母校だより 2016(平成28年度)


会誌発行に寄せて

北見工業大学学長(同窓会名誉会長) 高橋信夫

 同窓会会員の皆様におかれましては、益々御清栄のこととお慶び申し上げます。

 早いもので、今年も同窓会誌の発行にあたっての挨拶文を書かせていただく時期となりました。この一年を振り返りながら、北見工業大学の近況について報告させていただきたいと思います。

 この3月には、10人の先生方が一挙に御定年を迎えられました。機械工学科の冨士明良先生、尾崎義治先生そして石谷博美先生、電気電子工学科の野矢厚先生、情報システム工学科の今井正人先生、バイオ環境化学科の伊藤好二先生、マテリアル工学科の平賀啓二郎先生、射水雄三先生そして伊藤英信先生、最後に社会連携推進センターの鞘師守先生です。先生方には、教育研究面はもとよりあらゆる場面において、北見工業大学のために多大なご貢献をいただきました。ここに深く感謝申し上げます。

 平成27年度は、第2期中期目標中期計画期間の最終年度にあたり、第2期の活動についての総括を行いました。また、平成28年度から始まる第3期の計画作りに追われる毎日でした。特に、平成26、27年度は、国立大学の改革加速期間として位置づけられ、本学においても、「ミッションの再定義」を踏まえ、そして国立大学の3分類化における「地域」の選択を踏まえ、本学の「機能強化」につながる「改革」を進める必要がありました。

 本学では、今後の18歳人口の減少、社会構造の変革等を見据え、変化に柔軟に対応できる組織の構築を目指し、現在の「6学科(+共通講座)」から「2学科」への大きな改革を実施することとしました。一つ目の学科の名称は「地球環境工学科」、二つ目は「地域未来デザイン工学科」です。どちらの学科も、今後益々進むことが予想される、「伝統的な学問領域に捕らわれない学際領域の拡大」に柔軟に対応できる組織の構築を目指したものです。二つの学科の詳細につきましては、是非、本学ホームページにアクセスしていただき、ご覧いただければ幸いです。

 今回の学士課程改組は、教職員皆様のご協力のもと、平成26年度に作業を開始しました。平成27年度には文部科学省との折衝を繰り返し、平成28年5月に文部科学省に申請書を提出することができました。そして、8月下旬に設置審における審査を無事通過し、改組が実現することとなりました。今後は、平成29年4月からの新学科体制のスタートに向けて、山積みの状態にある様々な課題を乗り越える作業を、教職員一同が協力しあって進めることになります。同窓生の皆様におかれましても、この改革に対しまして、ご理解とご支援をお願い申し上げます。

 さて、このところ、全国的に異常気象が続いておりますが、この夏の北海道・北見も異常でした。8月中旬に三つの台風が連続的に北海道を襲いました。北見市常呂の日吉地区では常呂川が氾濫し、住宅やじゃがいも畑が大きな被害を受けました。その他の地域でも多くの畑が冠水し、多くの農家の方々が大変な目に遭いました。交通網もズタズタになり、石北峠の通行止め、JRの石北線の遠軽・上川間の運休が続き、物流に多大な影響も出ました。10月に入り、だいぶ平常に近い状態に戻りつつありますが、被害を受けられた方々にとっては、これからが大変になります。一日も早い回復を心から願っている次第であります。

 同窓会関係につきましては、9月末に東北支部のお招きいただきまして、仙台の秋保温泉に出かけました。久々の温泉を楽しませていただきました。その日は、昼過ぎに仙台空港に到着しました。支部総会の開始までに時間があったので、津波に襲われた地域を支部の方に御案内いただきました。東日本大震災から5年半経過しているわけですが、家屋の基礎ばかりが目立つ悲惨な状況でした。荒野と化した中にポツンと残っている小学校の建物が目にやきついております。その日の総会終了後には、支部の方々との懇親を楽しませていただきました。この紙面をお借りしまして、東北支部の方々に御礼申し上げます。有り難うございました。

 他の支部の集まりにも、日程的に可能であれば、是非出席させていただき、同窓生との情報交換を密にさせていただきたいと思っております。この件につきましても、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 最後に、学生の頑張りについても報告させていただきたいと思います。男子カーリング部が、先日行われた第28回ユニバーシアード冬季競技大会予選会で優勝し、カザフスタンで行われるユニバーシアード代表候補となりました。世界の舞台でも活躍し、北見工大の名を全国に発信してくれることを願っております。同窓生の皆様も、一緒に応援してください。

 以上、本学の近況を報告させていただきました。最後になりますが、同窓生の皆様の益々のご健勝とご発展をお祈り申し上げますとともに、本学に対しまして、これまで以上にご指導・ご支援をお願い申し上げる次第であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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北見工業大学卒業生の皆様へ

同窓会会長(昭和56年開発工学科卒業) 鳥越 廣美

 平素より、同窓会会員の皆様方には、様々な面で、ご協力いただきありがとうございます。さらに、益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。

 我が国は戦後の高度成長期以降の大都市部への人口集中や公害問題、また、台風、地震、火山噴火など多くの自然災害を克服しながら目覚ましい経済発展を遂げてきました。その基礎には、道路、港湾、空港、鉄道などの社会基盤の整備、堤防やダム、気象観測システムといったハード・ソフトを組み合わせた防災システム、さらには四方を海に囲まれた急峻な山も多いなど、国土利用にとって厳しい地理的条件にありながら社会基盤を整備するため高い技術に挑戦してきました。

 しかし、今まではそれぞれの分野での技術であればよかったのですが、今後は産学連携による電気・電子・機械・土木・環境化学等、多岐にわたる分野の複合的な技術が要求される時代に変化しております。

 例えば、最近話題の東京豊洲の築地市場移転をはじめとする汚染土壌問題については、2002年からの土壌汚染対策法において、法律関係、建設関係、環境化学分野の複合した見地が必要です。

 また、少子高齢化問題から労働人口減少の対策とされるロボット開発においては、機械・電気・電子の複合分野であり、さらに言えば、ロボットの使用条件においても、建設・化学の分野の知識が必要になります。

 このように時代は、複合分野の知識、技術を求めて、異業種との連携を必要としております。我々技術者は、幅広い見地、視野を持って、物事に向かっていくことになります。

 これらの為にも、同窓会を利用して、様々な知識を持った卒業生とのコミュニケーションを図り、さらには、本学の先生方との絆が必要であります。皆さん、時代の流れに乗り遅れないように、同窓会活動に参加するだけでなく、この活動を利用してください。

 今年の3月に、平成27年度学位記授与式(卒業式)に参加させていただき、約500名の卒業生並びに関係者皆様の前で、お祝いの言葉を述べさせていただきました。新たに社会人となり、技術屋集団の仲間入りをした方々には、お祝いの言葉を重ねて申し上げます。今年の卒業生にて、15,000人を超える歴史ある大学となりました。

 さらに、新たにこの4月に入学された学生の皆さんにとっては、社会人への準備期間に入ったことを再認識していただきたいと思います。

 この様な時代にあって、大学に通う学生の皆さんには、前向きに何でも取り組む考え方を望みます。プロの技術屋になるまでには、事前知識としての学生の期間と入社してから一人前になるまでの経験を重ねる期間があります。この中で、壁を造るのではなく、興味を持って何事にも取り組み貪欲に知識を吸収してもらいたいと思います。この知識と経験を備えることが出来れば、真に技術屋集団の仲間入りとなります。

 開学以来、半世紀を超える歴史の中で、北見工業大学は、学科が様々な形で統合され、名称も変わっていきますが、北見の地の大学に変化はありません。皆さんの第二の故郷であります。

 同窓会の目的は、「会員相互の親睦を厚くし、北見工業大学並びに会員の隆盛を図る事。」です。

 新しい卒業生が各支部活動にどんどん参加し、親睦によるコミュニケーションを図り、支部活動を活性化し、強い絆の支部が形成されることを望みます。これが基礎となり、お互いの仕事・生活などに役立てる連携、つまり同窓生間で連携のとれた力強い同窓会にしたいと思います。

 今の時代は、インターネット・メール・ホームページなど、自らが覗きにいく手段があります。この手段を積極的に仕事に、生活に、人生に、同窓会活動にと活用していただきたいと考えております。

 今後の同窓会は、皆様方自身の人生の絆作りの為にも、同窓生の積極的な支部活動の参加によって、本学の現状を知っていただき、余裕を作って同窓会総会に出席または、支部代表として役員会へ出席していただければ、なお一層の本学繁栄につながるものと信じております。あの懐かしい北見・学校・下宿・学寮等々、久しぶりに覗いてみましょう。

 是非とも、同窓生の知恵と行動力を集め、北見工業大学本学の繁栄に寄与すべく最大の応援団として、本学とともに我々同窓会も強固な集団にしていきたいと思います。今後とも、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 最後に同窓生皆様方のご活躍、並びにご家族様と共にご健勝をご祈念申し上げます。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉計算力学研究室の18年

機械工学科 大橋 鉄也

 企業の研究所で16年間、国立の研究機関で2年間過ごした後、1999年の春に片岡更一先生の後任として北見工大機械工学科に着任し、研究室の名前は「計算力学研究室」とすることにしました。最初の卒業研究生として配属されたのは、浅川君、湯田君、澤田君の3名で、二相合金の結晶塑性解析(金属の微視組織に生ずる塑性変形の解析)、金属の多結晶微視組織の形成、微視組織中の巨大力学場形成の3件を卒業研究として検討してもらいました。当たり前のことかもしれませんが驚きだったのは、私が予想もしていなかったようなことを時々彼らがやって問題を解決したことでした。企業の研究所でも国立の研究所でも、研究は自分でするものという意識で続けてきましたが、誰かに任せてみることが思わぬものをもたらしてくれることを体験したのでした。あれから18年、学部と大学院合わせて約100名の学生たちと付き合ってきましたが、卒業式の後に挨拶をしてくれる彼らの顔の輝きは本当に印象的なものでした。

 昼食はいつも学生たちと食堂で取るようにしていました。彼らは最初は緊張して、ほとんど何もしゃべってくれませんが、しばらくすると誰かが何かの話題をあげて、それにつられて、いやそうじゃない、とかこれはどうなんだとか、少しずつおしゃべりが広がってゆきます。日本の将来の最悪のシナリオ、などというものから身近なものまで色々でしたが、ある時、研究室で登山に行こうかとなったのです。軽い話が1泊2日の大雪山縦走計画に発展し、それからおそらく10年以上、多い時には20名以上の参加で研究室登山が続きました。そして今年、2016年の7月には最後の研究室登山をいつものように行って、適度な疲れと、終わってしまったなという思いで帰路に着いたのでした。

 この18年で一体何をしてきたのか。研究室の卒業論文、修士論文、博士論文のテーマとなったものは大まかに3分野に分けることができます。

  1. 金属の顕微鏡レベルで見えるいわゆる「微視組織」の中に生ずる変形の解析
  2. 海氷ができて行く時の塩分濃縮と結晶組織形成のシミュレーション
  3. 人体の筋骨格のモデル化と、筋収縮による運動のシミュレーション

 1のテーマは固体材料の変形・強度・破壊を従来の機械工学的なアプローチよりも少し細かいレベルで考えよう、実験的なものではなく、数値的な手法でアプローチしようとしたもので、研究室の活動のおそらく70%くらいを占めていたのではないでしょうか。この分野の研究で国内外の多くの人たちと共に仕事を進めることができたのも幸運なことでした。

 2のテーマは、北見という地に居るからには何か大きな自然に関係したことにもタッチして見たいという動機と、北見工大に雪氷関係の研究を進めている先生が多数おられるので、仲間に入れてもらうという動機で始めたものでした。何人もの学生の卒研及び修論のテーマとなり、博士課程に進んだ河野義樹君(現、旭川高専)は世界的に流通する雑誌で論文を何件か出版し、2012年に学位を取得しました。

 3のテーマは数値解析技術を使ってどこまでできるか、という程度の興味で始めたものでしたが、始めてみてすぐに我々の身体の複雑さ、精巧さに直面し、その奥深さは計り知れないという印象を持たざるをえませんでした。ここでも何人もの卒研、修論のテーマとなりましたが、学術誌論文などの形となって残ったのはわずかでした。

 海外、国内を問わず、長い出張が終わって女満別空港に向って下降してくると、ようやくわが町に帰ってきたという感想をいつの間にか持つようになりました。特に着陸が昼間だと、夏は緑のパッチワーク、冬も白銀に輝く山や森が広がる様を眺め、その度に、なんて素晴らしい所なんだと感じたりしていました。学生たちの輝きとオホーツクの大きな豊かさに彩られた18年でした。みなさん有難うございました、そしてさようなら。どうぞお元気でご活躍ください。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉「退職にあたって」

機械工学科 佐々木 正史

 セラミックガスタービン(焼き物でできたジェットエンジンみたいなもの)を積んで乗用車を走らせようという、ぶっ飛んだテーマで十数年、燃料電池自動車の開発で数年と、社内で「海山テーマ」(海のものとも山のものとも判らないという意)と呼ばれたテーマに嵌まり込んでうかうかと過ごし、気が付くと某自動車会社に入社して20年以上が経過していました。研究というよりモノづくりの面白さにうつつを抜かしていましたが、もともと研究職を希望していたので、転職するなら体力が残っている50歳前に、また生まれ育った北海道でと就活していたところ、縁あって北見工大に拾い上げて頂きました。

 さて、定年退職まで17年、うまくいけば全く新しいテーマで一仕事、あわよくば二仕事くらいできるかもと甘すぎる期待を秘めて北見工大に赴任致しました。しかしそのテーマがある程度固まるまでに5年以上かかってしまい、今も道半ばで一仕事すら完結には程遠い結末となりそうです。テーマに大きく影響したのは南極での越冬(2003-2005第45次)で、昭和基地周辺の湖沼でろくに有機物も無いのに非常に高濃度のメタンのあぶくが氷の中に閉じ込められている不思議に、すっかり取りつかれてしまいました。これがきっかけでこれまでオホーツク海が中心だったフィールドから、道内やアラスカなど寒冷地の湖沼から大気に放出されるメタンの挙動を追いかけるようになりました。南極越冬で不在にした1年4か月、開けた大穴を埋めてサポートして下さった本学の皆様に改めて深謝致します。

 一方、エネルギー・熱工学の分野では北見らしいご当地テーマとして地中熱ヒートポンプ(GSHP)冷暖房システムに本格的に取り組み始めたのが、やはり6年目くらいからでした。それまでは太陽光発電と同じパネルで太陽熱も取得するハイブリッド・ソーラーパネルを積水ハウスと共同で研究していたのですが、道東の厳しい冬の暖房エネルギーを賄うのは困難との結論を得てパネル単体の要素研究とシステム解析のみで終了しました。タイミング良く、北見市の建築業者が高断熱モデルハウス内に本格的にGSHPを設置したことから、北見工大がそのシステムの性能解析を実施するという共同研究に取り組みました。10年間メンテフリーでGSHP単独の暖房による省エネ・省石油性能が実証され、また日本各地における所要採熱管深度を設計するツールが完成しました。

