母校だより 2019(令和元年度)


会誌発行に寄せて

北見工業大学学長(同窓会名誉会長) 鈴木聡一郎

 同窓会の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。早いもので、学長就任2年目を迎えました。引き続き、よろしくお願いいたします。

 教員の異動につきましては、平成31年3月にバイオ環境系の三浦宏一任先生と社会環境系の中尾隆志先生が定年退職されました。また、国際交流センター長の許斐ナタリー先生が、九州大学に転出されました。長年の本学へのご貢献に感謝申し上げます。総合工学系の芳賀和敏先生は、定年を待たず4月に辞職されましたが、その後体調を崩され、10月に急逝されました。さらに、情報系の亀丸俊一先生におかれましては、病気療養中のところ体調が悪化し、退職直前の11月にご逝去されました。お二人の先生には、長年に亘り本学の発展にご尽力いただきました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。その他、2年間という短い期間でしたが、本学で勤務いただいた情報系の佐藤一宏先生が東京大学に転出されました。

 さて、この1年間は、私が学長候補者となった時点で所信表明しました公約の実現に向けて、精力的にアクションを起こした年であったと実感しております。

 はじめに、本学の研究シーズによるブランディングを実現するため、重点研究分野を明確化し、それに伴う4つの研究推進センター体制を構築しました。昨年度に開設した「オホーツク農林水産工学連携研究推進センター」に続き、今年度5月に「地域と歩む防災研究センター」を設立しました。このセンターでは、本学が北見市から無償貸与いただいている旧競馬場跡地を、大規模なフィールド実験用施設「オホーツク地域創生研究パーク」として利用し、豪雨災害をはじめ自然災害がもたらす地域特有の課題の解決に向けた研究を推進しています。これまでに開設されている「環境・エネルギー研究推進センター」、および「冬季スポーツ科学研究推進センター」と合わせ、本学の強みとして4部門の研究推進を戦略的に実施し、本学のブランド化を目指します。現在、全教員の6割以上がいずれかのセンターに所属しています。

 次に教育関係では、平成29年度より本学の学士課程が2学科8コースに改組されたことに伴い、学生の進級や大学院進学、研究室配属や就職活動などについて、これまで以上に手厚くサポートする必要が生じていました。このような学生の悩みや疑問・不安を解消し、学生が希望する学修、進学、就職を実現するための組織として、キャリアアップ支援センターを設立する準備を整え、令和2年4月より実働することになりました。

 さらに、2021年度入学者選抜では、総合型選抜というカテゴリの中で、いわゆるAO入試として「一次産業振興枠」や「冬季スポーツ枠」を設け、一次産業に従事するご家庭のお子さんや、将来、一次産業に関わる仕事に就く希望がある生徒、さらにカーリングやスキー競技で優秀な実績を残し、本学での工学に関わる学修と研究活動によって、さらにスキルアップを目指すアスリートを入学させることになります。これによって、本学の研究推進をさらに加速させるのと同時に、地域からの入学生の増加、新たな雇用の創出や卒業生の地元定着、共同研究の拡充を目指します。

 その他にも、教員グループの再編をはじめ、教員評価制度の見直しや新年俸制の導入、技術部組織の再編等、可能な限り学内教職員のモチベーション向上につながる改革を実施しました。

 昨年もご報告いたしましたが、本学は令和4年度の経営統合を目指し、帯広畜産大学、小樽商科大学との3大学間で経営改革推進に関わる合意書を平成30年5月に締結しました。その後、「経営改革」、「教育プログラム」、「オープンイノベーション」、ならびに「遠隔教育」に関する4つのワーキンググループを立ち上げ、新たな取り組みについて三大学で協議を進めております。また、学外の有識者会議である「経営改革推進会議」では、これらのワーキンググループの協議結果の報告を含め、経営統合に向けた数々の貴重なご意見をいただいているところです。距離的にも離れた、歴史の異なる単科大学が連携することで、新たな教育プログラムの実践や、オープンイノベーションの実現だけにとどまらず、大きなシナジー効果を生み出し、北海道全体を地域と捉えた社会貢献を果たしていく所存です。

 以上のように、本学は地域活性化の中核的拠点として、着実にその活動範囲を広げて発展への道を歩んでいるところです。同窓会会員の皆様におかれましては、引き続きご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、同窓生皆様のますますのご健勝とご活躍を祈念しております。

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会誌発行に寄せて

同窓会会長(昭和53年開発工学科卒業) 富田 剛夫

 同窓会会員の皆様におかれましては、益々ご活躍、ご健勝の事と存じ上げますと共に心よりお慶び申し上げる次第でございます。

 私、富田剛夫は、今年6月に開催致しました同窓会総会におきまして、前任の鳥越会長の後任として選任されました。よろしくお願い致します。鳥越会長は2期4年に渡り北見から遠方の関西支部より重責を担って頂きました事に対して、会員総勢を代表致しまして、感謝致したいと存じます。大変有難うございました。私も鳥越会長の意を汲みながらも平成21年・22年の会長職を歴任した身として、更により良き同窓会活動に取組んで行く所存であります。

 さて、私の前回の同窓会長在任から約10年が経過し、新たな年号、令和元年になったわけですが、日本各地では依然自然災害(豪雨、暴風)に見舞われております。ここ数年毎年のように人命を喪うことや、公共資本と共に個人資本の喪失が生じ、経済的にも精神的にも疲労が蓄積している状況です。今後被災地や被災した人々を助け、新たな生活を取り戻すためにも工学系の技術が果す役割は多様で多大であることを認識している次第です。

 現在、我が国では2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてインフラ整備の増強、世界的スポーツイベント(ラクビーワールドカップ)の開催、観光インバウンド数の増加等、国内の経済活動に好影響をもたらしていますが、日本国内全体を見渡すと経済格差の大きく表れている現実からは目を背けることはできません。この経済格差の解消には、「新しい技術」がもたらす競争力の高さを確保するために、大学の底力を見せ、実現することが必要です。

 新技術は、あらゆる世界において必要としています。特に、先進国間では目に見えない戦争が私達の生活の裏側で起こっていることも見逃せなくなるでしょう。まさに、産業の変革を必要としている時に私達は生きていると思います。新しいテクノロジーの獲得に対して、常に1番目を目指す強い気持ちを持ち、基礎研究を礎に応用研究を充実させていく事は、今更のことですがより必要になると思います。経済の基盤を築いている産業の本質が今まで恩恵を受けて来た製造を中心とした主な構造から、徐々に移り変わろうとしている事は明らかであると思います。また、日本には様々な課題をそれぞれの地域で解決し特徴を持った地域の在り方を実現できる地方力が備わっていると信じております。このためにも「大学の継続的に積み上げられた英知」そして、本学の持つ環境と歴史に裏付けされた確信を持った誇りから「地方力」に期待される新たな産業の在り方を見せる事が出来ると思っております。

 大学には国際的な視点が常に求められ、私達の生きているアジア圏において、貢献していける大学の在り方を実現させていく課題が多く存在しています。その一端として、本学の国際交流、留学生の受け入れは今以上に発展させることが必要であり、本学周辺地域との連携や他地域への情報発信をより求められることと思います。同窓会がこの橋渡し役としての役割につながることも必要と思っています。

 さて、今の北見工大に目を向けてみますと、2020年には開学60周年を迎えます。来年の秋頃には記念行事も予定されています。今後皆様方には多くのご協力を仰ぐと思います。皆様のご支援、ご理解を期待しております。よろしくお願いします。

 本年5月29日に、【小樽商大・帯広畜大・北見工大】の3大学の経営改革の推進に関する合意書を締結しております。【異なる強み・特色を持つ3単科大学】が密接に連携することでの地域貢献する大学として教育・研究を守り、発展(教育研究機能の強化)させる目標を持つことで現状の地方実態に対応できる大学を目指すという主旨があります。人口減少の実状は先進国としての常と考えなければならないと思います。であればこそ、人口オーナスを逆手に取った地域の在り方を創出していく事が大学を通じて地域問題を解決していくことの一番の近道と思っています。大学には、常に新しい力が入って来ます。しかも若く情熱を持った未来に向けて勉学やスポーツ、人事交流を成し得る事の出来る未知な人材が集まって居ます。しかも国際的な交流の窓口にもなっています。この3大学の連携によって今まで以上の情報価値を高めることやそれぞれの大学を補ってこれから起こす新世界に向けた総合力の形成に寄与されるものと期待しています。

 同窓会が果す役割をより現実的に全国に展開できるように、広報の役割を模索したいと考えます。本学の同窓会は卒業生、在学生、在職教職員の皆様の支えによって運営されております。同窓会と致しましては何か出きることを、今まで以上に大学と共に発信していきたいと願っております。

 まずは、同窓会誌発行に当たって、皆様方のご協力、ご指導をお願いいたしますと同時にご挨拶とさせて頂きます。

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退職雑感

理事・副学長 地域未来デザイン工学科/社会インフラ工学コース 川村彰

 退職に際し、これまでの思い出について語ってみたいと思います。

 本学には、1997年、准教授として函館高専から参りました。学科では、学科改組に伴い土木開発工学科、社会環境工学科を経て、現在の地域未来デザイン工学科に至っております。学部の講義は交通工学・道路工学を主に担当しました。本学に着任した当時は、自分の研究に必要な設備がまだ充分ではなく、研究室に配属された学生たちと一緒になって測定装置やPCなど、研究環境の整備に取り組んだことを覚えております。学生たちと夜を徹して研究の話をしたり、学外の道路調査に行ったりして、学生との距離がとても近かったように思います。振り返ってみると、今日研究室があるのは、研究室出身の富山准教授やそのような学生たちと研究室の将来について語り、共に取り組んだおかげと大変感謝しております。

 研究室名は学生時代から愛着のある「交通工学」を立ち上げ、最後まで貫き通しました。その時代の学問体系や研究対象は今日のものとはかなり様変わりしておりますが、卒業生にとっては馴染みのある名前と思っております。

 研究は、主に前職のテーマを引き継ぎました。“土木工学は現場から教えられることが多い”と言われることもあり、研究スタイルは現場主義を基本とし、フィールド調査に時間を割きました。そのため、当時の学長から”お前はいつも大学にいない”と苦言を呈されたこともしばしば、、、。

 自動車走行路面の連続した標高データを「路面プロファイル」と呼びますが、車の乗り心地や安全性のみならず、環境問題とも関連することから、最近、そのモニタリングが重要視されるようになりました。路面プロファイルデータの収集は学生時代から行っており、通算すると約40年間分のビッグデータが集積されたことになります。国内外の高速道路、一般路、空港滑走路やローマ時代に作られたアッピア街道、砂漠横断道路、南極雪氷路面などなど、これらは大学の一研究室としては、世界で最も多種多様なデータの集積があると自負しております。データ収集は実車測定がほとんどでした。現地での様々な思い出があり、リタイア後にこれらビッグデータの整理とともに、何らかの形でまとめたいと思っております。

 大学の社会貢献が求められる時代となり、産学連携に向けた組織的取組のため、SVBL長、地域共同研究センターと社会連携推進センター長を命じられました。SVBL(サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)は、常本元学長時代に設置され、「新産業創出のためのベンチャー・ビジネスの萌芽ともなるべき独創的な研究開発を推進するとともに、高度の専門的職業能力を持つ創造的な人材を育成すること」を目的としておりました。そのための建物や実験設備が整備され、初代藤原ラボ長のもと、様々な新しいプロジェクトが立ち上がり、将来のビジネス展開を目指し高揚感をもって活動していたように思います。残念ながらプロジェクトから直ちに大学発ベンチャー企業が立ち上がるまでには至りませんでしたが、一部のプロジェクトは現在の重点研究推進センター活動に繋がっているように思います。大学内では比較的大きな予算がプロジェクトに充てられたため、研究の進捗状況や成果を評価し、学内外の皆様にも理解して頂けるように、外部評価や研究報告会の仕組みづくりに気を使いました。

 地域共同研究センター(以下、CRC)には7代目のセンター長として平成24年に就任いたしました。CRCは平成4年に設置され、初代金山センター長時代から本学共同研究の窓口として、活発に活動を行っておりました。当時、共同研究の活性度を示す「共同研究件数/研究者数」は約0.5件/人であり、全国でもトップクラスでした。私が就任した時期は文部科学省の「地域再生人材創出拠点の形成事業(プロジェクト名:新時代工学的農業クリエーター人材創出プランが実施されており、工農連携による人材育成・地域活性化のための講義、イベント開催や出展にとても力を入れておりました。本事業のため、産官学連携の取組が多くなされ、今日、本学が取り組む社会連携の礎が築かれたように思います。年に20件近いイベント企画・参加数であったと記憶しております。CRC業務には6年間従事しましたが、社会連携のため、多くのエフォートを割いて業務にあたったCRC及び研究協力課スタッフのご尽力にはただただ頭が下がる思いです。CRC業務に従事したおかげで、学外の多くの方々と接する機会を持つことができ、今まで気づかなかった「産」、「官」、「金」側から大学を見る目がよく理解できるようになりました。

 最後の4年間は、副学長を務めました。これまでの思い出話とは異なりますが、大学の法人化以降、大学改革や少子高齢化など大学を取り巻く社会情勢の変化の影響を受け、高等教育機関として大学の姿勢を明確に示すことの重要性を痛感しております。

 大学の大きな変革期を迎え、今後のさらなる発展には同窓生の皆様のご支援・ご協力が不可欠と考えている次第です。このことを含め、多くのことを書き記すことができなかったことは心残りでございますが、同窓生皆様のこれまでの多大なるご支援に感謝申し上げますとともに、今後のますますのご活躍とご健勝を祈念しまして、退職のご挨拶とさせて頂きます。

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退職を迎えて

機械電気系 地球環境工学科/エネルギー総合工学コース 羽二生博之

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。 昭和53年にアメリカのアイオワ大学の大学院に留学したことを切っ掛けに研究者の道に入りました。 初めての海外渡航でしたが、出発直前に機材の不調のためフライトがキャンセルされるという洗礼を受けて渡米した後は、自転車に乗っているときに故意にトラックにひき殺されそうになるなど、思い出深い留学生活でしたが、昭和59年に縁あって母校の教員となり、永遠に来ないと思っていた60才を過ぎ、来春本学を退職する日を迎えます。渦生成のメカニズムという基礎研究のテーマをずっと続けてきましたが、基礎研究のテーマでは科学研究費や共同研究費が得られないため、地域の同窓生の方々にもご協力いただき、画像処理による防雪柵の開発、知床峠のGPSバーチャルビジョン除雪支援システム、大型模型飛行機にカメラを搭載した航空測量の実証試験、暗渠設備に関連した農地赤外線空撮といった、土木系の実用研究で研究費をいただいて実験室の環境整備をしてきました。 この過程では、特に土木系卒業生の方々には大変お世話になりました。 ここ15年程はNHK大学ロボコンを指導してきましたが、ロボコンOBが研究室に入ってきてくれて、上記の共同研究や研究室のIT化に多大な貢献をしていただき、大変ありがたかったと思っております。 ロボコンOBは各企業でIoT系の研究開発で活躍しており、各企業における本学の知名度向上に大変貢献していると思います。 同窓会関東支部の皆様にはご支援や東京での本戦で多数応援に来ていただいたほか、週明けの工場見学では大変お世話になりました。 退職後も工学社会との繋がりを細々と保ち続けたいと思っておりますので、今後ともよろしくご鞭撻の程お願い申し上げますとともに、同窓生の皆様の益々のご発展を祈念致します。 永い間大変お世話になりました。

