、常本秀幸助教授(第7代学長)、谷口清一助教授は、現在の遠隔視聴覚室付近に仮住まいしておられました。私は「流体機器学講座」を開設された谷口先生の教員室に技官として同居させて頂き、学生2人と共に流体力学のコンピューターシミュレーションの指導を受けました。当時はコーディングシートに手書きしたプログラムを見ながらカードにパンチし、そのカードを入れたダンボール箱を持ってコンピュータ室に通う毎日でした。私の大学生活はプログラミングの勉強からスタートし、同時に応用機械工学科の新築工事も始まりました。

 昭和56年3月には新校舎が完成し、4月から片岡更一教授、竹内貞雄助手、中西喜美雄技官、鈴木貢技官、更に7月からは堂田誠治技官が加わりました。11人のスタッフは、新学科の完成に向け全員が一丸となって対応したように記憶しております。熱機関学の低温実験室に大型エンジンを設置する際には、学科内の助手や技官が総出で手伝うなど、講座の垣根を超えた協力が日常的に行われていました。私も他の研究室・実験室の工具や装置の保管場所を熟知しており、それらをお借りすることでスムーズに仕事をすることができました。

 谷口先生は、本学でも1・2を競う広い実験室に自ら設計された大きな還流型風洞を設置し、新学期から稼働出来るようにするため、風洞製作の鉄工会社との打合せや搬入の準備に大変ご苦労されている様子でした。さらに、新しい実験室には風洞装置の他に、旋盤やフライス盤などの工作機械も設備され、谷口先生の「充実した実験室を造り良い研究成果を出したい」との熱い思いが伝わってきました。何もなかった空の実験室に大型風洞が搬入され、研究に必要な装置を一つ一つ作り上げていく、その作業は簡単ではありませんが、自作した装置で良いデータが出た時の喜びや達成感は何物にも勝ります。私も堂田さんと協力して実験に使用するトラバース装置や流体力を直接測定できるモデルなど、多くの装置を製作しました。また、谷口先生のご指導の下、自ら作った装置で実験を行い平面壁と二次元円柱との干渉おける流体力などを明らかにすることができました。

 昭和60年には、研究者として自立するために、谷口先生が修士課程を卒業された北海道大学工学部機械工学科の流体工学第一講座に国内留学させて頂きました。10ヶ月の短い期間ではありましたが、流体工学の第一線で研究されておられた木谷勝教授から直接ご指導頂けたことは、その後の教育・研究において大変貴重な経験となった事は言うまでもありません。また、その講座の博士課程には松村昌典先生がおられ、明け方まで実験やデータ解析に打ち込まれていました。松村先生は昭和62年に北見工大に赴任され、以来、研究室の研究テーマや実験の範囲が広がったことは当然ですが、釣りやカヌー・キャンプ・登山など幅広い趣味を持たれており、研究室の学生に「よく遊びよく学ぶ」ことの重要さを実践から伝えてこられました。松村先生の豊かな才能は羨ましい限りです。

 平成2年、多くの研究成果を上げられ、さらなるご活躍が期待されておられた谷口先生がご病気になり、その後療養されておられたのですが平成7年にご退職されることになりました。ご本人の無念さは如何ばかりか、心中を察するに余りあります。

 平成10年には機械工学科から羽二生博之先生が教授として見えられ、研究室名が「流体制御工学」に変わりました。羽二生先生からデータ処理や解析法の他、論文作成において多くのご指導を頂き、そのお陰で「ノズル内の二次元物体後流による噴流の拡散制御」の研究で博士号を取得することができました。また、共通講座の柳等先生には、除雪シャベルやカーリングブラシの研究において多くのアドバイスやご支援を頂きました。しかしながら、十分な成果を出すことが出来ず、大変申し訳ない気持ちで一杯です。これまで「ものづくり」をベースに仕事をさせて頂きましたが、体力や集中力に「老化」を自覚するようになり、建物の改修に合わせて退職で出来ることは幸せに思います。

 これまでご支援やご協力を頂いた多くの皆様に心より感謝すると共に、北見工業大学の更なる発展と皆様のご健勝とご活躍を祈念申し上げます。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉お礼と思い出

地域未来デザイン工学科/社会環境工学科/土木開発工学科/開発工学科 伊藤 陽司

 1976年3月に北見工業大学開発工学科を卒業し、4月に助手に採用されて始まった教育研究活動も2018年3月末で終えることができそうです。この42年間に学生時代の4年間を加えた46年間を北見工業大学開発工学科、土木開発工学科、社会環境工学科、そして地域未来デザイン工学科で過ごす中で、“井の中の蛙”の私へさまざまな場面でお声をかけていただき、また、お力添えを賜わりました諸先生、技術部の皆さま、事務局の皆さまならびに同窓の諸先輩に心から感謝申し上げます。あわせて北見若松地域、津別チミケップ地域や知床カムイワッカ湯の沢などでの野外調査で、時にはヒグマの気配におののきながらともに汗をかいていただいた卒業生の皆さまにもお礼を申し上げます。

 42年間の教育を振り返ってみますと、助手時代には地学・鉱物学・岩石学・地質学分野の実験・実習・演習を担当しましたが、学生の身から一夜明けたら教壇に立つことになった私にとって学生時代の板書ノートとそれに書き加えていたメモが大いに役立ち、以来「ノートは学生時代の財産である」と学生に強調してきました。2002年4月以降の助教授/准教授時代には専門科目として学部では地圏環境防災工学や地圏環境防災工学演習などを、そして大学院博士前期課程では防災地盤工学特論を担当しました。いずれの科目も当初は準備に追われていた感がありますが、現場での調査や他機関の研究者・技術者の方々との討論の成果も加わって、受講学生の評価は置いておいて、自分では有意な授業を展開してきたと思っています。

 42年間の研究を振り返ってみますと、当初は「MnPbZnAuAg鉱脈鉱床の研究」に重きを置いていましたが、調査対象としていた鉱山の閉山もあって1985年頃から「地すべりの研究」へと次第に移行し、この分野での取り組みがライフワークとなりました。とくに、1988年から参画した地すべり学会北海道支部研究小委員会(委員長:北海道立地質研究所 山岸宏光氏)での活動が以後の研究の大きな糧となりました。活動の中心は3〜5年間で「北海道の地すべり分布図」を作成・出版することを目指したもので、既存のデータを集成編纂するのではなく、新たに北海道全域を網羅する空中写真の立体視判読を行って斜面変動の痕跡の認められる斜面“地すべり地形”を抽出し、分布図として著すというものでした。私は主にオホーツク地域の写真判読と解説を担いましたが、私が使用した空中写真の大半は卒業研究でもご指導いただいた志保井利夫教授が在職されていた開発工学科時代に別な目的で購入収集されていたもので、1980年頃にどのような地域の写真があるのかなと思って私が評定・整理していたものでした。作業着手時には何か運命的なものを感じたのを覚えています。活動の成果として1993年3月に18名の共著として「北海道の地すべり地形−分布図とその解説」が、1997年2月には5名の共著として「北海道の地すべり地形データベース」が北海道大学図書刊行会(現北海道大学出版会)から出版されました。このような作業を行う中で私は地すべり地形の斜面がどの程度動き易いのか、どの程度危険なのかといったことを判定し、情報として提供できないかということにも取り組んでいました。論文用の図表類の全てを手書きの墨入れで仕上げることに拘ったために少し時間を要しましたが、地形変遷と実際の地すべり災害とを関連付けた斜面の安定性評価を取りまとめ、1998年3月に北海道大学から学位を頂くことができました。その後もこの視点での研究は続き、石丸 聡氏(北海道立研究機構地質研究所)をチーフとした9名の共同作業によってAHP(Analytic Hierarchical Process、階層分析法)の手法を取り入れた判定法を構築して2013年に提案し、道内各地を対象に有効性の検証を継続してきました。

 教育研究活動に加えてもう一つ重要なのが、市民の皆さまとの「災害ボランティア」の協働でした。地すべり災害の現場での調査や甚大な災害の報道の度に「減災・防災には人ぢからが不可欠」ということを意識するようになり、多少なりとも貢献できることがないかを模索しました。2006年に日本防災士機構 防災士の認証を受け、防災啓発を中心とした活動に関わる中で、人との関係も含めて多面的な見方ができるようになったかなと思っています。

 42年間の教育研究活動は必ずしも順風な時ばかりではありませんでしたが、私の大学卒業を目前に他界した母親からよく聞かされていた「人事を尽くして天命を待つ」「人は必ず見ている」を頭の片隅に歩んできたつもりです。2009年8月には余命を宣告される事態に陥りましたが、何とかこの世に留まることができました。

 今後は晴れた穏やかな日には屈斜路湖、阿寒湖やチミケップ湖でカヌーを漕ぎ、雨の日は山岳や考古をテーマにした書を読む、「晴漕雨読」で過ごしたいと思っています。

 皆様のご健勝とますますのご活躍をご祈念申し上げます。長い間お世話になり、ありがとうございました。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉チームLSI北見の結成と解散

電気電子工学科 谷本 洋

 電機メーカーに就職して20年間勤務し、縁があって北見工大に来てから18年経った。早いもので、もう定年退職の時期になった。私が企業から大学に移るときに、回路の業界では有名な某教授に転職を報告したら、「企業から来た先生は最初はいいんだが、すぐに独創的なテーマが出なくなることが多い」と呪いをかけられ、そういう事にならないよう努力しようと思ったことを思い出す。

 2000年の4月にアナログLSI設計が専門の教員(監督)として北見工大に着任。これからできるチームの研究課題を何にしようかと考えた。当時は、学生がLSIの設計・試作・評価を経験できる大学はごく限られていたので、まずアナログLSIの設計環境を整えることにした。研究では以前から関心のあったRCポリフェーズフィルタ(アナログ複素係数フィルタの一種)の設計理論が未整備であることから、その研究を採り上げた。さらに、破竹の勢いで進行していたLSIの微細化に対応するため、アンプ等のアナログ回路を1ボルト以下の電源電圧で動作させるための研究をターゲットとした。

 ということで、思い出といえば何といっても北見工大にLSIの設計・試作ができる環境を整え、実際に設計・試作・評価を何回も実施したことである。中でも回路設計の結果を出図する、いわゆるテープアウトは締切に1分でも遅れたらゲームオーバーという過酷なものであるが、実社会では普通のことである。実際にプレイ(設計)をするのは主に大学院生であるが、皆初めての経験なので作業量の読みが甘く、締切ぎりぎりになってもレイアウトが完成しないという、「地獄」を味わったものと思う。テープアウトが近づくと、私自身は何も手伝う事が出来ないが、夜遅くまで学生に付き合ったり、土日も出勤して見守った。そんなに頑張っても、出来上がったLSIを測定してみると予定通り完璧に動作することは少なく、どこかしら問題がある。それでも自分で設計したLSIが一応動作すると学生は嬉しそうにしていた。それで何かのスイッチが入って、もっとやってみようと思うようになり、LSI関連の企業に就職する学生が輩出したのだろう。

 着任の年には5名の卒研生が研究室に来てくれ、うち2名が大学院に残ってくれた。その後も毎年大学院へ進学する学生がいて大変ありがたかったが、18年のうちで2回だけ大学院進学者が途切れた年もあった。また、一人もドクターを出さずに退職することになるかと思っていたが、幸運にも最後の最後に非常に優秀な杉本俊貴君が後期課程へ進んでくれ、私と一緒に修了の予定である。延べ111名の学生がチームメンバーとして活躍した。

 さて、設計環境であるが、回路シミュレータを除けばLSI設計環境立ち上げは進まず、学生たちには初期の数年間、個別部品で回路の設計・試作・評価をしてもらった。もっとも、LSIの試作(製造)には百万円単位の費用を要するので、設計環境だけが整ってもおいそれと試作はできない。幸い、半導体理工学研究センター(STARC)との共同研究で費用の目途がつき、実際に試作できる環境が整ったのは2005年3月であった。思ったよりずいぶん時間がかかった。LSIの設計環境は膨大なCADソフトウェアの組み合わせからできており、計算機に弱い私に代わって、はじめ柳沢英人助授、のちには吉澤真吾准教授がインストールやシステム更新の面倒を見てくださった。

 当初米国のMOSISという、大学のLSI試作をサポートする非営利組織を通じてTSMC社(台湾)に製造してもらったが、LSIはハイテク製品であるため米国の輸出管理令等の絡みもあり、その契約のためには財務に関する権限のある学部長クラスのサインが必要であるとのことで、学長・副学長や事務局に説明して回った。契約書の和訳を提出せよと言われたり、「自分は署名したくない」と仰る方まで出る始末で、最終的には当時財務課長であった下坂昌巳さんが署名して下さり無事契約に漕ぎつけることができたが、非常に苦労した思い出である。

 LSI設計環境が立ち上がってからは、当初の方針に従ってSTARCとの共同研究ではRCポリフェーズフィルタと低電圧動作するアンプを組み合わせた広帯域無線通信用のLSIを試作し、結果をVLSI Circuit Symposiumで発表した。また、試作のため学長裁量経費を頂いたこともあった。ルネサステクノロジとの共同研究では同社の製造プロセスで0.5ボルトで動作するオペアンプなどを試作することができた。また、トッパンテクニカルデザインセンターとの共同研究では2GHz帯の低雑音可変周波数発振器を試作した。その後、2回科研費申請が採択され、低電圧で動作する確率的フラッシュAD変換器LSIや、周波数変換器と一体化したAD変換器LSIを提案し、実際に試作もした。自分で言うのもナンだが、全部普通でない回路であるから、大先生の呪いは解けたと思う。