 話は17年前に戻りますが、同じ横浜に住む高校時代の同級生二人が転職を祝ってくれました。私は調子に乗って研究に関する夢もどきの期待をあれこれ話していたんだと思いますが、一人が、「ちょっと待て、大学というところは研究も大事だが、何よりも先ずは教育機関なんだからな。学生たちをどう育てるかというところを忘れてもらっちゃ困る。」といつになく真顔で言うのです。その時のちょっと狼狽した気持を今まで保ち続けてきました。それまで大学生との付き合いは殆どありませんでしたので確かなことは分かりませんが、北見工大の学生は総じて大都会の学生に較べて大変純朴で真面目に感じられ、好感度が高い印象です。半分は本州から来ているのですから、北見の環境が学生の性格にも影響を与えているのでしょうか。特に卒研・大学院で研究室に配属された学生たちとの日常の交流は私に若い活力を注入してくれました。教育したというより一緒に研究室を盛り立ててくれた卒業生の皆様に改めて感謝したいと思います。

 還暦直前まで一度も入院したことが無かったのに、ある日突然、腹部大動脈破裂で死にかけて以来、毎年のように開腹・開胸手術で痛めつけられ、大動脈のかなりの部分が人工血管に置換されました。加えて睡眠時無呼吸症候群でCPAPという空気を押し込む機械で睡眠時の呼吸を助けてもらっています。だんだんサイボーグ化が進行し、スターウォーズのダースベーダーみたいになりつつあります。手術で完全に喫煙を断って5年になりますが、先日目の前にエンジンのかかった軽自動車(誰のか知らない)があったので、それに飛び乗り近くの煙草の自販機のあるところ(なぜか体育館)に駆けつけ、入ってみたら自販機がロープに巻かれ、天井近くまで引き上げられていて、ボーゼンとなった夢を見ました。心の方もサイボーグ化してきたのかも知れません。ちょうど辞める潮時ですね。では。

 皆さま本当にお世話になりました。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉

機械工学科 菅原 幸夫

 退職を迎え、ご挨拶かたがた一筆取らせて頂きます。

 まずは、長い間お世話になりました皆様、事務局の方々に心よりお礼申し上げます。と同時に、先輩の方々にも紙面をお借りし、改めてご助力ご鞭撻に感謝申し上げます。

 私が本学に赴任したのは今から32年前の昭和59年秋、結構冷えたときと記憶しています。引っ越し荷物が層雲峡を超えるときに道路が夏タイヤでは走行不可能であったと聞きました。いやはや、噂に違わず寒そう・・・でした。そして年が明けて1月、−30.1℃。びっくりしました。体感温度はさほどでもなく、乾燥空気のせいかなと思いました。後日気象学者に「湿度が低いと体感温度は低く感じないものか」と聞いたら、「そんなことは無い」。流氷が来る時期に一気に気温が下がるとは、北見在住が長い人の話でした。この流氷下で育つ毛蟹は日本一の美味と言うことを後で知りました。そしてその年8月、 35.6℃。さすがにこのときは耐えられないくらい暑かったことを覚えています。後年、5月の暮れ頃か6月の初め、フェーン現象でいち日の温度差が30度を超えた(と記憶してますが、30度くらいだったかも)ときはNHK夕方7時の全国版ニュースのトップになったと思います(間違ってたらごめんなさい)。いやはや、すんごいところだな、が所感です。来てまもなくとてつもない寒暖を経験し、多少の数字には驚かなくなりましたが、継続すると体にこたえます。最近は教室を始め研究室でも空調設備が有るので大学は快適にはなりましたが。

 大学では学生の卒研指導、これは少し経験がありましたので比較的スムーズでした。しかし学生個人に対する就活支援はかなり直接的で、採用いただいた後ですが企業の方とゆっくり話す機会ができたということが責任を感じる所以です。学生からの相談には企業側の内情や都合を付帯することができるようになりましたし、その必要も生じました。前任地では授業科目の一つ、実験を担当してました。準備ノートは作らず、学生向けの実験の手引書に事細かく追記した物のみでした。ところが本学での担当は全部初めてで、おまけに実験は無く、講義と演習です。製図という実習もありました。一気に押し寄せてきた4科目のノート作りが大変でした。お恥ずかしい話、授業で成績がよかった科目のノート作りが大変だった気がします。印象深いのが製図。学生時代に、厳しさが後世ためになる授業をされる先生から、「君の図面は間違いが多いが見やすい」と褒め言葉?を頂いた事をよりどころにしてました。後日先生にお会いしたとき、この言葉を頂きましたと申し上げたらご記憶に無いとのこと、ちょっと残念でした。

 研究テーマも一からやり直し。鋼の熱応力発生機構の数値シミュレーションが以前の題材でしたが、機械振動関係に進路を切りました。先輩の先生のご指導を受けながら自習し、やっと国際会議で発表できたのが数年後でした。が、この分野の研究はあまり続けられず、またテーマ変えを迫られ、現在に至ります。ここ数年は鋳鉄の熱履歴特性と人体動作解析、いずれも物になったとはいえないくらいです。そして、11年前に本学に設置された3D-VRシステムを用いた、吹雪の視程に関する研究はこの期に及んで何かしら成果が出そうです。この種の研究は、いわゆる全国の大学では相当希有だそうです。吹雪を評価する値の観測を含む視程の実測と、吹雪のVR技術に依る視覚的再現の融合が目的です。これに大学キャンパスや、美幌峠、挙げ句の果てには南極大陸昭和基地周辺など、背景を差し替えての再現です。無風下の降雪から始めて、白っぽい小片の図形を横方向から反対方向に移動するように見えるパラパラ漫画を作り吹雪に見立てて、遠方に設置する標識を見ようというのが視程測定実験です。実際の吹雪と実現するVR空間での吹雪の相関が得られればしめたものです。

 本学は平成29年度から大きく変革されます。これに伴う研究体制の変化は劇的には無いとの私見ですが、学生諸君の気質の移り変わりが大学教育を変え、ひいては研究環境も変えるかもしれません。ここ10年くらい前から、授業形態に大きな改革を要求された気がします。従来の授業ノートが全くといっていくらい役に立たなくなりました。表現する言葉も変えざるを得なくなった気がします。いったん違和感を感ずるとその先の話をうまく聞き取ることができず、往生します。授業は話すことより紙を渡すことをよく要求されます。時代でしょうか。“老兵は死なず、去りゆくのみ”をかみしめる今日この頃です。

 改革を迎え、前途洋々たる本学のますますの発展を祈念し、ご挨拶と致します。

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〈定年退職を迎えるに当たって〉

共通講座 齋藤 正美

 数年前、ある大学で学生部長の要職を担っていた筆者の先輩が、退職を前にして、突然すい臓がんでなくなり、衝撃を受けた。退職後は、雑務に妨害されることなく研究に打ちこめると、喜んでいた矢先のことである。さぞかし無念であったろう。今度は、筆者の番なので、退職期を乗りきろうと、がん検査を積極的に受診するようにしている。退職は一つの壁である。筆者はどういうコースをたどるのか、不透明であるが、北見工大に経済学の教員として赴任して以降の7年間の決算はできる。まずは、そこから始めてみよう。

 収支決算として、プラスの面は、研究を保証する給料が定期的に入ったことがあげられる。こんなことは、当たり前で記すに値しないといわれるかもしれないが、非常勤時代が長いことからすれば、最も重要であった。次に、すくないながら質の良い論文が作成できたこと。主食を玄米に切り替え、皮膚が滑らかになりかゆみがなくなったこともプラス面に付け加えることができる。マイナス面は、老化と健康の面であろう。寒冷地が原因だと推定されるいくつかの疾病に悩まされた。また、技術革新時代の研究職の宿命で、コンピュータ入力にたえきれなくなったのか、老眼の急速な進展と腰痛があった。収支決算を詳しく行えば、北海道の環境とくらし、人々との交流などにも立ち入らなければならず、かなりなスペースをとってしまうので、すでにあげた内容、すなわち給料と業績と健康で収支決算の概要としたい。

 以下、業績ということで、北見にきて作成した3つの論文を時系列で解説する。

 第1論文は、輸出と日本経済の関係を論じたものである。筆者は、経済学の研究を国際価値論から始めた。国際価値論は、国際経済学のもっとも基礎的な部分を扱い、価値の生成に関して、国内では労働の生産性に依存しないが、国際的には、それぞれの国の生産性に依存するという、しかもその生産性に比例して生成する価値の大きさが決まるというものである。これによって、外国貿易が生じる原因を説明することができる。この国際価値論は、輸入経済学が多い中で、日本人が独創的に切り拓いた分野である。大阪商大(現大阪市大)の名和統一が開拓者である。1950年代から60年代に、華々しく論じられたが、やがて抽象化が進み現実から離れ、貿易よりも資本移動が重要視されるように世界経済が変化すると、この分野を研究する人が少なくなり、ほとんど顧みられなくなった。筆者は、80年代の後半に、半ば時代遅れのこの分野を対象にして研究生活を始めた。

 90年代、輸出で成長を図る動きが顕著になる一方、輸出が伸びても国内向け産業が関連して発展せず、分断されている状況が出てきた。たとえば、家電分野の部品が、自動車の輸出増大に合わせて増大するが、国内市場とは関係を持たない異常な状態が発生するようになった。この状況を産業連関表を使い明らかにしたのが、第1論文である。

 第2論文は、生産様式という概念を扱ったものであり、中村静始が精力的に論じた分野である。技術が社会を変えることは、現代の科学技術革命を見れば明らかといわれるが、社会科学的に説明するのは容易ではない。いかなる技術が、なぜ、どのようにして社会を変えるかという問いに答えねばならず、これに接近する社会科学的用語が、生産様式であり、この概念を究明するために、3000頁ほどある『資本論』のなかからこの用例を拾い出し整理分類する作業を延々と行った。北見工大の静かで、邪魔されない環境があったからできたとおもう。

 第3論文は、コンピュータ技術の内的発展を追求したものである。大阪大学のボイラー研究者石谷清幹によって、1950年代に技術の発達法則が提唱された。技術の根本要因が、動力と制御からなり、これらが対立する両極であり、この矛盾の展開が技術の内的発達を説明する。この根拠は、人間労働における動力と制御の矛盾である。労働における動力制御の性格が、労働対象と労働との間に位置し労働を労働対象に伝える労働手段に移る、とみるのである。筆者は、この法則を個別技術の発達に適用した。すなわち、船舶技術、紡績技術、通信技術である。残る技術分野でも適用できるとの確信を得た。さらに適用分野をコンピュータに広げ、およそ8年間研究した結果、糸口がみつかり、第3論文にまとめた。ただこの論文は序論であり、本格的な究明はこれからである。退職してからの課題としたい。

 筆者の研究対象は、国際価値論から始まって、外国貿易論、生産価格論、ラテンアメリカ経済論、生産様式論、技術の内的発達法則と移ってきた。筆者は一時技術者として企業にいたことがあり、そこを飛び出て経済研究者になったが、あらためてみると、結局は古巣の技術に還ったことになる。

 学問の道は限りないが、幸い文系であるため研究環境は維持できる。定年を乗り越えられるかどうか心もとないが、乗り越えられれば、洋々とした学問分野が見えてくるのではないかとおもう。

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同窓生の活躍

○卒業生の協力で今年も技術セミナーを開催

 本学では平成19年から社会貢献の一環として、本学出身技術士の協力のもと、技術士の資格取得希望者を対象に講義や添削指導等を通じ資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年開催しており、今年で10年連続した開催となります。

 今年の講座は、林克恭氏(昭和59年土木工学科卒 (株)福田水文センター)、岩倉敦雄氏(昭和59年土木工学科卒 (株)構研エンジニアリング)、小杉 勝則氏(平成2年土木工学科卒 (株)北未来技研)、佐藤之信氏(平成2年開発工学科卒 (株)豊水設計)、天内和幸氏(平成8年開発工学科卒 (株)FAロダクツ)、岩渕直氏(平成17年土木開発工学専攻修了 (株)構研エンジニアリング)の6人の講師陣に加え、北見から橘邦彦氏(昭和51年開発工学科卒 ㈲パル設計事務所)、牧野勇治氏(昭和55年開発工学科卒 (株)中神土木設計事務所)もネットを活用した添削業務に加わり、北海道教育大駅前サテライトを会場に全4回の講義を開講しました。

 本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、募集と同時に定員に達するほど大変好評な講座です。

 当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。

 筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も受講生から多数の合格者が出ることが期待されます。

 また、平成23年から開催している土木・建設関係の技術者に最新技術動向や建設コンサルタントを取り巻く状況等について情報提供を行う技術セミナー「建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム」では、受講者からの複数回の開催を望む強い要望により、本年は5月に続き9月にも開催しました。

 第1回のセミナーでは本学大学院博士後期課程修了の佐藤之信氏((株)豊水設計)に加え、本学機械工学科准教授 星野洋平氏、同社会環境工学科准教授 中村大氏を講師に、また、第2回のセミナーでは本学卒業生の林克恭氏((株)福田水文センター)に加え、社会環境工学科教授 亀田貴雄氏、同准教授 舘山一孝氏、同准教授 白川龍生氏が講演しました。

 参加者のアンケートでは大変興味深い内容の講義に対する謝辞とともに、次年度も複数回の開催を強く望む意見が多数寄せられました。

(研究協力課)

技術セミナー(技術士養成支援講座)開講式で挨拶する本学卒業生の講師陣

技術セミナー(建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム)の受講風景

技術セミナー(建設コンサルタンツ協会CPD認定プログラム)で講演する佐藤氏(左)と林氏(右)

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サークル等活動報告

○カーリング部

 私たちは現在部員41名で活動しています。普段の練習は主に週3回の体育館での陸上トレーニングと週末にカーリングホールでの氷上練習です。体育館での陸上トレーニングでは、体幹や筋力のトレーニングを中心に行っています。練習の最後には球技を取り入れて体力強化もしています。練習のほかにカーリング部の主なイベントとして新入生歓迎会、夏合宿、懇親会、送別カーリングなどいろいろな行事があります。この他にも、地域のボランティア活動にも積極的に参加しています。このようにカーリング以外の行事もたくさん取り入れて楽しく活動しています。

 今年度は9月にアドヴィックス常呂カーリングホールで行われた、第28回ユニバーシアード冬季競技大会日本代表選考会で優勝することができ、来年1月からカザフスタンで行われる第28回ユニバーシアード冬季競技大会に日本代表として出場することになりました。これからも応援よろしくお願いします。

(部長 野々村優介 記)

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○ロボコンチーム

 私たち、北見工業大学ロボコンチームは総勢約20名の少人数ながら今年も「 N H K 学生ロボコン2016」の本選に6年連続の計10回目の出場を果たしました。これも同窓会本部および関東支部の皆さまからの応援によるもので、この場を借りてお礼申し上げます。

 さて、本選の結果ですが、惜しくも予選リーグ敗退という結果に終わってしまいました。私自身も知識不足、技術不足と自分の不甲斐なさや他チームとのレベルの差を痛感いたしました。今日の学生ロボコンは、センサー類やマイコンなどの電子部品の技術的進歩と比例して競技レベルも上がってきていると感じます。この波に取り残されないためにも、今一度チームとしての方向性を見直し、既存の技術だけではなく、新しい技術を取り入れていく貪欲さが必要になってくるのではないかと思います。今後は新体制となったメンバー一同今回の反省を生かし、来年また「N H K学生ロボコン2017」の本選へ出場し、決勝リーグ進出そして優勝を目指したいと思います。

 また、北見工業大学同窓会様から頂いた寄付によりチーム T シャツや部品等を購入することができましたこと深くお礼申し上げます。

(チームリーダー 福山亮介 記)