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昭和、平成、令和と北見工業大学での41年間

社会環境系 地域未来デザイン工学科/社会インフラ工学コース 三上修一

 昭和53年(1978年)北見工業大学開発工学科を卒業し、同年の7月より開発工学科で教務職員として働くことになり現在まで教育・研究・社会貢献など色々なことをさせて頂きました。改めてこれまでの期間本当に充実した環境で教育研究を続けてこれたことに感謝すると共に教職員の皆さん、そして卒業生の皆さんに支えられて最終年を迎えることが出来たことに感謝いたします。また、同窓会誌に掲載する機会を頂き感謝申し上げます。

 昭和の頃の研究は学生時代からの恩師である大島俊之先生が北大の能町教授や室工大の松岡教授らと有限プリズム法や折板理論などの解析的な研究を熱心に進めている時期で、北大の大型計算機センターへ学生と計算のために出かけたりすることもありました。また、アスファルト舗装と鋼床版の複合的な解析を実験で検証するため、寒冷地におけるアスファルトの温度依存性を考慮した実験を行うために、真冬の夜中に実験室のドアを全開にして室温を下げてアスファルトの温度をマイナスまで下げて実験を繰り返すなど夜昼ない研究が行われていました。その後、折板理論を用いて橋梁振動振動解析による低周波騒音騒音の評価の研究に取り組みます。また、社会資本整備が一段落した昭和終わりころから社会資本の劣化問題にも取り組むようになり、超音波による部材の健全度診断や橋梁健全度評価の研究などに取り組みました。平成になると国道橋の橋梁点検に関する点検基準が制定され、この基準に基づく橋梁点検データがデータベースとして整備されその活用に着目して、橋梁補修のエキスパートの判断を数量化理論II類によって分析して橋梁健全度マネジメントシステム(BMS)の構築につながりました。また、超音波による部材診断の研究も次のステップになり、鋼製橋梁の主桁溶接部の疲労亀裂につながる欠陥の検出に関する研究やコンクリート床板の補修技術として広まってきた鋼板接着部の内部損傷などの検出の研究へとつながり、多くの学生と夜昼関係なく研究に取り組み、役所や民間とも共同研究を行わせて頂きました。1994年に北海道大学の角田與史雄先生にご指導頂きそれまでの研究成果をまとめて「超音波による土木構造部材の点検評価に関する研究」で博士の学位を取得することができました。その後すぐにアメリカ合衆国バージニア工科大学の3次元仮想可視化空間CAVEを開発しているRONALD KRIZ先生とFRP橋梁を研究開発しているJACK LESCO先生の研究室で在外研究員として貴重な研究生活を10ヶ月間体験しました。帰国後はFRP橋の日本国内での設計基準の土木学会小委員会で活動を行うことにつながり設計指針ガイド発行に加わることができました。また十勝沖地震・阪神大震災・北海道南西沖地震など大規模な地震災害を受けて構造物の損傷診断の研究なども加わりました。平成後半は局部振動加振による橋梁健全度モニタリング、橋梁点検データを活用した劣化予測、寒冷地RC床板の簡易劣化度評価などの研究を進めることができました。教授昇格後は国立大学改革が進められ大学運営と教育が大きく変化が求められるなかで、学科運営や研究グループの運営などもさせて頂きながらの研究でした。平成28年から3カ年JSTの戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のインフラ維持管理・更新・マネジメント技術の地域実装支援チームで「地域共同型インフラアセットマネジメント実装に関する研究」共同研究者として参加し、最新の維持管理技術を北海道に紹介する取り組みを北大政策大学院・室蘭工大・北見工大で協力して取り組むことができたことは印象深いことでした。

 大学で最初に教育担当したのは土質実験と測量実習それに構造力学演習でした。実験自習と演習が主な担当でした。担当科目の中でも構造力学は橋梁工学をはじめとする構造物を設計施工するために力学的な考え方を身につける科目と位置づけられ、土木工学の力学基礎科目の3力として重要な科目ですが、特に構造力学では計算力と計算によって実構造に作用する力をイメージできるようにするために演習を重視してきました。平成5年から土木開発工学科に改組後は学生が80人に増えて採点の手間が増加することになり、演習の実施方法を変える工夫が必要でした。正解を自分で導くことによって達成感を高める必要もありました。最終的にはWEBによって自己採点できるシステムを構築するなど改善に取り組んで学生が自ら学修する体制へと変更して、学修意欲を高めるようにしてきました。また学生への情報提供にはe-learningシステム(レナンディ、コースパワー)を活用し、教材提供も紙情報からデジタルへ、出欠管理もスマフォでと変化し、構造力学の教育においても積極的に取り入れて改善してきました。

 今回同窓会誌に原稿執筆の機会を頂き、在職中に沢山の卒業生と会うことができたことに感謝しなければならないと思います。特に土木学会や北海道開発局、北海道、北見市など色々な方面で委員をさせて頂き研究室OBや役所や民間の卒業生との繋がりから色々なお付き合いを頂きました。その都度卒業生の頼もしい姿を拝見できる機会を頂きました。これも大学教員の喜びなのかもしれません。また、6号館4階の構造工学研究室の壁には卒業生の名前を入れたプレートが一面に貼られて今も続いています。これも開発工学科56年卒業生の発案でずっと続けられた歴史になっています。卒業生を思い出すときはこのプレートを見ることにしています。また、構造系研究室のOB会としてクリオネ会を立ち上げ、盛り上げてくださってすでに故人となってしまった安田基治先輩(開発工学科49年卒)には感謝したいと思います。今はこの会を安田会と呼び研究室の卒業生だけでなく同じ分野で働く卒業生と分け隔てなく声を掛け合って集まれる会になり今も続いています。最近はしばらくご無沙汰しているのでこの秋には是非声を掛けたいと思っています。

 令和2年、大学は設立から60周年の節目の年を迎えます。現在、北見・帯畜・樽商の3大学連携の検討が進み北海道国立大学機構として検討が進められています。その中で北見工大の教育も研究もまだまだ変化し発展を続けていかなければなりません。同窓会活動はそれを外から内から支える力になると信じています。最後に関わった同窓会活動について触れさせて頂きます。同窓会組織は全国の卒業生のつながりによって支えられる組織ですが、他の同窓会を見てもほとんどの場合、同窓会事務局は大学に教職員として籍を置く同窓生によって構成されます。当然、資金的に余裕がないためボランティアであり、同窓生の関わり方は様々です。現在、同窓会理事会から依頼を受けて同窓会の将来を考えるWGの座長をさせて頂き、終身会費・支部活動・事務局機能・会員情報など多岐にわたる問題を検討させて頂いています。このWGから昨年度同窓会理事会に向けて中間報告提出させて頂きました。令和元年の総会では、同窓会の財政状況を改善するための提案を実現するべく鳥越前同窓会長の強いリーダーシップにより終身会費の値上げの形で決定しました。今年は富田新会長による開学60周年事業が切掛となり、今後の同窓会活動発展のスタートとなる取り組みへと動き出せようにWGでの検討を進めたいと考えています。

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北見工大での25年

基礎教育系 地球環境工学科・地域未来デザイン工学科 基礎教育 三波篤郎

 私が北見工大に着任したのは1994年10月でした。1994年から現在に至るまでの25年間に、社会情勢と大学が置かれている状況との双方で非常に大きな変化があり、また私自身もこの間、教育・研究以外に学科長や各種委員なども含めていろいろな経験をさせていただきました。この機会にこの25年で印象に残っていることなどをいくつか簡単に振り返ってみたいと思います。

まず世の中の状況を見てみますと、1994年と現在との最も大きな違いは1994年にはインターネットがなかったということでしょう。あったのはe-mailやパソコン通信程度で、地方と中央との情報格差、モノの格差などはまだかなり大きかったと言えます。その後、文字通り1995年の末にWindows95が発売され、インターネットが急速に普及したことでそのような格差も少しずつ解消されてゆき、北見にいることの不便さというものも徐々に感じなくなってゆきました。

 1995年には情報工学科と共通講座(工業数学)が改組再編され情報システム工学科が設置されました。それに伴い情報システム工学科2号棟が建設されることになりましたが、私はその数学側の責任者になってしまいました。新棟建設に当たっては、部屋の配置から始まって電源コンセントの位置やネットワークシステム、備品の選定など非常に多くの仕事に忙殺されましたが、1997年度の末には無事引っ越しが完了し、やっと落ち着くことができました。

2001年に小泉内閣が誕生したことにより、国立大学法人化の嵐が全国の国立大学を襲うことになるわけですが、とりわけ本学のような地方の小さな国立大学での危機感は非常に大きく、文科省や財務省、経済財政諮問会議等の方針に大きく翻弄されたということは、この当時から在職されていた方々は良くご存知かと思います。

 法人化前後の混乱も一段落した2005年度に、当時の常本学長が教育におけるIT活用という方針を打ち出し、そのシステム選定のために「IT活用教育支援システムTF」が設置され、私はその委員長を任されてしまいました。学長としては授業を記録し配信するシステムを想定していたようですが、TFでの議論からLMSの導入を中心とすべきだということになり、日本ユニシスのRenandiが採用されました。Renandi導入後はこのTFは学生支援GPのTFと合わせて「教育IT支援室」となり、学生教育に関係したICTシステムの運営に関わる議論を行ってきましたが、Renandiが2017年度いっぱいでその役目を終えることになり、私もRenandiと共に教育IT支援室長を引退させていただきました。

 2005年にはまた、高精度のヘッド・トラッキングシステムを備えた本格的なVR(バーチャルリアリティー)を実現する装置QVIC(一般的にはCAVEと呼ばれているもの)が本学の総合研究棟に導入されました。私はQVICの導入には全く関係していなかったのですが、そのユーザーグループのグループ長になってくれと頼まれてしまい、この面倒な装置を使わなければならない立場になってしまいました。しかし偶然にも2005年には、村下勝馬君と久家諒君というプログラミングに関して高い能力を持ったM2の院生が私の研究室におり、このCAVEに興味を持ってくれたのは幸いでした。彼らは2~3ヶ月という短い期間でそのプログラミング方法を把握し、さらにこのCAVEを利用して複素エノン写像の周期点集合という4次元空間上の複雑な集合を分かり易く可視化することに成功しました。この結果はシンポジウムでも発表し注目を集めましたが、これはVRを利用して4次元の数学的対象を可視化する研究の先駆けとなったものだと言えるでしょう(そもそも当時CAVEを持っている大学自体がほとんどなかったので)。

 数学教育については、数学教員グループとして行った数学カリキュラム改革が印象に残っています。2006年から入学してくる、いわゆる「ゆとり世代」に対応するため2004年頃から数学カリキュラム改革に着手しました。それまでの理工系大学の標準的な内容を半年ずらし、1年前期では高校数学を復習すると同時に大学の数学につなげてゆくような内容に変更しました。その数年前から始めていた高校数学の知識を測る「数理解析0試験」(現在は数学リテラシー試験という名称)と合わせて、本学における数学教育を21世紀初頭の学生に対応させることができたように思います。

 私自身の研究については、本学に着任前から行っていた非線型力学系の構造表現の研究に継続して取り組みました。特に最も基本的な力学系の一つであるエノン写像の構造に関しては未だに未解明な部分が多く、主に記号力学系による構造表現という方向で研究を行ってきました。またこの数年は1次元力学系の分岐構造の位相的性質についての研究も行い、強い条件を課さなくてもその位相構造が標準的であるという結果なども得ています。まだまだやり残した課題がいくつもあるので、退職後も細々と数学の研究を続けようかと思っております。

 私はちょっとしたきっかけで50歳を過ぎて突然スキーマニアになりました。マニアになって分かったことは、北見はスキーをやるには大変恵まれた環境にあるということです。さらに幸運だったのは、スキー研究の第一人者である鈴木聡一郎先生がまさに北見工大にいたということで、鈴木先生からはスキーに関する本質を突いたお話しを詳しく伺うことができて大変参考になりました。退職後は時間的にも余裕ができるので、冬場は良い雪を求めてスキー場を巡ろうかと思っております。

 最後に、私の北見工大での25年間でお世話になりました多くの教職員の皆様方、そして特に在職中のほとんどを所属していた旧情報システム工学科の皆様方に深く感謝申し上げます。

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同窓生の活躍

〇今年も卒業生の協力で技術セミナーを開催

 本学では平成19年から社会貢献の一環として、本学出身の技術士にご協力いただき、技術士の資格取得希望者を対象とした講義や添削指導等による、資格取得を支援する技術セミナー「技術士養成支援講座」を毎年実施しており、今年で13年連続の開催となりました。

 今年の講座は、札幌において、北海道教育大駅前サテライトを会場として、林 克恭氏(昭和59年土木工学科卒 (株)福田水文センター)、岩倉 敦雄氏(昭和59年土木工学科卒 (株)構研エンジニアリング)、小杉 勝則氏(平成2年土木工学科卒 (株)北未来技研)、佐藤 之信氏(平成2年開発工学科卒 (株)豊水設計)、天内 和幸氏(平成8年開発工学科卒 (株)FAプロダクツ)、岩渕 直氏(平成17年土木開発工学専攻修了(株)構研エンジニアリング)、中本 篤嗣氏(平成14年土木開発工学専攻修了 (株)福田水文センター)の7人の講師陣で実施され全4回の講義を開講しました。 

 本講座はきめ細かな講義や個人指導を無料で受けられることから、募集と同時に定員に達するほど大変好評を博している講座です。

 当講座から合格された方が、今度は講師としてその経験を活かし、次の受験生の支援を行うというのも特徴的なところです。講師の方々は忙しい仕事の合間を縫って添削作業や試験情報収集、資料作成や講義と献身的に活動されています。

 筆記試験の合格者に対して開講する口頭試問対策も本講座の特徴です。今年も受講生から多数の合格者が出ることが期待されます。

(研究協力課)