 数えてみると13年間に11回のLSI試作を行ない、20名の修士と学部生にLSIの設計・試作・評価を通して経験させることができた。LSI、特にアナログLSIの分野では作ってなんぼ、それがきちんと動いてなんぼの世界なので、実際にLSI設計を経験した学生を世に送り出すことができたのは、工業大学の教員として意味のあることだったと思っている。しかし、私がいなくなるとこのLSI設計環境を使う人もいなくなり、チームも解散だと思うと大変残念だ。

 最も心残りなのは2名の卒研学生を自殺で失ったことである。もう少し日常の様子を細かく見ることができていたらなあ、といつも思う。

 さて、もうすぐ退職するという自覚が湧かなかったが、これを書いてやっぱり定年なんだなあと思った次第。チームLSI北見の旧メンバーやお世話になった皆様、長い間ありがとうございました。オリンピック出場はならなかったけれど楽しかったよ。

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同窓生の活躍

今年も卒業生の協力で技術セミナーを開催

 本学では平成19年から社会貢献の一環として、本学出身の技術士にご協力いただき、技術士の資格取得希望者を対象とした講義や添削指導等による、資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年実施しており、今年で11年連続の開催となりました。

 今年の講座は、札幌においては、北海道教育大駅前サテライトを会場として、林 克恭氏(昭和59年土木工学科卒 (株)福田水文センター)、岩倉 敦雄氏(昭和59年土木工学科卒 (株)構研エンジニアリング)、小杉 勝則氏(平成2年土木工学科卒 (株)北未来技研)、佐藤 之信氏(平成2年開発工学科卒 (株)豊水設計)、天内 和幸氏(平成8年開発工学科卒 (株)FAプロダクツ)、岩渕 直氏(平成17年土木開発工学専攻修了 (株)構研エンジニアリング)、中本 篤嗣氏(平成14年土木開発工学専攻修了 (株)福田水文センター)の7人の講師陣で実施され、北見においては、本学を会場として、橘 邦彦氏(昭和51年開発工学科卒 (株)パル設計事務所)、牧野 勇治氏(昭和55年開発工学科卒 (株)中神土木設計事務所)大澤 公浩氏(平成10年土木開発工学科卒 遠軽町)、平 成晴氏(平成11年土木開発工学専攻修了 太平洋総合コンサルタント(株))他1人の5人の講師陣で実施され、それぞれの会場において全4回の講義を開講しました。

 本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、募集と同時に定員に達するほど大変好評を博している講座です。

 当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。

 筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も受講生から多数の合格者が出ることが期待されます。

 また、平成23年から開催している土木・建設関係の技術者に最新技術動向や建設コンサルタントを取り巻く状況等について情報提供を行う技術セミナー「建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム」では、受講者から複数回開催の要望が多数あったため、昨年から年2回実施することとなり、本年は7月と9月に開催しました。

 第1回のセミナーでは本学卒業生の橘 邦彦氏、岩倉 敦雄氏と土木工学科卒業の早川 博氏(本学地域未来デザイン工学科教授)に加え、本学地球環境工学科准教授 宇都 正幸氏を講師に、また、第2回のセミナーでは、本学地域未来デザイン工学科准教授 井上 真澄氏、網走開発建設部から皆川 昌樹氏と天野 広之氏が講演しました。

 参加者のアンケートでは大変興味深い内容の講義に対する謝辞とともに、次年度以降も引き続き開催を強く望む意見が多数寄せられました。

(研究協力課)

技術セミナー(技術士養成支援講座)開講式で挨拶する本学卒業生の講師陣(北見会場)

技術セミナー(建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム)の受講風景

技術セミナー(建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム)で講演する左から早川、橘、岩倉の各講師

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サークル等活動報告

○弓道部

 私たちは現在部員43名で活動しています。普段の練習は主に週6回、工大弓道場で行っています。練習内容は、矢を4本持ち射場に入り乱立立射で行います。仲間同士で指摘しながら、各々の目標に向かって日々精進しています。現在は、男子2部リーグ女子3部リーグに所属しています。今年度に行われるリーグ戦に勝利し、男子女子共にリーグ昇格することが弓道部全体の目標です。

 今年度の大会成績は、全道学生弓道選手権大会・男子Aチーム、Bチーム決勝トーナメント進出、北海道地区大学体育大会弓道部門・男子団体準優勝、全日本学生弓道選手権大会個人決勝・男子3名、女子1名進出と、とても良い結果を残すことができました。いずれも皆様の応援によるもので、この場を借りてお礼申し上げます。

 また、北見工業大学同窓会様から頂いた寄付により、弓道部全体の道義を新しく購入することができましたこと、深くお礼申し上げます。

 結びとなりますが、これからも応援くださるよう、よろしくお願い致します。

(部長 葛西 玲夫 記)

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○トランポリン競技部

 私たちトランポリン競技部は、藤田一郎先生監督のもと、週4から5回ほど体育館でトランポリンの練習をしています。今年で部創立51周年を迎え、OBさんたちとのつながりも深く、伝統を大切にしています。普段の練習では怪我などに十分注意し、みんな気を引き締めて技術向上に努めています。練習のほかに主なイベントとして新入生歓迎会、夏合宿、追い出しコンパなどがあります。この他にも、子供たちの大会の運営の手伝いや、北見盆地祭りでの子供たちにトランポリンを跳ばせるイベントなどで、トランポリン競技の普及に貢献しています。先日は全日本学生トランポリン選手権大会に出場し、Bクラス男子シンクロナイズド競技4位等の好成績を残しています。部員全員が大学からトランポリンを始めているため、全国の幼いころからやっている選手たちにはまだかなわないのですが、みんなトランポリンという競技の魅力にとりつかれ、4年生でもほとんど全員が10月にある全道選手権大会に出場するほど一生懸命練習に励んでいます。この度いただいた助成金は、大会の時に審判をしてくださったOBさんへの寸志などに使わせて頂きました。これからも応援よろしくお願いします。

(部長 中村涼太 記)

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=学科だより=

機械工学科

 この春に大橋先生、佐々木先生、菅原先生が退職され、大学の人件費を抑制する目的で2、3年前から多数の若い特任助教の方々が採用され、学科の平均年齢がかなり下がりました。8月の教職員ミニバレーボール大会で久しぶりに優勝し、学科に活気が出てきました。

 毎年関東支部にご支援いただいておりますロボコンは、今年は完成度が僅かに及ばず、本戦出場を逃しました。学生らはこの悔しさをバネに来年度に向けて頑張っています。

 機械工学科1号棟(旧応用機械工学科棟)は春から改修工事が行われ、9月末日に完成してとても明るくモダンな雰囲気となりました。学内誰でも気軽に機械工作が行える「ものづくり工房」はマテリアル工学科棟の奥という不便な場所から情報とマテリアルへの廊下交差点角という全学の研究室から見てとても便利な場所にリニューアルオープンすることになり、担当技術員の方々もはりきっています。その向かいには一面ガラス張りの多目的ラウンジができて、学生や教職員のコミュニケーションの場として活用されます。特に大きな壁一面がホワイトボードとなっており、学生がプレゼンテーションの練習もできてとても良いと思います。

 平成29年度からの二大学科制学部改組により機械工学科の熱・流体系は地球環境工学科の「エネルギー総合工学コース」に、生産・個体系は地域未来デザイン工学科の「機械知能・生体工学コース」に分かれました。授業は両コースで相互乗り入れして機械系の教育のコアを堅持して行きます。電気電子系の教員らも参画して機電工学的色彩が加わり、IoT時代への対応が強化されます。リニューアルした学科棟をぜひ見にいらして下さい。

(専攻主任 羽二生博之 記)

○材料力学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。現在材料力学研究室は柴野教授、大森技術員、吉田のスタッフ3名、M2:3名、M1:2名、学部5名の総勢13名です。研究では、7月14~17日に兵庫県にある放射光施設(SPring8)に行き、放射光白色X線による材料内部の延性損傷評価のための測定を行ってきました。また、これまでと同様に病院や医科大学との研究も続けていますし、ウロコ、エビ、ウニ、カニ等の生物硬組織のテーマにおいては学会発表を行うまでに研究が進んでおります。進路では、今年も4年生1名が本学の大学院に進学します。修士2年生3名と4年生4名の就職も無事に決まりました。大森さんのGo on foot(毎年7月の第一週土曜、北見工大から網走駅までを歩く研究室イベント)も元気に活動を続けています。卒業生の方々も、また、歩いてみませんか? 北見に来られる際は、是非、研究室にお立ち寄り下さい。末筆ながら皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

(吉田裕 記)

網走駅前にて(2017年7月1日)

○計算力学研究室

 今年度の研究室のメンバーは、佐藤准教授、長谷川技術員、河野のスタッフ3名と、博士前期課程2名、学部7名の学生9名です。これまで通り、結晶性の材料や人体等、様々なものの力学特性を数値シミュレーションによって調査する研究を行っております。学生達は、進路活動がひと段落し、研究に本腰を入れ始めた様です。

 大橋先生は、昨年度に定年を迎えられましたが、北見工大の特任教授となり、大きなプロジェクトのリーダーとしてご活躍されております。安田特任研究員は、金沢大学へと異動し、バリバリと研究されております。昨年度に博士後期課程を修了した奥山君は九州大学に就職し、リディアナさんは母国へと帰国されました。河野は特任助教として、今年度より北見工大に在籍させて頂いております。

 卒業生の皆様の益々のご活躍をお祈りしております。また、北見へお越しの際は是非研究室へお立ち寄り下さい。心よりお待ちしております。

(河野義樹 記)

恒例の大雪登山(黒岳山頂)にて(2017年7月15日)

○伝熱システム研究室

 今年の前半は、機械工学科1号棟の改修工事に伴い、研究室・実験室とも隣接する2号棟旧エネ環研究室・実験室に仮移転しておりましたが、10月に1号棟に復帰しました。今年、研究室の学生は、2名のM2(佐藤、劉)、5名のM1(秋山、高田、中垣、瓶子、松尾)に加え、6名の4年生(乾、片岸、木原、千賀、林、森野)が配属され、総勢13名の所帯となりました。就職も順調でM2、4年生各2名とも希望通りの会社に内定しました。残り4名の4年生も大学院進学が決まり、落ち着いて卒業研究に集中しています。8月5日は恒例の「おもしろ科学実験」への全員参加。9月23日には、釧路で開催された機械学会道支部講演会で佐藤君、劉君がいずれも立派な発表を行ってくれました。その他、特任助教の胡杰先生は今年からエンジンシステム研究室で燃焼研究を継続されています。2月から新たに特任助教として羽二生稔大先生が加わりPIVテーマに取り組まれるなど、教員層も徐々に若手に移行している今日この頃です。高齢化にひた走る私も中西さんもしっかり元気に活動しています。最後に、卒業生皆様の今後のご活躍・ご健勝をお祈り申し上げます。

(山田貴延 記)

○エンジンシステム研究室

 卒業生の皆さま、お元気でご活躍のことと思います。今年は二つのビッグニュースがあります。一つめは、今年から研究室に新たなスタッフが加わったことです。昨年度伝熱システム研究室の特任助教であった胡杰先生が、今年度からエンジン研の助教を担当することになりました。胡先生は燃焼工学をご専門とされているので、エンジン研究の力になってくれるものと期待しています。二つめのニュースは、研究室が入っている建屋の改修が行われたことで、10月には新しい研究室に引越しを行う予定です(9月末現在)。この改修により低温室の設定温度が-40℃以下まで可能になるなど、実験環境が大きく改善され今後の研究が楽しみです。

 今年度は6名の卒研生が配属され、3名のM1、3名のM2と協力して研究に励んでいます。また、生体メカトロ研とともに恒例のママチャリレースに参加し、上位入賞を果たしました。卒業生の皆さま、改修で生まれ変わった研究室を見学しにぜひ遊びに来てください。

(林田和宏 記)

○流体工学研究室

 卒業生の皆様方におかれましては、元気にご活躍のことと存じます。今年度の流体工学研究室は、羽二生教授、小畑技術員と髙井のスタッフ3名と、D3が1名(社会人)、M2が4名、M1が3名、学部が8名です。研究は渦構造、流れの非線形干渉、流力振動などの研究課題と空撮システムの実用化を継続して取り組んでいます。

 小畑技術員は今年3月で定年を迎えられました。長年のご功労に感謝の念に堪えないところですが、4月以降技術部再雇用職員としてまだまだ仕事を続けられ、研究室と技術部とで支援をいただいています。羽二生教授は、学科改組により学科長の役を終えられたはずのところ、機械系の長としての雑務や仕事はさほど減らないようで、かえって忙しそうです。御二人は時々「あと何年」といったことを口にされています。卒業生の皆様におかれましては、御二人がご在職のうちに研究室を訪ねていただき、近況やご活躍の様子をお知らせください。

(高井和紀 記)

○流体制御工学研究室

 今年も個性的な4年生4人がメンバーで、受講やアルバイトに忙しい日々を送っています。フラッピング噴流の混合・拡散作用の制御メカニズム、カーリングのスイーピング力測定装置による支援や装置の改良、デリバリーにおけるハック反力測定装置などに関する研究や試作は、技術部の佐藤敏則さん、堂田誠治技術専門員、山田忠永係長、石澤真也技術専門職員、また、PCに関しては長谷川稔さんのご支援を頂きながら進めています。また、6月の大学祭では柳等先生やカーリング部のご協力の下に、SVBL実験室に来られた学内外の方にスイーピング力の測定を体験して頂きました。好評であったスイープ力波形の表示は、技術部情報処理支援グループのみなさんのお蔭です。