大会終了後の大会メンバーの集合写真

北見工業大学応援団のみなさん

大会競技中の様子

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=学科だより=

機械工学科

 世界の情勢や産業構造が目まぐるしく変化する中、日本は何とかそれに対応し経済も回復の兆しが見られる昨今です。ものづくり日本のコア技術の革新を目指した卒業生皆様の不断のご努力がそれを支えているものと存じます。北見工業大学は来年度から大学始まって以来の大規模な学部改組が行われて2学科体制となり、機械工学科の教員は機械知能・生体工学コースとエネルギー総合工学コースとして二つの学科に分属し、相互補助しながら機械系の教育を継続することになります。また、電気電子や化学分野の教員も両コースに参加し、多様性を求められる時代のニーズにも対応しようとしています。来年度からの実施に向けて若手教員を中心に各コースの教育を適確に実施するための検討が精力的に行われているところです。

 今年の就職活動は解禁が二月元に戻ったため昨年のような混乱は有りませんでしたが、やはり就職内定時期が遅く、卒業研究や大学院の研究に支障が若干出ています。OB の皆様のご尽力もあり、お陰様で殆どの学生が一部上場企業を中心に内定をいただきました。

 この春には教育研究に長年尽力いただいた冨士先生、尾崎先生、石谷先生が退職され、大学への運営交付金削減の影響を緩和するために、代わって数名の助教(旧助手)が学科に採用されて、平均年齢がかなり低くなりました。その結果、教員と学生の対抗ソフトボール大会で教員らのファインプレーが多数見られるようになりました。来年の春には大橋先生、佐々木先生、菅原先生が退官され、2名ほどの助教が採用される予定です。経験豊富な教員の抜けた穴を埋めるには不安もありますが、若さとバイタリティーで活躍してくれるものと期待しています。時折 OB の方々が訪ねて来られますので、こちらに来られる機会がありましたら、お気軽にお立ち寄りいただき、在学生に社会の厳しさや仕事のやり甲斐などを語っていただきたく存じます。皆様のご健勝をお祈り致します。

(学科長 羽二生 記)

○材料力学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。現在の研究室は柴野教授、大森技術員、吉田のスタッフ3名、M2:1名、M1:3名、学部5名の総勢12名です。柴野先生は、会議、出張と多忙な日々が続いています。研究活動では、特性X線による表層応力分布評価法の開発、二次元検出器による残留応力評価に加え、病院や医科大学との研究及びカニ・ウニ・ウロコ・エビなど、生物の硬組織の微細構造解析及び力学特性評価を行っています。進路では、今年は4年生、1名が本学大学院に進学予定です。M2と他の4年生の就職も全員、無事に内定を頂きました。研究室登山は、柴野先生と緑岳へ行ってきました。また、大森さんのGo on footも続いています。学生は網走駅までの約50kmを完歩し、良い達成感を得ていました。研究室は元気に活動しておりますので、北見に来られる際は、是非、研究室にお立ち寄り下さい。末筆ながら皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

(吉田 記)

9月29日、研究室にて

○計算力学研究室

 今年度の研究室メンバーは大橋教授、長谷川技術員、安田特任研究員、佐藤のスタッフ4名と、後期課程3年リディアナさん、奧山君、前期課程5名、学部8名の学生15名です。これまでと同様に金属材料、半導体、スキーブーツなど様々な力学特性に関するシミュレーションを行っています。大学院の学生は国内の学会や国際会議へ参加し研究成果を発表し、学部生は来年4月からの進路も決定し、卒論研究に邁進しているところです。7月恒例の大雪山お鉢周りでは、ヒグマの目撃など驚きもありましたが、快晴の二日間北海道の大自然をたっぷり満喫してきました。10月にはこれも恒例の鮭コンパが今年も開催予定ですが、大きな鮭が釣れるでしょうか??楽しみです。最後にお知らせです。1999年より計算力学研究室を立ち上げ、18年間教育・研究に多大な貢献をされてきた大橋教授は2017年3月31日で定年退職となります。長きにわたり大変お疲れさまでした・・・ と続くところですが、大きな研究プロジェクトのリーダーとして活動中でもあり、これからもまだまだ現役で大忙しな研究生活が続きそうです。これまでお世話になった多くの卒業生より心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 卒業生の皆様の益々のご活躍をお祈りしています。また、北見方面へお越しの際は是非研究室へお立ち寄り下さい。お待ちしています。

(佐藤 記)

黒岳山頂(標高 1,984m)にて  2016年7月22日

○設計工学研究室

 現在設計工学研究室は学部生4名、菅原先生を含め5名で研究をしています。学部生は2月の卒業研究発表に向けて研究を進めています。現在の研究のテーマはそれぞれFEMによる杖つき歩行する人の膝負担、V R 技術による特定地域の吹雪シミュレーション、成長する鋳鉄の数値シミュレーション、加熱冷却される鋳鉄の熱弾性応力解析の4つです。研究室には大学院前期課程及び後期課程の先輩がいないので、これまでの先輩の研究成果などを見て手探りで研究を行っていましたが、研究室配属から5カ月が過ぎ今では自ら研究に取り組めるようになりました。さらに、本研究室は今年で閉鎖します。私たちが最後の学生ということで、今までの集大成でもあることから指導教員の指導の下に、卒業までの期間後悔が無いよう研究に取り組んでいきたいと思います。

(4年 大路睦 記)

○エネルギー・環境工学研究室(佐々木研)

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。佐々木・遠藤助教のもと、学生は社会人ドクター1名(燃料電池)、M2が1名(地中熱ヒートポンプ)、4年生は5名で研究を進めています。「エネ環研」も佐々木の定年退職と共に本年度一杯で17年の短い歴史に幕を引くことになりました。自然エネルギー研究と大気(メタン)研究の二本立てのテーマを皆さんの力を借りながら一緒に進めて来ましたが、次々と新しい展開が開けてわくわくの連続でした。本年度一杯でケリがつく筈もなく、方々に引き継がれて生きて行くことを期待しています。今後の皆さんのますますの発展をお祈りします。

(佐々木 記)

○伝熱システム研究室

 今年度は、M2:齋藤、五月女、高橋、M1:佐藤、劉の各君に加え、6名の4年生(秋山・高田・中垣・瓶子・松尾・シャフィズ)諸君が配属され11名の所属学生数となりました。同じく4月から、胡杰(ふーじぇ)先生が新規採用され研究室の一員になりました。先生は中国ご出身で、広島大学大学院を経て本学の特任助教として赴任されました。ご専門は管状火炎等の燃焼工学分野で、熱エネルギー分野にも興味をお持ちです。今年は、胡先生が10月29日機械学会で、M2とM1の学生諸君が11月17日寒地技術シンポジウムで発表を予定しています。4年生の進路では、5名が大学院進学を決めていて、来年は今年以上の人数になりそうです。中西さんも元気で、今年のおもしろ科学実験(8月6日)でも大活躍でした。私はといえば今年、学科の就職担当教員として高井先生共々頑張りましたが、何の縁か来年も担当することになりました。卒業生諸氏におかれましては、ご求人活動も兼ねてお気軽にお訪ねください。最後に皆様の今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

(山田 記)

○エンジンシステム研究室

 卒業生の皆さまにおかれましては、変わりなくご健闘のことと思います。今年3月に石谷先生が定年を迎えられ、現在は林田1人で研究室を運営しています。5月の石谷先生ご退職謝恩会の開催にあたっては、幅広い年代の多くの卒業生の方々からご芳情をいただき、おかげさまで思い出に残る謝恩会を開催することができました。ここに御礼申し上げます。

 研究室の方は、今年は5名の卒研生が配属され、3名のM1、5名のM2と協力して研究に励んでいます。今年は低温室の6H エンジンの再稼働ならびに4J エンジンの最新モデルへの入れ替えを行うほか、第2実験室に長らく鎮座していた明電舎の動力計をヤンマーの単気筒エンジンに適用すべく鋭意作業を進めています。また、新たに ICCDカメラを導入するとともに、この先にはディーゼル燃焼観察容器の導入を控えるなど、今年は新たな実験装置の立ち上げに忙しくしています。このように、研究室の様子はだいぶ変化しましたので、何か理由を見つけてぜひ研究室をお訪ねください。

(林田 記)

○流体工学研究室

 卒業生の皆様方におかれましては、元気にご活躍のことと存じます。今年度の流体工学研究室は、羽二生教授、小畑技術員と高井のスタッフ3名と、D3が1名(社会人)、M2が4名、M1も4名、学部が8名です。修了・卒業予定の学生は8名の就職と3名の進学が決まっています。今年は各地で大雨等による災害が起こっておりますが、卒業生の皆様方に影響はございませんでしょうか? 研究室では、G P S 誘導空撮システムの開発で使用するR C 飛行機の離着陸を行う場所が被災したため、研究計画に影響がでております。修論・卒論がまとめられるか心配です。羽二生教授は今年度学科長を務められて忙しそうですが、スタッフ全員元気にしております。春から夏にかけて、数名の卒業生が訪ねてきてくれました。久しく北見を訪れていない卒業生の皆様もぜひ機会をつくって来ていただき、近況や活躍の様子をお知らせください。

(高井 記)

○流体制御工学研究室

 今年度も就職希望の個性的な4年生が4人です。研究は、「噴流の混合・拡散作用の制御」に1人、「カーリングのスイーピング力測定」に2人、「カーリングのデリバリーにおけるハックの荷重解析」に1人が担当しています。しかしながら、スイーピング力測定ブラシの試作には、技術部の佐藤敏則さんやものつくり工房の堂田誠治グループ長、山田忠永係長、石澤真也技術専門職員に、また、P C に関しては長谷川稔さんに、さらにプログラムについては、情報処理支援グループのみなさんに大変お世話になりながら進めております。成績は、その学生の人格や人間性を評価するものでないことは多くの人が認めるところです。しかしながら、今の成績が人生の評価にならぬよう、しっかり努力してもらいたいと思う日々が続いています。卒業生の皆様のご活躍をお祈りするとともに、後輩に「社会経験」に基づいたアドバイスをして下さることを期待しております。

(宮越 記)

○計算流体力学研究室

 研究室卒業生の皆様お元気ですか?当研究室も設立よりついに10周年を迎えました。平成28年度は、博士前期課程2年生1名、博士前期課程1年生1名、学部4年生4名と私の計7名の構成で、博士前期課程2年生は波状チャネル内層流熱伝達の計算、4年生はマイクロ粒子/マイクロバブルを用いた乱流抵抗低減に関する研究に取り組んでいます。年度末に各テーマにおいて進展が見られることを楽しみにしています。博士前期課程1年生1名の就職を含む、所属学生全員の進路(就職/他大学院進学)が無事に決まり、来年度の研究室は総入れ替えということになりました。来年度は改組や機械1号棟改修が予定されており、研究室内外でバタバタしそうです。皆様のご活躍をお祈りしています。機会を見つけて、是非、研究室へ遊びに来てください。

(三戸 記)

○応用流体工学研究室

 今年度のメンバーは、4年生(4人)、M1(3人)、M2(2人)と佐藤技術員、松村です。今年のキャンプは、久しぶりにキャニオニングを計画したのですが、度重なる台風等の大雨の影響で、橋が流され、道路が消失し、河川はそれどころではない状況になってしまいました。そこで計画を変更し、最も大雨の影響の少なかった道北(豊富、稚内)で、お肉と海鮮のグルメキャンプとなりました。今年は学会と夢コンで、山口大学(宇部)に行きます。夢コンでは、ここ数年、優勝どころか入賞もできない状態が続いていますが、今年こそ、学生には頑張ってもらいたいと願っています。大学祭での焼肉レイノルズは、例年になく収益を上げたようです。さらにキャンプでキャニオニングを止めたため、行事費の予算に少し余裕がでたみたいです。それを卒業旅行に注ぎ込むようなので、3月が楽しみです。

(松村 記)

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度の研究室は、ウラ先生、久保、杉野さんのいつもと変わらぬ元気なスタッフ3名、後期課程D2のシャヒヌルさん、前期課程M2の王さん、M1の佐藤さん、学部6名の構成です。研究室に在籍していた短期留学生の■(口の下に天)さんは9月に帰国しました。研究テーマは引き続き、研削仕上げ面生成、リバースエンジニアリング、形状モデリング、製造法、製品開発などに関する研究を行っています。また、M2・学部生とも全員が就職先進路を決めることができました。恒例の研究室対抗ソフトボール大会は材料力学研究室との合同チームとして参加し、優勝することができました。今年も「CIRP ICME2016」「ABTEC2016」「APIEMS2016」「EcoDesign2016」などに参加します。

 最後に、皆様のご健康と活躍をお祈り申し上げます。

(久保 記)

○生体メカトロニクス研究室

 卒業生の皆様、元気でご活躍のことと思います。今年は、鈴木聡一郎先生、星野、ゾイ先生、楊先生の4名の教員とともにM2が5名、M1が4名、B4が11名の大所帯で、研究だけでなく、課外活動に積極的に取り組んでいます。本学に冬季スポーツ科学研究推進センターが設立されました。鈴木先生が初代センター長に就任され、アルペンスキー競技の研究がますます加速しています。さらに農業機械の高効率化の研究を星野と楊先生の体制で本格的に進めており、受動歩行、膝継手、腰部負担軽減についても興味深い研究結果が得られています。ママチャリレースでは、3研究室混成の3チームで出場し、主力2チームがクラス準優勝(2位)・同3位と大健闘しました。ロボットトライアスロン2016では研究室からの参加チームがついにアイディア賞を受賞しました。ご支援頂いた卒業生の皆様には心から感謝いたします。是非、研究室に遊びに来てください。

(星野 記)

○知的システム工学研究室

 研究室の名前の由来は、遺伝的アルゴリズム(GA)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、機械学習(ML)、人工生命(AL)、エージェント等の技術がスマートエンジニアリング(知的工学)と呼ばれ、これらの新技術を用いて工学的に色々な実問題へ取り組みたいとの思いから付けました。主な研究内容は、進化計算と機械学習による自律的な行動獲得、大規模問題によるハイパフォーマンスコンピューティング、物理法則に基づくアニメーティッドロボットの三本柱となっております。

 研究室では、昨年同様に北海道支部や全国の学会で活発に研究成果を発表しています。また8月中旬頃には、北海道情報大学古川研究室、北見工業大学鈴木研究室と知的システム工学研究室の3研究室(30数名)で1泊2日の夏旅行(当麻スポーツランド)が開催され、学生同士の交流が行われました。

 卒業生の皆様、北見にお越しの際には是非知的システム工学研究室にお立ち寄り下さい。

(渡辺 記)

△top


社会環境工学科

 卒業生の皆様、ご健勝のことお喜び申し上げます。昨年のこの近況の冒頭で「災害に備える意識を高くもつことが求められている。」と書き始めました。今年は北海道全体に台風による大きな災害が発生しました。特に8月の連続台風は、道東に相次いで上陸し北見地方にも大きな爪痕を残しました。報道されたように、常呂川沿いに広がる堤外地に作付けされた農作物への被害が中心でした。JRや国道などにも甚大な被害が発生し、今でもJR 石北線や石勝線、国道274号日勝峠などでは復旧作業が続いています。実際に災害復旧を担当されている卒業生の方は不休の作業に追われて、ご苦労されていることと存じます。学科でも被災直後から河川・地盤・構造分野の教員が調査を精力的に進め、学科で立ち上げたホームページに被災状況の報告を発信していますので是非ご覧下さい(http://cee.civil.kitami-it.ac.jp/study/disaster_2016/)。また、地震災害の少なかった熊本地方でも震度7の直下型地震が連続して発生するこれまでにない地震被害を経験しました。益々災害リスクが高くなっていることを実感しました。