開講式で受講生に講義を行う佐藤講師

受講生に講師陣から自己紹介を実施

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サークル等活動報告

〇山岳部

 私たちは現在部員31名で活動しています。山岳部は登山部門とクライミング部門の2つに分かれていて、登山部門では月に1回自分たちで登りたい山を決め、登山をしています。7月には仁頃山の清掃ボランティアに行ったり、夏休みは縦走に行ったりしています。また、冬はスキー場やバックカントリーに行き、スキーをしています。クライミング部門では最近、北見工業大学の近くの空き家を使って「きっとうぉ~る」というクライミングジムを作りました。「きっとうぉ~る」は一般公開されており、誰でも気軽に登ることができます。クライミング部門ではクライミングの魅力を伝える事に努めており、北見市のワッカ祭りや学祭でクライミングの壁を作り、工大生や一般の方々にも楽しんでもらいました。また、訓子府のクライミング施設でも講師として活動しています。

 この度、補助金を使わせていただけることを深くお礼申し上げます。この補助金を使い、登山部門ではバーナーを買い、クライミング部門ではホールドとコンパネを買うつもりです。これからも応援よろしくお願いします。

(部員 佐川岳史 記)

大学祭の様子

きっとうぉ~るの様子

新入生歓迎登山での集合写真

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〇硬式野球部

 私たちはいま20名で活動しています。普段は週2から3回活動しており、大会期間が近づくと毎日活動しています。夏はグランドを使って練習をし、冬はグランドが使えなくなるので体育館を使って基礎トレーニングや筋トレ、たまにバスケットボールやフットサルを交えながらメリハリよく練習しています。

 今年度の大会の結果ですが、春季大会は2位、秋季大会は4位と優勝まであと一歩のところで敗退してしまいました。課題は、人数不足と守備の面で主に足を引っ張ってしまいました。課題がはっきりとした大会であったため今後の活動にこれらのことを活かして活動していき、来年こそは優勝できるように頑張りたいと思います。

 また、今回の補助金は大会の参加費、バットやボールの購入に使わせていただきました。OB様のおかげで今年もしっかり部活をすることができました。深くお礼申しあげます。

(部長 山本雄大 記)

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=学科だより=

機械工学科

 卒業生の皆様お元気でお過ごしでしょうか。今年度が機械工学科卒業生の最後となります。私はこの2年間、就職担当も兼務しておりましたが、今年度の就活では多くの企業が採用を早めましたし、OBの皆様からのご支援も頂き、例年よりもかなり早い時期に内定を頂きました。来年度以降の学部就活生らは教育課程の改組により機械系のカリキュラムをベースに電気電子の専門基礎科目も多数習得している機電系の学生ですので、就活を有利に進められるとは思いますが、引き続きOBの皆様からのご支援をお願いいたします。

 一方、私が15年ほど顧問を務めましたNHK学生ロボコンは、関東支部の皆様からのご支援や応援の甲斐もあり、これまで技術賞とアイデア賞および二つの特別賞を獲得できました。私は今年度を持って退職となりますが、ロボット工学を専門とする星野先生と楊先生が後を引き継いで下さることになり、今後はより良い成果が期待できますので、引き続きご支援と応援をお願い申し上げます。

 我が国が今後もモノづくり超大国の地位を維持するために、同窓生の皆様のご研鑽とご発展を心から祈念申し上げます。

(機械工学専攻主任 羽二生博之 記)

○材料力学研究室

 卒業生の皆様、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。今年度は柴野教授、大森技術員、吉田と大学院生4名、学部6名の学生13名です。X線回折を利用した材料の延性損傷評価や生物硬組織をテーマとして、日々研究に取り組んでいます。5月の日本材料学会(室蘭)、7月のX線シンポ(大阪)や9月の日本機械学会(秋田)と積極的に学会発表を行ってきました。特に超音波顕微鏡によるカニの外骨格研究は多くの方に関心をもってもらうことができました。進路では、進学希望3名。就職希望4名。全員希望通り決まりました。毎年恒例、大森さんのGo on footも6月29日に無事終りました。今年は卒業生の参加がなく少し寂しい感じでしたが、学生は力強く網走まで歩いていました。来年は大勢の参加があることを期待しております。末筆ながら皆様のご健康をお祈り申し上げます。

(吉田裕 記)

2019年6月29日、網走駅にて

○計算力学研究室

 今年度の研究室のメンバは、佐藤准教授、長谷川技術員、河野のスタッフ3名と、博士前期課程4名、学部9名の学生13名です。これまで通り、スキーブーツや、人体、金属材料の力学特性等を、主に数値シミュレーションを用いて調査する研究を行っています。大橋先生も特任教授として大学に在籍されており、結晶塑性の研究でご活躍されております。さて、9月27日に、卒業研究の中間発表がありました。学生達は、緊張で手を震わせながらも無事に発表を終え、諸先生方からの質問にも一生懸命答えておりました。研究以外のイベントでは、恒例行事の大雪登山は、今年度は好天に恵まれずに中止となりましたが、院生が中心となってサケ釣り等を企画しています。研究の進展とイベントの両方で、これからが楽しみです。末筆になりましたが、北見近郊にお越しの際は研究室にお立ち寄り頂き、皆様の近況をお聞かせ下さい。

(河野義樹 記)

卒業研究中間発表後に計算力学研究室にて撮影(2019年9月27日)

○伝熱システム研究室

 今年度の伝熱システム研究室のメンバーは、新たに5名の4年生が配属され、5名のM2、そして山田教授、中西技術職員、羽二生(稔)の総勢13名です。進路については、4年生のうち3名は本学大学院への進学が、他2名の4年生とM2も全員希望通りの会社に内定が無事決まりました。内定式も終わり、修論・卒論に向けて、学生の顔も少し変わってきたような気がします。また、M2の片岸君は3月に開催される機械学会北海道支部講演会での研究発表を予定しています。山田教授、中西技術員ともに定年退職まであと1年半となり、「コジェネレーション」と「メタンハイドレート」の研究テーマを本年度で最後とすることとなりました。卒業生におかれましてはお二人がご在職のうちにぜひ研究室にお立ち寄りいただき、近況をお知らせください。最後に、卒業生の皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。

(羽二生稔大 記)

○エンジンシステム研究室

 卒業生の皆さん、変わらず元気でご活躍のことと思います。今年は台風災害が甚大であり、異常気象の常態化を感じています。当研究室も地球環境問題に何かしらの貢献ができるよう、学生とともに努力していきたいと気を引き締めているところです。

 今年は8名の学部生が配属され、3名のM1と4名のM2で研究に取り組んでいます。ちなみに、機械工学科の学部生配属は今年が最後であり来年から新コース制の学生に変わるので、一抹の寂しさを感じています。スタッフは変わらず林田と胡先生の2名ですが、おかげさまで私は今年4月に教授に昇任することができました。これも卒業生の皆さんが頑張って研究に取り組んでくれたおかげです。ここに御礼申し上げます。

 研究の方は、今年は高出力YAGレーザを1台追加導入しました。6年前に導入したYAGレーザと合わせて活用することで、低温室のディーゼル噴霧特性やディーゼル噴霧燃焼の実験で、より高度な解析が可能になるものと期待しています。卒業生の皆さん、リクルート活動などを利用してぜひ研究室をお訪ねください。

(林田和宏 記)

○流体工学研究室

 卒業生の皆様方におかれましては、変わらず元気にご活躍のことと存じます。今年度の流体工学研究室は、羽二生教授、小畑技術員と髙井のスタッフ3名と、M2が4名、M1が3名、学部が10名です。修了・卒業予定の学生は全員が就職内定の状況です。これすなわち学部から大学院への進学者がいないということで、過去にない事態となっています。また、羽二生教授はご定年まであと今年一年となり、また一つの時代が変わります。羽二生教授は昨年度に続いて就職担当を務められ、卒業生として母校と後輩への思いから、ときには学科をこえて、親身になって学生の進路選択を支援されていました。羽二生教授は本稿が皆様に届いたのち数ヶ月で大学を去られます。小畑技術員、髙井も元気にしておりますので、ぜひご在職のうちに研究室を訪ねていただき、会いに来てくださいますようお願いいたします。

(高井和紀 記)

○計算流体力学研究室

 令和元年度は、学部4年生6名と私の計7名で、直接数値シミュレーションを用いて、マイクロスケールの粒子を添加した際に生じる流体乱流の減衰のメカニズムの解明、壁乱流を維持するメカニズムの解明、熱や粒子の乱流拡散におけるラグランジアン挙動の解明に取り組んでいます。本年度は、5月にブラジル・リオデジャネイロで開催された国際混相流会議、7月にアメリカ・サンフランシスコで開催された日米韓機械学会流体工学部門合同会議、11月にアメリカ・シアトルで開催された米国物理学会流体力学部門年会で最新の研究成果を発表してきました。アメリカ・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校時より行ってきたラグランジアン解析が最近ようやくわかってきたというか、その解析より導き出される事実とその手法の可能性に驚かされている今日この頃です。改組のため学内の雰囲気は微妙な感じですが、当研究室は毎日元気にやっています。

(三戸陽一 記)

○応用流体工学研究室

 一時的な引っ越し作業でドタバタした旧応用機械棟(機械1号棟)の大規模改修が終わって2年過ぎました。きれいになった研究室・実験室での生活にも慣れ、ようやく落ち着いて実験・研究できる環境となりました。でも時々「あの部材・装置はどこいった?」と、皆で段ボール箱を開けて捜索することもまだある状況です。サホロでの卒業スキー旅行、温泉コテージでの新歓宿泊研修打ち上げ、大学祭での焼き肉レイノルズ、小中学生対象のおもしろ科学実験での紙飛行機指導、夏のキャンプ、機械学会主催の流れの夢コンテストへの参加、秋の牡蠣バーベキューなど、恒例の行事は順調にこなしています。今年のキャンプは、摩周・知床・霧多布方面への観光ドライブとなり、尾岱沼に宿泊しました。昨年は惜しくも優秀賞(第3位相当)だった流れの夢コンテストは、今年は豊橋で開催されます。現在、4年生が今年こその優勝を目指して日夜(?)頑張っています。

(松村昌典 記)

○生産加工システム研究室

 卒業生の皆様におかれましては、ご壮健にてご活躍のことと存じます。今年度の当研究室は、教員が2名(ウラ・久保)、技術職員が1名(杉野)、D2が1名、D1が1名、M2が2名、M1が1名、研究生が1名、学部4年生が9名の計18名のメンバーで構成されております。そのうち4名が留学生です。来年3月には、M2の及能さんと山口さんが修了予定です。二人とも無事就職が決まりました。更にD1のゴーシュさんが博士前期課程を9月に修了し、現在は博士後期課程を専攻しております。また学部生のうち、4名が本学の博士前期課程に進学し、残りの5名も無事就職が決まりました。当研究室では、当研究室では、「リバースエンジニアリング」「次世代生産システム及びIndustry 4.0」「超精密表面トポグラフィー」「3Dプリンターを用いた製品開発や多孔質構造の実現」のテーマについて研究が続けられております。今年、研究室のメンバーは国際会議「iDECON/MS2019」に参加し、「ASPEN2019」「EcoDesign2019」にも参加する予定です。当研究室は最後に、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

(学部4年 木村友哉・佐々木一樹 記)

○生体メカトロニクス研究室

 卒業生の皆様、元気でご活躍のことと思います。今年度の研究室のニュースとしましては、年度初めに星野准教授が教授に昇任いたしました。これまでと変わらぬ研究室へのご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。星野教授、ゾイ助教、楊助教の3名の教員と、M2が6名、M1が9名、B4が9名の体制となっております。農業機械の高性能化の研究に重点的に取り組んでおり、多方面からの問い合わせや、M1の石黒君の技術賞受賞など本学の知名度が上がりつつあります。スキー研究ではAI画像解析を用いたモーション解析の研究をはじめ成果が現れつつあります。今年もママチャリ耐久レース令和元年スペシャル大会(5h55m)に出場しママチャリクラス2位、3位、23位と健闘しました。ご支援頂いております卒業生の皆様には心から感謝申し上げます。また今年度もロボトラに参加し完走を果たしました。皆様も研究室に遊びに来てください。

(星野洋平 記)

○知的システム工学研究室

 研究室の名前の由来は、遺伝的アルゴリズム(GA)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、機械学習(ML)、人工生命(AL)、エージェント等の技術がスマートエンジニアリング(知的工学)と呼ばれ、これらの新技術を用いて工学的に色々な実問題へ取り組みたいとの思いから付けました。主な研究内容は、進化計算と機械学習による自律的な行動獲得、大規模問題によるハイパフォーマンスコンピューティング、物理法則に基づくアニメーティッドロボットの三本柱に加えて画像処理の研究も行なっています。

 研究室では、昨年同様に北海道支部や全国の学会で活発に研究成果を発表しています。9月23日に旭川農業センターで開催された第3回北海道ドローン選手権で研究室のメンバーが優勝しました。毎年恒例の夏旅行はキトウシ森林公園家族旅行村で開催され、複数研究室合同で、パークゴルフやバーベキューなどで楽しいひと時を過ごしました。

 卒業生の皆様、北見にお越しの際には是非知的システム工学研究室にお立ち寄り下さい。

(渡辺美知子 記)

キトウシ森林公園家族旅行村にて(2019年8月24日)

△top


社会環境工学科

 同窓生の皆様、お変わりなくお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。同窓生の皆様には在学生のインターンシップや就職セミナーなど様々な就職支援にいつも大変お世話になっており、この場をお借りして御礼申し上げます。

 今年の教職員の動きは、3月に旧開発工学科S51卒の中尾隆志准教授が定年退職し、百武欣二技術員も定年退職して再雇用職員として物理学実験等の支援業務に就いています。4月には崔希燮助教と川尻峻三助教が准教授に昇任し、10月には大野浩助教が准教授に昇任しました。また、研究推進センターを目指していた複合型豪雨災害研究ユニットが5月に「地域と歩む防災研究センター」として発足し、センター長として川尻准教授、副センター長に高橋清教授、川口貴之准教授、宮森保紀准教授が就任し、社会環境系の多くの教職員がメンバーとして近年頻発する自然災害の防災・減災に向けて若い力で立ち向かっています。同窓生の皆様には同センターの活動にご支援を宜しくお願い致します。

 さて、昭和42年の短大・土木科を皮切りに、昭和45年に土木工学科、昭和49年に開発工学科、平成9年に土木開発工学科、平成24年に社会環境工学科の一期生を出し、そして今年度が社会環境工学科の最後の卒業生となります。好調な就職状況を反映し、皆、順調に内定を得ています。来年度の令和3年3月には2017年に改組された「地球環境工学科・環境防災工学コース」と「地域未来デザイン工学科・社会インフラ工学コース」の一期生が仲間入りします。両コースの多くの学生は夏休みのインターンシップに同窓生の会社等で就業実習を経験しています。不足する土木建設分野の若手技術者として活躍できる人材を輩出できるよう教職員一同も奮闘しています。

 最後に、今後益々増加する自然災害に立ち向い国土強靭化を進め、人口減少時代のインフラ整備などには、卒業生皆様の力が求められています。皆様のご活躍を期待しております。

(社会環境工学専攻主任 早川博 記)