 来春には私(宮越)の退職でこの研究室を閉じることになります。これまで研究室を支えて頂いた多くの卒業生や教職員の皆様に心より感謝申し上げるとともに、皆様のご健勝とご活躍をお祈り致します。

(宮越勝美 記)

○計算流体力学研究室

 研究室卒業生の皆様お元気ですか?平成29年度は、学部4年生4名と私の計5名で、マイクロスケールの粒子/気泡を用いた乱流抵抗低減/流体輸送効率化に関するテーマに取り組んでいます。本年度は、機械工学科1号棟の改修工事のため、2月から、ダンボール箱が積み上げられた部屋の片隅で不自由な生活を強いられてきましたが、10月中には元の部屋に戻れる予定です。近隣の研究室、部室、弓道場からの騒音から離れられるのは大歓迎なのですが、工事の際に取り上げられたエアコンの購入と設置(ともに自己負担)が悩みのタネです。大学内では、本年度の一年生より、新カリキュラムがスタートしました。授業内容は、専門科目がより一般教養化され、授業や研究室所属学生のために使える費用(基本)が、約半分に減りました。昨年度までに本学を卒業した学生にはよかったのですが、本年度以降在籍する学生にはちょっと気の毒です。

(三戸陽一 記)

○応用流体工学研究室

 今年度のメンバーは、4年生(5人)、M2(3人)と佐藤技術員、松村です。M1がいないので、各種行事等の企画、実行は、すべてM2が中心となっています。したがって今年度前半のM2は、就活等もあり、大変忙しくしていました。2月の卒業旅行は、知床で流氷ウォークを実施しました。びっしりと張り詰められた流氷帯の中で、小さな氷の割れ目を見つけ、そこに飛び込んで楽しみました。 キャンプでは、久しぶりに登山に挑戦し、紅葉の始まった富良野岳に登りました。私達の研究室・実験室のある機械1号棟は、3月から半年間、改修工事が行われています。そのため研究室・実験室は一時的に仮設場所に移転し、現在は不自由な研究生活を送っています。10月末には元の場所に戻りますが、年2回の引越作業は大変です。でも11月からは、少しきれいになった研究室・実験室で、また頑張りたいと思います。卒業生の皆様も、新しくなった研究室・実験室を是非見に来て下さい。

(松村昌典 記)

流氷ウォーク

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度の当研究室は、教員が2名(ウラ・久保)、技術員が1名(杉野)、D3が1名、M2が1名、M1が1名、研究生が1名、学部4年生が7名の計14名のメンバーで構成されております。そのうち3名が留学生で、2名は今年の後期から当研究室に所属いたしました。M2の佐藤さんは昨年から一年間、ポーランドに短期留学生として滞在していました。来年3月にD3のシャヒヌルさんとM2の佐藤さんは修了予定です。また学部生のうち、2名が本学の博士前期課程に進学し、残りの5名は無事就職が決まりました。当研究室では、「3次元付加製造」、「CAD/CAM」、「インターネットを用いた次世代生産システム」、「超精密表面トポグラフィ」、「木工製品開発」のテーマについて研究が続けられております。今年、研究室のメンバーは国際会議「CIRP LCA17」「CAD17」 に参加しました。最後に、皆様のご健康と活躍をお祈り申し上げます。

(B4 内海竜之介・内田真士 記)

○生体メカトロニクス研究室

 同窓生の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。今年は、鈴木聡一郎教授、星野洋平准教授、楊亮亮助教、曹贏助教ともにM2が3名、M1が5名、学部が12名の大所帯で、研究だけでなく、課外活動にも積極的に取り組んでいます。鈴木先生は冬季スポーツ科学研究推進センター長として、スキーブーツ設計、スキー動作解析システム及びシットスキーの開発に関する研究で成果を出しつつ、今後も邁進します。またかぼちゃの収穫と加工システムなどの農業機械の高効率化の研究を星野先生と楊先生の体制で本格的に進めており、受動歩行、膝継手、腰部負担軽減についても興味深い研究結果が得られています。全日本ママチャリレースでは、3研究室混成の3チームはママチャリクラスで4位、5位、13位と激走しました。ロボットトライアスロン2017では研究室からの4年生チーム1チームが見事完走しました。ご支援頂いた卒業生の皆様には心から感謝いたします。是非、研究室をお訪ね下さい。

(曹贏 記)

○知的システム工学研究室

 研究室の名前の由来は、遺伝的アルゴリズム(GA)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、機械学習(ML)、人工生命(AL)、エージェント等の技術がスマートエンジニアリング(知的工学)と呼ばれ、これらの新技術を用いて工学的に色々な実問題へ取り組みたいとの思いから付けました。主な研究内容は、進化計算と機械学習による自律的な行動獲得、大規模問題によるハイパフォーマンスコンピューティング、物理法則に基づくアニメーティッドロボットの三本柱となっております。

 研究室では、昨年同様に北海道支部や全国の学会で活発に研究成果を発表しています。また8月中旬頃には、北海道情報大学古川研究室、北見工業大学鈴木研究室と知的システム工学研究室の3研究室で1泊2日の夏旅行(深川まあぷオートキャンプ場)が開催され、パークゴルフやバーベキューなどで楽しいひと時を過ごしました。

 卒業生の皆様、北見にお越しの際には是非知的システム工学研究室にお立ち寄り下さい。

(渡辺美知子 記)

夏旅行

△top


社会環境工学科

 卒業生の皆様、ご健勝のことお喜び申し上げます。まず、悲しいお知らせからお伝えしなければなりません。10年前に学科を退職された内島邦秀先生が今年4月10日に行年76歳でお亡くなりになりました。多くの卒業生や縁のある方が葬儀に参列され在りし日の先生を忍びました。

 昨年の連続台風が北海道に大きな災害をもたらしたことを契機に、本学の研究推進機構(http://www.kitami-it.ac.jp/about/research-suisin/)の中に強靱な国造りのために新たなプロジェクトとして学科の渡邊康玄教授がユニット代表となり「複合型豪雨災害研究ユニット」が結成されております。これまで社会環境工学科の教員が代表となって研究を進めていた「表層型メタンハイドレート研究ユニット」、「水環境工学研究ユニット」、「雪氷研究推進ユニット」などを含む9ユニットに新たに加えられました。

 今年4月には全国から432人の新入生を迎えて新学科は2学科8コースとしてスタートいたしました。これから1年半の基礎教育として、物理、化学、数学などの理系の基礎教育科目やコミュニケーション力や語学力などの教育を受け、2年後期にコース移行します。社会環境工学領域と深く関連する「地球環境工学科・環境防災工学コース」と「地域未来デザイン工学科・社会インフラ工学コース」(http://cee.civil.kitami-it.ac.jp/info/post-2051/)については、技術士・測量士・土木施工管理技士などの資格をこれまで通り有利に取得できるカリキュラム構成を残しつつ新たな学科の特徴を活かした講義にするための取組を進めております。

 改組後の学科は「社会環境工学領域」として教員の教育研究グループが積極的に活動しています。特に若松ばんえい競馬場跡地を「オホーツク地域創生研究パーク」と呼称を改めて今年度活発に利用計画が進められております。

 新学科に変わったとはいっても今後3年間は社会環境工学科の卒業生を社会に送り出す役目は続きます。卒業生の受入をよろしくお願いします。

 今年も卒業生の皆さんと色々なところでお会いしますが皆さん活躍している姿を拝見する度に頼もしく感じています。今後も北見工大が母校であることを誇りにご活躍下さい。

(専攻主任 三上修一 記)

○河川防災システム研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。今年度の河川防災システム研究室では、渡邊康玄教授の下で学部4年生が5名、大学院1年生が2名、大学院2年生が2名の計9名で活動しています。後期に入り、各々の学生が卒業や進学に向けて一層気を引き締めて研究に励んでおります。また、昨年に北見へ上陸した台風による被害の状況を実際に視察したことで、研究を通じて社会に貢献していきたいと強く感じています。

 最後になりましたが、卒業生の皆様、ご機会があれば是非とも研究室にお立ち寄り頂き、近況などをお聞かせ下さい。研究室一同、皆様のご活躍を心よりお祈り致しております。

(M1 秋山瑶貴 記)

○河川・水文学研究室

 研究室OBをはじめ、皆様には残念なお知らせです。内島邦秀先生が今年4月10日に逝去されました。内島先生は中央大学大学院を修了後、1967年(S42年)に(旧)土木工学科に赴任され、土木工学科1期卒業生から交流があり、2007年(H19年)に退職されるまでの40年間に渡って多くの卒業生の記憶に残っている先生です。研究室コンパではお酒が入ると、激励の意味で隣に座って肩を強く叩かれた記憶のある方も多いでしょう。野外調査へも帯広、釧路、紋別など各地へ学生を乗せて先生自ら運転し、時にはスピード違反で止められた現場にいた方もいると思います。内島先生の思い出は尽きませんが、ご冥福をお祈りいたします。

 さて、今年の研究室メンバーは院生M1:1名、学部生:5名です。今年はゼネコンに1名、地方公務員1名、進学予定3人の状況です。研究は河川分野以外に、ドローンの有効利用に関した取り組みも始めていますので、興味のある方は研究室にお問い合わせ下さい。

 最後に研究室OBの皆様、機会があれば是非とも研究室にお立ち寄り下さい。

(早川博 記)

○環境水理研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?本年度の当研究室のメンバーは私と学部学生4名です。お陰様で学部生4名とも全員早々に就職が内定し、現在は卒業研究に日夜励んでおります。昨年も書かせていただきましたが今年も台風18号が日本列島を縦断し、全国各地に甚大な被害を与えております。皆さんも復興計画、作業等で何かとお仕事が大変かと思いますが住民の皆様が安心して暮らせるようお仕事頑張ってください。また、何かの用事で北見に来られることがございましたら是非当研究室にもお立ち寄りください。心より歓迎いたします。

(中尾隆志 記)

○水処理工学研究室

 卒業生の皆さま、お元気でしょうか。今年度は2名の大学院生、5名の学部生が駒井先生の研究室に所属しています。各々は、釧路湿原、コムケ湖、知床、阿寒湖、濤沸湖、アルジェリアなど、様々な水環境での物質動態や汚染、将来予測などを主なテーマにして、現地調査や分析、ゼミ、論文〆切に日々追われつつ、楽しく研究しています。諸先輩方の来学を楽しみにしていますので、機会がありましたらぜひ研究室にお立ち寄りください。

(B4 佐藤辰哉 記)

歓迎会

○地盤工学研究室

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。今年の研究室のメンバーは、M2が2名、4年生が5名の7名です。4年生では2名が大学院進学予定です。相変わらず海洋調査を実施しており、6月枝幸沖(北洋丸)、7月網走沖ROV(第一開洋丸)、8月バイカル湖、9月網走沖(北辰丸)、11月十勝沖(おしょろ丸)です。バイカル湖には初めて大学院進学予定の4年生2名が参加しました。三度目の挑戦の網走沖ROV調査では、海底から湧出するガスや生物群集、ハイドレートの撮影に成功し、プレスリリースも行いました。主に道内ですがニュースにもなり、NHKの取材もありました。

(山下聡 記)

○凍土・土質研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?現在、研究室には社会人Drが3名、M2が1名、M1が5名(留学生2名を含む)、4年生が4名おり、9月には初めて社会人Drの卒業生も誕生しました。いつものことですが、実験室では計測現場の準備作業が常に行われており、様々な研究機関や企業方が頻繁に訪れる状況が続いております。本年度は旧北見競馬場をお借りして、実物大の斜面安定工や補強土壁を構築するのが、大きなイベントとなっております。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り頂き、近況などを聞かせてください。お待ちしています。

(川口貴之 記)

○寒地岩盤工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年の研究室のメンバーは、教員が中村、渡邊、平松、4年生が衛藤、齋藤、内藤、山口、高橋、修士が川内谷、田中、岸川、博士が宋の合計12名です。このメンバーで研究やコンパ等楽しく過ごしております。研究室の近況ですが、中村と宋は米ミネソタ州・ダルースで開催された国際会議『ASCE Congress on Technical Advancement』に出席いたしました。宋がX線CTを用いた凍土の内部観察に関する研究発表を行い、高い評価を得ることができました。卒業生の皆様、来北の際には、是非、研究室へ顔を出してください。

(中村大 記)

○地圏環境防災研究室

 卒業生の皆さま、お変わりありませんか? 今年も研究室は4年生4名と少数ですが、それぞれ取りこぼした科目単位を気にしながら、設定したテーマでの調査研究に取り組んでいます。今年度で私は定年退職となりますので、最後の研究室活動です。2002年4月に地形工学研究室として活動を開始し、2012年4月からは地圏環境防災研究室と改称しましたが、「野外で真っ先に目にする地形を指標として地圏環境の保全と活用や地質災害の発生要因解明と防止に関わる調査研究」に取り組んできたつもりです。皆さんの調査研究の成果(研究発表アブストラクトや黒表紙に金文字で製本した卒業論文・修士論文)と各年次の研究室集合写真はしっかりと保管しています。