 来年度からの改組が文科省によってほぼ認められたことが大学からも報告されているかと思います。従って本年をもって、1965年に短大の土木科からスタートし、多くの卒業生を排した土木系の学科は社会環境工学科を最後に学生募集は終了となりました。とはいっても今後4年間は卒業生を社会に送り出す役目は続きます。新組織図では2学科8コースとなりこれまでとは形を変えて「社会インフラ工学コース」と「環境防災工学コース」の2コースにおいて土木系の教育を行い(http://cee.civil.kitami-it.ac.jp/info/post-2051/)、今後もより多くの卒業生を社会に送り続けたいと考えています。

 今年度は教職員の異動はありませんでしたが、再任用制度で退職後も地盤系の技術的なサポートをして頂いていた平田技術員が今年3月いっぱいで北見工大を離れました。現在も市内で元気に活躍してされています。

 今年も卒業生の皆さんと色々なところでお会いしますが皆さん活躍している姿を拝見する度に頼もしく感じています。今後も北見工大が母校であることを誇りにご活躍下さい。

(学科長 三上修一 記)

○河川防災システム研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。今年度の河川防災システム研究室では、渡邊教授、吉川助教の下で社会人博士課程2名、修士院生が2名、学部生が5名の計9名で活動しております。後期に入り、修士院生2名は来年も見据えた研究に向けて、学部生5名は卒業、進学に向けてより一層気を引き締めて取り組んでいます。8月下旬、台風が北見に3つ上陸したことで河川の氾濫や破堤など大きな被害が発生し、実際の被害の様子を見に行ったりして河川分野の奥深さを実感しています。

 最後になりましたが、北見へお越しの際はぜひ、研究室にお立ち寄り頂き、近況などをお聞かせください。研究室一同、皆様のご活躍を心よりお祈りいたしております。

(M1 森田大詞 記)

○河川・水文学研究室

 今年の研究室メンバーは学部生4名です。今年の就職も順調で、ゼネコンへ2名、コンサルへ1名が内定し、残り1名は地元市役所を受験中です。来年度も大学院生が残らないため、OBの皆様でもっと研究してみたい方は、博士前期・後期課程へ社会人入学を検討して下さい。在学期間や授業料の優遇処置があります(詳しくは大学 H P の入試案内参照)。

 今年の研究テーマは釧路川の旧川河道復元や帯工による河床低下対策工に加え、オホーツク地方に多い農地からの土砂流出や、今年北海道を直撃した台風による降雨流出解析や流路変動解析にも取り組んでいます。また、昨年導入したドローンは現地調査で重宝しており、今年は更に大型ドローンを購入し、汎用利用にも取り組んでいます。

 最後に研究室OBの皆様、機会があれば是非とも研究室にお立ち寄り下さい。

(早川博 記)

○環境水理研究室

 皆様には益々ご活躍のことと思います。本年度の当研究室は私と学部生4名で、ここ数年、解析を行っている北海道の降水量変化の解析を進めています。学生は全員早々に就職も決まり、今は卒業研究に励んでいる毎日です。今年は全国的に降雨による自然災害が多く北見地方も同様でいろいろな被害を発生しております。皆様のところでも被害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。また、自然災害復旧事業等で仕事もお忙しいとは思いますが御身体に留意されご活躍ください。来北の節は是非とも当研究室にもお立ち寄りください。

(中尾隆志 記)

○水処理工学研究室

 卒業生の皆さま、お元気でしょうか。本年度は6名の大学院生、4名の学部生が駒井先生のご指導のもと日夜研究に励んでおります。各々のフィールドでは雨や汗や泥にまみれ、時には虫に刺され、道東の厳しい暑さ寒さに耐えながらも調査、実験、解析等に励んでおります。M1の3名はそれぞれペルー、アルジェリア、豪州での海外共同研究、ボランティア活動にも取り組んでいます。機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。

(B4 見付直哉 記)

コムケ湖での干潟環境の現地調査

○地盤工学研究室

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。今年の研究室の学生メンバーは、M2が2名、M1が2名、4年生が5名の9名で、最近では最も多い人数となっています。ただし、大学院進学予定者がおらず来年は少しさみしくなりそうです。研究面では、ここ数年変わらずメタンハイドレートに関する研究や盛土劣化、液状化に関する研究などを行っています。メタンハイドレート関係では、今年は調査船等を利用した6回の海洋調査を行っています。地盤工学の研究室ではないような活動です。写真は、9月に岡山で開催された地盤工学発表会でのスナップです。寒地岩盤工学研究室のメンバーも一緒です。

(山下聡 記)

○凍土・土質研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?現在、研究室には社会人の大学院生が3名、M2が1名、M1が1名、4年生が5名おり、そして今年は後期から留学生が2名加わり、学生さん用の研究室も(私もほぼいますが。笑)随分と窮屈になってきました。昨年の3月で平田さんが引退されましたが、実験室や屋外実験場の荒れっぷりを見ていると、平田さんの偉大さに改めて気づかされます。そんな中、今年の北見周辺は上陸した3つの台風等によって、大変な被害を受けました。災害調査にも多くの時間を割きましたが、我々一同力を合わせ、地盤工学を通じて社会に貢献していかなければと強く感じました。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り頂き、近況などを聞かせてください。お待ちしています。

(川口貴之 記)

○寒地岩盤工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年度の寒地岩盤工学研究室のメンバーは、教員が中村、渡邊、平松、4年生が岩渕、片岡、岸川、武山、外山、M1が川内谷、田中、M2が宮川、D2が宋の合計12名です。このメンバーで研究やコンパ等楽しく過ごしております。中村は今年度、初めて就職担当教員となりました。企業セミナーや会社説明会等でたくさんの卒業生が来学してくださり、懐かしい顔に会うことができました。平松先生は昨年度で退職でしたが、5年間の延長雇用となり、今年度も研究室を支えてくださっております。卒業生の皆様、来北の際には、是非、研究室へ顔を出してください。

(中村大 記)

○地圏環境防災研究室

 皆さま、お変わりありませんか?研究室は相変わらず4年生4名と少数ですが、各自、設定したテーマに取り組んでいます。これまで対象フィールドはさまざまでしたが、地すべり研究を中心に皆さんと取り組んできました。それらはまとめ終わりつつありますので、今期は北見・オホーツク地域を対象として地形地質的な見どころを子供たちが環境・防災や地域を学ぶ場として活用できるようにする基礎調査にも取り組んでいます。そのような中、北海道東部は次から次と襲ってきた台風による大雨に見舞われ、各地で大規模な河川の氾濫や浸食による災害が多発したり、さまざまなタイプの地すべりによる災害も発生したりし、残念ながら人的被害も生じています。8月下旬からはこれら地すべり災害への対応もあって研究室内はバタバタしていますが、4年生にとっては緊急対応も重要な経験と位置付けて調査を分担してもらっています。

 毎年の繰り返しですが、私たちの生活する土地の成り立ちとこれまで何が起こってきたのかを把握した上で地域の特質に適合したハード、ソフト両面の減災・防災対策をすすめることが必須です。私たちの生活を支えるインフラの劣化は、ソフト面も含めてじわじわと進行しています。私たちの生活のしかたにも被災を大きくする要因が潜んでいます。

 皆さんが担っている“安心・安全の確保”、“自然環境の保全”、“健康環境の創造”といった役割は、ますます重要になってきています。

 来年度いっぱいで定年となる私ですが、皆さんと取り組んできた調査研究の総まとめをするなかで、これらのことを強く意識しています。

 近くに来た際には是非、顔を見せて下さい。

  健康第一!  慶事は一報を!

(伊藤陽司 記)

○構造・材料系研究室(維持管理工学研究室・コンクリート工学研究室・地震防災工学研究室)

 卒業生の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。今年度も構造・材料系の3研究室では、大島特任教授、三上教授、宮森准教授、井上准教授、山崎助教、齊藤助教、崔助教、坪田技官、技術補佐員の岡田さん、研究補助員の北尾さんにご助力頂きながら、総勢25名で日々研究や講義に励んでおります。

 維持管理工学研究室では、4年生が4名で日々研究を進めております。主な研究としては、局部振動加振法による欠陥検出方法の検討、橋梁点検データを用いた劣化予測の検討、非破壊検査を用いた R C 床版の劣化予測などの研究を行っております。

 地震防災工学研究室では、D3が1名、4年生が4名、留学生が1名で日々研究を行っております。主な研究としては、免制振装置の低温時特性、スマートセンサーを用いた鉄道橋の振動応答解析、F E M 解析を用いた橋梁の災害耐性などの研究を行っております。

 コンクリート工学研究室では、M1が1名、4年生が4名で日々研究に励んでおります。主な研究としては、低温環境下の性能に優れた高性能な耐寒剤の開発や新しい給熱養生システムの構築、コンクリートの自己治癒機能に着目した研究、金属溶射鉄筋のコンクリート部材への適応性の検討などを行っております。

 ここまでお読みいただきお気づきの方がいらっしゃると思いますが、今年度は3研究室を合わせましても院生が私1人という状況でございます。来年度は、M1が多くなる予定で、私も先生方もとても嬉しく思っております。

 最後になりましたが、北見へお越しの際はぜひ、研究室へお立ち寄りください。その際には、研究室時代の懐かしい思い出話や、実社会での経験談などお話いただけますと幸いです。皆さまのご健勝と益々のご活躍を心よりお祈りいたしております。

(M1 岩澤実和 記)

○雪氷科学研究室

 今年の雪氷科学研究室の学生はD5が1名(横山博之)、M1が2名(惠平寿輝、冨樫優子)、4年生が4名(井内 晶、伊勢啓人、佐野 援、下館勝也)です。研究テーマは、道路法面での雪崩危険度の評価(横山)、南極氷床のドームふじへの低気圧侵入による積雪涵養(惠平)、北見での吹雪時の視程および飛雪粒子の特徴(冨樫)、南極無人気象データの解析(井内)、北海道内の冬季気象の特徴(伊勢)、アラスカ永久凍土地下氷の構造解析(佐野)、ゾルゲの法則を利用した南極氷床の表面質量収支の再検討(下館)です。

 白川先生の研究室と合同で昨年から実施している夏季の1泊研修は8月19(金)~20日(土)で屈斜路研修所で実施しました。皆さん、立派にそれぞれの研究を発表することができました(写真参照)。また、博士後期課程に在籍していた平松和彦氏と日下 稜氏は9月末で単位取得退学をしました。今後は3年以内の学位取得を目指します。

 例年9月下旬に実施している大雪山系雪壁雪渓の測量調査は、高原温泉の緑の沼まで行き、そこから望遠レンズで雪渓を撮影し、その画像から水平投影面積を推定する「楽々コース」を白川先生と実施しました。

 亀田は斑点ぬれ雪の科研が2年目になり、共同研究者とともに関連する4件の学会発表をしました。D5の横山、平松、M1の惠平、冨樫もそれぞれ学会発表をしました。大野は8月9日から9月14日までアラスカへ出張し、その観測の状況は N H Kスペシャルでも放映されました。先日、2006年度卒の櫻田和英くんが来ました。彼は現在、遠軽高校の数学の先生です。卒業生の皆さんは北見に来ることがあれば研究室に顔を出して下さい。

(亀田貴雄 記)

屈斜路研修所の前での記念写真(2016年8月20日)

○雪氷防災研究室

 卒業生の皆さん、お元気ですか?私(白川)は現在、宮森先生と共に3年生の学年担任(=就職担当教員)です。母校の後輩にとって良い情報がありましたら、ぜひお知らせ下さい! 最近の話題ですが、2011年度以降のイヤーアルバムを作ってみました(写真)。研究室出身者はもちろんですが、私と山登りやフィールドを共にした卒業生の皆さんも多数収録されています。教員室にありますので、母校訪問時にはぜひご覧下さい。また研究室の近況や日々の観測の状況は、F B ページ「北見の積雪観測情報」で発信中です。近年雪氷環境が変化しつつあり、観測は色々と苦労が多いです。

(白川龍生 記)

○氷海環境研究室

 卒業生の皆さまにおかれましてはますますご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度当研究室は舘山先生を代表に、非常勤技術員の丸山さん、博士後期課程2名、博士前期課程4名、学部生4名の計12名で日々研究に励んでおります。

 学部生の奥田くんは大学院進学が決定しており、来年3月に卒業するメンバーはそれぞれ就職に向けて準備を進めております。今年度もカナダ、グリーンランド、知床などで海氷に関する観測を実施、参加し、国内外での海氷研究に一層力を入れております。

 卒業生の皆さま、お近くにお越しの際はお気軽にお立ち寄りください。皆様の益々のご健康とご活躍を祈念しております。

(M1 北桃生 記)

○寒冷地環境工学研究室

 寒冷地環境工学研究室も今年で11年目を迎えました。今年度は4名の卒研生が配属になりました。既に自分の希望の就職先に内定した学生もいれば、まだ将来に向けて日々頑張っている学生もいます。卒業研究のテーマは、今年度も、昨年度に引き続きグリーンランドの浅層コアの密度測定に関するテーマや、コンピュータによる計算を行ってガスハイドレートの性質を調べるテーマもあります。新たにアラスカ凍土の氷を、以前南極の氷で行っていたように X線で調べるというテーマを加える予定です。

(堀彰 記)

○交通工学研究室

 現在、研究室には、川村教授を代表に、筆者(富山)、博士後期課程3名、学部生4名が在籍しています。2015年度は、Padova大学(イタリア)との共同研究成果として、生体情報を用いた路面評価に関する論文を発表し、土木学会第二十回舗装工学奨励賞を受賞しました。また、アジア工科大学院(タイ)との共同研究の一環で、タイから学生が来日してのシミュレータ実験の実施や、今年度秋には博士後期課程に1名が加わるなど、研究室は非常に活気づいております。道路・交通基盤の維持管理に対する重要性が高まる昨今、卒業生の方々のご活躍ぶりを耳にすることも多く、ご多忙のこととは存じますが、是非ご歓談の機会を持てますと幸いです。

(富山和也 記)

アジア工科大学院との共同実験の様子

今年度も農道空港で路面測定を行いました

○都市交通計画研究室

 今春の北海道新幹線開通で本州と北海道がはじめて陸続きとなり、北海道も新たな高速交通の時代を迎えました。本研究室も新たな課題を盛り込みつつ、日々、研究に頑張っております。今年度の研究室移行4年生は4名全員が大学院進学を希望しており、担当教員としてはうれしい限りです。研究室の更なる盛り上がりに期待しています。研究テーマは防災教育の継続をはじめ、道の駅、自転車交通や人口減少地域における今後のあり方等、多岐にわたっています。どのテーマも「計画の基本は現場を正確に認識するところから始まる」という信念のもと、実際に役立つ工学研究を目指し進んでいく所存です。

(高橋清 記)

○ハイドレート研究室

 卒業生の皆様、こんにちは。今年度のハイドレート研(環境・エネルギー研究推進センター)では、卒論生の及川・柿崎・小久保・谷本、院生の内田・太田・山崎の計7名が在籍し、10月からは卒業生の小関が博士後期課程に秋季入学し、研究室に舞い戻ってきました。今年から道総研との共同研究が本格化し、オホーツク海でハイドレート&ガスプルーム調査が目白押しです。今年の雪氷学会は名古屋で開催され、研究室から計10件の研究発表を行ないました。日々ガス分析、の相変わらずの日常ですが、北見においでいただく機会があれば、実験室にお立ち寄りください。

(八久保晶弘 記)