○河川防災システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。本年度は、渡邊康玄先生のご指導のもと、4年生5名、大学院1年生3名、大学院2年生3名の計11名で活動しています。今年度の札内川の現地調査ではテレビ番組が入りました。調査の概要や、観測方法について取材があり、より一層の緊張感の中で観測を行いました。現在は、各々が研究テーマと向き合い、実験や解析などで忙しい日々が続いておりますが、皆で協力しながら研究を進めております。

 最後になりましたが、卒業生の皆様、機会がございましたら、是非とも研究室にお立ち寄りいただき、近況や研究のアドバイスなどをお聞かせください。お待ちしております。

(M1 松田朋也 記)

○河川・水文学研究室

 今年の研究室メンバーは院生M2:2名(1名病気休学中)、学部生:5名で、ゼネコンに1名、コンサルに4名で、1名が未定です。今年も就職が好調なため進学希望者がいないのは残念ですが、学生は釧路湿原の旧川復元事業や農地から土砂流出抑制対策、フィールド調査としてRTK-GPS搭載ドローンや新たに可搬型の3Dレーザースキャナーを用いた細部測量の他、マルチスペクトルカメラによる農作物の植生状況把握にも取り組んでいます。また、ArcGISは帯畜大・小樽商大との3大学連携も視野に入れて全学利用可能なサイトライセンスを有効活用できるように準備を進めています。ArcGISは民間・自治体との共同研究にも利用可能なので、興味のある方は研究室にお問い合わせ下さい。

 最後に研究室OBの皆様、機会があれば是非とも研究室にお立ち寄り下さい。

(早川博 記)

○水工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、今年度で2年目の新しい研究室で、M2の松浦悠、M1の押村星河、小池太郎、4年生の上野順基、畠山凌、諸田匡紀、山田隆司の計7名の学生と共に研究活動を行っています。研究は、ジュエリーアイス、深層学習、アイスジャム実験、網走川における河氷衝突、漁船損傷を防ぐための消波ブイの効果、冬期の取水障害対策に取り組んでいます。また今年度は、月1回の懇親会と週1回全体ゼミの前に昼食会を開くことを始めました。

 卒業生の皆様のますますのご活躍を期待しております。北見にお寄りの際は、ぜひお立ち寄りください。

(吉川泰弘 記)

○水処理工学研究室

 卒業生の皆様、如何お過ごしでしょうか。今年度は、駒井先生の指導の下、D1が1名、M1が2名、4年生が5名の計8名の学生が在籍しており、10月には新たに留学生を1名迎え入れます。研究は、コムケ湖、知床、阿寒湖、シブノツナイ湖、藻琴湖、アルジェリアなど、様々な水環境での物質動態や、アマモやサケ、シジミ、猛禽類、等の動植物と物質循環との関わりなどを主なテーマとして、現地調査や分析等を行っています。北見へお越しの際は是非研究室へお立ち寄りください。卒業生の皆様の近況をお話いただけることを心よりお待ちしております。

(M1 広木駿介 記)

○地盤工学研究室

 卒業生の皆様、元気にお過ごしでしょうか。今年の研究室のメンバーは、社会人Drが1名、M2が2名、M1が2名、4年生が3名の8名です。4年生では1名が大学院進学予定です。次年度は改組によって土木系コースの定員が増えた4年生が配属されるので、人数が多くなりそうです。研究面は、相変わらず液状化関連とメタンハイドレートです。液状化に関しては、札幌市里塚の液状化被害の研究が主です。液状化試験機を1台増設して2台体制です。海洋調査は、7月稚内沖、8月バイカル湖、9月網走沖、11月十勝沖の4回実施しましたが、国内はあまり天候に恵まれませんでした。バイカル湖には、研究室の学生の参加がなく私一人でした。

(山下聡 記)

○凍土・土質研究室

 卒業生の皆様、毎年のように全国各地で災害が発生し、今年も大変な一年となっておりますが、お元気でお過ごしでしょうか?今年から地盤系の研究室は1つ増え、計4研究室となりました(地盤工学、凍土・土質、寒地岩盤、地盤防災技術)。また、地盤系共通で事務補佐員の須田さんを迎え、研究室の所属学生の女性比率がぐっと上がったため、なにやら随分と華やかになったなあと感じる日々です。とはいうものの、実験室より屋外にいることが多い研究スタイルは今年も変わらず、ウランバートルの道路や旧競馬場での施工や計測、函館の補強土壁での実証研究など、大変慌ただしい日々を送っております。さらには、学科改組によって誕生した環境防災工学コースと社会インフラ工学コースの就職担当を仰せつかっており、卒業生の皆様とお会いする機会も多くなってきております。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り頂き、近況などを聞かせてください。お待ちしています。

(川口貴之 記)

○寒地岩盤工学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか?今年の研究室のメンバーは、教員が中村、渡邊、平松、4年生が伊藤、本田、米村、修士が中陳、衛藤、山口、博士がジャガの合計10名です。このメンバーで研究やコンパ等楽しく過ごしております。中村は令和元年度の就職支援室長を担当しています。求人等でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。研究では国際会議でフィンランド、共同研究でモンゴルと、海外に行くことが多い年でした。卒業生の皆様、来北の際には是非、研究室へ顔を出してください。

(中村大 記)

○地盤防災技術研究室

 地盤防災技術研究室は令和元年4月に新しく発足した研究室です。教員である川尻は、令和元年5月に発足した「地域と歩む防災研究センター / SAFER(セイファー)」のセンター長を兼任しております。メンバーは、博士後期課程1年生が1名、博士前期課程2年生が2名、博士前期課程1年生が1名、学部4年生が3名と大変充実した合計7名です。今年度は、屋外大規模水路による橋台背面盛土の侵食実験、寒地土木研究所との共同研究で実大試験補強土壁の構築、釧路川の堤防強化のための地盤調査と室内実験などに加えて、令和元年台風19号で被災した千曲川流域の災害調査などを行っております。駆け出しの研究室ですが、地盤災害への対策工や地盤構造物の維持管理などでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

(川尻峻三 記)

○構造・材料系研究室(維持管理工学研究室・地震防災工学研究室・コンクリート工学研究室・インフラマテリアル研究室)

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度から、崔先生のインフラマテリアル研究室が新設され、4研究室で構造・材料系がスタートいたしました。三上教授、宮森准教授、井上准教授、崔准教授、山崎助教、齊藤助教、坪田技術員、技術補佐員の岡田さん、研究補助員の苅谷さんにご助力いただき、日々研究や講義に励んでおります。大島名誉教授におかれましてもお元気でいらっしゃいます。

 維持管理工学研究室では、B4が4名で活動しております。主な研究内容としては、埋込型体積水分計の構造物への応用の実験的検討や凍結融解環境におけるRC床版の温度応力解析の研究などを行っております。

 地震防災工学研究室では、D3が1名、D2が1名、M2が1名、M1が1名、B4が5名の大世帯で活動しております。主な研究としては、振動データを用いた構造ヘルスモニタリングに関する検討や寒冷地の地震対策の低温ハイブリッド地震応答解析システムの開発、画像処理技術を応用した構造解析手法の高度化や北海道の橋梁の豪雨災害対策に関する取り組みなどを行っております。また、今年度はD3の張友奇さんが博士後期課程を修了し博士の学位を授与されました。

 コンクリート工学研究室では、M1が1名、B4が3名で活動しております。寒中施工における温水循環式給熱養生方法を用いた新規給熱養生の提案、Al-Mg金属溶射鉄筋を用いたコンクリートの耐久性と力学性能に関する研究、LiNO2を用いた耐寒PCグラウト材の開発などを行っております。

 インフラマテリアル研究室では、M1が1名、B4が3名で活動しております。耐寒剤を用いた場合の膨張・収縮およびひび割れ予測手法の開発やその強度特性に関する物理化学的検討、CO3-とCa2+を用いた自己治癒によるセメント系複合材料のひび割れ制御に関する検討を行っております。

 最後に、令和2年3月に三上教授が定年退職されることは非常に寂しいですが、これからも構造・材料系一丸となって研究活動に取り組みたいと思います。卒業生の皆様のご健勝と並々のご活躍を心よりお祈りいたします。

(M2 鈴木紗苗 記)

○雪氷科学研究室

 今年の雪氷科学研究室の学生はD3(休学中)が1名(大鐘卓哉)、M2が2名(鹿野大貴、堀田美月)、M1が1名(石山実和)、4年生が4名(大木淳平、桑迫拓哉、田中慎之介、松岡優太朗)です。研究テーマは、カーリング場の氷表面およびストーンの軌跡の解析(鹿野)、VR技術を用いた吹雪の視覚的再現に関する実験的研究(堀田)、雪結晶の生成実験(石山)、南極の無人気象観測で得られた気温データの補正法の検討(大木)、北海道の気温の長期変化(桑迫)、南極ドームふじへ進入する低気圧の解析(田中)、カーリングのストーンと氷面との接触状況の解析(松岡)です。

 白川先生の雪氷防災研究室と合同で実施している夏季の1泊研修は紋別市に新しくできた生涯学習センターで8月30(金)~8月31日(土)に実施しました。皆さん、それぞれの研究成果を発表することができました。翌日は紋別市の道立オホーツク流氷科学センターを見学しました。センター長の髙橋修平先生と職員の本間紘枝さんに説明をしていただきました。その後、お二人も入って、センターの前庭で記念写真を撮りました。写真)

 例年9月下旬に実施している大雪山系雪壁雪渓の測量調査は、高原温泉の緑の沼の少し先まで行き、そこから望遠レンズで雪渓を撮影し、その画像から水平投影面積を推定する「楽々コース」を白川先生と実施しました。

 9月9日~11日に山形市で開催された雪氷研究大会全国大会では、亀田と鹿野はカーリングのストーンの運動解析に関する発表、堀田はVR吹雪の成果を発表しました。大野浩先生は10月1日から准教授に昇任され、雪氷環境研究室を新たに立ち上げました。卒業生の皆さんは北見に来ることがあれば研究室に顔を出して下さい。

(亀田貴雄 記)

流氷科学センター前での記念写真(2019年8月31日)

○雪氷防災研究室

 卒業生の皆さんお元気でしょうか。私は10月から新科目「雪氷防災工学」(3年後期:選択2単位)を担当しています。当初、履修登録者が46人しかおらず心配しましたが、蓋を開けてみると90人まで増えまして、まさに嬉しい誤算、現在は想定外の人数対応に追われています。開講に合わせてテキスト「なぜ、雪氷防災?」を単著で執筆し、これを使って冬期気象や防災施設、積雪観測を教えているところです。冬の鉄道を特集する章も1つ設け、ここには私の本来の専門である鉄道工学のエッセンスを盛り込んでみました。学生の期待に応えられるような授業を目指します。テキストは現時点で学内限定版ですが、来年には一般書籍として出版予定で、次の同窓会誌でご紹介できればと思います(ご関心のある方はぜひ一冊お求めいただけますと幸いです)。研究室恒例の積雪観測の様子は、FBページ「北見の積雪観測情報(北見工業大学雪氷防災研究室)」をご覧下さい。

(白川龍生 記)

○氷海環境研究室

 卒業生の皆様、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。今年度の氷海環境研究室は舘山先生を代表に助教の佐藤先生、非常勤技術員の丸山さん、博士前期過程1名(照井雄大)、学部生4名(佐藤功坪、鈴木裕太、瀧田祐一、渡辺由梨加)の計7名で日々研究に励んでおります。

 照井さんは富岡市の岩井建設株式会社、鈴木君は札幌市のアルスマエヤ株式会社、瀧田君は弘前市の株式会社キタコンに就職、渡辺と佐藤君は大学院へ進学と各々進路が決定しました。

 今年度は舘山先生と佐藤君、渡辺、他研究室2名の計5名が9-10月にカナダの砕氷船ルイSサンローランに乗船して北極海観測に参加しました。佐藤先生は今年もJAMSTECの観測船みらいに乗船して9-11月に北極海で観測したあと、11-12月にArCS海外若手派遣でドイツ滞在、3月にニーオルスン観測と、海外での観測や活動が盛りだくさんの年でした。

(学部4年 渡辺由梨加 記)

○寒冷地環境工学研究室

 寒冷地環境工学研究室も今年で14年目を迎えました。今年度は3名の卒研生が配属になりました。今年は1名が地元の自治体に内定、もう1名は現在も就職活動を継続中です。まだ全員の卒業研究のテーマは確定していません。来年6月にグリーンランド南東ドームで深さ200mの浅層コアが掘削される予定です。前回が深さ90mで1960年くらいまで到達しましたが、今回は1800年くらいにはなると思います。みなさんも健康に気を付けてそれぞれの場所でご活躍されることを祈念しています。

(堀彰 記)

○交通工学研究室

 現在、交通工学研究室は、川村教授、筆者(富山)、7名の学生で活動しており、人・車・道路に関する基礎研究や産官学との共同研究を活発に行っております。特に、今年度は、川村先生が公益社団法人発明協会 北海道発明協会会長賞を受賞されました。路面評価の第一人者として長きに亘り研究され、「汎用的で迅速な簡易路面平坦性測定装置(特許第5226437号)」として実用化された成果が、社会インフラの整備に多大なる貢献をしていることから、百年以上の歴史を持つ栄誉ある賞が贈られるに至りました。また、今年9月には、博士後期課程の江口利幸氏(東日本高速道路株式会社)が博士(工学)の学位を取得し修了されました。道路インフラの老朽化が大きな社会問題となっている今日、修了・卒業生の活躍を耳にする機会も大変多くなっております。研究室一同元気に活動しておりますので、近隣へお越しの際は是非お立ち寄り頂き歓談の機会を持てますと幸甚です。

 公益社団法人 発明協会 令和元年度北海道地方発明表彰 北海道発明協会会長賞

 川村 彰、坂田 光児、富永 智「汎用的で迅速な簡易路面平坦性測定装置(特許第5226437号)」

(富山和也 記)

○都市・交通計画研究室

 昨年度は修士3名、学部卒業生7名と久しぶりに多くの学生が研究室より巣立っていきました。中でも修士学生は、2年目を迎えた自動運転プロジェクト研究で、帯広市・大樹町にて町民と泊りがけのヒアリングを行う等、実に精力的に頑張ってくれました。参加者からも大変好評で、研究室を主宰するものとして誇らしい限りです。さて、今年は最後の社会環境工学科の学生として、モンゴルからの留学生1名を含め4名の卒業生が配属となっています。先日は留学生を伴いウランバートルにて交通状況を視察するともに、公共交通に関する意識調査を実施しました。どのような成果が出るか、是非期待して待っていて下さい。研究室としては、これを機会に日本とモンゴルの架け橋の一助になれば幸いと考えています。

(高橋清 記)