 今年も地球上の各国、各地で甚大な被害をもたらした多様な事象が発生しています。私たちの生活する場の成り立ちと可能な限り時間を遡って何が起こってきたのかを把握した上で地域の特質に適合したハード、ソフト両面の減災・防災対策をすすめることが求められています。私たちの生活を支えるインフラの劣化も、ソフト面も含めて確実に進行していますし、私たちの生活のしかたにも被災を大きくする要因が潜んでいます。

 皆さんが担っている“安心・安全の確保”、“自然環境の保全”、“健康環境の創造”といった役割は、ますます重要になってきています。健康第一! 皆様のご活躍を心からご祈念申し上げます。開発工学科、土木開発工学科、そして社会環境工学科の卒業の皆様、長い間、本当にありがとうございました。

(伊藤陽司 記)

○構造・材料系研究室(維持管理工学研究室・地震防災工学研究室・コンクリート工学研究室)

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?今年度も構造・材料系の3研究室では、三上教授、宮森准教授、井上准教授、山崎助教、齊藤助教、崔助教、坪田技術員、技術補佐員の岡田さん、研究補助員の苅谷さんにご助力いただきながら、総勢34名で日々研究や講義に励んでおります。大島先生は3月で特任教授の任期を終えられましたが、現在も網走測量設計協会の技術講座の関係で大学に定期的にいらっしゃっています。昨年度まで研究補助をお願いしていた北尾さんはご家族のお仕事の都合で退職されました。

 維持管理工学研究室では、M1が1名、B4が4名で日々研究を進めております。主な研究としては、局部振動加振法による橋梁の欠陥検出、橋梁の欠陥検出と劣化予測へのニューラルネットワークの適用、非破壊検査を用いたRC床版の劣化予測、FEMによる鉛プラグ入り免震装置の挙動解析などの研究を行っております。

 地震防災工学研究室ではD1が1名、M1が4名、B4が5名で研究を行っております。主な研究としては、スマートセンサーを用いた振動解析による損傷程度の判定、加速度センサーを用いて鋼橋の変位に対する温度依存性を調べる。など、構造ヘルスモニタリングについての研究や、免震装置の低温載荷実験値からモデル化された橋梁の挙動に対する研究、昨年の台風により被害を受けた橋梁の被災状況から特に橋台形式に着目した研究などを行っております。社会人ドクターの門田さんは9月で博士(工学)の学位を無事取得されました。

 コンクリート工学研究室では、M2が1名、M1が2名、B4が5名で日々研究に励んでおります。主な研究としては、低温環境下の性能に優れた高性能な耐寒剤の開発や新しい給熱養生システムの構築、コンクリートおよびアスファルトコンクリートの自己治癒機能に着目した研究、コンクリートに含まれる亜硝酸イオン量の測定方法の検討などを行っております。

 最後になりましたが、北見へお越しの際はぜひ、研究室へお立ち寄りください。研究室時代の懐かしい思い出や、実社会での経験談などお話いただけることを心よりお待ちしております。皆様のご健勝と益々のご活躍を心よりお祈りいたしております。

(M1 入江駿亮 記)

○雪氷科学研究室

 今年の雪氷科学研究室の学生はD6が1名(横山博之)、D1が1名(大鐘卓哉)、M2が2名(惠平寿輝、冨樫優子)、4年生が4名(明上春香、黒川智奈美、鹿野大貴、堀田美月)です。研究テーマは、道路法面での雪崩危険度の評価(横山)、氷紋の形成機構の解明(大鐘)、南極氷床のドームふじへの低気圧侵入による降雪(惠平)、北見での吹雪時の視程および飛雪粒子の特徴(冨樫)、北海道東部の気象の特徴(明上)、南極の昭和基地および内陸氷床域の気象の特徴(黒川)、カーリング場の氷面に形成されるペブルの特徴(鹿野)、冬型事故における吹雪の影響、その現状と対策(堀田)です。

 白川先生の研究室と合同で実施している夏季の1泊研修は8月18(金)~19日(土)に屈斜路研修所で実施しました。皆さん、それぞれの研究を発表することができました。

 例年9月下旬に実施している大雪山系雪壁雪渓の測量調査は、高原温泉の緑の沼の少し先まで行き、そこから望遠レンズで雪渓を撮影し、その画像から水平投影面積を推定する「楽々コース」を白川先生と実施しました。

 9月の雪氷研究大会全国大会では、亀田は「カーリングのストーンが曲がるメカニズム-シンプルな左右説の提案-」と「南極氷床上のS16からドームふじまでの表面質量収支の特徴」を発表しました。橫山は博士論文の内容、惠平と冨樫は修士論文の内容、堀田は「パーソナルコンピュータを利用した吹雪の視覚的再現-没入型VRシステムの開発環境」の発表をしました。大野先生は8月19日から9月17日までアラスカへ出張し、永久凍土の研究を進めています。また、10月下旬から3月下旬まで、第58次南極地域観測隊の隊員として南極へ行きます。卒業生の皆さんは北見に来ることがあれば研究室に顔を出して下さい。

(亀田貴雄 記)

屈斜路研修所の前での記念写真(2017年8月19日)

○雪氷防災研究室

 皆様お元気ですか? 私(白川)は今年、亀田先生・宮森先生とともに就職担当でした。それぞれの立場でご活躍されている卒業生の皆様と再会でき、本当に嬉しかったです。建設業界は空前の売り手市場で、せっかく求人を頂きながらお応えできないケースも多々ありました。この点、お詫び申し上げます。これに懲りず、今後も本学に求人を頂きたく、宜しくお願い致します。さて研究室の近況ですが、今年の卒研生は学部生5名で、全員就職します。大学院進学者の確保が喫緊の課題で、何とか来年こそは!と思っています。冬季野外観測の様子はFBページ「北見の積雪観測情報」で発信中です。北見が懐かしくなったらアクセスして下さい。

(白川龍生 記)

○氷海環境研究室

 卒業生の皆様におかれましては益々ご健勝にてご活躍のことと存じます。今年度、当研究室は舘山先生を代表に、非常勤職員の丸山さん、JAXA共同研究の特任研究員の田中さん、博士後期課程1名、博士前期課程3名、学部生5名の計12名で日々研究に励んでおります。

 院生の進路は石原君が北海道立オホーツク流氷科学研究所、北さんが関東地方整備局で、4年生の進路は本学大学院進学が照井君、就職は秦君がNTTフィールドテクノ、佐々木君が高橋カーテンウォール工業、鳥越さんが北海道開発局、浅野目君が釧路市消防に決まりました。また、今年度も夏に知床岬、バイカル(奥田)、アラスカ(照井君)とカナダ北極海(星野さん)など、国内外での観測に一層邁進しております。

 卒業生の皆様、お近くにお越しの際には是非お気軽にお立ち寄り下さい。皆様の一層のご清祥とご活躍をお祈り申し上げます。

(M1 奥田駿 記)

○寒冷地環境工学研究室

 寒冷地環境工学研究室も今年で12年目を迎えました。今年度は4名の卒研生が配属になりました。既に4年生全員が就職内定しました。卒業研究のテーマは、今年度も、昨年度に引き続きグリーンランドの浅層コアの密度測定に関するテーマを中心にする予定です。今年度はやはり北大低温研との共同研究でグリーンランドの北西部の氷の密度をX線で調べることになりました。氷が届くのが10月末になるので、それからは結構忙しくなりそうです。みなさんも健康に気を付けて頑張って下さい。

(堀彰 記)

○交通工学研究室

 現在、研究室には、川村教授を代表に、筆者(富山)、学生8名が在籍しています。今年9月には、博士後期課程のアヒマティ君が卒業し地元新疆に帰郷しました。アヒマティ君は博士前期課程から5年間在籍し、地域の実情に沿ったこれからの舗装マネジメントのための路面モニタリング手法について研究し、博士(工学)の学位を取得しました。長年一緒に研究した仲間として、嬉しくも寂しくもあるアヒマティ君の卒業ですが、今後ますますの活躍を期待しています。川村先生は今年度から副学長兼学科長とますます多忙となりましたが、北見へお越しの際は是非お立ち寄り頂き歓談の機会を持てますと幸いです。

(富山和也 記)

アヒマティ君の学位論文公開発表会の様子

○都市・交通計画研究室

 昨年8月は北海道に台風が3回も上陸し、各地に大きな被害をもたらしました。私たちも大規模気象リスクと交通についてこれまで以上に取り組まなければならないと考えています。今年の研究室は修士1年に3名と5名の4年生を新たに迎え、総勢11名の学生で大いに盛り上がっています。特にM1年は福岡で開催された土木学会全国大会で研究発表を経験し、益々の成長が期待されところです。今年度の研究はこれまでのテーマと共に国内外で注目されている「自動運転」関連の研究を追加しました。現在は秋に十勝での実施を予定している実証実験に向けて研究室一丸となって取り組んでいるところです。

(高橋清 記)

○ハイドレート研究室

 卒業生の皆様、ご無沙汰しております。お元気でお過ごしのことと思います。ハイドレート研究室では今年度、卒論生の川口・菊池・佐藤・松田・吉野、修士学生の柿崎・山﨑、博士学生の小関、計8名が在籍しています。ここのところ、毎月のように海洋調査があり、7月には無人潜水艇を使って、網走沖の海底から噴出するガスの直接採取と天然ガスハイドレートの観察に成功しました。今年の雪氷研究大会は新潟・十日町で開催され、研究室こぞって参加し、学生が成果を発表します。北見においでの際には、実験室にお立ち寄りください。

(八久保晶弘 記)

△top


電気電子工学科

 同窓生の皆様におかれましてはお変わりなくお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。同窓会の皆様にはいつも大変お世話になっており、この場をお借りして御礼申し上げます。

 北見では、短い夏もあっという間に終わり長い冬の始まりを予感させる季節となりました。昨年は北海道に3回も台風が上陸し、大雨で常呂川が氾濫するなど甚大な被害が出ましたが、今年は幸いにも現在までのところ大きな被害もなく安堵しているところです。

 今年の4月から改組により2学科8コースという新しい組織が発足し、新組織になって初めての1年生を迎えました。これまでは情報電気エレクトロニクス系の1年生を対象として導入教育を行ってきた訳ですが、今年度は機械系や化学系等を希望し、電気電子系を希望する者がいない少人数グループに対して導入教育を行うという新たな体験をし、組織の変化を実感した次第です。まだまだ始まったばかりではありますが、新しい組織にもできるだけ早く順応し、これまで通り学生の教育に力を注いで参りたいと思っております。

 さて、旧電気電子工学科内の話題といたしましては、まず新任の先生からご紹介したいと思います。小田原峻也先生(電力工学研究室)が3月に着任されました。小田原先生は磁場解析をご専門とされ、これまで次世代モーターの開発等に取り組んでこられました。4月から学生実験などをご担当いただいており、教育研究に今後のご活躍が期待されます。続きましては、昨年の酒井大輔先生のご結婚に続き、今年は高橋理音先生のご結婚という大変嬉しい出来事がありました。さらに酒井大輔先生がInformation photonics 2017(IP2017)という国際会議でOutstanding Poster Award を受賞されるなど、先生方のご活躍が続いており、旧電気電子工学科としましても大変喜ばしい限りです。学科事務では2月に佐々木美幸さんが退職されて4月から伊藤麻夕沙さんが採用となり、事務関係をお世話頂いております。そして、長年にわたりお世話になりました伊藤孝子係長が3月で定年退職されました。

 今年から電気電子工学科という組織名称はなくなりましたが、旧電気電子工学科教員による教員グループとして就職を含め頑張って参りますので、同窓生の皆様におかれましては引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、同窓生の皆様の益々のご活躍をお祈りいたします。

(専攻主任 黒河賢二 記)

○電気基礎研究室

 卒業生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。2017年度の電気基礎研究室は、4年生11名、大学院生6名の合計17名が所属しております。10月からは中国からの留学生1名が秋季入学大学院生として加わっています。大学院生は、研究活動、TA、4年生の指導と大忙しですが、元気に頑張っております。修士2年の院生ならびに学部4年生の就職希望者は全員無事内定が決まり、また、4年生の進学希望者も全員北見工大大学院への進学が決まり、卒業までの残り少ない日々を満喫しつつも修論および卒論に向けて研究に励む日々です。

 川村先生は、制御工学をベースとしたロボット・ITSの研究を引き続き強力に推進されるとともに、精力的に学生の育成に取り組まれています。今年は新しい実験車両(セダン)も購入され大いに発展が期待されます。岸本先生は、学生実験、電気磁気学演習、そして4年生の指導にご活躍いただいています。大内先生は、学生実験と実験研究の支援に当たられています。黒河は学生達と一緒にファイバヒューズと呼ばれる光ファイバの燃焼伝搬現象の実験研究に取り組んでいます。今年3月に現在修士2年の菅原君が電子情報通信学会光ファイバ応用技術研究会の学生奨励賞を受賞するという嬉しい出来事がありました。

 卒業生の皆様の益々のご活躍を期待しております。お近くにいらっしゃる機会がありましたら、是非お立ち寄りください。皆様にお会いできるのを一同とても楽しみにお待ちしています。

(黒河賢二 記)

○応用電気工学研究室

 卒業生の皆様、如何お過ごしでしょうか。今年は全国的に曇りや雨の日が多い中、北見は比較的に涼しい晴れの日が続き、過ごしやすい夏でした。

 本年度の応用電気工学研究室のメンバーは、修士2年生4名、修士1年生4名、学部4年生10名です。その学部4年生の内、5名の本大学院進学が決まっており、柴田教授、橋本准教授、酒井助教の手厚いご指導の下、総勢21名で互いに切磋琢磨しながら意欲的に研究に取り組んでいます。