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電気電子工学科

 同窓生の皆様におかれましてはお変わりなくお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。同窓会の皆様にはいつも大変お世話になっており、この場をお借りして御礼申し上げます。さて、私、はからずも今年度より学科長を拝命することになりました。皆様のご協力を賜り、微力ながら学科のために頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 北見では急に肌寒くなり長い冬の始まりを予感させる天候が続いています。近年、異常気象と呼ばれる現象が続いておりますが、今年はついに北海道に3回も台風が上陸する事態となりました。常呂川をはじめ道内各地での川の氾濫や交通網の遮断など、甚大な被害が出ております。被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 地球規模での気候変動により北海道においても風水害対策が急務となる時代となりましたが、大学におきましてもいよいよ来年4月から2学科8コースという新しい組織が発足します。企業からの求人件数も多く、伝統のある電気電子工学科という学科がなくなってしまうのは大変残念ではありますが、現在在学中である旧カリキュラムの学生が卒業するまでは、教員グループという形で現在の電気電子工学科の教員がカリキュラムを維持していくことになっております。来年度からは新旧2つのカリキュラムが同時進行となり、教員への負担の大幅増が懸念されるところですが、教員一丸となって何とか乗り切りたいと考えている次第です。

 さて、学科内の話題といたしましては、昨年の橋本泰成先生、安井崇先生のご結婚に続きまして、今年は酒井大輔先生のご結婚と明るいニュースが続き大変嬉しく思っております。さらに6月には酒井大輔先生の研究成果が日本経済新聞に掲載され、9月には佐藤勝先生と武山眞弓先生の論文が、1件は第1著者としてもう1件は共著者として電気学会 C 部門誌論文奨励賞を合わせて2件受賞するなど、若手の先生方が元気にご活躍いただいており、学科としましても大変喜ばしい限りです。学科事務では6月いっぱいで笹田久実さんが退職されて7月から佐々木美幸さんが採用となり、伊藤孝子係長のご指導のもと、事務関係をお世話頂いております。

 来年度からは電気電子工学科という組織名称はなくなりますが、現電気電子工学科教員による教員グループとして就職を含め頑張って参りますので、同窓生の皆様におかれましては引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、同窓生の皆様の益々のご活躍をお祈りいたします。

(学科長 黒河賢二 記)

○電気基礎研究室

 卒業生の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。本年度の学生は、4年生が10名、修士1年が2名の合計12名で、全員進路が決まっています。スタッフは黒河賢二教授、川村武准教授、大内先生そして岸本と前年度からは変わりありません。

 黒河先生は学科長のお仕事で日々忙しくされるなか、電磁気の講義と演習や学生の指導、そして光ファイバーのファイバーヒューズの研究を進めています。

 川村先生は教育や学生の指導、そして屋外実験のパジェロの改造などを行っています。現在ハンドルの舵角センサーを取り付けています。

 大内先生は学生実験の指導や実験装置の作成等いろいろお世話になっています。

 岸本は学生実験や演習と並行してRFIDを用いた屋内誘導実験も進めており、920MHzの電磁波と格闘しております。

 この夏は、おもしろ科学実験で振って発電してLED を光らせるボールの製作を行いました。卒業生の皆様、近くまで来ることがあれば是非研究室にお立ち寄りください。最後に、卒業生皆様の今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

(岸本恭隆 記)

○応用電気工学研究室

 卒業生の皆様、如何お過ごしでしょうか。今年の北海道は台風が4度も上陸する等不安定な天気が続きました。北海道に台風が上陸するのは実に9年ぶりとの事で、皆様の周りでも話題になったのではないでしょうか。そんな悪天候が続く中であっても、我々応用電気工学研究室のメンバーは日々精力的に研究に取り組んでいます。

 本年度の応用電気工学研究室のメンバーは、修士2年生4名、修士1年生4名、学部4年生10名です。柴田教授、橋本准教授、酒井助教の手厚いご指導の下、互いに切磋琢磨しながら意欲的に研究に取り組んでいます。

 2016年9月23日現在、修士2年生4名、学部4年生5名が企業から内定を頂いており、学部4年生3名が本学大学院へ進学することが決定しております。来年以降も修士の学生を中心に、和気藹藹としていながらメリハリのある研究室を作り上げてくれるでしょう。

 また、本年は酒井助教が主著者となっている論文が、情報の原田准教授、北海道大学西井教授らと AGC旭硝子との共同研究の成果として、英国ネイチャー出版の『Scientific Reports』に掲載され[Sakai,Daisuke, et al. “Selective Deposition of SiO2 on Ion Conductive Area of Soda-lime Glass Surface.” Scientific reports 6(2016)]、喜ばしいニュースとなりました。

 卒業生の皆様におかれましては、日々大変ご多忙であるかとは思いますが、北見にお越しの際はお気軽に研究室へお立ち寄りください。先輩方の貴重なお話が聞けることを教員、学生共々楽しみにしております。末筆ながら皆様のご健康と、益々のご活躍をお祈りいたします。

(M2 平川晃暉 記)

○電力工学研究室

 平成28年度は、博士課程5名、修士課程12名、学部5名の全22名の学生と、小原、仲村の2名のスタッフで構成されており、合計24名で日々研究や行事を行っております。このうち留学生は3名で、バングラディシュ、インドネシア、韓国から来ています。就職は今年度も非常に好調で、当研究室の修士2年の内定先は電源開発、トヨタ自動車、北海道電力(2名)、JR北海道、三菱電機エンジニアリングといった、大手一流企業ばかりでした。学部4年生のうち4名は、本学の大学院への進学が内定しており、元気な学生たちが集まってくれるので、いつも明るい雰囲気です。今年度は大学院生を中心に、ロンドンと西安の国際会議で12件の発表を行い、国内の学術講演会ではおよそ30件の論文発表を予定しています。実社会で技術者をしておられる諸先輩の意見は、学生にとって非常に貴重なものです。お近くに来られた際にはぜひお立ち寄りいただき、刺激を与えてやってください。

(小原伸哉 記)

○電気機械研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。現在、電気機械研究室は、本年度の4月からハザリ・ムハマド・リファットさん(バングラディシュ)が、10月からはハザリさんの奥さんであるジャーハン・イファットさん(バングラディシュ)が本学大学院の博士後期課程に入学し、博士課程3名、修士課程6名、学部生10名の学生と田村教授、高橋准教授、梅村助教の総勢22名と大変賑わっております。

 電気機械研究室の状況といたしましては、主に風力発電機に関する研究を行っており、近年の地球環境問題や原子力発電所の運転見直しなどの背景から当研究室の研究テーマはますます重要になってきております。学生は日々研究に奮闘し、その成果を電気・情報関係学会北海道支部連合大会などの国内学会のほか、9月にロンドンで開催されたRPG2016、11月に千葉で開催された ICEMS2016などにも参加し、発表を行いました。

 その他、学部生の歓迎会、歓送会、施設見学などの研究室活動はホームページに記載されていますので是非ご覧ください。(http://pullout.elec.kitami-it.ac.jp/)

 卒業生の皆様、ご多忙ではあるかと思いますが北見にお越しの際は、是非研究室にお立ち寄りください。皆様の益々のご健闘とご活躍を祈念しております。

(M2 時田淳 記)

RPG2016に参加した際に、ビックベンを背景に撮影。

○集積システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。平成28年度は谷本教授、吉澤准教授、大学院生4名、学部生11名、計17名の体制で日々励んでおります。平成29年4月の改組により学内の教育・研究体制も大きく変わることになりますが、当研究室は情報デザインコミュニケーション工学コースを主として履修した学生を今後受け入れることになりそうです。研究室行事としては、例年通り2月に追いコン、5月に4年生歓迎会、7月にバーベキューパーティを行ってきましたが、今年2月に追いコンと同時開催で記念すべき第1回目の同窓会を行いました。同窓会では自己紹介、研究紹介、品質保証書授与式など沢山のイベントがありましたが、OBの方から卒業学生に向けての励ましの言葉が印象的でした。写真は同窓会の記念撮影です。谷本先生は平成30年3月末で退官ですので同窓会は少なくとも第3回までは毎年開催していくつもりです。

(吉澤真吾 記)

 来年度で定年ですのでこれまでの悪事にどう落とし前をつけるか検討中です。

(谷本洋 記)

 ボストンの学会に参加し、MITのラマチャンドラ先生研究室を見学し、MIT靴下を買ってきました。

(T.S. 記)

 石垣島でたくさんお土産を買ってきます。

(G.Y. 記)

 ボストンに行けませんでしたが、旭川には行きました。

(T. T. 記)

 OBの皆さんのお土産を期待しています。

(Y.S. 記)

○波動エレクトロニクス研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。2016年度の波動エレクトロニクス研究室のメンバーは大学院生1名、学部4年生11名となっております。また、学部4年生1名の大学院進学が決定しております。

 一方で教員はといいますと、杉坂純一郎先生は昨年に引き続き、大規模な回折格子の電磁界解析の研究を続けており、世界トップクラスの計算速度と精度を目指しております。さらに今年度からホログラフィーの研究も始め、極小サイズの立体像生成を目指しています。このホログラフィーは生まれたばかりの技術ですが、今後ユニークな研究に発展していくことと思います。

 今年は実験室の模様替えも行いました。レーザーなどの実験器具も増え、今までのマイクロ波測定に加えて、光学の実験もできるようになりつつあります。

 平山浩一先生は光・マイクロ波帯でのデバイスの最適設計や、マイクロ波・ミリ波帯での材料定数の推定方法に関する研究を進めております。

 安井は、光導波路デバイスや超音波デバイス設計のための数値解析手法に関する研究を進めております。

 近くにお越しの際には研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍を祈念しております。

(安井崇 記)

○通信システム研究室

 卒業生の皆様におかれましてはお元気でご活躍の事と存じます。現在、通信システム研究室の構成は柏教授、田口准教授、今井の教員3名、そして、博士前期課程1名、学部生10名の計14名となっており、日々研究に励んでおります。

 本研究室では、現在、主に高度情報化社会及びユビキタス社会を見据えた高度な移動通信システムを構築するための研究を行っております。その一環としてITS技術を利用した自動車衝突防止システムに関する研究、マイクロ波・ミリ波・光波に関する研究、誘電体平面レンズの最適設計に関する研究等を行っております。また、電波吸収体や電磁波の人体への影響に関する研究も行っております。他にも、科学研究費テーマなどに対しても研究室一丸となり精力的に取り組んでおります。

尚、研究室近況は通信システム研究室ホームページ(http://kashiwa-lab.net/)にて公開し、随時更新しております。お時間がある時にでもご覧頂けると有り難いです。

(今井卓 記)

○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理学研究室)

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

 今年は、集積エレクトロニクス研究室では大きな出来事がございました。まずは、野矢 厚教授の定年退官です。野矢先生には、卒業生の皆さんはもちろんのこと、私も佐藤も学生時代からお世話になりました。月日が流れるのは早いものですね。でも、まだ特任教授として大学に席もございますので、お立ち寄りの際にはお声かけくださいね。

 一方、研究室では受賞ラッシュがありました。まず3月に、石尾紀幸君と濱田駿君の卒業論文をとりまとめたものが電子情報通信学会北海道支部学生会インターネットシンポジウムにて優秀発表賞を受賞しました。さらに、9月に佐藤勝助教が電気学会 C 部門誌論文奨励賞を受賞しました。この論文は、私たちと富士通研究所の共同研究の成果を論文としてまとめたのですが、1年間に378編投稿された論文のうち、5件だけに与えられる賞だそうです。加えて、富士通研の小林靖志氏が投稿した論文も佐藤助教と同じ論文奨励賞をいただき、研究室としてはW受賞となりました。誠に喜ばしい限りです。

 また、研究室での研究内容についても、これまでの集積回路の配線という仕事に加え、太陽電池などのエネルギー関連の研究や、エゾシカ肉のおいしさを電気的に測定する研究などバラエティに富んだ内容に変化しつつあります。エゾシカ肉の研究は、有田先生にご協力いただいているところですし、7月に私が実行委員長で Cat-CVD 研究会という全国的な研究会を開催した折には、橘さん等にもご協力いただき、同窓会のありがたみも感じている今日この頃です。お近くにお越しの際には、新しい体制になった研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様の益々のご活躍を祈念しております。

(武山眞弓 記)

授賞式での佐藤助教と小林氏

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情報システム工学科

 情報システム工学科は「知的システム設計」、「知識光学」、「光情報工学」、「情報数理科学」の4つの分野から構成されています。

○知的システム設計分野

●システム制御研究室(榮坂俊雄教授)

 卒業生の皆様お久しぶりです。 今年は学生11名が在籍し、9月には研究生として留学生1名を新たに迎えました。また、平成27年度秋季卒業を果たした博士のフセインさんが、4月から非常勤研究員として研究室に戻ってきました。

 研究は、制御系の設計問題の他、ロボットやスマートフォンなども導入し、制御理論の研究から複数の分野の知識も求められる研究まで幅広く行っています。ただ、研究活動については就職活動や大学院入学試験の勉強を優先しているために、あまり進んでいないようなので、後期からの巻き返しに期待したいと思います。

 最後に、採用活動や学会などで来学された折には、ぜひ研究室にも立ち寄ってください。そして、久しぶりの北見を堪能しつつ、大学と卒業後の経験談などを聞かせて頂ければ、学生にとっても良い刺激になるかと思います。

(宿院信博 記)

●信号処理研究室(鈴木正清教授)

 信号処理研究室は、教員1名と技術員1名に加え、CS科目の3年生4名と卒業研究の4年生2名、M1が2名(1名はボストン留学のため休学中)で構成され、「センサアレイ信号処理」、「コウモリの大脳皮質聴覚野によるこだま定位」の研究、「サケ自動追跡ロボット船」、「北見市内立小中学校の備品と図書の管理システム」の開発を行っています。近くにお越しの際には是非お立ち寄りください。

(鈴木正清 記)

●複雑系情報学研究室(鈴木育男准教授)

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、M1:1名、4年生:6名が在籍しており日々、ゼミや研究に励んでおります。現在、取り組んでいる研究は、(1).人間行動解析システムの構築と運動学習支援に関する研究、(2).仮想物理環境下における仮想生物の行動生成・学習に関する研究、という2つの研究テーマで行っております。また、昨年度まで共同研究という形で取り組んできました「複雑進化系設計研究ユニット」からの研究テーマである、(3).人とロボット間のコミュニケーションの獲得に関する研究も実施しております。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お気軽にお立ち寄りください。

(鈴木育男 記)

●情報通信システム工学研究室(中垣淳講師)

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術職員の宇野さんをはじめ、4年生5名、3年生4名が日々ゼミや研究に励んでいます。今年は就職活動が順調で、苦戦を予想していた公務員希望2名もすんなり内定をもらってきました。進学組は面接の出来・不出来はありましたが無事合格し、やっと研究に集中できるようになりました。研究では、音声分析、騒音抑圧法の開発、音声の主観評価システムの構築をすすめています。今年の歓迎会では揚げ物を定本君、デザートを三浦君が担当し、研究室の料理レベル維持のためがんばってくれました。毎年7月恒例の焼肉は、三浦研究室、鈴木育男研究室と合同で行い、親睦を深めました。当研究室出身のOB・OGの皆様、近くにお越しの際には是非お気軽にお立ち寄り下さい。

 追伸:獺祭は歓迎会で美味しくいただきました。

(中垣 記)

○知識工学分野

●医療情報・医用画像工学研究室(早川吉彦准教授)