○ハイドレート研究室

 卒業生の皆様、ご無沙汰しておりますがお元気でしょうか?ハイドレート研究室では、卒論生の鎌田・木村・白倉・杉森、修士学生の池浦・長谷・菊池・松田、博士学生の伏屋、計9名が在籍し、前期のうちに就職・進学がみんな決まった、大変稀有(?)な世代です。例年通り、礼文島沖(6月)、バイカル湖(8月)、網走沖(9月)での海洋調査が終了し、北大練習船おしょろ丸での十勝沖調査(11月)を控えています。木村は9-10月に北極海調査に参加し、オーロラ等極地の自然を楽しんだようです。この数年で研究室の大学院生がだいぶ増え、研究方面は大忙しです。特に地球惑星科学連合大会(5月)、雪氷研究大会(9月)では学生が多数参加し、北見工大の存在感を際立たせました。今は研究室総出で野外調査のガス試料分析に勤しんでいます。北見においでの際にはぜひとも実験室にお立ち寄りください。

(八久保晶弘 記)

△top


電気電子工学科

 同窓生の皆様におかれましてはお変わりなくお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。同窓生の皆様にはいつも大変お世話になっており、この場をお借りして御礼申し上げます。大学におきましては、教員グループに変わる組織として4月から“系”が発足しました。また、改組から3年目を迎え、来年1月には成績優秀な3年生を対象とした卒研の第1次配属という新たな取り組みが実施される予定です。

 さて、旧電気電子工学科におきましては、10月1日に学内昇任により機械電気系の佐藤勝先生、情報通信系の杉坂純一郎先生と酒井大輔先生の3人が准教授に着任されました。また、4月からは学科事務担当として荻原ナオミさんをお迎えし大変お世話になっております。

 大学も変化の時を迎えておりますが、これからも引き続き教育研究に邁進して参りたいと思いますので、同窓生の皆様におかれましては引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、同窓生の皆様の益々のご活躍をお祈りいたします。

(電気電子工学専攻主任 黒河賢二 記)

○電気基礎研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。本年のスタッフは黒河教授、川村准教授、そして岸本で変わりありません。また、光班の学生は学部4年が6名、修士2年が2名、修士1年が1名です。制御班の学生は学部4年が6名、修士2年が1名,修士1年が2名です。

 黒河先生は専攻主任のお仕事に加え、電磁気の授業や光ファイバーの燃焼伝達現象の実験研究に励んでいられます。

 制御班では、車両誘導の実験において、本年の9月から電気棟裏の道路の改修工事により、車両誘導の実験場所を変更するためにグランドの向こう側、職員宿舎横の駐車場周辺の道路に新たにタグを埋めるための作業を終えたところです。また、三球輪、屋内誘導、草刈り機の自動化などの研究も進めています。

 本年度の4年生は旧学科体制の最後の年となり、制御班・光班 合同の歓迎会や卒論発表会をやめることになっています。来年度の4年生から二学科体制の学生が研究室配属されてくる準備もあり、基礎研究室の名称が制御班はロボット制御・ITS研究室に、光班は光ファイバー伝送研究室に変更になります。場所は変更ありませんので、近くにお越しの際はお気軽に訪問していただきたいです。

(岸本恭隆 記)

○応用電気工学研究室

 卒業生の皆様、こんにちは。応用電気工学研究室に所属している修士2年の境健斗です。10月に入りいよいよ秋も深まり夜寒を覚えるこの頃ですが、如何お過ごしでしょうか。さて、本年度の応用電気工学研究室では、柴田先生、

 橋本先生、酒井先生のもと修士2年生5名、修士1年生5名、学部4年生11名の学生が日々研究に励んでいます。同じ研究室ではありますが、柴田研究室では超電導に関するセンサの開発や新たな超電導材料の合成、橋本研究室では脳波などの医療機器、酒井研究室ではコロナ放電やホログラムなどそれぞれ幅広い分野で研究を行っています。修士2年生と学部4年生は就職内定や大学院進学など、ほぼ進路が決まり、研究の集大成に向けて集中しています。私自身は、12月に京都で開催される超電導国際シンポジウムでの成果発表が目標です。また、嬉しいニュースとして10月1日に酒井先生が准教授に昇進されました。酒井先生には研究はもちろん、日々の生活でも親身に接して下さっているので我々学生も非常にうれしく思います。

 最後になりますが、北見近郊にお越しの際はぜひ大学や研究室に足を運んでいただけると幸いです。今後とも応援よろしくお願いします。

(M2 境健斗 記)

○電気機械研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。現在、北見工業大学は2017年度に行われた学科改組に伴う過渡期を迎えており、2020年度より「電気電子工学科」の名は消えてしまう運命にあります。しかし、電気機械研究室は2019年3月から非常勤研究員としてマルワン・ロシャディ先生(インドネシア)が戻られ、博士課程1名、修士課程6名、学部生12名の学生と田村教授、高橋准教授、梅村助教、アシャリフ助教の総勢24名と大変賑わっており、活気溢れる研究室となっております。さらに、研究内容としてファジィPID制御を基礎とする仮想同期発電機制御という、新しい切り口で系統安定度改善に寄与する研究を進めております。

 当研究室では主に風力発電や系統安定度に関する研究に注力し、学生たちは日々の研究活動に勤しんでおります。その研究成果を北海道科学大(札幌)で開催された電気学会全国大会や電力・エネルギー部門大会(広島工大)、電力技術研究会(琉球大)、回転機研究会(北見経済センター)などの国内学会で発表したほか、12月にマカオ(中国)で開催予定のIEEE APPEEC2019に参加予定です。

 その他、学部生の歓迎会、歓送会、施設見学などの研究室活動はホームページに記載されておりますので是非ご覧ください。(http://pullout.elec.kitami-it.ac.jp/

 卒業生の皆様、ご多忙ではあるかと思いますが、北見にお越しの際は是非研究室にお立ち寄りください。皆様の益々のご健闘とご活躍を祈念しております。

(M2 新野翔 記)

卒業式を記念して(2019年3月18日)

○集積システム研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。令和元年度は吉澤准教授、大学院生3名、学部生7名の計11名の体制で日々励んでおります。最近は水中音響に関する研究テーマがメインでして、今年度も北見市民プールやサロマ湖で実験を行っています。企業との共同研究の一環で大学院生2名を2~3週間のインターンシップに派遣しました。インターンシップに参加した学生は実際の現場働くことが体験できて大変有意義であったとのことでした。谷本先生は非常勤講師で週1回大学に来られていましてお元気そうです。北見にお越しの際には是非ご連絡下さい。

(吉澤真吾 記)

○波動エレクトロニクス研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の波動エレクトロニクス研究室は、大学院生2人、卒研生13人です。今年は卒研生が多めになっており、研究室は「満杯」状態です。また、学部4年生1人の大学院進学が決定しております。

 学部改組が3年目となり、学部では地域未来デザイン工学科 情報デザイン・コミュニケーション工学コースに関わることが中心になっております。そうした中で、2019年10月に、杉坂先生が准教授に昇任されました。来年度からは卒業研究の学生が配属されることになりますので、そのための実験室・研究室確保のため、研究内での整理や移動を行いました。10月から早速、講義(信号処理基礎)を担当するなど教育でのさらなる活躍も期待されております。

 安井崇先生は、光導波路デバイスを中心として、活発に研究活動をされております。教育では、電磁波工学、回路理論等を担当されております。

 平山は光・マイクロ波のデバイスの最適設計やマイクロ波・ミリ波帯での材料定数測定法の研究に取り組んでおります。

 北見にお越しの際には研究室にも是非お立ち寄りください。卒業生の皆様のご活躍を祈念しております。

(平山浩一 記)

○通信システム研究室

 卒業生の皆様におかれましてはお元気でご活躍の事と存じます。現在、通信システム研究室は柏教授、田口准教授の教員2名、学部生12名、大学院生1名の計15名で日々研究に励んでおります。また、来年度は3名が本学大学院に進学する予定です。

 本研究室では、現在、主に第5世代移動通信で候補となっている6GHz以上の準ミリ波・ミリ波帯の電磁波が人体に与える影響について研究を行っております。現在、本研究に関連する研究として科学研究費2件、総務省委託研究費1件の計3件が採択され、研究室一丸となり本テーマに精力的に取り組んでおります。また、マイクロ波・ミリ波・光波の数値計算に関する基礎的研究、GA、PSO、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いた最適設計などの応用研究も幅広く行っております。更に、柏教授及び田口准教授は電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会の専門委員として、研究会、ソサエティ大会、総合大会などで活発に発表するなど学会活動も活発に行っております。

 尚、研究室の近況は通信システム研究室ホームページ(http://kashiwa-lab.net/)にて公開並びに随時更新しております。お時間がある時にでもご覧頂けると幸いに存じます。

(田口健治 記)

○集積エレクトロニクス研究室(旧電子物理学研究室)

 皆さん、お元気でお過ごしでしょうか?

 ここのところ、定年退職された先生が続いて、新しい先生に代わってきております。

 私のところの研究室は、相変わらずで佐藤先生と二人でやっていますが、今年は大学院に3名進学することになり、メロンや鹿肉の熟成を行う場所と学生の居場所の確保が大変になってきました。3次元集積回路など従来の研究では世界の先端でがんばっている一方、地域貢献型の研究として新しく設立されたオホーツク農林水産工学連携研究推進センターに参加し、現在IoTを活用したメロンの水耕栽培やエゾシカ肉の熟成なども手がけております。

 近況ですが、佐藤先生は日頃のがんばりが認められ、10月1日付けで准教授に昇任されました。ますますのご活躍を祈念しております。

 私は日本食品科学工学会にて鹿肉の招待講演を頼まれるなど、本来業務以外の仕事が増えてきています。経済の伝書鳩からの取材などもあり、それを見た方から連絡が来るなど、懐かしい方々との交流もうれしいですよね。来年度は機械電気系という新たな組織の就職担当となりました。就職担当では、忙しい反面、卒業生とお会いする機会が増えて、皆さんの成長した姿が見られるので、それはそれで楽しいです。

 お近くにお寄りの際には、是非研究室にも遊びに来てください。現役の学生さんたちがおいしい鹿肉を振舞ってくれると思います。

(武山真弓 記)

△top


情報システム工学科

 はらけんです。私も専攻主任を引き受けるような年齢になってしまいました。卒業生の皆様、お変わりなく元気でご活躍のことと思います。情報システム工学専攻の近況をお知らせ致します。

 2019年9月末で佐藤一宏先生がご退職されました。在職中は、システム制御関連で輝かしい研究業績を残しました。今後は、東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻で講師となります。今後の活躍を期待しております。みなさんがご卒業されました情報システム工学科は、最後の4年生が卒業研究等に励んでおります。3年生以下は情報デザインコミュニケーション工学コースにおいて、情報システム工学科のDNAをしっかりと引き継いでおりますのでご安心ください。

 大学の改組3年目となり、小樽商大、帯広畜産大との連携構想など学内外の環境は大きく変わろうとしております。職員一丸となり教育・研究に頑張っております。卒業生の皆様におかれましても、社会の変化に惑わされる事無く、一層のご活躍を願っております。

(情報システム工学専攻主任 原田建治 記)

○知的システム設計分野

●システム制御研究室(榮坂研究室)

 卒業生の皆様お久しぶりです。副学長業務も抱えて多忙な榮坂先生をサポートされていた佐藤先生が今年9月いっぱいで他大学へ異動され、旧学科カリキュラムのCS配属がなくなったと言っても、研究室としてはなかなか大変な状況に逆戻りしてしまいました。学生の皆さんには先生との打ち合わせや質問などの時間をこれまで以上に有効活用して研究を進めてもらいたいと思います。

 研究は、制御系のシミュレーションの他、ロボットやスマートフォンを使ったもの、クラスタリングによるデータ解析、麻酔投与の最適化など多岐に渡っていおり、制御理論だけでなく様々な分野の知識が求められる課題に取り組んでいます。

 学科改組や建物改修などが進んでおり、皆様が在学されていた頃とはだんだん変わってきていますが、採用活動や学会などで来学された折には、ぜひ研究室にもお立ち寄り頂き、在学中や卒業後の経験談などを聞かせください。

(宿院信博 記)

●情報通信システム工学研究室

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。当研究室では、中垣、技術員の宇野さん、卒研配属学生4名が日々ゼミや研究に励んでいます。今年は院生が0名で、CSセミナーでの3年生の配属もなくなったため、研究室は非常に寂しい状態ですが、逆にきめ細かい研究指導ができると気持ちを切り替えています。学部4年生は全員就職希望で、全員内定をもらうことができました。就活前半は立て続けに面接で落ちてくる学生もおり、苦戦を予想しましたが、売り手市場に助けられ、何とか全員の進路が決まってほっとしています。研究では、音声分析、騒音抑圧法の開発、マイクロフォンアレイを用いた音声信号処理の研究をすすめています。研究以外(宴会関連)では、毎年7月恒例の焼肉も準備不足のため、お店ですますなどアクティビティが低下しており、何とかてこ入れをしたいと思っています。当研究室出身のOB・OGの皆様、近くにお越しの際には是非お気軽にお立ち寄り下さい。

(中垣淳 記)

●複雑系情報学研究室

 卒業生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。本研究室は、M2:1名、M1:2名、4年生:6名が在籍しており、日々、ゼミや研究に励んでおります。現在、研究室では、(1).運動学習支援に関する研究、(2).群れ行動の創発・行動最適化に関する研究、という2テーマを基盤に、産業応用を目指した研究にも着手しております。具体的には、(3).AI技術を利用したタマネギの自動選果機に関する研究、(4).携帯型の木材径級計測システムの開発、(5).UAV(無人航空機)による自律配送システムの基礎研究などに取り組んでおります。また、外部研究機関や企業との共同研究も進めており、10月からは北海道総合研究機構道南農業試験場から1名の研究員の研修を受け入れ、にぎやかに活動しております。卒業生の皆様、お近くにお越しの際は是非お気軽にお立ち寄りください。

(鈴木育男 記)

○知識工学分野

●医療情報・医用画像工学研究室

 2018年10月、就職支援の催しに千葉優輝君と小野貴史君が参加してくれました。ふたりは2012と2013年度のプログラミングコンテスト参加チームのリーダー。AIスタートアップや銀行系開発チームで何のためにどのようにして働いているか、すごくいい話をしてくれました。11月、「ハッカソン」に3チームが参加し素敵な副賞付き賞を2件ゲット。「病院システムエンジニア職の紹介イベント」を行ったり、Twitter「オホーツクール(@okhotskool)」に取材されたりしたのもその頃。

 2019年3月卒の卒研生5名は、VRの生体ストレス、3Dモデリング、サイクリスト向けナビ・アプリ、Android間通信でVR歩行アプリ、咀嚼解析アプリで健康調査等の研究を行いました。最近の卒研生・院生は、保健管理センターの奥村貴史先生のぼやき「こんな課題を解決したいんだよなあ。」を聞いてあげて「わかった。解決してあげる。」と取り組んでいます。北見市にオフィスを作ったジモティー、アマゾン・ウエブサービス・ジャパンをはじめ、OBOGのいない会社に就職する場合が多いようです。期待しています。

(早川吉彦 記)

● テキスト情報処理・インタラクション研究室

 こんにちは、6月の東京同窓会に参加された人は既にご存知と思いますが、規模が25人(うち半数が大学院生)に拡大した桝井・プタシンスキ研究室です。今年度の新メンバーとして、劉、酒井、津端、阿部、武尾、佐藤、岩泉、藤澤、松尾、齊藤、小林(4年)、カリファ(M1)が加わりました。さらに、短期留学生メンバーだったエロネン(D1)がフィンランドの修士課程を修了して研究室に戻ってきました!