 本年度は酒井助教が横浜で行われた国際学会Information Photonics 2017で機能性ガラスについて発表し、Outstanding Poster Awardを受賞されました。また昨年度からではありますが酒井助教の下に学部生が2名配属され、さらに研究の幅を広げています。

 卒業生の皆様におかれましては、日々大変ご多忙であるかとは思いますが、北見にお越しの際はお気軽に研究室へお立ち寄りください。先輩方の貴重なお話が聞けることを教員、学生共々楽しみにしております。末筆ながら皆様のご健康と、益々のご活躍をお祈りいたします。

(M2 切金公人 記)

○電力工学研究室

 平成29年度は、博士課程2名、修士課程9名、学部5名、研究生1名の全17名の学生と、小原、仲村に加えて小田原特任助教が赴任され、合計20名で活動しています。このうち3名は女子学生で、珍しく女子割合が高くなっています。また留学生は3名で、バングラディシュ、インドネシア、中国から学びに来ています。当研究室では北海道大学との連携研究、植物工場学内プロジェクト、道内高専連携プロジェクトなどを進めており、スマートグリッド・マイクログリッドの研究開発や、水素サプライチェーンの研究、スマートハウス用エネルギーシステムの実験研究を行っています。2018年3月卒業・修了予定の学生たちの就職は好調で、電源開発や北海道電力などの大手企業に内定しています。学部4年生のうち4名は本学の大学院へ進学予定で、来年度も元気で明るい学生たちが集まってくれそうです。

 今年度は大学院生を中心に、中国・威海、沖縄、パリの国際会議で11件の発表を行い、国内の全国大会で9件、支部講演会でおよそ20件の論文発表を実施します。お近くに来られた際にはぜひお立ち寄りいただき、学生たちに皆さまのご活躍やご経験をお伝えください。

(小原伸哉 記)

○電気機械研究室

 卒業生の皆様、如何お過ごしでしょうか。現在、研究室は田村淳二教授、高橋理音准教授、梅村敦史助教及び大学院生6名(博士課程3名、修士課程3名)、学部生11名の総勢20名で活動をしております。主に研究室では風力発電を含む電力系統に関する研究に取り組んでいます。近年、地球環境保護の観点から化石燃料を利用しない自然エネルギーを利用した風力発電が注目されるようになっています。風力発電は風速によって発電量が影響を受けて変動することから、変動する電力を制御できる安定した発電に向けた更なる性能向上が重要な課題になっています。日々の研究活動では活発に議論がなされて活気に満ちていて、その研究成果はイギリスのマンチェスターで開催されたPowertech2017(6月)、オーストラリアのシドニーで開催されたICEMS2017(8月)、北見工業大学で開催された電気学会電力技術/電力系統技術合同研究会(9月)、函館で開催された電気・情報関係学会北海道支部連合大会(10月)などで発表しています。

 研究活動の成果、施設見学、学部生の歓送迎会などの研究室活動の様子は研究室ホームページ(http://pullout.elec.kitami-it.ac.jp/)に掲載していますので是非ご覧下さい。

 卒業生の皆様の益々のご健闘とご活躍をお祈り申し上げると共に、お近くにお越しの際は万障お繰り合わせの上、是非研究室にもお立ち寄り下さい。

(M2 佐藤孝政 記)

ICEMS2017にて

○集積システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。H29年度は谷本教授、吉澤准教授、大学院生3名、学部生6名の計11名の体制で日々励んでおります。研究室行事では、1月にワカサギ釣り大会、2月に追いコン&同窓会、5月に4年生歓迎会、7月にバーベキューパーティ、10月に鍋パーティ、12月に忘年会を行いました。吉澤は最近水中音響通信の研究テーマに取り組んでいますが、実海域で測定を行うフィールド試験を実施する機会が増えてきました。写真は昨年11月に実施した石垣島での海域試験の様子です。試験に参加した学生は食べ物など石垣島ライフを満喫したらしく試験の帰り間際に「北見に帰りたくない」とこぼしていました。H30年の追いコン&同窓会は谷本先生の退官記念パーティを兼ねますので多くの同窓生皆様の参加をお待ちしております。

(吉澤真吾 記)

 18年間お世話になりました。これにておさらばです。皆様元気でやってください。

(谷本洋 記)

 9年間お世話になりました。T社が存続する限り頑張ります。

(T.S. 記)

 チップを2回も作るチャンスをもらえました。設計がきつかったです。動くと嬉しいです。

(K.K. 記)

 来年も残りますのでよろしく。

(S.S. 記)

 盲腸になって入院しました。先生と東京に行く機会を失いました。

(S.M. 記)

○波動エレクトロニクス研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ますますご活躍のこととお喜び申し上げます。波動エレクトロニクス研究室は4月に6名の個性的な4年生を迎え、進学した院生1名と教員3名で研究活動を続けております。研究テーマは、マイクロ波による誘電率推定、プラズモニック導波路、光信号処理デバイス、楽譜の自動変換、レーザー素子、ホログラフィー、回折格子、逆散乱問題など、今年から開始したものも含めて幅広く手掛けております。机一面にソースコードを並べ、プログラムを作る4年生、pythonの本を片手に楽譜と格闘する4年生、ブドウ糖をかじりながら導波路設計する院生が、最近の研究室の風景です。

 研究成果は主に電子情報通信学会、応用物理学会で発表を行っております。今年は熊本、帯広、東京、福岡、天童へ行ってきました。特許の海外出願も目指していますが、さすがにハードルが高いです。企業との共同研究も、順調に進んでおります。

 8月には東京のイノベーション・ジャパン大学見本市に出展しました。北見工業大学の卒業生の方々ともお会いでき、ご活躍の様子をうかがうことができました。今後も卒業生の皆様にどこかでお会いできる日を楽しみにしております。

(杉坂純一郎 記)

○通信システム研究室

 卒業生の皆様におかれましてはお元気でご活躍の事と存じます。現在、通信システム研究室は柏教授、田口准教授の教員2名、学部生6名の計8名で日々研究に励んでおります。

 本研究室では、現在、主に第5世代移動通信で候補となっている6GHz以上の準ミリ波・ミリ波帯の電磁波が人体に与える影響について研究を行っております。尚、本研究に関する内容で研究室として科学研究費、総務省委託研究費がそれぞれ1件ずつ採択され、研究室一丸となり本テーマに精力的に取り組んでおります。また、マイクロ波・ミリ波・光波の数値計算に関する基礎的研究、GA、PSO、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いた最適設計などの応用研究も幅広く行っております。更に、柏教授及び田口准教授は電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会の専門委員として、研究会、ソサエティ大会、総合大会などで活発に発表するなど学会活動も活発に行っております。

 尚、研究室の近況は通信システム研究室ホームページ(http://kashiwa-lab.net/)にて公開し、随時更新しております。お時間がある時にでもご覧頂けると幸いに存じます。

(田口健治 記)

○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理学研究室)

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?本研究室では、武山、佐藤と4年生5名で研究活動を行っております。本学はこの4月から2学科に改組されたことに伴って、私たちは工学部地球環境工学科エネルギー総合工学コースを担当することになりました。それに伴って、従来からの集積回路や3次元集積回路の研究の他に、省エネルギーに貢献した材料開発及び地域貢献を目指した新たな研究にも取り組んでおります。地域貢献を目指した研究の1つとして、北海道で生息しているエゾシカ肉のおいしさを電気的に測定するという研究を行っており、喜ばしいことに、2017年3月に、久保輝起君と工藤脩太君が卒業論文としてとりまとめた研究成果が電子情報通信学会北海道支部学生会インターネットシンポジウムにて、昨年に続き2年連続で優秀発表賞を受賞しました。また、毎年、北見工業大学で開催されている企業説明会に2016年3月、電気電子工学科を昨年卒業されました木庭さんが参加するとの連絡があって、研究室に立ち寄ってくれました。学部にいた頃を思い出したそうで、懐かしかったと喜んでくれましたが、私たちも懐かしく、楽しいひとときを過ごすことができました。お近くにお越しの際には、気軽に新しい体制になった研究室にも是非お立ち寄り下さい。卒業生の皆様の益々のご活躍を祈念しております。

(佐藤勝 記)

△top


情報システム工学科

 卒業生の皆さま、お元気でご活躍のことと思います。

 今年度は、人事の移動がありました。原田建治先生が教授に昇任されました。また、特任助教として佐藤一宏先生をお迎えしました。佐藤先生は、制御が専門で、主にリーマン多様体上の最適化手法を制御分野に応用する研究を行っています。

 今年度から2学科8コースの体制がスタートしました。学科は、地球環境工学科と地域未来デザイン工学科です。新入生は新しい学科に所属しています。2年生以上は今まで通りの体制で教育を受けていますが、3年後には過年度学生のみを残すこととなります。情報システム工学科のカリキュラムは、電気電子工学科の電子情報通信コースのカリキュラムと合体して、主に地域未来デザイン工学科の情報デザイン・コミュニケーション工学コースに引き継がれました。また、情報システム工学科のほとんどの教員は、情報デザイン・コミュニケーション工学コースの教育を担当します。本学は、新しい学部体制で新しい時代に対応することを目指しています。

 就職状況は、今年度も大変良く、情報技術者の需要はあらゆる分野で高まっています。情報関係の技術者を志す皆様の後輩たちが、今後も数多く巣立っていきますので、卒業生の皆様には、先輩としてご指導のほどよろしくお願いいたします。

 卒業生の皆様のますますのご活躍とご発展をお祈りしています。

(専攻主任 鈴木正清 記)

○知的システム設計分野

●システム制御研究室(榮坂俊雄研究室)

 卒業生の皆様、初めまして。2017年4月に着任し、システム制御研究室で活動をしている特任助教の佐藤一宏と申します。

 私は2006年3月に北海道の函館高等専門学校を卒業し、それから2017年3月まで京都大学に居続けたということで、京都で11年過ごしたことになります。この4月より縁あって北見工大、つまり、北海道に戻ってきました。しかし、同じ北海道といっても自分は札幌よりも東に行った経験がなく、道東はあまり意識もしたこともなかったので結構不安でしたが、車さえあれば生活もしやすく安心しました(冬はまだ不安ですが………)。

 本研究室では、主に大学院生の研究指導を行っていますが、根は真面目な学生が多いため、かなり伸びるのではないかと成長を楽しみにしています。また、私自身は抽象的な数学理論を制御工学へ応用するという基礎研究をしてきていたのですが、実験研究をしたい学生もおり、自分の研究テーマが広がっていくことも楽しみにしています。

(佐藤一宏 記)

●情報通信システム工学研究室(中垣研究室)

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術員の宇野さんをはじめ、院1年生1名、4年生4名、3年生4名が日々ゼミや研究に励んでいます。4年生は全員就職希望で9月までに全員内定をもらうことができました。内定企業から課題を出されている学生は、卒業研究以外にも忙しそうです。研究では、音声分析、騒音抑圧法の開発、音声の主観評価システムの構築をすすめています。昨年から画像情報を加えたマルチモーダル信号処理に手を出し始めました。今年の学生は日本酒好きが少なく、歓迎会でも卒業生から頂いた日本酒は夏雪しか空きませんでした。4年生手作りのデザートはおいしかったです。毎年7月恒例の焼肉は、三浦研究室と合同で行い、親睦を深めました。当研究室出身のOB・OGの皆様、近くにお越しの際には是非お気軽にお立ち寄り下さい。

追伸:卒業生に頂いた残りの日本酒(獺祭と花邑)は技術員の方々との飲み会で美味しくいただきました。

(中垣 記)

●鈴木育男・岩館健司 研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、M2:1名、M1:2名、4年生:5名が在籍しており日々、ゼミや研究に励んでおります。着任から5年が過ぎ、学生が取り組む研究も多種多様となりました。現在は、研究室を始めてから行っている、(1).運動学習支援に関する研究、(2).仮想生物の行動学習および形態進化に関する研究、という2テーマを基盤に、(3).タマネギ形状の自動判別に関する研究や、(4).遠隔医療に関する研究など、北見の地域性に合わせた分野にも取り組んでおります。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お気軽にお立ち寄りください。

(鈴木育男 記)

●信号処理研究室(鈴木正清教授)

 信号処理研究室は、教員1名と技術員1名に加え、CS科目の3年生4名と卒業研究の4年生2名、M2が1名で構成され、「センサアレイ信号処理」、「コウモリの大脳皮質聴覚野によるこだま定位」の研究、「サケ自動追跡ロボット船」、「北見市内立小中学校の備品と図書の管理システム」の開発を行っています。近くにお越しの際には是非お立ち寄りください。

(鈴木正清 記)

○知識工学分野

●医療情報・医用画像工学研究室(早川吉彦研究室)

 カーリング部で活躍した廣瀬明依さんの論文「タブレット端末による非接触咀嚼検出アプリの開発」が、医用画像情報学会雑誌(2016年9月)に掲載されました。2017年6月、この論文の若手著者(廣瀬さんと宮中君)に対し、同学会から金森奨励賞が授与されました。摂食・咀嚼・嚥下の機能維持・回復に携わる医療関係者へのアピールに努めています。このように、当研究室はヘルスケアにコンピュータ・ビジョンを応用する研究とその実用化を図っています。