 カーリング部で活躍した廣瀬明依さんが院・前期を修了。彼女の論文「タブレット端末による非接触咀嚼検出アプリの開発」は、医用画像情報学会雑誌(2016年9月号)に掲載されました。また、同年10月にパシフィコ横浜で行われる展示会「BioJapan2016」では、「咀嚼と瞬きの非接触解析システム」と題して展示・実演を行います。摂食・咀嚼・嚥下の機能維持・回復に携わる医療関係者から注目されています。我々はきっと「ヘルスケアに画像自動認識を応用する研究室」として有名になる途上にあります。

 2016年3月、学部生4名が卒業。うち2名の卒研は地理情報を利用したアプリ製作でした。今思えば時代の先取りだったのでしょうか。院・後期の孫氷玉さんは、X線CT検査時の被ばくを10%以下にする方法を研究。信号処理のホット・トピックスである疎性モデリングと圧縮センシングを利用しますが、手前味噌ながら画期的です。

 早川は、日本歯科医学会プロジェクト研究に参加し、医療情報の新しい世界共通規格の作成に貢献。世界規格 DICOMのwebsiteで見つかる大きなドキュメント C P-1444がそれです。DICOMにおける初の日本発規格と言えると思っています。

●桝井・プタシンスキ研究室(テキスト情報処理研究室)

 こんにちは、総勢22名に巨大化した桝井・プタシンスキ研究室です。今年の新メンバとして荒田、柿山、黒瀬、ソン(3年)、三浦、中埜渡(4年)、ユーソ(交換留学生)、バクダー(研究生)が加わりました。また、8月からは中国石油大学の Gong 先生が研究室に滞在しており、カーリングトリオの平田、三浦、大谷がアジアパシフィック冬季大会、ユニバーシアード冬季大会の日本代表となりました。

 研究面では、畠山、平田、劉、大谷が国際会議発表、畠山が国際学術論文誌掲載と順調です。その他、研究室発デジタルスコアブックユーザであるLS北見の世界選手権準優勝、カーリング日本選手権実況中継へのデータ提供という成果も出ています。

 以上、アットホームな雰囲気を大切にしつつもバリバリと研究を楽しんでいる研究室に是非遊びに来てください。

(桝井 記)

●知識情報処理研究室(前田康成教授)

 平成28年度の前田研は、M2坪井君、呉君、B4阿部君、伊藤さん、兜君、滝本君、小原君、B3小笠原君、滝谷さん、那須野さん、横山君の計11名と前田先生、奥山に加え4月より新たに助教の山内先生が加わりました。山内先生が研究室に新風を吹き込んでくれることを楽しみにしているところです。

 院生、学部生の皆さんはマルコフ決定過程の各方面への応用、食材シソーラスやレシピ発想支援に関する研究などを行っています。最近は研究室で調理してくれる人がおらず、寂しく感じているところです。研究室のヘルシオ君も誰かに使って欲しいと言っています(^-^)。

 プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。

(奥山 記)

●核科学情報工学研究室(升井洋志教授)

 核科学情報工学研究室の升井です。この研究室を起ち上げて12年が過ぎました。当初は核反応のデータベース活用やサーバ構築、データ相関といった観点で学生と研究をしてきましたが、近年はそれに加えて観光情報学にも範囲を広げています。今年度から研究テーマを「学術情報データベースのオープンサイエンス化」と「数理的手法を用いた観光支援」という二本立ての方向性を明確に打ち出し、原始核反応データベース研究開発センターや網走バスといった他機関との連携も進めています。

○光情報工学分野

 卒業生の皆さんお元気ですか?「光情報工学分野」は光学、光情報工学および画像処理に関連した研究を行ってきたメンバーが集まってできました。所属メンバーは、亀丸俊一教授、三浦則明教授、原田建治准教授、桑村進助教、原田康浩准教授、曽根宏靖准教授の合計6名です。

●光情報処理研究室(亀丸俊一教授)

 今年の亀丸研究室は、今年度は、4年生の卒研配属の岡田、多賀谷、伊藤(汰)、渡邉の4名、このほか学部3年の CSセミナーからの川合、佐々木、椿谷、橋本を加えた総勢8名で研究室が成り立っています。研究テーマは、デジタル教科書の開発と観光情報の効果的発信です。来年4月以降の進路も全員決まっています。昨年度まで在籍していた大学院生がいない分みんな真剣に頑張っています。

●フォトニックデバイス研究室(原田建治准教授)

 原田建治研究室では、M1の辻、桃井、松崎、中林、4年の江幡、久保、村上、チン、岩淵、3年の大峰、小野寺、桜井、吉村、柴田の総勢14名がホログラム、偏光色、光学教材開発などの卒業研究や、セミナーに励んでいます。14名は今までで最大の学生数であり、今年もにぎやかな研究室になりそうです。

●画像情報処理研究室(三浦則明教授)

 三浦研究室では、M2の大石、4年の大芦、小田島、鈴木、本間、3年の荻原、小野、菊池、高橋の総勢9名が三浦教授と桑村助教の指導のもと、補償光学、天体画像処理、道路画像処理などの観測、実験、ゼミに励んでいます。

●光工学研究室(原田康浩准教授)

 原田康浩研究室は、学部4年の大原、高畑、田邊、千葉、吉澤、3年・荒屋、金子、小山、三上の合計9名の学生がディジタルホログラフィ、斜め写真視点補正、積雪光モニターシステムの開発などの研究に励んでいます。今年からJAXAが主導する産学共同のWEATHER-Eyeコンソーシアムに参画することになり、航空交通の安全安心な運航のための光計測技術の開発・進展が研究室の大きな研究テーマとなりつつあります。

●光エレクトロニクス研究室(曽根宏靖准教授)

 曽根研究室では、M1の伊藤、河野、4年の荻原、小野、竹内、花岡、3年の植田、小田、谷口、西村の総勢10名で構成されています。皆、光ファイバーや光学デバイスを用いた光情報処理や可視光通信などの研究やゼミ、アプリコンテスト準備にも励んでいます。

 光情報工学分野のOB、OGの皆さん、北見へお越しの際には、研究室へぜひお立ち寄りください。焼肉の街北見の夜の繁華街で、お互いの近況報告で盛り上がりましょう!

○情報数理科学分野

●情報数理研究室

 今年の情報数理研究室には非常に大きな変化がありました。まず、1979年以来、37年の長きにわたり本学の数学教育を担当され、基礎教育に多大な貢献をされた今井正人先生が、2016年3月をもってご退官されました。今井先生、長い間ご苦労様でした。

 その後任として、蒲谷祐一氏が新たに准教授として採用されました。数学の教員の採用は、2000年に渡辺文彦氏が助教授として採用されて以来、実に16年ぶりのことです。蒲谷さんは現在35歳で、位相幾何学の分野で活発にご研究をされ、次々と成果をあげられています。

 また、所属は情報システム工学科ではありませんが、IR(Institutional Research)の教員として、2016年3月に新たに中野雄史氏が特任助教として採用されました。中野氏は現在30歳で、数学の力学系理論を専門としており、I R の仕事の傍ら精力的に数学の研究も行い、結果を出し続けておられます。北見工大の数学グループにアクティブでフレッシュなメンバーが2人も増え、一挙に若返ったことは非常に喜ばしいことです。昨年(2015年)73歳で他界された加藤重雄先生がもしご存命であれば、このことを大変お喜びになられたであろうと思います。

 もう一つ特筆すべきニュースとしては、熱心に数学の勉強を続け、数学科の大学院への進学を目指していた4年生の下岡嘉隆君が東京大学大学院数理科学研究科に、見事合格しました。本学から東大の大学院に合格した例はほとんどないのではないかと思います。また4年生の佐藤柾也君が北大数学科の大学院に合格しました。下岡君、佐藤君の今後のさらなる飛躍に期待したいと思います。

 情報数理研究室は、現在大学院生はいませんが、下岡君、佐藤君以外にも4年生が2名おり、卒業研究に励んでいます。また、CSセミナーの3年生も4名おり、数学のセミナーや、バーチャル・リアリティーのプログラム作成などで頑張っています。

(三波 記)

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バイオ環境化学科

 卒業生の皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。今年は、4月に熊本地震、8月には台風が立て続けに北海道を襲い、大きな被害をもたらしました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。逸早い復旧がなされ、平穏な生活が取り戻されることを願っております。平成28年も師走を迎え、あわただしくお過ごしになっている方も多いかと思います。

 今年は佐藤之紀先生の研究室に邱 泰瑛特任助教が着任されました。熱心な指導により、学生も目を輝かせて実験に取り組んでいます。研究テーマは次世代シークエンサーを用いた植物性発酵液の細菌叢解析であり、今後の活躍が楽しみです。一方、6月には学科事務の相澤さんが退職されました。相澤さんには長年本学科のためにご貢献いただきました。改めて御礼申し上げます。また、前田貴史特任助教が退職されました。

 今年度は平成29年度改組に向けた取り組みを行っています。学科の教員は地球環境化学科と地域未来デザイン工学科に別れますが、多くの先生方が全学の基礎教育に携わることになります。当面は現在の学科に相当する教員グループは保たれるそうですが、今後は教育や研究の課題毎に教員グループが形成され、よりアクティブな体制になっていくことでしょう。研究室には多様な学生が集まり、変化の著しい社会に対応できる人材の育成が期待されます。もちろん、現在の学生に対する授業や実験の改善も急ピッチで進めており、意欲の高い学生を伸ばす取り組みや躓き気味の学生に対する支援を教職員一同協力して行っています。

 学生の就職については、急速な技術革新、IT化や社会情勢の変化に伴い、一昔前の常識が通用しなくなりました。従来型の仕事が減少する一方、新たな仕事が産まれています。最近は、化学、機械、自動車等の製造業に加え、建設業や設備・メンテナンス関連企業の求人の増加が目立ちます。おかげさまで民間企業への就職は概ね順調であり、多くの学生が内定を得ています。一方、公務員志望の学生のなかには厳しい状況が続いている方もいます。公務員の求人が減少するなか、以前にも増して様々な事柄への対応力が求められるようになり、学力試験だけでなく、面接試験が重視されるようになりました。変革する力や人を巻き込んで課題を解決する力が求められています。安定志向の学生の意識とは大きくかけ離れています。

 大学を取り巻く環境の厳しさは、逆に大学に対する社会の期待の大きさを反映しているともいえます。教育研究環境を改善し、優れた資質を備えた学生を輩出すべく、学科教職員一丸となって取り組んでいます。同窓生の皆様のご指導ご鞭撻を賜れば幸いに存じます。

(学科長 齋藤徹 記)

○環境分析化学研究室

 本研究室は今年3月に始めての卒業生を社会に送り出すことができました。卒業生5名中3名が民間企業に就職し、元気に活躍されていると聞きます。2名は大学院に進学し、研究を発展させています。6月に緑陰セミナー、7月に夏季研究発表会、9月に日本分析化学会第65年会で研究発表という超濃密な日々を経験し、大きな成長を実感していると思います。卒業生が始めた8:20からの朝ゼミにも関わらず、4年生5名が研究室の門を叩いてくれました。新たな研究テーマに積極的に挑戦し、着々と成果を得ています。自らのイニシアティブに基づき、積極的に取り組むことにより、失敗も成功も糧としています。卒業研究を通じて、大きな自信を得てくださればと思います。歴史の浅い研究室ですが、配属の皆さんが充実した学生生活を送り、社会で活躍できるように、全力を尽くす所存です。卒業生の皆様の叱咤激励・ご助言を賜れば幸いに存じます。

(齋藤徹 記)

研究室集合写真

○精密有機資源化学研究室

 卒業生の皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。4つの台風で被災された北海道・東北の皆様に心よりお見舞い申し上げます。北見は常呂地区で常呂川が氾濫し、玉ねぎ等の作物に甚大な被害が出ました。また、JR石北線の上川-白滝間が不通になり、特急オホーツクが9月末日まで1ヶ月以上にわたり全線運休でした。

 日本選手が活躍したリオデジャネイロオリンピックも終わり、今から東京オリンピックが楽しみです。私と一緒に卒業研究やスポーツ等をした当時の学生さん達が今年から定年を迎えます。そんなに昔のようには思えませんが・・。

 今年度の研究室は博士3年1名、修士2年3名、修士1年1名、学部4年5名と昨年と同様に大所帯となっています。私はいつものように授業のない日は実験をしています。就職は大学院生4名と学部生3名が内定していますが、学部生1名がまだ決まっていません。また、学部1名は他大学の大学院に進学する予定です。今年も恒例の屈斜路研修所での宿泊研修を行いました。天候にも恵まれ、楽しい思い出がまた増えました。写真はオンネトーでのスナップです。追伸、研修所の管理を40年近くやられていた野田さん(再雇用)が3月で辞められました。

 北見にお寄りの際は、ぜひ研究室にお立ち寄りください。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(星雅之 記)

○食品機能分子制御学研究室

 『自分は、何をしなければならないのか』、これを常に考えている学生を育てるために、1年間の卒業研究が設けられていると思っております。『何を?いつ?』を計画でき、自分のペースと進行度合を自分で制御できるようになるためです。与えられた仕事だけこなし(こなせるまでになれば、それはそれで成果です)、何も考えない生き方もあります。何をしなければならないか考えるよりも、あくまでも自分は仕事のお手伝いをする立場を逸脱しないという考え方の方がある期間は幸せかも知れません。しかし、やがて自分が中間管理職になると、何も考えない部下をどうにか組織の発展に貢献させなくてはいけない立場になります。そのときに、大きな壁にぶち当たります。当研究室は、皆様の後進がこの大きな壁に出くわしてもすぐに乗り越えられる人材を育てています。今年は、特任助教に邱泰瑛先生を迎え、より一層、自分がやるべきことを考え、しかも国際的視野をもった教え子を卒業させることに力を入れています。自分がやるべきことをいつから行うのですか?と、学生から質問されたら…。

 答えは、○○でしょう。

(佐藤之紀 記)

○生物化学研究室

 我々の研究室は、吉田孝教授、小俣雅嗣助教、韓淑琴助教、宮崎健輔助教、オヨンジャルガル研究員および博士7名、修士2名、学部4年6名とで日々研究に勤しんでおります。博士課程のオヨンデルゲルさんは9月に博士号を無事取得致しました。また、10月からは本学で非常勤研究員となることが決まっております。

 研究内容は、機能性(生理活性)多糖類の研究、セルロース素材からバイオエタノールの製造、環境調和型プラスチックの開発と広いテーマを取り扱っています。同窓生の皆様で、上記の研究内容に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声をかけてください。

(宮崎健輔 記)

○環境物理化学研究室

 同窓生の皆さんにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。今年度の研究室のメンバーは三浦と松田技術員、学部4年生が4名と昨年(4年生5名)と同様にこぢんまりした構成で研究などを行っています。今年の4年生は本研究室の伝統からか4名全員が本州出身者であり、前期はメインを就職活動に充てたこともあってお陰様で全員の就職が決まりました。ただ慣例のNMRゼミと卒業実験が例年より進行ペースが遅めなのが少し気がかりですが、就活のファイトを後半の最後の大学生活の糧として頑張ってほしいと願っています。なお研究としては今までと同様にNMRをメインアイテムとして食品中の水分種のダイナミック特性と水分活性法を併用した実験研究を行っています。三浦も後数年で大学を去る年齢になり、大昔(20年位前)に数年間研究し十分な知見が得られなく、気がかりであった酸素NMRによる水和現象に関する実験を再開してみました。今回は糖水溶液を試料として弱い水和現象について、水の酸素NMRから新しい知見が得られないかをテーマとして実験を行っているところです。