 研究面では、ニエウヴァジニ(D2)がBICA2019という国際会議にて「もっとも革新的な研究賞」と「優秀研究賞」をダブル受賞、ノヴァコフスキ(D3)が情報処理学会自然言語処理研究会で「優秀賞」を受賞、そして情報処理学会より「山下記念研究賞」の受賞が決まりました。二人の研究成果は国際学術雑誌へ掲載されます。さらに、吉田は観光情報学会第16回全国大会にて「大会奨励賞」を受賞しました。加えて、荒田・柿山ペアは恒例のハッカソンin北見にて「大賞」を受賞しました。

 研究室のレイアウトをイメチェンしたおかげで、研究室もどんどん居心地良くなり、アットホームな雰囲気が広がりつつバリバリと研究を楽しんでいる研究室となっています。卒業生の皆さん、是非遊びに来てください。

(桝井文人 記)

●知識情報処理研究室

 令和元年度の前田研は、M1曹君、B4澤田君、恒成君、森田君、山田君の学生5名と助教の山内先生、技術員の奥山様と前田というメンバーです。

 院生、学部生、研究生の皆さんはマルコフ決定過程の各方面への応用、株式投資/株価予測に関する研究などを行っています。

 プライベートや出張でオホーツク方面にお越しの際には、ぜひ研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。

(前田康成 記)

●核科学情報工学研究室

 核科学情報工学研究室の升井です。この研究室を起ち上げて15年が過ぎました。今年度から新たに助教の馬場先生も加わり、3人体制となりました。近年は研究テーマを「学術情報データベースのオープンサイエンス化」と「数理的手法を用いた観光支援」という二本立ての方向性を明確に打ち出しており、原子核反応データベース研究開発センターや網走バスといった他機関との連携も進めています。サイエンスにおけるICT活用と、地方のくらし・観光にICTを活用する取り組みを行っています。

(升井洋志 記)

○光情報工学分野

 卒業生の皆さんお元気ですか?「光情報工学分野」は光学、光情報工学および画像処理に関連した研究を行ってきたメンバーが集まってできました。所属メンバーは、亀丸俊一教授、三浦則明教授、原田建治教授、桑村進助教、原田康浩准教授、曽根宏靖准教授、澁谷隆俊特任助教を加え、新たに改組後のコースから酒井大輔准教授が参加し、合計8名です。亀丸先生は、今年度いっぱいで定年退職となります。

 亀丸先生には、情報システム工学科の立ち上げ期から、20年以上に渡りご尽力いただきました。残念ながら、現在少し体調を崩されており、自宅療養されております。近いうちに元気に復帰し、定年退職後に第2の人生を謳歌していただけることを望んでおります。

 三浦研究室では、M2の板坂、小野、菊池、M1の馬屋原、鹿田、末武、4年の蘆田、佐賀野、坂本、本田、の総勢10名が三浦教授、桑村助教、澁谷助教の指導のもと、補償光学、天体画像処理、道路画像処理などの観測、実験、ゼミに励んでいます。

 原田建治研究室では、M2の桜井、柴田(雄)、佐々木(優)、M1の森、4年の小林、藤原、吉田、齋藤、柴田(涼)、佐々木(秀)の総勢10名がホログラム、偏光色、光学教材開発などの卒業研究や、セミナーに励んでいます。今年、屈斜路湖で観察される自然現象を題材にした研究を新たにスタートしました。特にM2の柴田(雄)は、昨年の国際会議でポスター賞を受賞するなど、輝かしい業績を残しています。

 原田康浩研究室は、M1の城、富永、学部4年の菊地、坂田、二瓶の合計5名の学生がディジタルホログラフィ、斜め写真視点補正処理、「斑点ぬれ雪」の生成消滅過程の解析、空港滑走路の積雪光モニターシステムの開発、玉ねぎ選果機の自動化・AI化などのテーマで、ゼミ、実験、データ解析、ソフトウェアの開発など、研究に励んでいます。

 曽根研究室では、M2の植田、小田、M1の高田、4年の今野、古屋、真砂、藤澤、馬場の総勢8名で構成されました。研究テーマは、空間光変調器を用いた光情報処理、太陽光採光システムを用いた太陽光励起レーザの開発、特殊ファイバを用いた広帯域光発生の数値解析、LCDパネルやLED照明を用いた可視光通信、光ファイバデバイスの作製などで、皆それぞれの研究に取り組んでいます。

 OB、OGの皆さん、北見へお越しの際には、研究室へぜひお立ち寄りください。焼肉の街北見の夜の繁華街で、お互いの近況報告で盛り上がりましょう!

(2019年10月 原田建治 記)

○情報数理科学分野

●情報数理研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。情報数理研究室の松田と申します。

 情報数理研究室は、現在5名の常勤教員により運営されています。非常勤の教員として、2016年3月に退官された今井正人先生がフーリエ解析等の講義を担当されています。また、IR(Institutional Research) 教員の中村文彦特任助教も、力学系という分野を専門とする数学者です。

 2018年度は、情報数理研究室から小林太宰君、竹内悠真君の2名が巣立って行きました。彼らは北海道大学大学院に進学し、数学の研究を続けています。2019年度は、平野文菜さん、松平遼君の2名が情報数理研究室に配属となりました。お二人とも、卒業研究発表に向けて頑張っています。

 今年度末、20年以上にわたり本研究室を支えてこられた、三波篤郎教授が退官されます。寂しいことではありますが、三波先生に後顧の憂いなく退官して頂けるよう、精進していかなければと思います。

(松田一徳 記)

△top


バイオ環境化学科

 同窓生の皆様、お元気にご活躍のことと思います。当学科・専攻は、実質的な中身は変わりませんが、昨年度からマテルアル工学科、同専攻と教員グループが一緒になって応用化学系となりました。三浦先生が今年3月(平成31年3月)に退職され、その後後任はいないので、教員数も以前と比べてだいぶ少なくなりました。そんな中で各教員はそれぞれの分野で仕事をしております。

 平成は災害が多かったとよく言われますが、令和になって最近は想定外のことが頻発しています。昨年は関西に台風21号が直撃し、大雨やら北海道胆振地震、ブラックアウトと続いたかと思ったら、今年は台風や低気圧による洪水、首里城の火災、そして極めつけはオリンピックの競歩、マラソン会場が札幌に変更、大学入試における英語民間試験の中止など、これまでまったく考えられなかったようなことが普通に起こるようになってしまいました。ラクビーワールドカップでの日本の活躍、吉野彰さんのノーベル化学賞受賞など日本人としてたいへん誇りに思える明るいニュースもありました。来年に向けては災害のない平和な日本になって欲しいと願わずにはいられません。

 昨年の平昌オリンピックではLS北見が銅メダルに輝き、当学科の卒業生も銅メダルメンバーでしたので北見工業大学も大いに盛り上がり、北見市も全国に知られるようになりました。今はだいぶ落ち着いて来て、モグモグタイムで食べていたお菓子も朝並べば買えるようになったとのことです。

 同窓生の皆様、卒業して北見から離れてしまうと、大学を訪ねる機会は少なくなってしまうかも知れません。観光でもご家族とでも北海道を旅行したり出張したりする機会がありましたら、ぜひ大学や研究室にも足をお運びください。同窓生の皆様にはご健康には十分に注意され益々のご活躍を祈念しています。

(バイオ環境化学専攻主任 吉田孝 記)

○環境分析化学研究室

 昨年度は学部生4名が卒業しました。うち3名は就職し、元気でご活躍と聞いております。修士課程に進学した1名は粘り強く研究に取り組み、M2になった留学生と共に、新4年生をリードしています。修士課程修了生は後期課程に進学し、日本学術振興会の特別研究員DC1に採用されました。月額20万円の給与に加え、年間約90万円の研究費を獲得しました。昨年の化学工学会環境部門最優秀発表賞に続き、環境化学会国際部門においては英国王立化学会RSC賞を受賞し、ストックホルムで開催されたEUROMAT2019では厳しい審査を通過し、大勢の聴衆を前に堂々と発表しました。経済的基盤を固めつつ、新たな分野に挑戦し、研究領域を拡げている姿は、経済的な理由から後期課程進学を躊躇う学生への大きな励みになっていると思われます。今年度のM2と4年生も全員内定を得、修士論文や卒業研究に取り組んでいます。今後の活躍を楽しみにしています。卒業生の皆様。お元気でご活躍のことと拝察しております。社会や産業界では様々な課題が山積しており、生き残りのためには現状を大きく変えざるを得なくなる場面が増えると推測されます。現状維持を望むか、新しいことに挑戦するかは個人の自由ですが、いろいろな方の生き方を拝見すると、若いうちに後者を経験することがその後の肥やしになっていると感じます。未来を創るのは現在の自分。どうかよりよい未来をお創りください。

(齋藤徹 記)

○精密有機資源化学研究室

 卒業生の皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。今年の5月26日に北見は38.1℃の最高気温を記録し、7月下旬から8月上旬にかけて11日間真夏日が続きました。今年の夏も全国各地で猛暑や豪雨がありましたが、皆さんがお住まいの地域はいかがだったでしょうか。

 3月に本学工業化学科出身の三浦宏一先生が退職され、後輩の私もあと1年余りとなりました。教育、研究、そして学務等に最後まで貢献できればと思っています。

 今年度の研究室は学部生4名(男子1名、女子3名)のみの構成です。今年も早々と全員の進路が決まり、3名が就職、1名が進学です。浜舘(平成28年博士修了)、金田一(平成29年修士修了)、金田(平成元年卒)、河村(平成16年修士修了)、和田(平成26年卒)、松田(平成27年卒)の各氏が研究室を訪れてくれました。昨年は実行できなかったのですが、9月に学生と日帰りで(屈斜路研修所が閉鎖されたので)オンネトー、摩周湖、硫黄山、屈斜路湖をドライブしてきました。その時の硫黄山のスナップ写真です。当日は台風の影響で真夏日の好天に恵まれ、楽しい思い出がまた増えました。

 北見にお寄りの際は、ぜひ研究室にお立ち寄りください。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(星雅之 記)

○生物化学研究室

 我々の研究室は、吉田孝教授、宮崎健輔助教、オヨンデルゲル研究員、バヤル研究員、博士後期課程2名、博士前期課程1名、学部4年過程7名とで日々研究に勤しんでおります。研究内容は、機能性(生理活性)多糖類の研究、伝統的発酵乳由来の抗菌ペプチドの研究、環境調和型プラスチック材料の開発、と多岐にわたるテーマを取り扱っています。同窓生の皆様で、上記の研究内容に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声をかけてください。

(宮崎健輔 記)

○生体分子化学研究室

 卒業生の皆様、お元気でしょうか。昨年は本原稿の締切りが少し早く、8月の終わり頃、「重大ニュースはありません」と書いた覚えがありますが、その数日後、北海道は大変なことになったのはご存知のことと思います。9月6日の夜中に震度7の地震があり、幸い北見はそれほど揺れませんんでしたが、目が覚めました。外を見ると、灯が一つもなく満天の星空が大変きれいでした。そこから3日間の大停電。もちろん、大学は閉鎖になりました。まだ暑い季節だったので、入浴がいちばん困りました。逆に、冬でなくて良かった。道内にお住いの方は、ご苦労をされたと思います。また、今年に入っても、全国各地で台風や洪水の被害が多発して、被害に遭われた方々には、お見舞い申し上げます。暗い話題ばかりではなく、研究は少しずつですが進展しており、NMRによるセルロースの分子量測定が叶いそうです。基礎を築いて下さった皆様に感謝しています。来年度から、新組織の4年生が入って来ます。

(服部和幸 記)

○無機物理化学研究室

 >スタッフ:岡﨑准教授。>学生:博士前期2年1名、1年2名、学部4年3名の総勢6名。女子率67%、食材をおいておくと美味しい料理に変わっています。就職は全員内定済。>大学祭はオープンキャンパスで参加し、新エネルギーについて説明。人が入れるシャボン玉、瞬間アイスは子供に大人気。>今年も「わくわく科学実験in紋別」や「北見科学の祭典」と同様に理科離れを食い止めるように活動。銀河の森天文台の実験教室では、終了後コテージに泊まり宴会をしました。>キャンプは深川のまあぶオートキャンプ場で実施。石窯で美味しいピザを作り満喫しました。>秋の触媒討論会は長崎大学。ハウステンボスや出島を満喫しました。>ホームページ公開中。リニューアルは思うように進まない。((http://www.chem.kitami-it.ac.jp/ipc/index.html))>岡﨑:De-NOx反応、メタン直接分解、廃プラスチック接触分解に研究を展開中。相変わらず会議で飛び回っています。また、オホーツクエネルギー環境教育研究会委員長として、網走管内小中高の先生と連携を模索中。>今年も多数のビール券ありがとうございました。卒業生のなんでも相談をいつでも受け付けます。0157-26-9420(岡崎)、FAX 0157-24-7719。zaki@catal.chem.kitami-it.ac.jpまでメールを。

(岡崎文保 記)

まあぶオートキャンプ場にて(9月10日)

○天然物有機化学研究室

 本研究室は今年度で4年目となり研究室としての雰囲気も少し落ち着いてきたように感じております。今年度のメンバーは筆者(霜鳥)と学部4年生4名の合計5名です。就職希望者は少し時間はかかったものの7月には内々定を頂いて現在は卒業研究に勤しんでおります。今年度は大学院進学者が2名おり今後の成長を益々期待するところです。研究活動は、“光学活性な3メチル-4-アルカノリドの合成と機能性評価”、“ハッカ蒸留残渣の有効活用方法の探索”、“ハッカ由来色素の抽出と活用”をテーマとして行っております。北見はハッカの町としても知られているので、本研究室の研究が少しでも地域に貢献できればと考えております。来年1月に開催される化学系学協会北海道支部2020年冬季研究発表会での発表ならびに卒論発表会を目標に日々研究活動を行っております。最後になりますが、卒業生の皆様の益々の御活躍、御発展をお祈り申し上げます。

(霜鳥慈岳 記)