 2017年3月に卒業した卒研生5名は、この廣瀬論文を面白がって、さらに発展的な研究やアプリ製作をしてくれました。今、学生実験室はVirtual Reality Laboratoryのようです。また、2010年に著した論文「近赤外線イメージングによる皮下異物の検出実験」への企業等からの問い合わせもいまだにあります。関わった卒研生や大学院生、その価値を思い出せるでしょうか。

 早川は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採用された先導研究「ロボット撮影による高解像度再現可能な三次元モデルと社会実装具体化の研究開発」に参加しています。「富士フイルムチーム」なのですが、研究費もいただき、久しぶりにアウトドア実験も行い、健康にいいプロジェクトです。

(早川吉彦 記)

●テキスト情報処理研究室(桝井・プタシンスキ研究室)

 こんにちは、総勢23名に巨大化した桝井・プタシンスキ研究室です。今年の新メンバとして桐生、久保沢、田中、吉田(3年)、荒田、柿山、ソン、相澤、玉田、斎藤(4年)、ロン(交換留学生)、ノヴァコフスキ(D1)、ニエウヴァジニー(訪問研究員)が加わりました。また、本研究室発のアイディアとして、すでに研究室の名誉メンバであるボカロイドの結月ゆかりちゃんが公式にオホーツク観光大使になりました。

 研究面では、石井、大谷、バクドゥル、ノヴァコフスキ、レムパが国際会議発表、また、レムパが国際学術論文誌掲載と順調です。その他、本研究室のもう一つの部屋「Tipラボ」が街の中、サテライトオフィス北見内にでき、中間発表会・構想発表会を公式に行い市民にも研究内容を聞いていただいたり評価をいただいています。そして、カーリング日本選手権実況中継へデータを提供しています。

 以上、居心地のいい、アットホームな雰囲気を大切にしつつ、バリバリと研究を楽しんでいる研究室に是非遊びに来てください。

(プタシンスキ 記)

●知識情報処理研究室(前田康成研究室)

 平成29年度の前田研は、M1小原君、兜君、B4小笠原君、滝谷さん、那須野さんの学生5名と助教の山内先生、技術員の奥山様と前田というメンバーです。前年度の後期に前田が潰瘍性大腸炎で大腸全摘出となり、オストメイトの仲間入りをしました。今年度も引き続き療養中のためB3配属を無しにして、少人数となっています。

 院生、学部生の皆さんはマルコフ決定過程の各方面への応用、食材シソーラスやレシピ発想支援に関する研究などを行っています。療養の関係で前田が不在の場合も多いのですが、山内先生や奥山さんの指導のもと、前田がいる時よりもよりしっかりと頑張ってくれています。頼もしいメンバーです。

 プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。

(前田康成 記)

●核科学情報工学研究室(升井洋志研究室)

 核科学情報工学研究室の升井です。この研究室を起ち上げて13年が過ぎました。当初は核反応のデータベース活用やサーバ構築、データ相関といった観点で学生と研究をしてきましたが、近年はそれに加えて観光情報学にも範囲を広げています。今年度から研究テーマを「学術情報データベースのオープンサイエンス化」と「数理的手法を用いた観光支援」という二本立ての方向性を明確に打ち出し、原子核反応データベース研究開発センターや網走バスといった他機関との連携も進めています。網走バスとの連携ではGPSによるバスロケーションシステムを開発し、地方のくらし・観光にICTを活用する取り組みを行っています。

(升井洋志 記)

○光情報工学分野

 卒業生の皆さんお元気ですか?「光情報工学分野」は光学、光情報工学および画像処理に関連した研究を行ってきたメンバーが集まってできました。所属メンバーは、亀丸俊一教授、三浦則明教授、原田建治教授、桑村進助教、原田康浩准教授、曽根宏靖准教授の合計6名です。

 亀丸研究室は、情報4年生の川合、佐々木、椿谷、橋本、大久保、佐藤(有葵)に加えマネジメントコースからマテリアル工学科の中川、さらに中国ハルピン工程大学の留学生陳欣瑜さん、3年のCSセミナー生、長谷川、東口、松崎、三上を加えた総勢12名です。デジタル教科書の開発、観光情報の効果的発信などのテーマで、4年生だけではなくセミナーの学生たちもみな研究に頑張っています。

 三浦研究室では、M1の鈴木、本間、4年の荻原、小野、菊池、高橋、羽山、3年の大場、鹿田、末武、高谷の総勢11名が三浦教授と桑村助教の指導のもと、補償光学、天体画像処理、道路画像処理などの観測、実験、ゼミに励んでいます。

 原田建治研究室では、M2の辻、桃井、松崎、中林、M1のチン、4年の大峰、小野寺、桜井、吉村、柴田、原田、3年の立花、宮野、森、和久田の総勢15名がホログラム、偏光色、光学教材開発などの卒業研究や、セミナーに励んでいます。15名は今までで最大の学生数であり、今年もにぎやかな研究室になりそうです。

 原田康浩研究室は、学部4年の荒屋、金子、後藤、三上、山田、3年の酒井、城、富永、前野の合計9名の学生がディジタルホログラフィ、斜め写真視点補正、空港滑走路の積雪光モニターシステムの開発などの研究に励んでいます。「滑走路積雪…」の研究では今後3年間、国土交通省の補助を受けて進めることになり、学生達もやる気を出しているところです。

 曽根研究室では、M2の伊藤、河野、M1の荻原、竹内、4年の植田、小田、谷口、西村、山下、3年の有木、佐藤、塩口、前澤の総勢13名とこれまでにない人数で構成されました。研究テーマは、従来からの超短パルス発生器、空間光変調器を用いた光情報処理や可視光通信などに加えて、今年からは太陽光採光システムや光ファイバカプラ製造装置が加えられ新しいテーマに挑戦中です。皆、これらの研究だけでなく常田さんも交えたゼミにも励んでいます。

 OB、OGの皆さん、北見へお越しの際には、研究室へぜひお立ち寄りください。焼肉の街北見の夜の繁華街で、お互いの近況報告で盛り上がりましょう!

(三浦則明 記)

△top


バイオ環境化学科

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。今年も台風が北海道を襲い、気候の変化が実感されます。日頃の災害への備えはもちろん、いざというときの対策が大切と思われます。

 昨年から学科事務に藤井美希さんが着任されました。天性の明るさを発揮し、ほのぼのと大量の仕事をこなしてくださっています。3月に吉田孝先生の研究室に本間雄二朗特任助教が着任されました。4月からは学生実験を担当し、個々の学生をしっかり観察し、丁寧な指導をされています。植物育種に関する研究の発展が楽しみです。また、佐藤之紀教授は弘前大学に転出されました。佐藤教授には改組後のバイオ食品工学コースカリキュラムのデザインという苦労の多い業務にご貢献いただきました。改めて御礼申し上げます。

 今年度は改組元年、新1年生を迎えました。科学技術も社会も急速に変化し、経験が役に立たなくなる時代に対応する人材育成の教育のためです。もっとも中身の充実はこれからという気がします。教員と在校生が共に築き上げていくことはもちろんですが、社会でご活躍されている皆様のご意見をお寄せくだされば幸いに存じます。

(学科長 齋藤徹 記)

○環境分析化学研究室

 今年3月に5名が卒業し、内2名は大学院に進学しました。社会人となられた方々からは、各分野で楽しくご活躍されていると聞きます。一層のご発展をお祈り申し上げます。現在の研究室の構成は、邱 泰瑛助教、博士前期過程2年 2名、同1年 2名、学部4年 6名と私です。写真は10月初旬に撮影した集合写真です。誕生会はほぼ毎月になりましたが、全員が揃うことが難しくなってまいりました。2月に前期課程1年(現2年)の藤森鴻平君がタイで開催された11th Pure and Applied Chemistry International Conference 2017(PACCON 2017)においてBest Poster Presentation Awardに輝き、6月には1年の久保竜太郎君が分析化学会北海道支部緑陰セミナーにおいて3つの賞を受賞しました。ひとえに彼らの日頃の取り組みが評価されたことによります。これから社会に巣立つ方々は、新たな技術を創出し、社会の変革を主導し、人類に幸福をもたらす人材に成長することが求められています。益々研究教育の質を向上させることが教員の責務と考えております。今後も新たな方法を大胆かつ積極的に導入する予定です。卒業生の皆様の叱咤激励を賜れば幸いに存じます。

(齋藤徹 記)

○精密有機資源化学研究室

 卒業生の皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。7月北見は非常に暑かったのですが(真夏日9回)、8月に入った途端天候が悪くなり中旬いっぱいまで平年以下の気温が続きました。農作物への影響が懸念されます。皆さんがお住まいの地域は今夏いかがだったでしょうか。

 9月10日にLS北見がピョンチャンオリンピック女子カーリング日本代表に決まりました。そのメンバーの一人である鈴木夕湖さんは、当学科の卒業生です。オリンピックでの健闘を期待しています!皆さんも是非応援してあげて下さい。北見工大出身のオリンピック選手は、84年のサラエボオリンピック男子リュージュ代表であった平川司さん(工業化学科)以来だと思います。

 今年度の研究室は修士2年1名、修士1年3名、学部4年2名で、最近では最も少ない学生数ですが、少数精鋭で頑張っています。就職の内定は大学院生のみで、学部生の一人は高校の教員、もう一人は本学大学院進学を予定しています。今年も恒例の屈斜路研修所での宿泊研修を楽しく行いましたが、9月末日を以って研修所が廃止となります。学生の時から毎年利用してきており、恩師や学生達とのたくさんの思い出があるので、廃止は残念でたまりません。写真は摩周湖でのスナップです。

 北見にお寄りの際は、ぜひ研究室にお立ち寄りください。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(星雅之 記)

○生物化学研究室

 我々の研究室は、吉田孝教授、宮崎健輔助教、本間雄二朗助教、オヨンジャルガル研究員、オヨンデルゲル研究員および博士6名、学部4年8名とで日々研究に勤しんでおります。博士課程のバイ・チョロモンさんは9月に博士号を無事取得し、中国・内蒙古師範大学・講師として就職致しました。

 研究内容は、機能性(生理活性)多糖類の研究、セルロース素材からバイオエタノールの製造、環境調和型プラスチック材料の開発、北見地域に密着した作物の育種研究と広いテーマを取り扱っています。同窓生の皆様で、上記の研究内容に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声をかけてください。

(宮崎健輔 記)

○環境物理化学研究室

 卒業生の皆さん、お元気でご活躍のことと思います。今年度の研究室メンバーは三浦と松田技術員、学部4年生が3名となっています。研究室の伝統通り3名中2名が道外出身者です。3名全員就職希望でしたが、4月からの就職活動のスタートダッシュとスパートが実り夏休み前には全員就職が内定しました。現在は例年通り行っているNMRゼミも佳境に入り、併せてNMRを利用した卒業研究に励んでいます。

 ここで30年近く研究におけるNMR実験で大変お世話になった松田技術員は今年度末で定年により退職されますことをお伝えします。また三浦も一年遅れて来年度末(再来年3月)で大学勤務を終了することになります。

 ご存知の方も多いと思いますが、今年の4月からは大学改革の一環として二学科体制がスタートしました。私は形式上地域未来デザイン工学科に所属しておりますが、新学科の講義は担当しないため今年度前期の物理化学IIが最後の講義となりました。

 40年以上も利用されて来た屈斜路研修所が9月末で閉鎖になるなど、時代が刻々と変化していく中で大学も大きく変わろうしています。卒業生の皆さんにおかれましては心身ともにお元気でご活躍くださるとともに、北見に来た時には是非とも研究室に立ち寄って元気な顔を見せてくださることをお願いいたします。

(三浦宏一 記)

○生体分子化学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。本誌にも記載があると思いますが、今年度、北見工業大学は開学以来の大きな組織改編が行われ、バイオ環境化学科はなくなりました。少し寂しい気がします。当研究室は、地球環境工学科に属することになりました。数年間は、新学科と旧学科の共存で大変になりそうです。今年は例年より研究費が多く獲得できましたので、装置を1台購入しました。研究が捗るといいのですが。皆様のご健康とご活躍を祈念しています。

(服部和幸 記)

○無機物理化学研究室

 >スタッフ:岡﨑准教授。>学生:博士前期2年1名、1年2名、学部4年7名の総勢10名。進学希望者は1名。就職戦線は全員内定済。>大学祭はオープンキャンパスで参加し、新エネルギーについて説明。人が入れるシャボン玉、瞬間アイスは子供に大人気。>今年も美幌旭小学校でソーラーカー工作を行い、小学生と給食をいただく。「科学の祭典in美幌」や「北見科学の祭典」と同様に理科離れを食い止めるように活動。>キャンプは能取湖キャンプ場のコテージに2泊。夜の虫と戦いながら、浮き世を忘れて、焼き肉しながらひたすら飲んで、遊んで、温泉三昧。>秋の触媒討論会は愛媛大学。松山城、道後温泉を堪能してきました。>ホームページ公開中。リニューアルは思うように進まない。(http://www.chem.kitami-it.ac.jp/ipc/index.html)。>岡﨑:De-NOx反応、メタン直接分解、LIB用電極材料、廃プラスチック接触分解に研究を展開中。触媒学会北海道支部長を仰せつかり、会議で飛び回っています。また、オホーツクエネルギー環境教育研究会委員長として、網走管内小中高の先生と連携を模索中。出張講義でも飛び回っています。>今年も多数のビール券ありがとうございました。卒業生のなんでも相談をいつでも受け付けます。0157-26-9420(岡﨑)、FAX 0157-24-7719。zzaki@catal.chem.kitami-it.ac.jpまでメールを。