 私事になりますが、還暦を過ぎた最近は特に頭と身体のバランスが一段と悪くなったのを実感しています。ここ10年近く夏場はチャリ通勤でしたが、相変わらず帰宅が遅くなりがちなので危険を感じて取りやめました。これに代えて朝のラジオ体操後に雨天以外はチャリで自宅周辺を20kmほど走っていますが、冬場はどうしようかと思案中です。卒業生の皆様におかれましても健康には十分に気をつけてお過ごし頂き、もし来北の機会があれば是非とも大学や研究室にもお立ち寄り頂きたくお願い致します。

(三浦宏一 記)

環境物理化学研究室

○生体分子化学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。全国ニュースにもなりましたが、今年は8月終わりに台風が3つも来て、ここ北見も大きな被害を被りました。講義・研究に多忙な毎日です。セルロース分解の特許と論文がようやく世に出ました。皆様のご健康とご活躍を祈念しています。

(服部和幸 記)

○無機物理化学研究室

>スタッフ:岡崎准教授。>学生:博士前期2年2名、1年1名、学部4年5名+1名の総勢9名。進学希望者は2名(他大学1名)。就職戦線は全員内定済。>大学祭はオープンキャンパスで参加し、新エネルギーについて説明。人が入れるシャボン玉、瞬間アイスは子供に大人気。>今年も美幌東陽小学校でソーラーカー工作を行い、小学生と給食をいただく。「北見科学の祭典」と同様に理科離れを食い止めるように活動。>キャンプは東神楽キャンプ場のコテージに2泊。台風の暴雨を何とかやり過ごし、浮き世を忘れて、焼き肉しながらひたすら飲んで、遊んで、温泉三昧。>秋の触媒討論会は岩手大学。少し足を伸ばして平泉を堪能してきました。>ホームページ公開中。リニューアルは思うように進まない。(http://www.chem.kitami-it.ac.jp/ipc/index.html)。>岡﨑:De-NOx反応、メタン直接分解、LIB用電極材料、廃プラスチック接触分解に研究を展開中。触媒学会北海道支部長を仰せつかり、会議で飛び回っています。また、オホーツクエネルギー環境教育研究会委員長として、網走管内小中高の先生と連携を模索中。出張講義でも飛び回っています。>今年も多数のビール券ありがとうございました。卒業生のなんでも相談をいつでも受け付けます。0157-26-9420(岡﨑)、FAX0157-24-7719。zaki@catal.chem.kitami-it.ac.jpまでメールを。

(岡崎文保 記)

東神楽キャンプ場にて(2016/9/1)

○天然物有機化学研究室

 本研究室は今年度立ち上げたばかりでまだ新しく、メンバーは筆者(霜鳥)と学部4年生5名です。“機能性を持った化合物の合成とその評価”を研究テーマとして、香料化合物や抗酸化物質、抗菌物質に着目して有機合成をメインに行っています。今年度は学部4年生だけですが、11月に行われる第6回 C S J 化学フェスタ2016には2名の発表が決定しており、残りのメンバーも1月に開催される化学系学協会北海道支部2017年冬季研究発表会での発表ならびに卒論発表会を目標に日々研究活動に勤しんでおります。最後になりますが、卒業生の皆様の益々の御活躍、御発展をお祈り申し上げます。

(霜鳥慈岳 記)

○生物無機化学研究室

 卒業生の皆様、お元気ですか。2016年度のメンバーは、菅野の他に、M2 3名、M1 2名、4年生6名(内仮配属2名)の総勢12名です。今年度は女性が5名と例年より多く、一段とにぎやかな居室となっているようです。“無機材料の機能を活用する”という大テーマのもと、アパタイト、ホタテ貝殻(炭酸カルシウム)、粘土鉱物(無機層状化合物)を用いた薬物徐放材料や環境浄化材料の開発に関する研究を行っています。近年は、薬剤の中でも抗がん剤の吸脱着に関する研究を始めたため、財政がひっ迫しているのが悩みの種です。

 御存知の方もいらっしゃると思いますが、菅野は昨年11月末に左足首を骨折し、生涯初めての骨折、40年ぶりの入院を経験しました。47日間の入院中、学生実験や病院内でのディスカッション、また年末の報告会では外出許可をもらって車イスで参加するなど、学生の皆さんには多大なるご迷惑をお掛けしました。この紙面をお借りして改めてお詫び申し上げます。

 学会活動に関しては、9月に2名のM1と化学工学会秋季大会(徳島)に参加、さらに11月には、台湾で開催されるワークショップに2名のM2と参加する予定です。

 2016年9月現在、1名の本学大学院進学が決定し、進路が未決定の学生もいますが、就職状況は概ね良好です。しかし、円高に戻り経済情勢の先行きが不透明な中、来年以降の就職状況には不安を感じています。

 最後になりましたが、皆様の益々のご健勝を祈念しております。機会があれば、研究室にも足をお運びください。

(菅野亨 記)

○食品栄養化学研究室

 今年度の研究室の構成は、学部4年生が5名(朝野証伍、伊東智哉、佐藤大樹、安永亜花里、吉澤佑太)、博士後期課程2年が1名(エンヘチチゲ)、非常勤研究員が1名(楊立風)です。現在、学部4年生3名が民間企業への就職、1名が公務員への就職、1名が大学院進学を決めています。10月から短期外国人留学生(台湾)を1名受け入れる予定です。現在、ウーロン茶、常呂産黒ニンニク、ヤブマメなどのアレルギー抑制作用および活性酸素ストレス抑制作用に関する研究について、培養細胞を用いた実験により進めています。同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(新井博文 記)

○環境有機化学研究室

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度の環境有機化学研究室は、兼清准教授、修士学生2名、学部4年生4名および韓国人留学生1人から構成されています。研究成果は、論文出版や学会発表などの形で社会へ積極的に発信するよう努めており、大学院生のみならず学部生も学会に複数回参加するといった大活躍を見せています。8月には、台湾で開催された学会に兼清准教授および2名の大学院生が参加し、招待講演やポスター発表を行いました。学生にとっては、国際感覚を養うと共に英語学習の重要性を改めて認識する良い機会になったことと思います。

 現在当研究室では、我々の身近に存在する様々な化合物をターゲットとして、新規センシングシステムの創製に取り組んでいます。また、特定の化学物質に応答して膨潤・収縮挙動を示すゲルの開発も手がけており、化学情報を力学的エネルギーに変換できるユニークなシステムの確立を目指しています。今後とも研究の更なる発展に向けて一同邁進していく所存ですので、ご支援の程よろしくお願いいたします。

(兼清泰正 記)

○食品科学研究室

 同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に、学部生5名が卒業しました。今年度は、修士2年生が3名、4年生5名の8名の学生が在籍しております。大学院生3名は大手流通会社、食品会社、及びSEに内定しており、学部生5名のうち、1名は本学進学、2名が住宅設備機器等メーカーとSEに内定しております。

 当研究室では、遺伝子組換えシイタケによる有用酵素の発現、シイタケ分泌型ラッカーゼ発現機構の解析、農産物のきのこ発酵とその解析などの研究に取組んでいます。

 皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

(佐藤利次 記)

○バイオプロセス工学研究室

 同窓生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。

 3月には小西研究室として、第1期生5名が社会に巣立っていきました。就職先は食品・農業機械・公務員・バイオ系ベンチャーとそれぞれの新天地で活躍されていると思います。

 昨年度の卒業生が研究していたバイオサーファクタント生産菌のスクリーニングに関する論文が農芸化学会の英文誌Bioscience, Biotechnology, and Bioengineering誌に掲載されました。スクリーニングに携わった清水君、月山君、藤田さん、構造解析を担当した石羽根さんと一緒に努力した成果が形に残り、大変うれしく思っております。

 本年度は、国内学会、地球惑星科学連合大会(千葉、1件)、化学工学会秋季大会(徳島、2件)、生物工学会(富山、3件)での研究発表に加えて、京都で開催された国際学会Extremophiles 2016にM1の石田君とB4の森本君がポスター発表いたしました。さらに10月には、M2の荒川さんが宮崎シーガイアで開催される22nd Symposium of Young
Asian Biological Engineers’ communityにて、ポスター発表での成果発表を予定しております。

 研究内容はバイオサーファクタント生産菌の代謝工学、発酵阻害耐性菌の利活用、発酵生産に関係する共同研究、ガスハイドレートサイトの微生物群集解析など幅広く実施しております。設備については、蛍光分光光度計、イオンクロマトグラフを新たに導入し、研究環境もますます充実しております。

 進路については、就職希望の4年生5名のうち、2名は公務員志望で主に北海道内の自治体職員を目指して、活動をしております。大学院進学予定は3名となっております。大学院修了予定者については、5名のうち4名の就職が内定しております。

 学生、スタッフ一同、教育研究活動に邁進したいと思っております。卒業生の皆様のご支援・ご高配いただければ幸いです。最後になりましたが、卒業生の皆様のご健康とご健勝をお祈りいたします。

(小西正朗 記)

△top


マテリアル工学科

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年は各地で台風による豪雨・河川氾濫被害に見舞われましたが、8月末に相次いだ台風により、こちらでもJ R北海道の特急オホーツクが長期間運休し、大勢が影響を受けました。北見市内でも常呂川が氾濫し、玉ねぎ畑の冠水等の農業被害が生じました。河川敷の野球場・サッカー場なども被害を受けています。皆様の所は影響ありませんでしたか?

 さて、学科の最大の出来事は、本年3月に平賀啓二郎先生、伊藤英信先生、射水雄三先生が定年退職されたことです。平賀先生は、4年間という短い在職期間中に微結晶材料研究室を立上げられ、教育研究活動にご尽力いただきました。また、最後の2年間は共同研究のため出張が多い中、学科長も務めて頂きました。伊藤先生、射水先生はそれぞれ1974年7月、及び1979年4月に本学工業化学科に赴任され、その後、改組の際に機能材料工学科(現マテリアル工学科)所属となられました。合わせて40年近くの年月に渡り、教育研究活動に熱心に従事されて多数の優秀な卒業生を輩出してこられました。ここに三人の先生方のご尽力に心から御礼申し上げます。先生方には引き続き学科にご協力頂き、非常勤講師として学部の講義を続けて頂いております。

 また、4月に浪越毅先生、金敬鎬先生が准教授に昇任され、それぞれ4階、5階で新たに研究室を構えています。また昨年本学に特任助教として着任された木場隆之先生、小針良仁先生も助教になられました。

 学生の就職活動については、本年度も活動開始時期の変更がありましたが、混乱もなく順調に内定が決まり、8月上旬に修士学生は全員活動を終了しました。学部生についても9月末現在活動継続中の学生は数名となっています。一緒に就職担当業務を担って下さった宇都先生のご尽力にこの場を借りて御礼申し上げます。

 本学では来年4月に学科改組が決まり、現マテリアル工学科の教育は地球環境工学科の先端材料物質工学コースに受け継がれることになっています。名称や枠組みが変わっても、化学・材料の研究開発分野や製造分野で卒業生が活躍して行けるよう、教員一同全力で指導に当たっていきます。

 最後になりますが、卒業生の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念致します。

(学科長 川村みどり 記)

○電子材料研究室

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度の電子材料研究室は、28年4月より、金敬鎬先生が准教授へ昇任、また私木場は正規の助教へと転換となりました。金先生は昇任に伴い、指導学生と共に居室・実験室を5階へと移されました。阿部教授、川村教授と共にスタッフ4名の指導体制で、電子研の勢いはさらに拡大の一途をたどっております。

 本年度は、4年生10名が新たに配属となり、大学院博士前期課程5名(M2・3名、M1・2名)です。主な研究テーマは以前より引き続き、阿部先生は水酸化物薄膜を用いたエレクトロクロミック素子の研究、川村先生は光学応用を目指した高安定銀薄膜の研究、金先生はZnOナノ構造の形態制御とその有機系太陽電池への応用、私木場は金属ナノ構造のプラズモン効果を利用した発光デバイスの高効率化、など研究室全体で様々な電子材料を用いたデバイスの特性評価や性能向上を目指し、学生とともに日々熱心に研究教育に取り組んでおります。配属された4年生のうち5名が大学院に進学の予定です。

 今年も7月のICSNN2016(ナノ構造・デバイスに関する国際会議)@香港や、9月の応用物理学会@新潟を始め、国際会議・学会で学生の参加も積極的に指導しています。また、現 M1の矢ノ目君は、平成28年1月の応用物理学会北海道支部学術講演会(札幌)での発表で、支部発表奨励賞を受賞しました。研究だけでなくバーベキューや鍋会などを通じて、楽しい思い出作りができるようにしております。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非お気軽に研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(木場隆之 記)

集合写真

○機能有機材料研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 研究室のメンバーは院生5名(M2・1名、M1・4名)、学部生7名の計12名となっており、学部生のうち4名が進学予定、残りの3名が就職希望となっています。渡辺先生、村田先生、浪越先生、小針先生の指導の下、実験や講義など忙しくも楽しい毎日を過ごしております。また、今年度から浪越先生が准教授に昇進し、3研を設立しました。学生が増え、今まで以上に賑やかな有機研となっています。

 実験テーマは、有機合成グループは遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発に加え、今年から新たに天然物の研究をスタートさせました。高分子合成グループは高分子微粒子(ポリスチレン・ポリイミド)の合成とリビングカチオン重合を中心に研究しています。また、週一の雑誌会や中間報告会も継続して行われており、学会への参加や論文の投稿などによる研究発表を積極的に行っています。

 行事については、就職活動や学会の日程などにより、ほとんど行うことができませんでした。研究室でイベントなどがあった際は、掲示板や写真を更新していきたいと思いますので是非ご覧になってください。

 ホームページをリニューアルしました。論文投稿、学会発表など研究室の情報を随時更新しております。下記URLからアクセスできますので、是非ご覧ください。

卒業生の皆様もお忙しいとは思いますが、近くにお越しの際は是非研究室にお立ち寄りください。益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

URL http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html

(1研 M1 今利真 記)

○無機物質工学研究室

 卒業生の皆さんは、いかがお過ごしですか。本年度の無機物質工学研究室は、松田教授、大野准教授、平井助教のスタッフ3名、大学院生5名、学部生6名となり計14名で頑張っています。スタッフの近況としましては、松田教授は現在も精力的に研究活動を続けておられます。例えば、先日は、岩手大学で開催されました触媒学会に参加され、修士1年の学生を同伴されました。そして大野准教授も、学会活動及び自分の研究にと忙しい日々を過ごされています。例えば、粉末工学会ならびにセラミックス協会に参加し、様々な分野の先生方と親睦を深められています。私平井も昨年の着任以来、学会参加及び自分の研究に忙しい日々を過ごしております。先日は大野先生にご招待いただき、粉体工学セミナーで初めて講演させていただいただけでなく、セラミックス協会でも異分野の先生方と共同研究の話で盛り上がりました。また、学生の近況ですが、本年度の学部生は6名中3名が大学院に進学する予定となっており、各々の卒業研究テーマについてそれぞれ日々勤しんでおりますし、修士課程の学生はいくつもの学会発表など、研究活動を活発に行っております。また、卒業する学生についても、電池系の会社など就職先も順調に決まっています。さらに、既に就職が決まっているにも関わらず、研究に手を抜かず新物質などを合成しており、研究室の活発な雰囲気が良い方向に作用している気が致します。

 卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。

E-mail: hirai@mail.kitami-it.ac.jp

(平井 記)

○微結晶材料研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 本研究室では透光性セラミックスの合成を目的に、液相法による粉体の合成から焼結、評価など幅広く進めております。今年から学内で透光性セラミックスを焼結できる環境を整えることができ、学生とマシンタイムを取り合いながら研究に勤しんでおります。