○生物無機化学研究室

 日本中のいたる所で自然が猛威をふるっておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。2019年度のメンバーは、4年生の数が減少していることもあり、菅野の他に、M2 1名、4年生3名の総勢5名と、例年より少人数です。“無機材料の機能を活用する”という大テーマのもと、アパタイト、ホタテ貝殻(炭酸カルシウム)、無機層状化合物を用いた抗がん剤やタンパク質の吸着・徐放材料や環境浄化材料の開発に関する研究を行っています。ただし、今年度はホタテ貝殻の希望者がなく、全員が薬剤の吸脱着挙動関連のテーマです。学会活動に関しては、9月に札幌においてアジア太平洋化学工学会議が開催され、院生が英語によるショートプレゼンテーション及びポスター発表を行いました。また2020年1月には、第29回化学工学粉体工学研究発表会(苫小牧)、3月には、進学予定の4年生とともに、化学工学会第85年会(関西大学)に参加予定です。

 最後になりましたが、皆様の益々のご健勝を祈念しております。機会がございましたら、研究室に是非足をお運びください。

(菅野亨 記)

○食品栄養化学研究室

 今年度の学生の構成は、学部4年生4名(神谷有希奈、小林竜也、定池雅司、森岡楊貴)、博士前期課程1年1名(山本凌太)、博士前期課程2年2名(東狐吏音、QIU SHIMAN)、博士後期課程2年1名(ANUU ZORIG)です。修士2年1名、学部4年2名が民間企業への就職、2名が大学院進学予定です。現在、ハッカ、チコリ、エキナセアなどのアレルギー抑制作用、抗炎症作用、アンチエージング作用に関する研究を培養細胞を用いた実験により進めています。引き続き同窓会の皆様の御指導・御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(新井博文 記)

○環境有機化学研究室

 卒業生の皆様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。

 今年度の環境有機化学研究室は、兼清准教授と学生5名から構成されています。最近は、特定の分子を認識して形状を変化させる“刺激応答性ゲル”の研究に力を入れており、見た目で寿命が分かる環境浄化剤や、形状変化に基いて物質濃度を測定できるセンサーなど、新たな展開を図っているところです。これまで行ってきた色調変化型センサーについても、身近な製品としての実用化を目指すべく、産学官の連携を進めています。

 今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(兼清泰正 記)

○食品科学研究室

 同窓生の皆様には、お元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。当研究室では、本年3月に学部生2名と修士学生2名が卒業し、4名とも民間企業に就職しました。今年度は、修士2年1名、今年度から新しく開設されたユニバーサルコース修士1年1名(研究室のOB)、4年生4名(1名はマネジメント工学コース)の6名の学生が在籍しております。就職希望の大学院生1名と4年生1名は民間企業に内定しており、4年生2名は本学修士課程に進学が決まっています。

 研究は、赴任以来手掛けているシイタケの分子育種として、独自に開発したRNAiベクターを用いたラッカーゼ遺伝子等の発現抑制とその解析を行なっています。また、5年ほど前から、農産物のきのこ発酵とその抗酸化活性やポリフェノール量の変動を解析する研究にも取組んでいます。皆様のご活躍とご健康をお祈り申し上げますとともに、今後のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

(佐藤利次 記)

○バイオプロセス工学研究室

 同窓生の皆様、お元気でご活躍のことと思います。

 春にはバイオプロセス工学研究室から、3名(修士3名)が社会に巣立っていきました。それぞれの新天地で活躍されていることと思います。在学生進路については、就職希望の学生(学士5名,修士4名)は就職先が内定しており、大学院博士前期課程進学予定は1名となっております。4月から地元の環境ダイゼン株式会社に就職した加藤くんが社会人ドクターコースの学生としても活動しています。

 2019年10月からは生物化学工学研究室(吉田研)に在籍していた植物生理学が専門の本間雄二朗助教のグループ(教員1名,博士前期課程1年1名,学部生3名)と合流し、教員2名、非常勤スタッフ1名、博士後期課程2名、博士前期課程7名、学部6名の計18名のグループとなっております。微生物のみならず植物関連の研究も推進しています。

 研究成果として、修士課程を修了した渡辺一樹さんの研究成果がBioresource Technology誌1)、M1の立花成我さんの研究成果がJournal of Bioscience and Biotechnology誌2)に原著論文として収録されました。7月に台湾で開催されたThe 14th Asian Congress on Biotechnology (ACB2019)にて、博士後期課程の森本一輝さんがYoung Competition Awardsで3位の好成績で表彰されました(写真)。9月に開催された生物工学会(岡山)では4件の口頭発表、札幌で開催されたAsian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE2019,札幌)では、8件のポスター発表を行いました。M1の浅野雅史さんは10月に三重県で開催されたAsian Mycological Congress (AMC2019)で口頭発表者に選ばれ、単身学会参加し発表をしてきました。これから卒業研究や修士の研究発表会に向かって、学生の益々の飛躍を期待しているところです。

 また、学術研究を進めながら、様々な分野のカウンターパートと共同研究も同時に進めております。微生物や植物を中心とした関連分野での研究の裾野が広がってきています。

 自立した技術者の育成をモットーに、学生、スタッフ一同、教育研究活動に邁進しております。今後とも、卒業生の皆様のご支援・ご高配いただければ幸いです。最後になりましたが、卒業生の皆様のご健康と益々のご健勝をお祈りいたします。

1) Watanabe K., Tachibana S., Konishi M. (2019) Modeling growth and fermentation inhibition during bioethanol production using component profiles obtained by performing comprehensive targeted and non-targeted analysis. Bioresour. Technol. 281, 260-268.

2) Tachibana S., Watanabe K., Konishi M. (2019) Estimating effects of yeast extract compositions on Escherihia coli growth by a metabolomics approach. J. Biosci. Bioeng. 128, 468-474.

(小西正朗 記)

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マテリアル工学科

 卒業生の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。マテリアル工学専攻の近況をお知らせいたします。

 昨年11月より、陽川憲先生がマテリアル系教員グループに加わっております。これまで北見工業大学にはなかった生物学が専門で、新たな風を吹き込んでくれそうです。

 現在、マテリアル工学科最後の学生が卒業研究に励んでおります。教員グループも大きく変わり、マテリアル系教員グループの先生方の多くは、「応用化学系」になりました。「社会環境系」「機械電子系」になった教員もおります。来年度は、開学60周年の節目を迎えますが、改組後の新しい学生を迎え、それぞれの研究室の環境は大きく変化しそうです。

 機会がございましたら、母校を訪ね、恩師との旧交を深め、皆様の近況も知らせて下さい。最後になりますが、卒業生の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念致しております。

(マテリアル工学専攻主任 村田美樹 記)

○電子材料研究室I

 卒業生の皆様、お元気ですか。本年度の電子材料研究室Iのメンバーは、阿部先生と金のスタッフと学部4年生7名、大学院薄士前期課程7名(M2・6名、M1・1名)と薄士後期課程1名です。

 主な研究テーマは、水酸化薄膜を用いたエレクトロクロミック素子の研究とナノ構造体を用いたエネルギーストレージデバイスの性能向上に関する研究に取り組んでおります。

 今年も応用物理学会を含めて多数の学会(TACT、台湾、薄膜の作製と特性評価に関する国際会議)で学生の参加も積極的に指導しています。特に、薄士後期課程のChung君は、6月の国際学会(ISSP,スパッタとプラズマに関する学会)での発表で、Best Poster Awardを受賞しました。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄り下さい。今後のご支援・ご指導を宜しくお願い申し上げます。

(金敬鎬 記)

○電子材料研究室 (2研)

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度の電子研(2研)は、4年生5名が新たに配属、また修士課程も8名(M2・4名、M1・4名)となり、学生居室はずいぶんと賑やかな毎日になっています。主な研究テーマは以前より引き続き、川村先生は主に高安定銀薄膜の光学特性に関する研究、私木場は金属ナノ構造や誘電体多層膜を利用した有機EL素子の開発に取り組んでいます。配属された4年生のうち4名が大学院に進学の予定です。

 今年も9月の応用物理学会@札幌を始め、今年は修士8名全員が11月に台湾で開催のTACT2019 (薄膜関連の国際会議)にて発表する予定など、積極的に研究・指導を進めています。研究だけでなくバーベキュー等、イベントを通じた息抜きも欠かしておりません。

 卒業生の皆さんもお忙しいとは思いますが、北見近くにお越しの機会がありましたら是非お気軽に研究室にお立ち寄り下さい。皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。

(木場隆之 記)

○高分子材料研究室・高分子化学研究室

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。

 高分子材料研究室(渡邉研)はM2・1人、B4・4人で、企業への就職希望の学生は無事に内定を得られ、進学希望の学生は進学に向けて勉強中です。研究は修士論文と卒業論文に向けて原君を中心に芳香族ポリイミド微粒子やスチレンの異形粒子を作成する研究を行っております。

 高分子化学研究室(浪越研)はM2・3人、M1・3人、B4・4人で学部生は全員本学での進学が決まっており、M2の学生も無事に就職先が決定しました。実験の方は制御カチオン重合、ポリフェニルアセチレンの合成、高分子を使った農業支援に関する研究を行っています。今年度からB4の学生は2テーマを同時進行で取り組み、高分子討論会などで発表を頑張っていました。

 卒業生の皆様、近くにお越しの機会がありましたら、是非お立ち寄り下さい。皆様の益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 HP:http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/watanabe/

(浪越毅 記)

○分子変換化学研究室

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 研究室のメンバーは院生6名(D2、D1・各1名、M2・3名、M1・2名)、学部生4名の計11名となっており、学部生のうち3名が進学予定、1名が就職希望となっています。

 村田先生、小針先生、そして今年度より新設された植物班の陽川先生と蔭西さんの指導の下、実験や講義と忙しくも充実した毎日を過ごしております。研究室は前年度にも増して活気のあるものになっています。

 実験のテーマは、遷移金属触媒および有機分子触媒を用いた有機合成反応の開発、地域に密接なハッカや甘草の成分抽出・分析を行なっています。さらに今年度より新しく植物の形態や生理現象について研究を行っています。また学会への参加や論文の投稿などによる研究発表も積極的に行なっています。

 行事につきましては、新歓や学会の打ち上げなどで先生方や学生間の交流を深めました。また講演会になどに参加し、地域に対する知識も深めることができました。例年通り、twitterやfacebookなどのSNSにて研究室内の日々の出来事を更新していきたいと思いますので、ぜひご覧になってください。

 研究室のホームページにて論文投稿、学会発表など研究の情報を随時更新しております。下記のURLからアクセスできますので、ぜひご覧ください。

 最後に、卒業生の皆様もお忙しいとは思いますが、近くにお越しの際は是非とも研究室にお立ち寄りいただけると嬉しく思います。益々のご健康と御活躍を心よりお祈り申し上げます。

URL

 HP →http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~watanabe/shoukai.htm/toppu.html

 twitter →@muratalab

 facebook →@muratalaboratory

(村田美樹 記)

○機能材料分析研究室I

 今年3月学部修了の中島君が(株)日鉄住金パイプライン&エンジニアリングへ就職し、関東での新しい生活をスタートさせました。

 令和元年度は社会人ドクターの工藤君、M2の齋藤君、谷さん、M1の飯村君、納所君、林君、学部4年の岩本君、佐藤君、田部井さん、山口君、行平君の11人が大腸菌と人工細胞膜、圃場の肥料分析に取り組んでいます。

 今年度も全員が進路を決めることができました。 齋藤君は(株)アドヴィックス、谷さんが(株)明電舎、佐藤君は千葉県警、田部井さんは(株)蓬莱、山口君はJA全農山形、行平君は工藤設計事務所(株)にそれぞれ就職内定、岩本君は北海道大大学院へ進学します。

 今年1月の北海道化学系学協会2019年冬季研究発表会には谷さん、飯村君が発表し、谷さんは見事優秀講演賞を受賞しました。7月に苫小牧高専で開催された日本化学会北海道支部2019年夏季研究発表会には納所君が、9月に千葉大学で開催された日本分析化学会第68年会は齋藤君、谷さん、納所君が参加しました。台風19号の被害の直後ということもあり、倒木や停電という状況を目の当たりにしながら、無事に発表を終えました。千葉ということもあり、昨年卒業した近藤君、田中君と会え、元気に頑張っている様子を聞けたことは喜びです。みんな活発に頑張っています。

 卒業生の皆さんも体には気をつけて頑張ってください。

 卒業した先輩たちの様子は後輩たちにも大きな励みになります。近況報告をお待ちしています。

(宇都正幸 記)

○機能材料分析研究室II

 皆さまお元気にご活躍のこととお喜び申し上げます。

 研究室の大学院生は、今年も皆さまの期待に添う頼もしい存在ですよ。摩周湖調査ではM2和田さんが、バイカル湖調査ではM1平川君とM1安川君が、しっかりと役割を担いました。

 B4のアンさん、大西君、合田君、戸邉君は大学院試験、安田君は就職試験を無事に乗り越えていよいよ本格的に卒論研究です。摩周湖調査では戸邉君、ガリンコ号・おしょろ丸実習ではアンさん、大西君、合田君、戸邉君が活躍しました。

 道東自治体との共同研究は、今年も波岡さんにお世話になり研究室学生とともに進めています。

 昨年着任された木田先生は本格的に研究を開始しました。専門分野が少しずつ異なる我々スタッフ3名と学生は、力を合わせて確実に研究を推進しています。

 今年も何名もの方が顔を見せてくれました。活躍されている姿はとても頼もしいです。多くの方々から差し入れをいただき、研究室全員で喜びいっぱいです。

 皆さまの益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

(南尚嗣 記)

○レーザー材料研究室

 卒業生の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

 本研究室は昨年、名称をレーザー材料研究室に変更し、新しい透光性レーザーセラミック材料を中心に開発しております。最新の成果としましては、新しい異方性レーザーセラミックスとして、平均粒径がわずか140nmでありながら、緻密で透明な六方晶系の透光性セラミックスを開発し、そのレーザー発振を実証しました。結晶方位がランダムな異方性セラミックスのレーザー発振は世界初であり、今後の進展が期待できます。

 今年の研究室のメンバーは院生4名(M2:2名、M1:2名)と学部生4名の計8名です。M2(小池・川原)は企業の内定を得ました。M1(今井、田中)は9月の学会発表、1月のレーザー学会の準備を行っています。学部生は、4名とも就職となっており、学会発表や卒業研究を頑張っています。

 今年の4月に研究室のホームページを立ち上げました。皆さんが発表した学会報告等も記録に残しておりますので、ぜひ一度、検索してみてください。また、北見に立ち寄られることがありましたら、ぜひ研究室にもお立ち寄りください。お待ちしています。

(古瀬裕章 記)