(岡崎文保 記)

2017年9月6日 東神楽キャンプ場にて

○天然物有機化学研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。今年の3月には初めての卒業生を社会に送り出すことができました。大学院への進学や一般企業への就職と進路はそれぞれですが、元気に活躍していると聞いております。本研究室では “機能性を持った化合物の合成とその評価”を研究テーマとして、香料化合物や抗酸化物質、抗菌物質に着目して有機合成をメインに行っております。学会での発表や論文の執筆などを目標に掲げ、日々研究活動に勤しんでおります。昨年度からはハッカの研究も加わり、これまでとは異なる研究内容に苦心する毎日を送っています。最後になりますが、卒業生の皆様の益々の御活躍、御発展をお祈り申し上げます。

(霜鳥慈岳 記)

○生物無機化学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。2017年度のメンバーは、菅野の他に、M2 2名、M1 2名、4年生7名(内仮配属1名)の総勢11名です。“無機材料の機能を活用する”という大テーマのもと、アパタイト、ホタテ貝殻(炭酸カルシウム)、粘土鉱物(無機層状化合物)を用いた薬物徐放材料や環境浄化材料の開発に関する研究を行っています。

 学会活動に関しては、7月に2名のM1と日本化学会北海道支部2017夏季研究発表会(旭川)、9月には、化学工学会第49回秋季大会(名古屋)に行ってきました。

 2017年10月現在、1名の本学大学院進学が決定し、進路が未決定の学生もいますが、就職状況は概ね良好です。

 最後になりましたが、皆様の益々のご健勝を祈念しております。機会があれば、研究室にも足をお運びください。

(菅野亨 記)

新歓コンパにて(2017年4月)

○食品栄養化学研究室

 今年度の学生の構成は、学部4年生が3名(佐藤菜生子、東狐吏音、森崎沙帆)、博士前期課程1年が1名(安永亜花里)、博士後期課程3年が1名(エンヘチチゲ)です。現在、学部4年生2名が民間企業への就職、1名が大学院進学予定です。現在、ウーロン茶、常呂産黒ニンニク、シーベリー、ハッカなどのアレルギー抑制作用および活性酸素ストレス抑制作用に関する研究について、培養細胞を用いた実験により進めています。同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(新井博文 記)

○環境有機化学研究室

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度の環境有機化学研究室は、兼清准教授および学生3名から構成されています。昨年夏からの一年間は、韓国人留学生のピョンさんが研究室に在籍され、短期間の内に目覚しい研究成果を挙げられました。その間、横浜、つくば、旭川など各地で開催された学会等へ参加するなど、充実した日本滞在になったことと思います。時々振舞ってくれた激辛の韓国料理は良い思い出でです。

 現在当研究室では、我々の身近に存在する様々な化合物に応答して、色調や形状が変化するシステムの創製に取り組んでいます。今後は、他の研究機関との連携も強化しつつ、基礎科学の発展に貢献できる研究に向けて取り組んでいきますので、ご支援の程よろしくお願いいたします。

(兼清泰正 記)

○食品科学研究室

 同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に、大学院生(修士)3名と学部生3名が卒業しました。今年度は、修士1年生が2名、4年生5名、及び過年度生1名の8名の学生が在籍しております。4年生6名のうち、1名は本学進学、2名が医薬品メーカー、及び1名がSEに内定しております。

 当研究室では、シイタケの分子育種、シイタケ分泌型ラッカーゼ発現機構の解析、農産物のきのこ発酵とその解析などの研究に取組んでいます。皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

(佐藤利次 記)

○バイオプロセス工学研究室

 同窓生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。

 3月には5名(学部1名、修士4名)が社会に巣立っていきました。就職先は化学・土木・情報・公務員と様々ですが、それぞれの新天地で活躍されていることと思います。在学生進路については、就職希望の学生(学部2名、修士2名)は就職先が内定しており、大学院進学予定は2名となっております。

 今秋は生物工学会(東京)や化学工学会秋季大会(名古屋)で複数の学生がポスター発表をしました。参加学生については、多くの学外研究者との議論を糧にさらに飛躍を期待しているところです。加えて、M1の牧野君が担当した遺伝子組換え酵母による新規バイオサーファクタントの生産に関する論文がJournal of Bioscience and Bioengineering誌に掲載が決まりました。約5年間、コツコツ検討を進めて、困難な担子菌系酵母の遺伝子組換え系を確立し、代謝工学領域の研究成果を出せるに至りました。根気よく続けることの重要性を再確認した成果でした。

 学生、スタッフ一同、教育研究活動に邁進しております。卒業生の皆様のご支援・ご高配いただければ幸いです。最後になりましたが、卒業生の皆様のご健康とご健勝をお祈りいたします。

(小西正朗 記)

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マテリアル工学科

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度は卒研配属生が60名と多かったため、マテリアル棟全体が例年以上に活気があふれていました。学生の就職状況については、幸いなことに順調に内定を獲得できています。これも卒業生の皆様が社会人として高く評価されているおかげと感謝しております。実際、会社の人事担当の方々から、皆様の活躍ぶりを伺う機会が多くあり、就職担当教員としては大変嬉しく思いました。また、リクルーターとして久しぶりに来学した卒業生の方も数名いらっしゃいました。会社でリクルーターを依頼された際は、せっかくの機会ですので、是非母校を訪問して下さい。来年度は、今年度一緒に就職担当業務を担って下さった大野先生と、新たに村田先生が担当して下さることになっています。

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、平成29年4月から学部改組で新たな2学科制となりました。そのため、私自身もマテリアル工学科長ではなく、大学院のマテリアル工学専攻長としてマテリアル教員グループの世話役を務めました。また、この機会に、大津先生も本グループに所属することになりました。

 機械工学科棟の改修工事に伴い、2階を繋いでいた渡り廊下が約5カ月間通行止めとなりました。その間、マテリアル棟は陸の孤島となり、雨の日には傘をさしてA棟やE棟の講義室に向かいました。屋内で繋がっていることの便利さを改めて実感しました。来年度からは、建物の名称も変更になる予定となっています。

 最後になりますが、卒業生の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念致しております。

(専攻主任 川村みどり 記)

○電子材料研究室I

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 本年度の電子材料研究室Iのメンバーは、阿部先生と金のスタッフと学部4年生13名、大学院薄士前期課程5名(M2・1名、M1・4名)です。学部4年生のうち6名が大学院に進学予定、残り7名とM2の吉原君はそれぞれ希望した会社の内定を得ております。

 現在の主な研究テーマは、引き続き、エレクトロクロミックと高機能性太陽電池などの様々な電子材料を用いたデバイスの特性評価や性能向上を目指し、日々熱心に研究教育に取り組んでおります。

 今年も9月の応用物理学会(福岡)を含めて多数の国際会議・学会で学生の参加も積極的に指導しています。研究だけでなくバーベキューや鍋会などを通じて、楽しい思い出作りができるようにしております。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非お気軽い研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(金敬鎬 記)

○電子材料研究室II

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度の電子研(2研)は、4年生7名が新たに配属となり、大学院薄士前期課程は5名(M2・1名、M1・4名)です。主な研究テーマは以前より引き続き、川村先生は主に高安定銀薄膜の光学特性に関する研究、私木場は金属ナノ構造を利用した発光増幅の研究や、有機面発光レーザーを目指した微小共振器作製に取り組んでいます。配属された4年生のうち3名が大学院に進学の予定です。

 今年も9月の応用物理学会@福岡を始め、TACT2017(薄膜関連の国際会議)@台湾など、国際会議・学会への学生の参加も積極的に指導しています。現M1の工藤君は、平成29年3月の表面技術協会講演大会(川越)で、学術奨励講演賞を受賞しました。研究だけでなくバーベキューや鍋、ワイン会などを通じた息抜きも欠かしておりません。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非お気軽に研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(木場隆之 記)

○高分子材料研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。昨年度、准教授に昇進された浪越先生は本格的に4階に移動されて教育、研究にあったっています。メンバーは浪越研が、M1が3名、B4が6名、渡辺研はM2が1名、B4が5名です。浪越先生は、実験器具等も揃って張り切って研究しています。カチオンリビング重合によるポリビニルエーテルを合成するテーマの他に、昨年度からタマネギ育苗の土壌改良材として高分子を使う研究も行っています。北海道なので地域貢献になりますし、実用化される可能性も高く精力的に研究しております。

 渡辺は、相変わらす芳香族ポリイミド微粒子を作製する研究を行っています。修了生の岡本さんを中心に、少し柔らかい成分を含めば、きれいな粒子ができることを見つけたのですが、構造が少し変わるとうまくいかなくなります。剛直な構造でも粒子形状の制御が可能か学生と一緒に日々考えています。

 卒業生の皆様、北見付近にお越しの機会がありましたら、ぜひ研究室にお立ち寄りください。皆様が元気で活躍されることをお祈り申し上げます。

(渡辺眞次 記)

○分子変換化学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 研究室のメンバーは院生6名(M2・3名、M1・3名)、学部生6名の計12名となっており、学部生のうち4名が進学予定、残りの2名が就職希望となっています。村田先生、小針先生の指導の下、実験や講義など忙しくも楽しい毎日を過ごしております。前年度に引き継ぎ、活気の良い賑やかな有機研となっています。

 実験テーマは、遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発、地域に密着した植物の成分抽出・分析をしています。また、週一の雑誌会や中間報告会も継続して行われており、学会への参加や論文の投稿などによる研究発表を積極的に行っています。

 行事については、頻繁に BBQ や食事会を重ねて、先生方や、学生間の交流を深めることが出来ました。去年から新たに始めたtwitterとfacebookにて、研究室内の日々を更新していきたいと思いますので、是非ご覧になってください。

 また、研究室のホームページにて論文投稿、学会発表など研究室の情報を随時更新しております。下記URLからアクセスできますので、是非ご覧ください。

 卒業生の皆様もお忙しいとは思いますが、近くにお越しの際は是非研究室にお立ち寄りください。益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

URL

 HP →http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html

 twitter →@muratalab

 facebook →@muratalaboratory

(B4 岡部遼矢 記)

○機能材料分析研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 今年3月大学院修了の原田さんが凸版印刷(株)、山本君が月島テクノメンテサービス(株)、東山君が(株)原燃に、学部卒業の大倉君が(株)アステム、小原君が釜屋電機(株)、Wei君が大光炉材(株)へ就職し、米澤君が北海道大学大学院地球環境科学研究院へ進学し、新しいスタートを切りました。

 29年度は社会人ドクターの工藤君、M2の近藤君、田中君、学部4年の齋藤君、中野君、谷さん、永井さん、湯浅さん、吉田さんの9人が大腸菌と人工細胞膜を相手に頑張っています。また、今年から大学の進める工農連携のプロジェクトとして、畑の肥料分析や水耕栽培にも手を出したところです。

 今年度も早々に全員が進路を決めることができました。

 今年9月には東京理科大・葛飾キャンパスで開催された分析化学会第66年会で院生2人が発表、みんな活発に頑張っています。発表前夜には上野の居酒屋で望月君、原田さん、大倉君も交えて近況を報告しあいました。

 卒業生の皆さんも体には気をつけて頑張ってください。この夏、泉亭君(H14年度卒業)、海老根君(H16年度卒業)、松田君、梶原さん(H25年度修了)、小原君(H28年度卒業)が大学に顔を出してくれました。家族を持つようになった人、新しい視点で仕事や遊びに励んでいる様子を聞かせてくれる人、とても励みになりました。卒業した先輩たちの様子は後輩たちにも大きな励みになります。近況報告をお待ちしています。

(宇都正幸 記)

○分析化学研究室

 卒業生の皆さまお元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。今年度の研究室の近況をご報告いたします。

 M2の安曇さん、小林君、柴田君、庭崎君、古水君は、就職活動中にも関わらず、後輩への暖かい指導が素晴らしかったです。修論もそろそろ仕上げです。

 M1の杉本君、リーさん、林さんは、講義の合間を縫って自らのアイディアを取り入れながら積極的に研究を進めるなど一段と頼もしさが出てきました。

 B4の伊藤さん、露口君、中干場君、矢野さん、和田さんは、大学院試験・就職活動そして卒論実験に努力しています。

 坂上先生は主に人工MH研究を進めています。研究室内でガス・水両方の観点から議論および情報交換ができることは素晴らしいです。

 今年も摩周湖(5月、9月)、網走沖(7月、9月)、バイカル湖(8月)、十勝沖(11月)の調査を実施しました。参加してくれた安曇さん、小林君、リーさん、和田さんほかの皆さんの活躍は、調査期間と前後を含めて頼もしい限りです。

 道東自治体との共同研究では、波岡さんにお世話になっております。

 今年も先輩方が顔を出してくれ、ありがたいご意見ご助言をいただきました。差し入れを送ってくださった方々にも重ねてお礼申し上げます。

 皆さまの益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

(南尚嗣 記)

○微結晶材料研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 本研究室では昨年導入したパルス通電加圧焼結装置を用いて透光性レーザーセラミックスを開発しております。液相法による微粉体の合成から焼結、評価まで幅広く進めており、早くも複数の材料でレーザー発振に成功し、学会や論文で発表しました。