 今年の研究室のメンバーは、院生3名(M2:1名、M1:2名)と学部生2名の計5名です。M2(梅津)・4年生(渡邊)は企業の内定を得ており、4年生(根津)が大学院に進学する予定です。少人数ながらも実験室は大変賑わっており、修士課程の学生が学術論文の執筆や、9月に全国大会での口頭発表を2件こなすなど、研究室の士気を高めてくれています。

 毎年、卒業生の方が何名か遊びに来てくださり、励まされています。もし北見に立ち寄られることがありましたら、ぜひ研究室にもお立ち寄りください。お待ちしております。

(古瀬裕章 記)

○分析化学研究室(宇都)

 今年3月大学院修了の姚さんが(株)サンデンへ、学部卒業の高橋君がきたかみ自販(株)、千葉君が(株)コーンズ・エージーへ就職し、新しいスタートを切りました。昨年度の研究室一同の写真を載せておきますね。

 28年度は社会人ドクターの工藤君、M2の近藤君、東山君、原田さん、山本君、M1の田中君、学部4年の小原君、衛君、米澤君の9人が大腸菌と人工細胞膜を相手に頑張っています。今年度は8月には全員が進路を決めることができました。

 今年7月の日本分析化学会北海道支部緑陰セミナーで東山君が優秀ポスター賞を受賞しました。ポーランドの大学へ行っていた近藤君が研究室に復帰、9月には札幌で開催された分析化学会第65年会に院生全員が発表、みんな活発に頑張っています。

 6月の魚類採捕では楽しくウグイ釣りをしたあと、魚の処理を終わってからバーベキューと恒例行事で楽しんでいます。

 毎朝のミーティング、週に一度のまとめ報告も欠かさず続けています。やはり健康で踏ん張りのきく体力と規則正しい生活習慣が“ここぞ”というときに役立つと信じて。

 卒業生の皆さんも体には気をつけて頑張ってください。小出君(H20年度卒)や松田君(H25年度修了)の結婚報告が届きました。家族を持つことで新しい視点で仕事に、遊びに取り組めることと思います。卒業した先輩たちの様子は後輩たちにとって何よりの励みになります。近況報告をお待ちしています。

○分析化学研究室(南、坂上)

 卒業生および修了生の皆さまにおかれましては、ますますご健勝そしてご活躍のことと思います。

 平成28年度の研究室メンバーの近況を、ご報告いたします。

 昨年度M2の加地君、菊地君、佐々木君、高野君は、今年4月からそれぞれの就職先でこれまでと同様に積極性と実力を発揮していることと思います。

 昨年度B4の安曇さん、小林君、柴田君、古水君は全員大学院に進学しました。更に、マテリアル工学科の他の研究室で卒論研究をしていた庭崎君が、大学院から分析化学研究室にて研究を始めることになりました。どの人も積極的に研究を進めています。小林君は、9月から来年3月までフィンランドの大学に留学です。

 昨年度M1(現M2)の押切君と笠島君は、再び変更になった就職活動時期の混乱にも惑わされず、着実に就活活動をこなしました。その後は、持ち前のリーダーシップで研究室の後輩を指導し研究を牽引している頼もしい2人です。

 4年生には、2名の留学生(マレーシアと中国から1名ずつ)がいて、研究室はこれまで以上に国際的になっています。杉本君、リーさん、林さんの3名は大学院に進学予定です。横田君は社会で活躍することを目指して活動中です。4名とも、積極的に卒論研究をおこなっています。

 坂上先生は、まさに「坂上研究室」としてガスの専門家の視点から、天然 M H のみならず人工 M H の研究を学生と進めています。日頃のディスカッションやゼミの際にも、ガスおよび水の両方の観点から議論および情報交換ができており、坂上先生の存在はとても大きいです。

 今年も4月の網走沖調査を皮切りに、紋別沖海洋実習(5月)、摩周湖調査(5月)、バイカル湖 M H 調査および共同実験(8-9月)、網走沖調査(9月)と、多くのフィールド調査・実習がありました。それぞれの調査に参加した人およびバックアップの人、それぞれの活躍が光っています。11月には、網走沖海洋実習の予定です。多くのフィールド調査と同時並行に、今年もオホーツク管内の自治体との共同研究をおこなっています。波岡さんは、昨年度から増えた共同研究件数に伴って実験および取りまとめ等で忙しくされています。

 今年も、何名もの卒業生・修了生が研究室に顔を出してくれました。不在にしていてお会いできなかった人たちもいます。後輩に対する差し入れを送ってくださった方もいます。皆さまに重ねてお礼申し上げます。

 同窓生の皆さまのますますのご発展とご健勝を、心よりお祈り申し上げます。

(南 記)

研究室メンバーでの集合写真

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共通講座

 不思議なこと

 北見工大は私が専任教員として勤める四つ目の大学です。これまで辞めてきた大学はそれぞれ違う理由で辞めたのですが、精神分析で知られるフロイトが報告する、ある患者の例に似ていなくもないな、と思ったりすることがあります。その女性は三度結婚して、三度とも夫に先立たれたのです。夫の死因は様々です。皆元々高齢だったとか、女性が遺産目当てに毒を盛ったとか、そんなつまらない落ちがあるわけではありません。一見女性とそれぞれの夫の死との間には何の関係もないように見えます。しかしフロイトはそこに女性の無意識との関係を疑うのです。無意識に夫の死を願っていたというのであれば、それはまだ無意識的ではありません。女性がその結果を招いたのではなく、結果の方が三度、勝手に向こうから女性の元にやってきたのです。

 アメリカの作家エドガー・アラン・ポウに「ウィリアム・ウィルソン」という有名な短編小説があります。ポウは学生の時けっこう遊んでいたらしいのですが、ポウ自身をモデルにしたと思われるこの短編の主人公ウィリアム・ウィルソンも、大学に通いながら放蕩に明け暮れます。そんな彼の元に彼の悪行を邪魔する者が現れます。そいつはウィルソンが悪いことをしていると必ず現れます。ただ不思議なことにウィルソンはその男の顔をはっきりと覚えられないのです。気味が悪くなったウィルソンは学校を辞め、知らない土地へ移り、また放蕩に明け暮れます。ところがそこにもまたこの男は現れ、ウィルソンの邪魔をし始めたのです。ある日ウィルソンは、ついにかっとなってその男を殺してしまい・・・あとは自分で読んでください。

 授業でこの作品を分析するように学生に言うと、決まってインターネットでちょこちょこっと検索して、ドッペルゲンガー現象という解答を得てきます。そうではなくて自分で分析するようにと言うと、学生はたいてい、すでに答えが出ているのにどうしてそんなことを言うのか、あまりに簡単に答えを持ってきたのが悔しいのだろう、とでも言わんばかりの表情で私を見ます。この手の学生はどこにでもいます。文学部でも、経営学部でも、工学部でも。地方の国立大学でも、東京の有名私立大学でも。私がどこへ移っても、行く先々に必ず現れるのです。なんて不思議なことでしょう。

(木村章男 記)

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マネジメント工学コース

○各学科共通マネジメント工学コース

本年度より、鞘師先生の退職に伴いマネジメント工学コースの教育プログラム責任者を拝命いたしました有田です。今回から研究室便りも担当させていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。なお、鞘師先生は学長補佐として大学に居られます。

 今回の便りについても例年通り、マネジメント工学コースの4年生が配属されている研究室のうち、共通講座と社会連携推進センターの研究室便りをお届けします。各学科等の研究室については、それぞれ関連学科の研究室便りで近況をお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

 本コースから、今年卒業研究を終えた8人を含め5期にわたり合計58人の学生が巣立っていきました。これまでに卒業研究を指導してきたのは、機械工学科冨士・渡辺・ウラ3教員の研究室、社会環境工学科大島・川村(彰)・高橋(清)・渡邊・白川・中山6教員の研究室、情報システム工学科桝井・前田・原田(健)・後藤4教員の研究室、マテリアル工学科南教員の研究室、共通講座山田・照井2教員の研究室、情報処理センター升井教員の研究室、そして社会連携推進センター教員(有田、内島)の産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)です。今年度からは、新たにバイオ環境化学科佐藤利次及び環境・エネルギー研究推進センターの八久保、共通講座春木の3教員の研究室も加わり21研究室です。そのうち大島・照井・冨士・鞘師・後藤の5教員は北見工業大学を退職されています。

 今年のコース4年生は12人です。配属先は、ウラ教員、桝井教員(2人)、山田教員、春木教員、八久保教員、佐藤教員そして社会連携推進センターのCVR研(5人)です。そこで今回は、これまでにコース学生が配属になっている共通講座の山田研究室、春木研究室と社会連携推進センターのCVR研から便りをお送りします。

(有田敏彦 記)

○社会連携推進センター 産学官連携価値創造研究室(CVR)

 産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがおすごしですか。CVR研は2016年の3月に鞘師先生が定年退職され、有田先生、内島の2人体制となりました。今年は5人の4年生が配属されました。社会連携推進センター内にある研究室は3階の比較的広い部屋に引っ越してから2年目となりますが、5人ではもったいないほどの快適な環境で日々を生活しています。今年の4年生は、全員が北海道外出身です。遠くは福岡、愛知(2人)、そして岩手、秋田、です。北海道での生活が最後となるこの1年を、マネジメント工学プロジェクトを進める傍ら、アルバイトや近隣市町村での地域貢献活動、そして自分たちで企画した親睦ツアーで釧路方面まで行き、カヌーによる川下りと焼き肉を楽しむなど北海道を満喫しています。有田先生は4月から知的財産センター長に就任し、そしてマネジメント工学コースの教育研究責任者にもなり、これまで以上に忙しくしています。内島は4月から産学官連携の活動はもちろんのこと、マネジメント工学コースの担当教員として再スタートしました。鞘師先生が担当していた知的財産論や総合環境論も担当するなど、あいかわらずバタバタしています。また来年29年4月からは学部の改組が決まりました。「マネジメント工学コース」は「地域マネジメント工学コース」とこれまでのコースをより発展させた形となります。ぜひ期待していてください。今年の高校生向けオープンキャンパスでは、CVR研メンバーだけでなく、マネジメント工学コースの3年生、4年生の多くがコース紹介に大活躍してくれました(写真はそのときの様子)。ここ数年リクルートにてCVR研の卒業生が研究室に顔を出してくれます。みなさんの活躍がとても嬉しく、またつらいときなどに頼ってくれることを嬉しく思っています。ぜひ北見に来る機会がありましたら一報ください。大歓迎にてお待ちしています。

(内島典子 記)

高校生向けオープンキャンパスでのマネジメント工学コースの紹介をするマネジメント工学コースの3年生と4年生(CVS研は最前列の座っている2人、最後列の右から3人の計5人)

○「共通講座 山田研究室」

 マネジメントコース山田研究室の卒業生のみなさん、お元気ですか。当研究室の近況を報告いたします。

 ご承知のとおり、当研究室は、マネジメントコース設立時に二名の配属があった以降、配属者がいない状態が続いていましたが、今年度久しぶりに一名の配属がありました。角田陸くんといって、「パレスチナ問題」という研究テーマで着実に研究を続けています。

 彼は学生生活で留学生と交流する機会を多く持ち、その中で国際関係について知見をより深めたいと思うようになったのだといいます。

 考えてみれば北見工大には多様な出身国の留学生が集まり、一般学生や市民との交流活動も活発に行われているわけで、国際的な感覚を養う機会に恵まれているといえます。その機会をうまくとらえ、工学部ならでは技術貢献を含んだ国際貢献のあり方を学ぼうと考えるのは素晴らしいことだと思います。

 とはいえ当方、国際関係論について門外漢であり、十分な指導ができないなか、本人は積極的に他の先生方にも指導をあおぎながら、休まず努力を続け、成果をあげつつあります。積極的な勉学意欲持って、本学の強み活かそうとする、その姿勢に私もおおいに刺激を受けています。

(山田健二 記)

○「共通講座 春木研究室」

My Bike Has Flown Away After Four Years

 着任から4年が経ちました。ことしも10月なかばがすぎ、爽やかな自転車通勤が終わりに近づきます。そんなおり、ある朝、いつものとおり、自転車を押しながら学舎の扉をくぐり、研究室へ。向こうから職員らしきかたが歩いてきます。わたしが大きな声であいさつすると、そのかたは、あいさつを返しもせずに、「なぜ自転車を建物の中に入れるんですか。」と。「研究室に置きたいからです。」とわたし。そのかたは、「だめです。前にも言いましたよね。あなたがここ(北見工大)に来られたころです。」とたたみかけます。

 たしかに、忘れもしません。まさに4年前、同様の状況で、「なに持って入ってんだ!きみ、どこの学科?」とすごんできた施設課の職員です。そのときは、「学科は共通講座です。」と答えると、「先生でしたか。」と急に敬語になるという下品な態度(むろん、教員に敬語を使わなかったことが下品なのではなく、学生に対しては敬語を使わないことが下品だということです。残念ながら、こうした職員(教員を含む)はしばしば居ます。)。当時、品位のない職場に来てしまったと暗澹たる思いにとらわれました。

 その後、わたしの自転車(1924年英国サンビーム社製ロードスターモデル)は工業製品であり、芸術作品であり、美学・芸術学、デザイン哲学を専攻するわたしの研究資料でもあると、当時の講座主任の照井教授に確認してまでいただき、研究室に保管することは妥当であると施設課長に承認いただきました。この経緯は、授業で話すと学生に受けがよく、4年間ずっと「鉄板ねた」です。

 ところがこのたび、4年を経てのデジャ・ヴュ。4年前承認されたしだいを説明したところ、「おぼえてません。」とのこと。わたしは、あまりしないことですが、怒鳴りつけ、叱りつけました。さいごにはしぶしぶでしたが、無礼を謝罪していただきましたが、このスタッフには、もう忘れていただきたくないので、ここに記します。

 廊下ですれちがいざま、「いい自転車ですね。」「かっこいいですね。」と声をかけてくださる職員、学生はすくなからずいます。大事なのは、感性の品位です。感性は、自身を逸脱するもの、自身を超えるものこそを志向する、逆説的な能力です。感性において上品たることとは、畢竟、謙虚たることです。

(春木有亮 記)

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機器分析センター

最近の様子 -相変わらずです-

 卒業生の皆様、元気に頑張っていますか?今年度は、M2が1名、M1が2名、B4が4名、さらに10月から博士課程の中国人留学生1名が加わり、合計8名でいつも通りやっています。留学生の白君は1年前に日本に来た学生で、最初は日本語も英語も話せなかったのでコミュニケーションと取るのが大変でしたが、今では日本語もすっかりと上手になり、研究室のメンバーと一緒に楽しく頑張っている様子です。みんな協力して研究室を守っていく。その思いは、現在のメンバーにもしっかりと受け継がれています。研究室の日々は相変わらずで、実験計画を立てて、実験研究をおこない、毎月データ討論会をこなして、そして大学院生は後輩の面倒も見ています。研究室メンバーは毎日忙しく、そして、多分充実した毎日をおくっていると思います。また、今年度から週に1回「体育の日」を設けました。毎日の運動不足を解消するために、昼休みに全員で体育館に行って運動をしており、今はみんなでバドミントンをしています。

 「研究室の教え子は子供たちと同じ」。私自身は今もその思いを大切にして、学生たちに向き合っています。いろんな考えの学生たちがいますので、時にはそんな思いが空回りしてしまい、こちらの気持ちがうまく伝わらず、思い悩んでしまうこともあるのですが、学生たちに真摯に向き合うことを忘れずに、日々頑張っています。

(大津 記)

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