○無機物質工学研究室

 本年度の無機物質工学研究室は、松田教授、平井助教のスタッフ2名、大学院生1名、学部生5名の計8名で頑張っています。スタッフの近況ですが、松田教授は現在も精力的に研究活動を続けておられ、大阪市立大学で3月に開催された触媒討論会に参加されました。私平井も、現地委員として運営に参加した材料科学の日韓合同シンポジウム(8月、定山渓)を盛況のうちに無事開催でき、また7月に名古屋大学で開催された日英二国間交流のための日本学術振興会の国際シンポジウム協会では酸素発生触媒に関する招待講演を行いました。大学院生は8月の日韓合同シンポジウムにおいて、英語で堂々とディスカッションを行い、ベストポスター賞を受賞しました(写真参照)。また、本年度の学部生は5名中2名の大学院への進学が決まっており、大学院生と3名の学部生も素材・機械系の会社などに就職が順調に決まっております。

 卒業生の皆様もお忙しいとは存じますが、是非研究室にお立ち寄りください。また、ご住所や勤務地に変更がございましたら、メールで御連絡下さい。

E-mail: hirai@mail.kitami-it.ac.jp

(平井慈人 記)

○無機材料研究室

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしですか。本年度の無機材料研究室は、大学院生6名、学部生4名と計10名で活動をしています。今年度も複数の企業と共同研究を継続しており、大野も学生と共に忙しい日々を送っています。最近では、地元企業との共同研究案件が事業化し、新たな工場建設も決定したため、NHK及び新聞各社から報道されました。さらにこれまで実施してきた粒子に関連する研究テーマが大幅に発展し、全固体型リチウムイオン二次電池や金属空気電池開発の研究が始まり、今年度から国立台湾大学との共同研究を実施しています。

 学生の近況ですが、今年度の学部生は全員大学院に進学する予定となっており(1名、北海道大学大学院に進学します)、卒業研究テーマについてそれぞれ日々勤しんでおります。修士課程の学生も修士2年生は早々と就職先も確定し、修士1年生と共に、国際会議での発表など、研究活動を活発に行っています。

 卒業生の皆さんも忙しいとは思いますが、機会がありましたら是非研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。また、皆さんの住所や勤務地等変更がありましたら、メールで結構ですので、ご連絡頂けると幸いです。

E-mail: ohno@mail.kitami-it.ac.jp

(大野智也 記)

研究室の全メンバー

○医療材料研究室

 卒業生の皆さん、元気に頑張っていますか。本年度の医療材料研究室(旧機器分析センター)には博士課程が2名、修士課程が8名、学部4年生が5名も在籍していて、所属学生がこれまでの最大人数になってしまっていました。15名の所属学生たちを大津一人で指導するのははかなり厳しいのですが、技術職員の山根さんや白川さんのサポートと、博士課程や修士課程の学生たちのリーダーシップに助けられながら実験研究を頑張っており、本年度はあれこれ新しい研究成果が生まれています。みんなの頑張りに支えられながら今年は博士及び修士2年の学生たちとドイツ国際会議への遠征もおこないました。初ヨーロッパの連中ばかりでみんな刺激を受けていたようでしたよ。

 またここ最近、卒業生たちから「結婚」の便りをぼちぼち聞くようになりました。7月にも卒業式の結婚式に呼ばれ、研究室同期の連中とみんなでお祝いすることができました。教え子の幸せになる姿を見れてとっても嬉しかったです。もし北見に来ることがあれば是非とも連絡をくださいね。東京や札幌でまたOB会も開催する予定です。都合がつくならば是非、元気な姿を見せに来てください。

 研究室の近況はホームページ(http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/~ohtsu/)やTwitterにて公開しています。良かったら見てみてください。

(大津直史 記)

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各専攻共通

 「自然体が一番」

 各専攻共通主任の伊関です。

 皆さんは勉強(英語・数学など)、スポーツ(サークル活動)、趣味の活動(ギターの演奏など)、その他いろいろな場面で自分に磨きをかけてきたでしょうか?その際に大切なのは、「自然体が一番」だということです。これは一時的な欲求・感情ということではありません。「今日は何もする気分ではないので、何もしないのが自然体」ではないということです。例えば、自分が本当に理系の勉強が好きならば、“自分の内なる声に忠実に”ということが「自然体で行く」ということの真意です。従って、自己実現の欲求に基づいて、多少辛くても本来やるべきことだと考えていることを実行するのが自然体です。このような考え方は、社会人になってもそのまま当てはまることです。

 「天才とは99パーセントの発汗であり、残りの1パーセントが霊感である」とはエジソンの言葉ですが、天才に限らず我々が事を成すには、99パーセントの努力が不可欠であり、それなくしては1パーセントのひらめきも起こりようがありません。つまり、基本に忠実に、日頃の努力が何よりも大切だということです。普段、何も努力しないで、ある日突然何かがひらめくということは、超能力の世界を除いてはありえないことだと思います。

 どんな分野においても、プラス発想で、基本に忠実に、日々の努力を怠らずに精進していけば、乗り越えられないハードルはないと信じています。その過程で得た自信の積み重ねが、成功の原動力であることは間違いありません。

 「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、何事も初めはいやいやであっても、「楽しいな!」と自分に言い聞かせることによって、次第に「楽しい」が自分にとっての自然体になるかもしれません。本来、将来は希望に満ちているものです。これからのみなさんのご活躍を心より祈念しております。

(専攻主任 伊関敏之 記)

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マネジメント工学コース

○各学科共通マネジメント工学コース

 学科改組による「地域マネジメント工学コース」も名称変更から3年が経ち、来年4月には、卒業研究である「地域マネジメント工学プロジェクト」が始動します。新カリキュラムでは学生は2年次後期からコースに配属となり、地域マネジメント工学コースの学生はこれまでより半年も早く専門コースで学べる体制となり、卒業生の皆さんより半年長くマネジメントについて学んでいます。「地域マネジメント工学コース」を主担当とする先生方は、今年4月に国際交流センター長の許斐ナタリー先生が九州大学へ転出され、伊藤先生、内島先生、于先生そして有田の4人です。地域マネジメント工学コースでは新しく立ち上がった科目も多いことから、コース会議等を通じカリキュラムの充実に向けて精力的に取り組んでいます。

 今年度は「マネジメント工学コース」として最後の学生を送り出すことになります。現在、4年生8人がマネジメント工学プロジェクト(卒業研究)に取り組んでいます。マネジメント工学プロジェクト担当する教員は25人居りますが、そのうち今年度は、富山和也教員(1人)、佐藤利次教員(1人)、原田建治教員(1人)升井洋志教員(1名)、そして社会連携推進センターの産学官連携価値創造研究室(CVR研)(4人)です。11月11日にはマネジメント工学プロジェクト(卒業研究)の中間報告会が行われました。4年生は、学生生活も残り半年を切り2月の卒業論文発表会に向けて各研究室で更に研究を推進させることはもちろん、自分に磨きをかけるなど充実した日々を送っているようです。ここでは、マネジメント工学コースの4年生が配属されている研究室のうち、共通講座と社会連携推進センターの研究室便りをお届けします。各学科等の研究室については、それぞれ関連学科の研究室便りで近況をお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

(有田敏彦 記)

マネジメント工学コース交流会(2019年6月3日、社会連携推進センターにて)

○社会連携推進センター 産学官連携価値創造研究室(CVR)

 産学官連携価値創造研究室(以下、CVR研)卒業の皆さん、いかがおすごしですか。

 さて、今年、CVR研は有田研1人、内島研3人の計4人の4年生が配属されました。今年は4人全員が本州出身です。有田先生、内島は相変わらず、社会連携推進センターの活動の基盤である産学官連携を通じた北見工業大学の地域振興、社会貢献に係る活動を進めるほか、「地域マネジメント工学コース」の充実に向け奮闘しています。これまで以上に居室を不在にする時間が多くなり、4年生には不自由をかけてしまっています。そのような中で、学生たちは小学校での科学教室の企画・実施や、置戸町の伝統ある夏祭り「人間ばんば」への参加、地域マネジメント工学コースの教員と学生との交流会の企画・実行を率先して進め、マネジメント能力を発揮してくれています。そして、卒業研究であるマネジメント工学プロジェクトにおいてもマネジメント工学コース最後の学生として意欲的に取り組んでいます。11月には、マネジメント工学プロジェクトの中間報告会が開催されました。中間報告会は学生たちへのよい刺激の場となり、現在は2月の卒論発表会に向け意を新たにし研究に没頭しています。今年度も地域活性化、広報、教育などのバラエティに富んだテーマに取り組んでいます。

 CVR研を卒業した皆さんの活躍は後輩たちにとって励みとなります。ぜひ北見に来る機会がありましたら一報ください。懐かしい顔に会えることを楽しみにしてお待ちしています。

(内島典子 記)

置戸町「人間ばんば」出走(2019年7月7日)

○経済経営研究室

 卒業生の皆さん、お元気ですか。

 当研究室は、最近、わが国のプライマリケアにおけるCS調査や医療モールの全国実態調査を実施したことに加えて、医工連携分野の共同研究に参加し、地域医療情報ネットワークシステムの政策評価並びに技術評価、薬剤耐性対策研究などに取り組んでいました。さらには、オホーツクを対象とした地域経済研究にも着手しています。また、教育面では、地域国際系担当の先生方と共同で、地域マネジメント工学コースの必修科目「地域マネジメント総合工学II」を開発し、地域分析、地域経済構造分析、計量分析などの学習を強化することで、地域の問題解決やマネジメント力の向上に資する教育研究内容の充実化を図りました。

 卒業生の皆様もお忙しいとは存じますが、機会がございましたら、是非、当研究室にお立ち寄りください。お待ちしております。

(伊藤敦 記)

○共通講座 山田研究室

(旧)マネジメント工学コース・山田研究室卒業生のみなさん、お元気ですか。こちらは本年度も所属学生はおらず、いつもどおりです。関心のむくまま、好き勝手にあれやこれやと勉強している中、このところは19世紀のアメリカ哲学を中核の研究対象としているのですが、最近は特にその時代背景的なこと、南北戦争や膨張主義、「金ぴか時代」のアメリカ的価値観、要するに弱肉強食や強欲さ、冒険心やマッチョさなど、この時代特有の「男らしさ」の価値観が、同時代の哲学思想にどう反映されているのか、批判的に乗り越えられようとしているのか、あるいは自覚的に受容されようとしているのか、そのあたりを跡づけていこうと、戦争映画や西部劇なんかも漁りつつ、模索しているところです。新コース(地域マネジメント工学コース)は来年度で4年生まで行き渡ることになりますが、私は新コースの4年生担当を外れているので、今後新たに学生が配属されることはありません(もっとも旧コースの学生が残っている間は、当面「待機」のようですが)。研究室は何も変わらず、今後も変わりそうにありませんが、また気が向いたら遊びに来てください。

(山田健二 記)

○共通講座 春木研究室

 ボブ・ディランとメーテルランク――「地域」にありて思ふもの

 ことしも「地域」による「地域」のための講演を二つ。

 一つは北見北斗高校三年生に、「「いたみ」を感じろ――だいじょうぶだよ、ママ。ちょっと血が出てるだけだから」。ボブ・ディランが1965年に歌ったIt’s All Right, Ma(I’m Only Bleeding)は、いわば戦後アメリカがかかえた病の処方せんだった。「生きる理念」などおおよそ持ちあわせない若者たちは、「世界」に感じていたはずの違和感を「なかったこと」にして、親やスポンサーを満足させることに奔走している。さいごには、ギロチンにかけられてなお「だいじょうぶだよ、ママ」とつぶやくという、ほとんど滑稽とも言える惨状をディランは描き出す。

 しかし、半世紀前のアメリカというこの歌の原風景が、いまの日本の情景と重なるとすれば、笑えない。人材派遣会社の手駒になるなと警告しつつも、「社会」に、「地域」に貢献する「人材」たれと謳う「教育者」たち。そのキャンペインのさなかでともかくも定職を得ることが、とりあえず親を安心させることが、「やりたかったこと」なのか。おのれの「生きる目的」を、あるいは「夢」を、いまここで語れるひとはいますか――と演台から呼びかけたが、だれの手も挙がらなかった。――あなたがたはみんな、ゾンビです。くやしかったら、生きてみろ――そう託してぼくは演台を降りた。

 はたして講演後、若い聴き手が続々と研究室を訪れてくれた。まさに「いたみ」を感じたからだと言う。かのじょら(かれら)が異口同音に吐露するのは、「ここ(北の大地)」に囲おうとする親の呪いと、いつのまにかそれに甘んじてしまっている自身への嘆きである。かのじょらは、かつていたみを感じていた。夢を否定されたいたみを。しかし、モルヒネを打つようにみずからを麻痺させていき、「いたみ」を「なかったこと」にした。ただかのじょらは、さいごの感受性をふりしぼって「いたみ」を快復させ、ゾンビ化の淵からみずからを救い出した。それはぼくにとってもまた、救いだった。

 「いたみ」とは、「他者」によって「自分」が傷つけられ、破壊されることをひき受ける感性、ひいては破壊を再生へと転化するための感性だ。だからモルヒネの内実とは、他者経験を排除し、同質性に安らうことである。しかしそうやって「痛み」を回避し続ければ、「自分」はかえって「傷み」、ときに腐ってしまう。そんな「いたみ」への不感症と実存の腐敗の温床の一つが、「地元」への癒着(あるいは回帰)志向ではないか。こうした危惧に寄りそってくれるのが、「デラシネ(根なし草)」の生きかたを掲げ続ける五木寛之だ。

 その著書にヒントを得つつ、転じて北見ことぶき大学では60歳以上の聴き手を迎えて一席。「「青い鳥」はなぜ「青い」か――欲望、絶望、そして希望」というタイトルで。日本での初演から100年を迎えた戯曲『青い鳥』。そのメッセージは、しあわせは身近にあるということだ、というのはしばしばある誤解である。なぜならそのラスト・シーンが物語るように、しあわせは、家で飼いならそうとするやけっきょく逃げ去ってしまうからだ。「青い鳥」さがしの旅は、「光」とともに「見ること」を学ぶプロセスであり、その内実は、たえず、「こうではない」別の見えかたを探求することである。旅に終わりはなく、日常や現状に安住することなど、むしろもってのほかだとメーテルランクの筆は伝えようとしている。

 「人が一番しあわせなのは、笑ってるときじゃないのよ。」と、「光」は言う。しあわせをかみしめるとき、それはすでにしあわせではない。大事なのは、しあわせを感じることではなく、しあわせを生きることだから。青く見えるものはすでに青くなく、青く見えないものこそが青い。「青い」鳥はいつも、「青くない」ことへと飛びゆき、われわれはそれをただ、将来にまなざすほかない。

 すなわち「青い鳥」の本領は、ここにいながらにして、ここにいないことであり、ここにいないことによって、ここにいることである。同時にそれは、「地域」に対してぼくら自身がとるべき棲まいかたではないか。と、期せずして二人のノーベル賞受賞者を100年ごしにまたいだ旅の果てに、思う。

(春木有亮 記)

「ことぶき大学」講演より

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