 今年の研究室のメンバーは院生3名(M2:2名、M1:1名)と学部生2名の計5名です。M2(中沢)、(YAN)は企業の内定を得ました。M1(根津)は9月に共同研究でロシアのニジニ・ノブゴロドに出張し、多くの経験を積んだようです。学部生(川原、小池)は2名とも大学院に進学する予定です。少人数ながらも実験室は大変賑わっており、高い意識で研究を進めております。

 毎年、卒業生の方が顔を見せに来てくださり、励まされています。もし北見に立ち寄られることがありましたら、ぜひ研究室にもお立ち寄りください。お待ちしております。

(古瀬裕章 記)

○無機物質工学研究室

 卒業生の皆さんは、いかがお過ごしですか。本年度の無機物質工学研究室は、松田教授、平井助教のスタッフ2名、大学院生2名、学部生4名の計8名で頑張っています。スタッフの近況ですが、松田教授は現在も精力的に研究活動を続けておられます。首都大学東京で3月に開催された触媒学会にも参加され、修士2年の学生を同伴なさいました。私平井も、8月には材料科学の日韓合同シンポジウムにご招待いただき、講演させていただいただけでなく、9月に参加したセラミックス協会では異分野の先生方と共同研究を始めることができました。また、学生の近況ですが、本年度の学部生は4名中1名の大学院への進学が決まっており、各々の卒業研究テーマについてそれぞれ日々勤しんでおります。また、素材・機械系の会社などに就職も順調に決まっております。

 卒業生の皆様もお忙しいとは存じますが、機会がございましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆様のご住所や勤務地に変更がございましたら、メールで結構ですので、ご連絡下さい。

E-mail: hirai@mail.kitami-it.ac.jp

(平井慈人 記)

○無機材料研究室

 卒業生の皆さんは、いかがお過ごしですか。本年度の無機材料研究室は、大学院生5名、学部生5名と計10名になりました。また企業との共同研究も複数始まり、大野も学生と共に忙しい日々を送っています。私事ですが、本年度より教授に昇任し、松田教授の無機物質工学研究室と同じグループとして研究を行っていますが、完全に独立した研究室となりました。学生の近況ですが、本年度の学部生は5名中3名が大学院に進学する予定となっており、各々の卒業研究テーマについてそれぞれ日々勤しんでおります。修士課程の学生も修士2年生は早々と就職先も確定し、修士1年生と共に、国際会議での発表など、研究活動を活発に行っております。

 卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。

E-mail: ohno@mail.kitami-it.ac.jp

(大野智也 記)

○医療材料研究室

 卒業生の皆様、大津です。ご無沙汰しています。まずは私事からですが、平成29年4月より機器分析センター専任教員をお役御免となり、マテリアル系グループの所属になりました。というわけで、研究室名を改めて「医療材料研究室」の名づけ、研究室のホームページも作成してみました。機会があれば見てみてください。さて、今年度の研究室は、M2が2名、B4が4名、さらにD1が2名おり合計8名でいつも通りやっています。D1の学生のうち1名は当研究室の4期生の坂本君です。彼は現在、群馬大学で表面分析装置の維持管理や依頼分析の仕事をしているのですが、博士の学位取得のために社会人博士の学生になりました。でも実験は群馬大学でやっているのでほとんどいないんですけどね。研究室の日々は相変わらずですが、今年度は、学生たちの自由な発想を大切にしようと考え、以前よりも好きなように実験してもらっています。また、昨年度から始めた週に1回の「体育の日」は相変わらず継続しています。毎日の運動不足を解消するために、昼休みに全員で体育館に行ってバドミントン、ミニバレー、フットサルなんかをやっています。

 研究室 HP:http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~ohtsu/

(大津直史 記)

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各専攻共通

 「プラス思考で頑張ろう」

 各専攻共通主任の伊関です。

 人生はどんな出会いも偶然の積み重ねからできています。私がこうしてこの文章を書いているのも何かの縁です。そして、誰の目から見ても成功している人というのは、必ずその与えられた環境で精一杯前向きに努力している人ではないでしょうか。ある本によると、「運」は棚から牡丹餅式に訪れるのではなく、自分から呼び込んで獲得していくものだそうです。そのように明るく前向きに努力している人を見ていると、自分も頑張ろうという気になるものです。

 自分にとって何かいいことが起こるのは、他の人が自分をそれだけよく評価してくれたことの結果であることが多いわけですから、幸運は基本的に人間関係において自力で勝ち取っていくもの、ということになります。

 日常生活は自分にとって決していいことばかりとは限りません。何かよくないことが起きても決して悲観する必要はありません。自分にとって何がいいことで、何が悪いことかは後になってみないとわからないものです。あの時苦労したことが後になって大いに役に立ち、自分にとって運が開けたというようなことはいくらでもあり得ます。つまり、マイナスのことがプラスに転じることも多いということです。試しにその場でジャンプしてみるとわかるように、いったん大きく屈んでからでないと、足を伸ばしたままでいては全くジャンプすることはできません。屈む度合いが大きければ大きいほど、伸びる度合いも大きくなるというわけです。自分にとってマイナスの事柄であればあるほど、プラス思考で頑張れば、それだけ大きく伸びることができるということです。マイナスもプラスも、長い目で見ればどちらもプラスだということですね。自分を信じて積極的に生きていきましょう。そうすれば、数年後には今とは全く違った自分になっていることでしょう。私もそのように頑張ります。

(専攻主任 伊関敏之 記)

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マネジメント工学コース

○各学科共通マネジメント工学コース

 今年度は4月に学科改組が行われ、「マネジメント工学コース」は「地域マネジメント工学コース」へと名称が変更となり、より機能を強化・拡大した教育カリキュラムが準備されました。そして、あらたに担当教員として、この4月から伊藤敦先生が着任されました。伊藤先生はさっそく、これまで集中講義で実施していた「経営マネジメント学」を講義しています。新カリキュラムでは2年次後期からコースに配属となり、これまでより半年も早く専門コースで学べる体制となりました。「地域マネジメント工学コース」を主担当とする先生方は、国際交流センター長・許斐ナタリー先生、先に紹介した伊藤先生、社会連携推進センター・内島先生、そして有田の4人です。現在は、来年後期(10月)からの「地域マネジメント工学コース」の本格的な活動に向け、準備を進めています。

 「マネジメント工学コース」は平成20年度に設置され、今年度、7期生となる4年生19人がマネジメント工学プロジェクト(卒業研究)に取り組んでいます。そして、マネジメント工学プロジェクト担当教員には、あらたに4教員・4研究室が加わりました。旧バイオ環境化学科の岡崎教員、旧マテリアル工学科の村田教員、浪越教員、そして伊藤淳教員です。配属先は、ウラ教員(2人)、川村彰教員、渡邊教員、高橋清教員、宮森教員、升井教員、亀丸教員、桝井教員、早川吉彦教員、佐藤利次教員(2人)、村田教員、春木教員(2人)、そして社会連携推進センターの産学官連携価値創造研究室(CVR研)(4人)です。11月14日にはマネジメント工学プロジェクト(卒業研究)の中間報告会が行われました。4年生は、学生生活も残り半年を切り、2月の卒業論文発表会に向け、各研究室で更なる研究の推進はもちろんのこと、自分に磨きをかける充実した日々を送っているようです。ここでは、マネジメント工学コースの4年生が配属されている研究室のうち、共通講座と社会連携推進センターの研究室便りをお届けします。各学科等の研究室については、それぞれ関連学科の研究室便りで近況をお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

(教育研究責任者 有田敏彦 記)

○社会連携推進センター 産学官連携価値創造研究室(CVR)

 産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがおすごしですか。ここ数年、北見の冬の到来は早まっているようで、10月中旬には朝の気温が0℃を下回る日が出てきました。北見の“あの寒さ・冷え込み”を思い出してもらえるでしょうか。さて、今年、CVR研は有田研2人、内島研2人の計4人の4年生が配属されました。今年は女子学生がおらず、地元出身が2人、本州出身が2人です。有田先生はこの4月から新たにスタートとした「地域マネジメント工学コース」においても、教育研究責任者として、これまで以上に忙しくしています。内島も、3年後の大学院改組に向けた検討グループのメンバーの一人として、また、皆さんがこの同窓会誌と一緒に手にしてくれている広報誌「オホーツクスカイ」の編集委員長としても、本学のさらなる魅力発信に向けて活動しています。さらには、有田先生、内島は、この4月から学科改組をきっかけに、1年生の5人ずつの個別担任も行うなど、学生と過ごす機会もこれまで以上に増えてきています。 CVR研での今年度のマネジメント工学プロジェクト(卒業研究)は、有田研2人は、地域振興を目的とした学生目線での地域産業振興に向けた検討や地域特性を有する薬膳に着目した産業振興について取り組んでいます。内島研では、昨年度に引き続き、大学「らしさ」の育成・定着を目指した、本学の「らしさ」抽出と、新たに、学生の学習意欲向上に向けた課題抽出について取り組んでいます。今年は学外での公の発表の機会として、11月末に札幌で行われた、「北海道学生研究会(SCAN)合同発表会」に有田研の2人が発表をしました。内島研の2人も同じく11月末に徳島で開催された「産学連携学会」で発表を行いました。学外での発表は、マネジメント工学プロジェクト遂行へ拍車をかける形となり、学生にとってよい刺激となっています。

 ここ数年CVR研の卒業生が研究室に顔を出してくれます。また、今年はCVR研1期生が講師として、マネジメント工学コース3年次の科目で特別講義を実施してくれました。1期生が巣立って7年、その成長振りとともに、学生時代と変わらない部分も持ち合わせてくれていることをうれしく思いました。CVR研の卒業生の皆さんは後輩たちにとって励みとなります。ぜひ北見に来る機会がありましたら一報ください。懐かしい顔に会えることを楽しみにしてお待ちしています。

(内島典子 記)

平成29年度CVR研(研究室にて)

○共通講座 山田研究室

 旧共通講座・山田研究室の同窓生のみなさん、お元気にお過ごしですか。今年もまたこの原稿を書く時期となりました。当研究室の同窓生はとても少ない(2011年度の2名、2016年度1名の計3名)ので、この原稿を読んでくれる人はいるのだろうか、ひとりごとをつぶやいているだけではないだろうかと、いつも懸念しておりましたが、今年の3月に同窓生の一人が帰省のついでに研究室を訪ねてくれ、なつかしく楽しい時間を過ごすことができたと同時に、研究室だよりも毎年読んでくれていることが確認でき、たいへん勇気づけられました。みなさんもどうぞ、機会があれば気楽に研究室に寄ってください。

 さて、今年はまた研究室配属者ゼロに戻ったので、研究室における変化といえば季節の移り変わりのみという、例年通りの日々となっています。とはいえ北見工大の大きな魅力の一つは、北海道の美しい季節の変化を、研究室の窓からも、また手近の公園からも、存分に味わうことができるということですよね。この原稿を書いているのは10月はじめの連休、心躍るような爽快な秋晴れの午前。知床あたりにふらっと行きたいところですが、さしあたって東陵公園で紅葉を楽しみつつ、みなさんを思い出しています。

(山田健二 記)

○共通講座 春木研究室

 The KOUDAI They Are a-Changin’ ?

 cleannessに敏感だがbeautyに鈍感である、というのが、勤めて5年の工大に対する印象です。たとえば、ごみ一つない廊下に、整然とポスターが貼られた掲示板。いつもまっさらの黒板。「きれいなとこやな」というのが着任時の印象です(清掃スタッフの仕事の質の高さには、いまもおどろきます)。ただし、そのきれいさとは、ごみがあるかないか、ポスターの端がそろっているかどうか、掲示期間は過ぎていないか、という基準によって測られるきれいさです。こうした、いわば同一性を軸とした仕事に、工大は(職員も学生も)長けています。

 ただし、そうした仕事への邁進は、ときとして本末転倒の情況を生み出します。たとえば、改組を迎えた昨年度、1号館の正面出入り口のガラス扉に「北見工業大学は変わります」ポスターが貼られていましたが、結果、一年間毎日わたしは、ポスターの真っ白の裏面とテイプを眺めて帰宅することになりました。つまり、ガラス扉の片側にだけ貼られたポスターは、建物に入って来るひとのことは考えていますが、出て行くひとのことは考えていません。しかし、入って来るひとは、たいてい、出て行くひとでもあるので、ほぼだれしもが、ただの白い紙に視界を遮られるはめになります。

 まさにこの表のみを見て裏を見ない、「ポスターは貼ればいい」という処しかたが、beautyに対する感受性の欠如と裏腹です。beautyを感じる力とは、差異を見いだしていく力であり、「ごみは捨てればいい」と片づけるのではなく、ごみのなかに、いろいろなごみを見いだす力です。さらに言えば、ごみのなかにごみではないものを、ごみでないもののなかにごみを、見いだす力でもあります。つまり、そもそもごみとはなにか、という基準そのものを切り開いていく力です。その意味で、beautyに敏感でないかぎり、北見工大は変わりません。

 そんななか、今年度の春木研究室は、ふたりの四年生を迎えました。映画を制作する中澤先生は、キャメラのレンズを通して、世界をたえずちがうしかたで見ることを希求します。「温泉はなぜ気もちよいのか」を論究する大矢先生は、湯と湯のちがいを、触れることを通して感じわけ、まさに世界の肌理(きめ)にわけいります。日々差異を見いだすおふたりの感性の冒険に寄りそい、巻きこまれながら、わたし自身もまた、変わりつつ生きることを、望んでいます。

(春木有亮 記)

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